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   アリスインプロジェクトin札幌 シアタートークショー   
   

 【 日程 】  2017(土)
 【 場所 】  演劇専用小劇場 BLOCH(ブロック) (札幌市中央区北3条東5丁目 岩佐ビル1F) 
昼の部

  12:30   開場 & 物販開始
  13:30   上映 & コメンタリートーク  (110分)
  15:20   交流会  (30分)
  15:50   交流会終了
            終演後、個人物販 (一部キャストのみ)

   参加キャスト
       吉本ほのか、塚本奈緒美、横山奈央、岩杉夏、小西麻里菜、ちーしゃみん、市山黎
       長南舞、亀代詩穂、鈴木花穂、小林香織、櫛引あやめ、廣瀬詩映莉、久保田れな
       谷口郁美、旭、尾崎綺澄、藤原千尋、田中優奈、脇田唯
   司会
       納谷真大(ELEVEN NINE) 、カジタシノブ(tab)


夜の部

  17:00   開場 & 物販開始
  18:00   上映 & コメンタリートーク  (110分)
  19:50   交流会  (30分)
  20:20   交流会終了
            終演後、個人物販 (一部キャストのみ)

   参加キャスト
       吉本ほのか、塚本奈緒美、横山奈央、岩杉夏、小西麻里菜、ちーしゃみん、市山黎
       長南舞、亀代詩穂、鈴木花穂、廣瀬詩映莉、久保田れな、駒野遥香、谷口郁美
       旭、牛乳寒天なつみん、尾崎綺澄、羽美、西森妃奈、菊地紗弥佳、橘美羽
   司会
       納谷真大(ELEVEN NINE) 、カジタシノブ(tab)




アリスインプロジェクト のこの2年の札幌公演は、いずれも盛況を得て無事に終えることができました。


2016年5月4日〜8日、アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO
2017年5月17日〜21日、みちこのみたせかい


過去2作品のジャガイモンプロジェクトレポート

    


ジャガイモンプロジェクト は、2016年は主に取材者として。
2017年はタレントプロダクションとして、更には現場スタッフとしても公演に深く携わらせていただきました。

アリスインプロジェクト さん とは2013年に初めてお仕事をさせていただいて以来、毎年継続して様々なイベントなどでご一緒させていただくなどしています。
(詳細は各レポートで紹介しています)



そんな中で、今年の公演が終了した直後から次に向けた計画が動き始めました。

それがこの、アリスインプロジェクトin札幌 シアタートークショー です。


アリスインプロジェクト さん の東京の本体、2作品の演出を手掛けた 納谷真大 さん が代表を務め、公演全体を主導してくださった イレブンナイン さん 、そして ジャガイモンプロジェクト の3者で企画からここまで様々話し合いを重ね、今回のイベントを打ち出しました。

全く初の試みとなった今回のイベントを、企画主催者側のスタッフ目線でレポートします。




7月8日

朝。
今回の会場となる 演劇専用小劇場 BLOCH に、10:00 前には現場入りしました。

ここ連日の真夏を感じさせる暑さが朝からジリジリとこちらに襲い掛かってくる陽気が、会場の中と外との温度差はとても激しいものにしていました。


   


10:00 を過ぎた頃には他のスタッフが続々と到着。

今回はそれほど多くの準備が朝からバタバタとあるわけではありませんが、それでも実際に開場、そして開演するまでにはやっておかなければならないことがたくさんあります。
やはりどんなことでも事前の準備とシミュレーションは大切です。


   


しばらくすると昼の部に出演のキャストの子達も次第に集まってきます。

朝からとても元気な人、笑顔いっぱいで会場入りしてくる人、まだちょっと眠そうな人、お疲れ気味な人 ・・・。
そこは人それぞれですが、それでも共通点として、みんな朝からキラキラしています。

そのあたりはさすがタレントさんだなと、いつも感心もし、それぞれが素敵だなとも感じます。



昼の部 の開場は 12:30 。
まだ時間に余裕はありましたが、会場の中では確実に準備が進んでいきます。

ある程度の時間になったところで昼の部の出演キャストがステージ上に全員集められ、トークショーでの座席の割振りや諸注意のお知らせ。
更にはイベント全体の流れなどについても確認をします。

私自身もこのような時には運営スタッフと共に客席側に座わっていますが、改めてステージの上にズラッと並ぶ彼女達の姿は壮観な景色でもありました。
また、去年のキャストと今年のキャストが入り混じって1つのステージの上にいる光景は、この2年の公演に深く携わった者としては非常に感慨深いものでもありました。

ステージの上でスタッフからの説明を真剣に聞く彼女達の表情は、あの大変だった稽古や公演本番直前の頃のようでもあり、一方でそうではない解放感やリラックスムードも感じられます。

緊張感に包まれ、重圧に押しつぶされそうになりながらのぞむあの時とは違い、今日は思いっきりリラックスして、ある意味では何でもありの場所です。

また今回のイベントは、久しぶりに顔を合わせるメンバー同士の同窓会的なものでもあり、それは同時にお客様にとってもそうなんだと思います。

更にはそういう意味では我々スタッフにとっても、キャストの子達に対しても、そしてお客様に対しても同窓会のような雰囲気もあり、ここで再会できること自体も嬉しいですし、ここから新しく生まれる何かもあるのではないかと期待する部分でもあります。


このようなイベント。
正直なところ、スタッフとしてはイベント当日に限って見てみても、大変な部分もあったり色々と苦労することもあったりします。

一方である意味ではそれ以上に自分達自身にとっても楽しい空間であり、楽しめる空間でもあり、そしてワクワクするものでもあります。

やはり、お客様に楽しいイベントだと思っていただくためには、当然のようにキャスト自身も楽しまなければならないと思いますし、スタッフからもそういうものが感じられれば、その場所自体が初めからそういう雰囲気になっていくと思います。

