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北海道大学恵迪寮訪問 & 士幌委員との初会議レポート
   

日本三大自治寮の1つとされている北海道大学の 恵迪寮 ( けいてきりょう ) に行ってきました。

場所はもちろん北海道大学の構内です。

札幌市の中心部、JR札幌駅の少し北側の広大な敷地を誇るキャンパスの中。
建物や木々を通り抜けた先にそれはあります。


   
   


日曜の大学は静けさに包まれ ・・・ と言いたいところでしたが、この日はちょうど北海道マラソンの開催日。
このキャンパスもコースの一部となっていたため、疾走するランナーと歓声を送る観客など多くの人出があり、とても盛り上がっていました。


   
   


北海道大学の恵迪寮と士幌町とは長年に渡っての交流があります。

士幌町内にはこの恵迪寮にある ” 士幌小屋チセ・フレップ運営特別委員会 ” (以下 ・ 士幌委員 ) と士幌町とが共同で運営管理している チセフレップ という山小屋があります。
この山小屋の運営管理を通じて始まった町と恵迪寮生との交流は、時代を重ねて長年続き、昨2018年には設立40周年を迎え、町内で記念式典も行なわれました。

士幌町内の小学生を対象としたサマーキャンプ ( 林間学校 ) も共同で開催されており、私自身も30数年前、小学生の時代にそんな行事に参加したこと、そして大学生のお兄さんお姉さんと交流し、一緒に山を登ったりキャンプファイヤーをしたり、満天の星を見上げたりしたことを今でもしっかりと覚えています。

他にも、寮生が町内の小中学生に勉強を教えてくれる学習サポートなど様々な機会に士幌を訪れるなどしており、山小屋もその度に宿舎や拠点として大いに利用されています。

更に士幌委員のメンバーは、町内で開催されている夏祭りや各種イベントにも積極的に参加してくれています。
若い彼らの活動や存在は、士幌町に既に欠かせない存在ともなっており、またそんな彼らに我々士幌町民も多いに元気をもらい、そして刺激を受けたりもしています。


一方、士幌町全体で考えると、彼ら士幌委員との直接的な交流は限定されているとも言えると思います。
何かの活動をする際、町側の担当者との交渉や様々な準備などは当然あるのでしょうが、一般町民からするとせっかくこうして長年士幌町を訪れてくれ、そして士幌町を愛してくれている彼らと、イベントで顔を見る以外に直接交流をする機会はほとんど無かったと言っても過言ではないと思います。

改めて考えてみるとこれはお互いにとって本当にもったいないことでもあると思いますし、士幌町に対してこれだけ貢献してくれている彼らに対しては感謝の気持ちと同時に申し訳の無い思いすらしてしまいます。


それはジャガイモンプロジェクトにも同時に言えることで、つい最近まではそんな彼らとの直接的交流はほぼありませんでした。

いつかはいつかはと心のどこかで思いつつ、ただ時間が過ぎていくのを感じるばかりでした。


そんな中、今から数ヶ月前にこの関係に変化が生じる出来事がありました。
” ありました ” というよりも、” こちらからアクションを起こした ” という表現がより正確かも知れません。

ジャガイモンのツイッターで、「 恵迪寮のみなさんと色々とコラボしてみたい 」 という発信を何度か意識的にしたところ、これがやがて寮内でも話題になり始めたとのことで、実際に直接的に士幌委員の1人から連絡を受け、過日開催したジャガイモンプロジェクトの主催イベントにも参加いただくこととなりました。


2019年6月23日主催 ジャガイモンプロジェクト交流会 一緒にランチ2019夏 のレポートはコチラから


イベント後には寮内の新聞でジャガイモンプロジェクトを紹介いただくなどもし、少しずつではありますが、まずは小さなことから直接的な交流をスタート。

更にこの後もお互いに連絡を取り合う中で、一度こちらと士幌委員のメンバーとで直接会って話し合いを持ちたいということとなり、これが今回の恵迪寮訪問へと繋がっています。


   


今の時代、SNSなどを利用して離れていも簡単に連絡を取り合うことの可能な時代でもあり、またネット会議のようなこともすぐにできる環境は十分に整っていますが、それでもやはり直接目の前で顔を合わせ、同じ空気を感じながら話し合いを行なうというのは大切なことだと思っています。