楽しい雰囲気を自分達に無理矢理作るということはしませんが、無理のないところでそういう雰囲気が出ていれば、それは誰にとっても最高なんだとも思います。

今回のイベントは、どこを見てもどこを切り取っても、そんな雰囲気に溢れるものだったと思います。



12:30 には開場時間を迎えます。
この時間を前に、外には20人以上の方がすでにいらっしゃっていました。

中には私が以前より知っている方も多数いらっしゃり、そんなみなさんとこの時間を使って交流をさせていただけるのもありがたいことですし、こういう場所でいただける意見やアイデアも本当に参考になったりもします。

また、初めてお会いする方とお話をさせていただけるのもまた嬉しいことですし、そんなみなさんからは今回のイベントに対する期待感やワクワク感が伝わってきます。

外の炎天下で、日陰に入っても凄く暑い中、規定の時間までお待ちいただくことは心苦しい部分でもありましたが、こんな状況の中でも早々とお越しいただき、そして待っていただけている姿には、本当に改めてありがたさを感じ、感謝の気持ちでいっぱいになります。


開場直前、外のみなさんに整理番号順に並んでいただき、開場を迎える準備をします。

今回、システム上の都合から当初はチケットに記載すると発表していた整理番号が発給できませんでした。
しかもチケット販売開始直後、この事態を運営側の我々は誰も把握できておらず、一歩間違えば大混乱を招くところでした。

ですが、このチケット販売開始直後、私がこれまでの様々なイベントの中で以前より存じ上げている方が、整理番号がチケットに印字されていないということをすぐに直接私に連絡していただけました。

これにより、運営側ですぐに話し合いを持ち、この事態に対する解決策を見い出すことができ、改めて情報の発信をすることができました。
運営側として、本当に助かりましたし本当にありがたい連絡でもありました。


   


私がこのような1つのイベントに対し、1人の参加者としてチケットを購入したとすると、そこに入っているはずの整理番号が入っていないと、途端に不安になるはずです。

整理番号というのはその番号が小さければ小さいほど早く入場することができ、必然的に自分が希望する席に座ることも出来ます。
だからこそ、チケット販売開始直後にインターネットから手続きをし、そして購入するのです。

それなのに、そこにあるはずの番号が無かったとすると、これは自分だけが番号を貰えなかったのか、それとも他の人も同じなのか、その状況が掴めません。

そうなると次に考えるのは、どこかに連絡をしてこの事態を確認するという行動に出ると思います。
が、ここでイベント運営などの連絡先がはっきりとしていないと、これは本当に困ってしまいます。

こんな状況の中、今回連絡をいち早くくださった方は、私に対して連絡をいただけました。

これまでの様々なイベントや機会を通じて、色々と話をしたり交流をさせていただく中で、直接ご連絡いただけるネットワークがあるというのは、こちら側から何かを伝えたい時にも有効だと思いますし、今回のような場合にもとても有効に働くものだと、改めて感じました。


また、このご連絡をいただいた直後にも他の方からも同様のご連絡を受けました。

イベント自体を考えると、参加いただける方に対してたとえ一瞬であったとしてもこのような不安を与えてしまうのは全く望ましいことではありません。
ましてやわざわざ連絡しなければわからないような事態を招いてしまうというのは本当にダメなことだと思います。

これは間違いなく運営側にとっての反省点でもあり、改善点でもあります。


しかし一方で、私は不謹慎ながらちょっと嬉しくもありました。
それは、このように何かがあった時、私に直接ご連絡をしていだけたということに対してです。

私は普段の活動から、自分が運営側だから、自分がスタッフ側だからということで、参加いただけるお客様との間に壁を作ってしまうのが好きではありません。
その場での自分の役割として最低限こなさなければならないことはしっかりとやっていきますが、それ以外の部分では極力みなさんと近い存在でありたい、近い位置にいたいと思っています。

実際、他のイベントなどでは1人の参加者としてみなさんと全く同じ立場でイベントに参加させていただくこともありますし、そんな場所で一緒になる方もたくさんいらっしゃいます。

時に同じ立場で一緒に楽しみ、一緒に笑い一緒に興奮し、そして盛り上がる。
そんな状況から見えてくるものもたくさんありますし、実際にその場所に立つからこそその立場での気持ちもわかるのではないかと思っています。

スタッフの側にしか立ったことのない人にはやはりお客様の本当の気持ちは見えてこないと思います。
こんな時にどんなことを望んでいるのか、どんなことが喜ばれるのか、どんなことに困っているのか、どういう情報を欲しているのか ・・・。

こういうものは、頭の中でのただの想像ではなく、実際に自分で経験してみないとわからないことがたくさんあると思います。

だからこそ、みなさんと同じ立場に立った時に聞くことのできるたくさんの話や、一緒に経験することというのは、”百聞は一見にしかず” という諺以上に自分に対しても財産となっていくものですし、本当に次に繋がっていきますし、実際にこれまでも繋がってきました。


また、お客様の側から見ても、スタッフの中に何かを伝えやすい人、話しかけやすい人、時に文句を言いやすい人がいた方が良いのではないかとも思います。

私が参加者としてこの場にいるとしたら、やはり自分の気持ちを分かってもらえる人、言うことを理解してくれる人、伝えたことをすぐに行動に移してくれる人がいるのはとても助かりますし、嬉しいです。

だからこそ私は極力その位置にいようといつも心掛けてもいます。


運営側のスタッフも現場ではそれぞれの立場があり役割があり、やらなければならないことがあります。
当然それぞれの考えもあることですから、私の考えや動きと違うからと言ってこれを批判したり間違っているということは一切思いません。

ですが、私自身は以前も今もこの考えと立場を貫くことで、これまでにも本当にたくさん得るものがありましたし、だからこその今があるとも思っています。
大きな組織に属さないからこそより容易に動ける部分なのかもしれませんが、その部分はこれからも大切にしていきたいと思っています。




また、開場前に実はもう1つ、ちょっとした出来事がありました。

今回のイベントのタイムスケジュールは、公式サイトによると下記のようになっていました。




おそらくこれだと、12:30 に会場に入って席に着け、同時に物販がスタートすると、多くの人が想像するのではないかと思います。
実際私もそう思っていましたし、何ら疑問の余地のない部分でしたので、事前の打ち合わせでもそれついての再確認はしませんでした。

開場前、外でお客様に整列いただいた際、「開場が物販開始と同時なので、まずはご自身の席を確保してから物販に行ってもいいのでは?」 というお話をさせていただいたのですが、開場時間ギリギリになってそこにスタッフ側での伝達ミス、考えの相違があることが発覚。

この ”開場” というのはあくまでも ”会場が開く” という意味で、入れるのは物販を行なう受付の場所まで。
ステージ前の客席への入場は 13:00 だと、他のスタッフに言われたのです。

正直、えっ!? と疑問を感じたのですが、慌てて改めて外でお客様にその時間の相違を説明。
みなさん穏やかに聞き入れてくださり、特に何ら混乱なく済んだのでひと安心ではありましたが、ようやく入場できると思っていたところ、直前になって、「 あと30分待って 」 と言われたら、状況によってはクレーム事案にもなってしまうと思いますし、いい気持ちはしないと思います。

ですが今回はお客様がスタッフ側の意思疎通の出来ていなかった部分を飲み込んでいただき、そういう意味でも本当にありがたくもあり、助かりました。
本当に申し訳ない気持ちと共に感謝もしなければなりません。


あとでスタッフ側で話したのですが、この部分はスタッフ側で普段どのようなイベントに接しているかで大きく考えが違うということが分かりました。

今回のイベントの直接の運営スタッフは、私以外は普段から演劇畑でお仕事をされている方ばかり。
イレブンナイン さん の役者さんを中心に、普段からその関連の公演で動いている方ばかりです。

一方で私は、アリスイン公演やその他でも演劇のお仕事に携わらせていただくこともありますが、やはりアイドル関連のイベントで動くことの方が圧倒的に多い状態。

そんな両者の間での、”開場” という単語に対する定義が違っていたのです。


やはり普段違う畑で動いている方とは、いつも以上に綿密な打ち合わせや再確認が必要だということを再認識しました。

自分が当たり前だと思うことでも世界が違えば当たり前でも常識でもなくなる。
そんなこと改めて考えてみればよくわかるはずなのに、運営側での確認が足りていませんでした。
本当に反省です。


ひとまず、この時間は 物販 のスタートのみとなりましたが、非常にたくさんのご利用をいただき、特に舞台写真集CDに関しては早々に完売しまうのではないかと思えるほどの勢いで無くなっていきました。
本当にありがたい限りです。


   


13:00 、今度は本当に客席まで入場いただける時間です。
直前には改めて外で整列していただき、順に入場していただきます。

そんな様子を見ていると、みなさんのワクワクした気持ちが手に取るように伝わってきました。


   


ステージの上には20脚の椅子がV字に並べられ、奥にはスクリーンが設置されています。
客席にはお客様がズラッと並ばれ、開演を待たれています。

リラックスしたムードの中に興奮が感じられ、そしてちょっとした緊張感も伝わってきます。

我々スタッフにとっても、ここまで企画段階から打ち合わせに打ち合わせを重ね、準備を重ねて辿り着いたこの瞬間です。
これだけのお客様にご来場いただいたという嬉しさや喜びと共に、不安を越えてきた安堵感にも包まれる瞬間でもあります。


開演直前、私もお客様に混ざって客席に座らせていただきます。

さぁ、ようやく始まります!




13:00 。
今回の司会を務める、イレブンナインの代表であり、2作品の演出を務めた 納谷真大 さん 、イレプンナインのプロデューサーの カジタシノブ さん が登壇。

撮影・録音の不可の説明などののち、20名のキャストが登壇しました。
客席から改めて見るこの光景はなかなか豪華なものでした。

開場前にも朝の打ち合わせで、ステージでのほぼ同じ状態の光景を見ているはずなのですが、実際に客席にお客様が入って、イベント本番となると彼女達の輝きがやはり違っています。

そういう意味では本当にタレントさんなんだなと改めて感じると共に、その光景には感慨深いものと同時にちょっとした感動すら覚えました。



シアタートークショー。
まず前半は、”アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO” 。

こちらは事前に編集された約40分の映像と共にトークが進みます。

司会者からの話を起点に色々な話が進みましたが、油断すると全員で映像に見入ってしまい、誰も喋らない時間が続くことも。

司会者もキャストもこのようなイベントが全くの初めてで、なかなか勝手が分からずになんだかおかしな空気感になることもあったのですが、このようなイベントではそれもまた楽しいことの1つ。

演出をしていた納谷 さんだけが意外なことを知らなかったり、本人がこの日まで誰にも明かしていなかった驚きのエピソードがあったり、実は○○だったんですというような告白があったり。