その中にはインターネットを使っての会議や話し合いでは得られないものもあると感じますし、こういうアナログなことも大事にしていきたいと思っています。

また、私個人として恵迪寮を見てみたい! という気持ちもずっとあり、それを実現するにもいい機会でした。

それはただの興味だけではなく、これから何かを一緒に実現していこうという相手がどういう環境にあるのかを知っておきたいという思いもありましたし、そういうことも様々な物事をすり合わせたりしていく中で必要になってくるのではないかと思っています。





訪問当日。

北海道大学正門前で、以前のイベントに参加してくれた士幌委員の方と待ち合わせ ( とは言っても正門の場所を完全に勘違いしていたため、結果遅刻しました。ごめんなさい。) 、北海道マラソンの盛り上がりを横目に恵迪寮まで案内してもらいました。

大きな建物の並ぶ通りを曲がり、木々の間を抜けていくと陸上競技やアーチェリーなどに汗を流す学生達が目に飛び込んできました。
歩いて進む私達の周りを自転車に乗って通過していく学生の姿や、どこからともなく聞こえる笑い声。

空気が一気に大学っぽくなるのを感じましたし、私にはそんな全てが新鮮でもありました。
寮の建物が目に入ってくる前から、そういう意味で心が躍るのを感じました。


   
   


恵迪寮。

あれは確かNHKの番組だったと思いますが、数年前に密着番組で紹介されていたのを観た記憶があります。

お世辞にも綺麗な施設とは言えず、建物にしっかりと歴史の刻み込まれた、一種独特な場所だという印象を持っていました。


実際にその建物の前に立ち、そして足を踏み入れた瞬間のあの感動は、私自身にとってはなかなか無いものだったと思います。
「 すごいすごい! 」 と私が言っていると、それに対して、「 どのあたりがてすか? 」 と質問が返ってくるのですが、そのたびに、「 全部が! どこも! 」 としか言いようがありませんでした。

もうここを見慣れてしまった彼らにとっては改めての感動のようなものはなかなか無いでしょうし、そういうのは何事にも言えることだと思います。
ですが私にとってはある種の憧れの場所に来たような、そんなドキドキ感すらありました。

寮に足を踏み入れ、すぐに事務室に通していただきましたが、その道すがらも全てが新鮮であり、今まで他では見たことの無いような光景が広がっています。
うまく言葉で表現することができませんが、とにかく ” すごい ” んです!


   


着席してからはまず士幌委員の中で今回出席してくれた6人の方々と挨拶を交わし、そして会議がスタートしました。

ジャガイモンプロジェクトの様々な活動の中で、こうしてまた新しい出会いに恵まれることは本当に大きな財産です。
全てが御縁であり、これこそジャガイモプロジェクトがもっとも大切にしているものです。

今回の話し合いの中で彼らにも、「 新しい発想を生むには自分と全く違う人と出会うこと、組むことも大事 」 と伝えたと思いますが、私自身にとってもそれは言えることで、ここでの士幌委員の彼らとの出会い、そしてこの御縁は本当に貴重なものです。


事前にちゃんと司会役が設定されていたことも、会議を進めるにあたってしっかりとレジュメが用意されていたことも、いかにも学生らしくてこれもまた新鮮でした。
改めて思い起こしてみると、ジャガイモンプロジェクトで参加する様々な会議の中でもなかなかこういう形態のものは無かったのではないかと思います。

否定する意味ではなく、これだけですら本当に良い経験でした。


   


会議の中ではお互いの組織の紹介の始まり、これからのコラボレーションの話や、他にも様々な話し合いを持ちました。

その具体的な内容に関してはここでは大きく割愛しますが、彼らのそれぞれの想いも直接聞くことができましたし、私を挟んだことによって彼ら同士の中でも学年や経験の差を乗り越えて意見の交換ができたのではないかと思っています。

彼らがジャガイモンプロジェクトと一緒にやりたいことを聞くことも出来ましたし、こちら側から士幌委員に対して思うことも色々と伝えました。


何かをやりたいというアイデアが出た時、それを、「 むずかしい 」 「 それはどうだろう 」 と否定してしまうことは簡単です。
ですが、それより先にまずはそのアイデアを実現するためにはどうすればいいのかと模索することは本当に大切だと思います。