全員で映像に見入る時と、話が盛り上がる時とを繰り返しながらトークショーが進みます。


この作品は、昨年の公演で多くの人の感動を呼び、そしてたくさんの涙を誘いました。

そんな中でも序盤の歌の場面。
舞台上の全員が横一列に並んでいるシーンを観ただけで私の心には今でも感動が押し寄せてきます。
実際今回もそのシーンの映像が流れると、会場が盛り上がりにつられて笑っている一方で、目からは自然と涙が。

やはりこの作品の映像はいまだに心に深く刺さりこみ、そしてあの時の感動が呼び起されます。

私としてのこの感動は、決して作品のストーリーだけではなく、北海道に初めて上陸したアリスインプロジェクトのガールズ演劇という世界で、この作品に出演していた彼女達がたくさんの努力を重ねている姿を観ていた知っていたということも少なからず影響しています。


終盤に向けて物語が進むにつれ、たくさんの人の涙を誘うシーンもどんどん押し寄せてきます。

もうここまで来ると、こちらも泣いたり笑ったりと大変です。


今回のシアタートークショー。
実は事前の打ち合わせでは、司会の納谷 さん が暴走気味にどんどん話を進めるところを カジタ さん が止めるというような打ち合わせになっていました。

ですが、始まってみるとその打ち合わせどうりにはなかなかうまく進みませんでした。
が、それでもトークショーとしてはとても盛り上がり、そこにいる誰もが満足のできるものだったのではないかとも思います。

本番の舞台の上でのことに限らず、稽古の時のエピソードや、ステージ裏では実は○○だったというような、観ている人には絶対にわからないような裏話 ・・・。

納谷 さん の突然の無茶ぶりをサラッと受け流す子や、発言に対してあっさりと反論する子がいるのは、それだけ稽古を通して本番までのあの期間で、納谷 さん とキャストの子達との間にしっかりとした信頼関係が構築されたからこそだとも思います。


当初はそれぞれの作品に対して、出演していたキャストのみが登壇し、出ていない作品に関しては降壇するという考えもありました。

ですが、キャスト自身の考えも尊重しつつ、自分が出ていない作品も一緒にステージ上で観てもらうこととしました。

これにより、納谷 さん が、あえて出ていない子に対して突然、「感想は?」 と質問をすることもありましたが、それをサラッとかわしていく彼女達にはまた大きな笑いも起きていました。

他の方が司会を務めたとしたらおそらくこうはならなかったことでしょう。
それだけにこの両者の関係性が面白くもおかしくもありました。


上映後には 納谷 さん の突然のアイデアで、主題歌を歌いながら久々に踊ってみようという試みも。

ここでも照れながら迷いを見せる子もいれば、音がかかった途端にその世界に飛び込んでくる子もいれば、出演していなかったはずなのに踊っている子もいる。
それは大爆笑の中にもあの時の感動を思い起こさせる光景でもあり、とても良いものでした。



40分間の ”アリスインデッドリースクール ・・・” 編に続いては、約70分間の映像にまとめられた ”みちこのみたせかい” 編が上映されます。

こちらのトークショーも引き続きとても盛り上がりました。

映像が、公演前日に急遽降板となってしまった 久保田れな さん が復帰した直後のものということもあり、映像の中からもそういう意味での緊張感も伝わってきつつ、誰かのちょっとした動きや話し方にツッコミが入り、本来の物語の流れでは全く笑えたりする場面ではないところでも爆笑の連続。

コメンタリートークという形を取ったからこそ、同じ作品を改めて別角度から楽しめる貴重な時間ともなりました。


こちらの上映も、この作品に出演していないキャストがそのまま登壇していたからこそ、そんな彼女達の目線での感想も聞くことができました。

また、どちらの作品に対してもそこへの出演が舞台初体験というキャストが多数おり、そんな彼女達の感想もそれぞれの個性が垣間見えて面白いものでした。



今回のイベントは運営側からは、今年の公演に出演したキャストには ”みちこのみたせかい” のTシャツを着るように。
そして去年の公演のみに出演したキャストには ”アリスインデッドリースクール オルタナティブ” のTシャツを着るようにとの指定していました。

が、それ以外は自由ということで、それぞれの着こなしをお客様側からも楽しむことが出来たのではないでしょうか。

舞台の時には、みなさんの前に登場するキャストは当然それぞれの舞台衣装を着ていますし、それぞれの個人の活動の時にもアイドルとしての衣装やそういう姿のことが多いと思います。

今回はTシャツ以外の部分は私服でしたし、それを含めたそれぞれのセンスや個性をを見ることが出来る貴重なものだったとも思います。


昼夜を通して振り返ってみると、舞台では元ソフトボール部のヤンキー少女の役だったのに、実は運動が苦手なおしとやかな女性だった。

台詞ではしっかりと話すのに、みんなの前だとYESかNOを首を振って意思表示するだけで、全然言葉が出て来ない子。

2作品のどちらが自分に近いかと聞かれ、「どちらも近くない」 と考えている子もいれば、普段の自分とそっくりだと答える子もいる。

色んな子がおり、色んな反応があり、色んな考え方があり、そして色んな感想がある。

キャストが一同に集まって色々な話に触れながらのトークショーだからこそ思い出す話もあれば、今だからこそ言っておきたいというようなこともある。

役を離れた今だからこそ素の自分に戻って色々と話せることもあれば、時間が経ったからこそ振り返って話せることもある。

とにかく笑いを誘い、興味をそそり、懐かしさに思いを馳せることのできる話ばかりでした。


私自身もこの2作品に対し、関係者として参加したからこそ観えていたこと、知っていたこともあり、そんな思い出や記憶とも相まって、改めての懐かしさと共に色々な感動があったりもしました。

お客様にとっても実際に観た舞台の裏話というのは、その作品を改めてより楽しむことのできるものになるとも思います。
また、各作品を直接観ることのできなかった方にとっても、興味を持って聞いていただける話が多かったと思います。

気が付くと、トークショーの予定時間を大きくオーバーしていました。
それだけ全ての人にとってとても楽しい時間だったということだったのではないでしょうか。



ここからは一旦キャストが降壇し、大急ぎでステージ上で 交流会 の準備を行ないます。

この交流会はステージの上が狭い上に時間の制限があるなど、ここでの運営側の対応が後手に出てしまうと大きな混乱を招きかねません。

列が長くなればそれが誰の列なのか後ろからわかりづらくもなると思います。
時間が無くなってくればバタバタもするかもしれません。

そんなこともあり、色々なことを事前に想定してこちらでも色々と準備だけはしておきました。

また、キャストの再登壇前にお客様に対し、交流会でのだいたいの流れや時間についても少し説明をさせていただきました。


   


数分後、改めてキャストが登壇し、交流会のスタートです。
こちらは、物販で2000円購入ごとに交流券1枚が渡され、この枚数にしたがって希望のキャスト1人と交流できるというものです。

始まった途端に長い列ができるキャストもいれば、列が途切れて一旦降壇したと思ったらまたすぐに呼び出されて戻ってくるようなキャストもいます。


大盛り上がりの中で約30分、あちらでもこちらでもたくさんの交流がされています。

ここでサインを貰うために、舞台の時に購入したブロマイドなどを持ってきている方。
キャスト側で用意したチェキを一緒に撮影されている方。
キャストに対してお土産を持参されている方 ・・・

色々な光景が広がっていましたが、どこを切り取っても笑顔が溢れ、誰もが楽しい雰囲気の中に浸っている、そんな交流会となりました。

公演が行われた当日にもこのような形の交流会はありましたが、本番直後のお互いに興奮が残る状態で話すことと、今回のように改めての機会に出てくる話というのはまた違ってくるとも思います。

そういう意味でもあの時とはまた違った楽しみ方もできたのではないかと思います。


また、事前にみなさんに対して、「1人1分程度」 とお伝えをさせていただいたこともあってか、ほとんどのお客様がある程度の時間で自主的に交流を終えていただけました。

私自身も周りをグルグルと歩き周ったりするなどして常にそんな様子を確認していましたが、ほぼ何ら問題も無く時間が進んだと思います。

本当に ”おかげさま” です。
ありがとうございます。



交流会終盤には 抽選会 も行ないました。

これは、事前の物販の際に、「3点お買い上げごとに抽選券1枚」 として告知させていただき、抽選で2名様に昼の部の出演キャスト全員のサイン入りの色紙が当たるという企画を設けさせていただきました。

通常サイズの4倍の大きさの色紙に20人分のサインが入っている様子は、見ているだけでもものすごく豪華。
自力でこれだけ集めるのはかなりの難易度であり、交流会などでそれをするとなると相当な費用もかかります。
とにかく相当なレアグッズです。


   


抽選の結果、お2人の方に無事に賞品が渡りましたが、実はこの色紙を入れる袋のようなものは一切用意していませんでした。
正直、これをそのまま抱えて帰るというのはちょっと恥ずかしい気もします。

ですが、そこまで含めてこのイベントのことを楽しかった記憶としてご自身にも残していただきたかったというのもありますし、だからこそSNSなどでこの様子を拡散していただきたかったという考えもあります。
だからこそ、あえて用意しませんでした。

今回残念ながら来場いただけなかった方に対しても、「こんな凄いものが当たったんだ」 「こんなことがあったんだ」 というのが届くようにという願いもありました。


   


実際、この昼の部で色紙が当選された方は、新幹線に乗って東京方面に戻られる間、何度となくツイッターにそんな様子をアップしてくださいました。
ありがとうございます。


   
(ご本人から掲載許可をいただきました)  


交流会に続いては、一部キャストによる 個人物販 が行なわれました。

こちらは今回のシアタートークショー全体のイベントからは独立したものという形を取らせていただいたため、各キャストからの直接の発信のみに任せ、運営側からの事前の公式な発信は行なっていません。

この部分、私がお客様側の立場になったことを想定すると、やはりちょっとわかりづらい部分があるのではないかという懸念がありました。
が、今回はイベント自体が初の試みということもあり、テストケースという意味合いもあってこの懸念を残したままとさせていただきました。

”一部キャスト” とは言っても、具体的に誰が出てきて誰が出て来ないのか、その場で質問をいただく分にはお応えをさせていただいていましたが、そんな事前の発信は公式には一切行っていませんでした。

この個人物販のあり方次第では、直前の交流会で手持ちの交流券の使い方も影響することが想定されますし、運営側としてはそのバランスが難しい部分でもありました。
このあたりは今後に向けての要検討課題だと思います。


この個人物販はここに至るまでの時間がかなり押していたこともあり、20分程度の時間を目安で行なわせていただきました。

イベント運営スタッフは直接的には関わらず、各キャストとそのスタッフでの対応とさせていただきましたが、こちらも非常に盛り上がっていたと思います。

個人のグッズだったり、これから出演予定の公演チケットだったりと、物販内容もそれぞれ。

終了10分前からお知らせを繰り返し、時間ピッタリで終了とさせていただきましたが、みなさん全く混乱も無く整然と終わることができました。

ここですでに 16:50 。
当初の予定時刻より30分ほど押して昼の部が終了しました。




続いて、17:00 からは、夜の部 の物販が始まります。

あと10分 ・・・ 個人的には休憩する時間が全くありませんでしたが、それでも不思議と疲れは全くありません。
運営側の者として、キャストのみんなやお客様のあれだけたくさんの笑顔や、楽しそうに喜ぶ姿を見ていると本当に疲れも吹き飛びます。