誰かのアイデアに対して全員で色々と考えてみること、何かを試してみることで、結果的に実際に最初に思い描いていたものと形が変わっていってしまったとしても、そこに至るまでのプロセスは間違いなく自分達の財産になると思いますし、その過程で何らかの失敗ややり直しがあったとしても、それすらも経験という意味では大きな財産になるるはずです。

何事も一瞬の判断だけに任せるのではなく、時に一歩立ち止まって改めて考えてみるということは大切です。
そんなことを彼らに伝えながら、私自身も改めて自分の心に語りかけていました。


ジャガイモンプロジェクトは普段、基本的には私1人で全てを考え、そして行動に移しているため、どうしても発想が偏りがちにもなり、発想の広がりの限界もあると思います。
そんなところに持ち込まれた今回の士幌委員の彼らの新鮮なアイデアは大きな刺激にもなり、そして固まりかけていた頭の中身を柔らかくしてくれたとも感じました。

私自身も、彼らからもらった提案を一旦飲みこみ、そしてそれをどう進めることによって実現できるか、具体化できそうかということをしっかりと考えてみたいと思います。


ジャガイモンプロジェクト側から見ても、ここから始まる何かは私1人で進めていくものではないはずです。
当然彼らのライフスタイルや様々なものにも配慮し、そして寄り添いながら進めていかなければならないと思います。
そういう観点からも今回の訪問にはしっかりとした意味があったと思います。

とにかく色々な意味で有意義な、そして刺激的な、本当にワクワクする会議であり、そして経験でした。

恵迪寮、そして彼らのことをより詳しく知るためにも色々と資料もいただいてきました。


   


会議後は寮内を案内していただきました。

寮生がイベントを行なったり、日曜日にみんなで食事をする共用棟。
複数人数で利用している寝室や勉強部屋。
他にもキッチン、リビングなど、普段の生活の空間を色々と見せていただきました。

廊下も、天井も、張り出されている掲示物さえも、壁に書き込まれている文字すらも、何から何までが本当にすごかった!
紙製のスクリーンも、最初の頃とはまるで違うであろう色になった畳も、その全てが私にとっては新鮮でした。

そしてそんな中には違いなく彼らの普段の生活があり、そして長年の歴史がある。
ちょっとした大人の社会見学でしたし、まさにここは歴史遺産そのものでした。


あちらこちらで老朽化も進んでいる建物ではあります。
ですが、この視覚的なものも、そして中の様々な文化や日々の空気感も、全てがこの先も長く残っていってほしいものだと心から感じました。

また、ここに住んでいる彼らも、この一種独特な共同生活を本当に楽しんでいるのだと、この短い時間の中でも大いにその想いを受け取ることができました。

恵迪寮。
そういう部分まで含めて本当に素敵な場所でした。


   
   


実際に今回、寮内での彼らの暮らしやその環境を見ることができ、肌で直接感じられただけでもここに来た甲斐があったと思います。
やはり、何かを一緒にやろうとするからにはより相手のことを知っているべきだと思いますし、それを少しでも垣間見ることができたのは今後に間違いなく生きてくると思います。

私が学生生活を終えた頃にはまだこの世に生まれてもいなかった彼らの今の生活を知るのは大切なことだと思います。

何事も思い込みや決め付けで動いてしまうと、そこにはいつか歪みが生まれ、それは少しずつ大きな溝となってしまう場合もあると思います。

だからこそ今回の訪問には、ただ直接話し合えた、意見を交換できたという以上に、より一層に大きな意味があったと感じています。



「 初心忘るべからず 」 という言葉をよく聞きます。

これから彼らと何かを進めていくにあたり、この日に受けた様々な感動や刺激を忘れることのないようにしたいと思います。
それはこの日をある意味での始点とする ” 初心 ” 。

そして、彼らの存在自体も私側から見ると、人生経験や年齢という意味でも ” 初心 ” の方向に位置すると思います。
これもまた私にとっては、 ” 忘れてはならない初心 ” なんだと思います。

これから始まる彼らとの ” なにか ” に対しても、しっかり ” 初心 ” を忘れずに挑んでいきたいと思いますし、それ以外のどんなことでも、やはり常に新鮮な気持ちで挑んでいかなければならないと、彼らに出会えたことで改めて心から感じることができました。


出会いに感謝、御縁に感謝。
そして、40年以上前にチセフレップの山小屋を作ってくれた諸先輩方にも、改めて感謝です。


   


   



2019年8月30日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康



 
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