また、様々なタイミングで私に直接感想を伝えてくださる方も多く、そんなことも私の元気の源にもなりました。
本当にありがたいかぎりです。


一方でキャストの子達にとっては夜の部の登壇が 18:00 となっており、ちょっと休憩をすることも出来たようです。

ここで買い出しに出かける子、みんなと写真を撮るなどしながら楽しく過ごす子、睡眠をとる子、客席に座ってゆっくり過ごす子 ・・・
色んな子がいるのも見ていて楽しいものでしたし、彼女達のそれぞれの魅力をや個性を再発見できるものでもありました。

とにかく、まずはキャストの子達が休憩できれば、それで良し、ですね。



17:00 。
夜の部の物販開始直前に改めての整列のために会場の外に出ましたが、昼の部で既に購入済の方も多いということもあってか、比較的人の少ない状態でした。

これであれば整列していただくほどのことでも無いと判断し、物販開始の時間を待って自由に中に入っていただきました。

何事も最初に決められたルールに従って進めることだけが正しいとは限りません。
このあたりは状況を見つつ、臨機応変に進めさせていただきました。


ここでも順調に物販が進み、おかげさまで用意してあった舞台写真集CDもほぼ完売状態。
本当にありがたいかぎりです。


   


この頃、舞台では一旦キャストが集められ、夜の部に向けての打ち合わせなども行なわれました。

アリスインプロジェクトでは舞台本番の時もそうですし、このようなイベントでもそうですが、朝一番で全員が集められ、朝礼のような形で挨拶やお知らせがされるのではなく、1回1回に対して必ず全員が集められる時間があります。

今回は昼の部と夜の部とで一部キャストに変更があることもあって、これも当然のことではありますが、昼の部の様子も振り返りながら、では次はどうすべきか、どうしたいのかという再確認が行われます。

一部、出かけたまま帰ってきていない人や、学祭のためにイベント自体に遅れてくるキャストもいますが、ほぼ全員が揃って、後半戦に向けて気合を入れます。


   


17:30 には客席への入場が開始。
直前には昼の部同様に外に整理番号に従って並んでもらい、順に入場いただきます。

ここでもかなりわかりづらい整理番号をみなさんが自主的にお互いに確認し合っていただくなどし、全く混乱も無くみなさんに入場してもらうことができました。



18:00 。
夜の部の開演時間です。

こちらも昼の部と同様に、”アリスインデッドリースクール・・・” が40分、”みちこのみたせかい” が70分という割振りでトークが進みますが、昼と夜とでは使われた映像は違うものでした。

こちらの部でもまた昼とは違った話に花が咲き、とても盛り上がりました。

去年の公演が終わってまもなく東京に活動拠点を移した 小山百代 さん からの、「魂はここにいる」 というメッセージも、ちーしゃみん さん から伝えられました。

また、狙ってなのか偶然なのか、感想を聞かれて昼と全く同じことを発言したキャストもおり、それはそれでひとつのツッコミで楽しいものへと変わっていきました。


昼の部が終わってからお酒を飲んで酔っ払ったんじゃないかという勢いの子もいました。

自らの年齢を自虐ネタにしてその場を盛り上げる人もいました。

そんな中での2度目のダンスは1度目よりもグダグダというある意味の奇跡。


ここは、質問に意味を理解していなかったとしても、反応が薄くても、とんでもないことを言ったとしても、誰かの投げかけを無視しても、そんな全てが面白いものになる場所です。
何があってもお客様は優しい目で見守って下さる場所です。

全体で110分の予定のトークショーは、そんな楽しいことの連続。
やはり今回も30分程度時間をオーバーして終了しました。


トークショーの中で一部のキャストの体調がすぐれずに途中退席させていただくというハプニングもありましたが、彼女が数日前に病院で点滴を受けていたことなどを知っていた方も多かったようで、たくさんのご心配の声もいただきました。
本当に優しいお客様、ファンのみなさんで、こちらまで心が温かくなるようでした。



この後は昼の部と同様に、交流会抽選会個人物販 と進んでいきます。

今回の抽選会は、昼の部とはまた別の券を用意していたのですが、物販を利用される方が昼に集中したこともあって当選確率が一気に3倍。

2枚の色紙は共に近郊にお住まいの方の元に渡りました。


   
(ご本人から掲載許可をいただきました)  


個人物販を始める頃にはかなり時間が押してしまったこともあり、交流会の終了を待たずして同時進行的にスタートをさせていただきました。

ここもある程度私の判断での動きましたが、やはりこのあたりも臨機応変に対応をさせていただきました。



また、この交流会から個人物販に至るまでの時間帯。

私は、イベント全体を滞りなく回すことを最優先に考えながらも、合間をみて会場のたくさんの方とお話をさせていただいたり、お声がけをさせていただきながら過ごしていました。

このような楽しいイベントですから現場のスタッフとして、ピリピリとした緊張ムードを醸し出しながら動くのは、私自身は好みません。

やるべきことをしっかりこなした上では、スタッフ自身もお客様と交流させていただくというのは、イベント自体にとってもプラスかマイナスかと考えれば絶対的にプラスになると考えています。

スタッフ自身の振る舞いや対応で、そのイベントをより楽しく盛り上がるものにすることも出来ると思いますし、逆に印象の悪いものにしてしまうこともあると思います。

私が他のイベントに参加者として行った時、何かを伝えやすかったり、気にしてくれるスタッフがいる現場は過ごしやすくも好印象でもあると感じます。

であるならば自分がスタッフ側に回った時は、自分の信念に従って自分自身がそうすべきだといつも考えています。


今回の現場は、自分以外はこのようなイベントに不慣れなスタッフが多く、実際にイベント終了後には、「いつもと勝手が違ってとても疲れた」 という話も聞きました。
逆に私は普段と同じようなことが多く、そういう意味での疲れは感じませんでした。

であればスタッフの中の誰がお客様の前で先頭に立つべきか、行動に出るべきかとうのは必然的に見えてくるとも思います。




更に、今回のイベントでは、お客様が入場前に外にいるタイミングや、交流会から個人物販までの比較的自由度の高い時間帯は、ちょっと違う考えの元での動きもさせていただきました。

それは、イレブンナイン さん が8月に公演を行なう、「あっちこっち佐藤さん」 の広報です。

納谷 さん 自身も夜の部では自分の胸元にフライヤーを張り付け、公演のアピールをしていましたし、廣瀬詩映莉 さん も個人物販でチケットの販売を行ないました。


それに対して私自身は、その公演に出演するキャストのアピールをしました。
狙いは今回も私と共に整列などを手伝ってくれた、菊地颯平 クン です。

1つの公演に対して、「面白いよ」 「行かなきゃ損だよ」 と何度言われても、それか内部からの発信だけであれば、それはやはりたくさんの方には届いたとしてもそれがしっかりと想いとして伝わるかといえば、それは決してそうではないと思います。

その舞台がどんな内容でどんな物語なのか、どんな人が出演しているのか、具体的にどんな面白さがあるのか ・・・。
実際に行くかどうかを迷っている人にはたくさんの疑問があったりすると思います。


一方で、今回の会場には演劇に全く興味のない人はほぼいないと言っていいと思います。

元々は興味が無かったけれど、自分が応援しているタレントが出演するからこそアリスインの公演を観たという人もいると思います。
ですが、一度演劇の公演を観ていただければ、きっかけはなんだったとしても、きっと興味を持っていただけたり、楽しいと感じていただけるのではないかと思います。

その考えを前提とすれば、この会場にいる方は最初の壁はすでに乗り越えた人達と考えてもいいと思います。


どんな人が出ているのかというのも、観る人にとっては大事なポイントです。
やはり自分が知っている人が出ているものの方がより興味も湧き、その人に好感を持っているのであればより一層その興味も膨らむと思います。

そこで、菊地颯平 クン をお客様の前に押し出してのアピールをしました。

交流会に参加しているお客様が交流を終えて戻ってきたところで、「あっちこっち佐藤さん、ボクも出てます!」 と言いながら握手をしたり、一言言葉を交わすだけでも彼の存在をアピールできると思います。

本当に真面目で一生懸命な子ですから、彼の想いというのは言葉や眼差しを通して伝わる部分もあると思いますし、彼自身に興味を持っていただくことも公演に来ていただくきっかけの1つになるのではないかとも思います。

たとえどんな小さなことでも地味なことでも、やらずに後悔するよりはやった方が良い。
せっかく目の前にチャンスがあるなら、それを獲得すべく挑戦した方が良い。

そんな想いで私なりのちょっとした動きもさせていただきました。





今回、このトークショーの中でどんな話があったのか。
どんな初披露の話があり、どんなぶっちゃけ話があったのか。
誰もが驚いた話も、突然感動を誘ったあの話も、大爆笑だったあの話も、具体的にここにその内容を書くことはしません。

これは、実際に当日の会場にお集まりいただき、あの時間を共有したみなさんのものにしておきたいと思います。
ここまでこのレポートを読んでいただいた方にとっては、「教えてくれてもいいんじゃない?」 と思われてしまうかもしれませんが、私の立場からは今後も一切の具体例を書くことはしないと思います。

これは、立場的に ”書けない” のではなく、”書かない” のだと思っていただけると幸いです。


今回のイベントを企画し、そして実際に実現させた我々にとって、このトークショーはこの2年の集大成だとも、単発的なイベントだとも考えてはいません。

今回のイベントは、次の何かへと繋げていくためのものだと考えていますし、そうでなければならないものだという考えの元でこの企画自体が動き出しています。

現時点で具体的にこの先どうだとか来年どうだとかいう決まったものはまだありません。
当然まだ何か発表できるもの、発信できるものもありません。

ですが、みなさんきっと思っているはずです。
「来年もまたアリスインの公演が札幌であるのではないか」 と。

だからこそ、このイベントは去年、そして今年の公演から続く、1本の線の上に乗っているものであり、その線はここで終わりではないのです。


ここが一旦の区切り、このイベントがこの2年の集大成なのであれば、今回のトークショー自体を録画公開するなり、1つ1つの話を文字に起こしていく勢いでイベントでの出来事を詳らかにして、たくさんの方に知っていただくということもありだと思います。

ですが、私からは一切そのようなことはしませんし、運営側からも今後もそのような動きは無いと思います。

当然、参加いただいたお客様から発信されるものに関してはその一切を否定するものではなく、止めるものでもありません。
その1つ1つはそれぞれのみなさんの自由ですし、むしろそれも楽しくていいと思います。


これはあくまでもたとえ話ですが、来年も札幌でアリスインの公演が行なわれるのだとしたら、その時にはまたこのような形のトークショーがあるかもしれません。

そんな時にまたトークショーに参加いただいた方が、自分達だけのものを持てるように、そしてわざわざ参加して良かったと思っていただけるようにしなければならないとも思います。


また実際、今回のトークショーの全てを文字で起こして書き連ねたとしても、あの雰囲気や楽しさの全ては伝わらないと思います。
録音を公開してもそれは同じだと思います。

また、映像を公開することに対してはそこには低くない壁があります。


例えば公演本番の映像がDVD化されるというようなことになれば、それはまた話は別ですが、このようなイベントはやはりその場に来てくださる方、参加してくださる方に重点があるべきであり、最も優位性があるべきだと思います。




全く初の試みということもあり、「どんなイベントにすればいいのか」 「どんな内容を組んでいけばいいのか」 「どんな物販を用意すればいいのか」 「どんなことが喜ばれるのか」 ・・・
関係者の間では本当に色々と話し合いを重ねました。

それでもやはり、イベントが始まる前の時点ですでに、「もっとこうしたら良かった」 「ここはこうするべきだったのでは?」 「こんなのもあったらもっと良かったのに」 というのが、主催側、参加いただけるみなさん、ご都合により参加の叶わなかったみなさんも、それぞれにあったと思います。

事前の企画からの話し合いを進める中で、お互いの立場からの意見の相違点が出たりもしましたし、そんな中で決定事項としたことがお客様にとって本当にベストだったのかというのも、やってみなければわからない、実際に体験していただいてそこから漏れてくる感想を聞かなければわからないという部分も数多くありました。


企画主催側の我々にとっても、今回のイベントが100点満点の企画だったかと自問自答すれば、それは間違いなく100点ではありませんでした。

内容に関しても今回参加いただけたみなさんだけではなく、参加されなかった方からもこれからヒアリングを進めるなどして、もっと喜ばれるもの、もっと魅力を感じていただけるものを作っていくことができると思っています。

企画主催側でも更に協議を重ねてより良いものを作っていかなければなりませんし、もっと自分達でもアイデアを出し、たくさんの方の色々なご意見を吸収できる状態でなければならないと思っています。



物販に関しても、もっと中身の充実を図ることができたのではないかという反省点と共に、お客様にとって少しわかりづらい点があったとも思っています。

内容に関し、みちこのみたせかいの舞台写真集CDを、月・星の各組別で販売させていただきましたが、これがどちらがどちらかわかりづらいという指摘をイベント中に何人もの方から受けました。

CDケースの裏側を見ると、星組の方にだけ小さいシールが貼られていたのですが、これはあくまでも売る側の都合であり、買う側にとってはわかりづらいものでした。
ケースを開けると、盤面には月組・星組と書かれてこそいましたが、開けなければ判別できないのであれば、それは全く書いていないのとそれほど変わりません。

これは間違いなく改善点ですね。


   


また、準備期間や権利等の問題もあり、当初は構想の中に入っていたものの、実現できなかったグッズもありました。
結果として物販の種類を取り揃えることができず、少し寂しい感じになってしまったと思います。

次回があるとするならば、ここもしっかりと準備をし、喜んでいただける品揃えにすべきだと感じました。



イベントの開催に関しての情報発信も遅かったのではないかと感じています。

私個人の見解として、これまでの経験などから考えて北海道で開催されるアイドルイベントで、本州方面から遠征してこられるお客様が多く想定される場合、やはり発表は実際の開催よりも少なくとも1ヶ月以上前にすべきだと思っています。

これが近郊から来られるお客様ばかりだと想定できるのであれば1ヶ月を切った時点での発表であってもそれほど大きな問題にならないかもしれません。
ですが、やはり遠征するにあたって、飛行機に乗ってホテルを取ってという方が多いと考えられる場合には、少しでも安い料金でそれらが予約できることを見越して1ヶ月以上前に発表するのが運営側にとって出来ることであり、お客様にとって望ましいことだと思います。

また、仕事のお休みの希望を出すことも想定すると、やはり少しでも早い段階での発表が望まれると思います。


今回も関しても、発表が約3週間前だったこともあり、「もっと早く教えてくれれば」 「発表が遅すぎて休みが取れない」 「もっと早く教えて欲しかった」 という声が多数聞こえてきました。

誰のためのイベントなのかということを考えれば、やはりそれはお客様に喜んでいただくためのイベントだということが言えると思います。
であれば、そのお客様に対し、運営側で出来ることはなるべくしていくというのはいたって当然のことだと思います。

これについても次があるとするならば、本公演が終了する前の段階で、後日このようなアフターイベントがあることを、具体的な日程と併せてお知らせできることがベストだと思いますし、やはりそこは開催の1ヶ月以上前ということが必須条件だとも思います。

また、本公演、アフターイベント共にお仕事の休みを調整して来られる方がいるということを考えると、公演自体とアフターイベントの間も1ヶ月以上開けることが必要だと思います。




運営側が当たり前のことだと思っていても、それが全ての人にとって当たり前のことなのかと考えると、それは全てがそう言えることばかりではないと思います。

例えば、今回のイベントの会場となった ”BLOCH” ですが、この名前を初めて文字で見た方はこれが読めますか?
少なくとも私は読めませんでした。

以前、全く別の機会にこちらの会場で開催されるイベントに初めて行くとなった時、最初は ”BLOCH” という名前を文字の情報で得たのですが、インターネットで色々と調べてみたものの、これが何と読むのかなかなかわかりませんでした。

しばらくしてこれが ”ブロック” と読むのだということを知ったのですが、”BLOCH” = ”ブロック” というのは、それを初めから知っている人にとってであり、知らない人にとってはなかなかすぐに結びつかないと思います。
多くの人にとって全く当たり前のことではないとも思います。

今は私自身もこれが ”ブロック” と読むということを知っているため、ついついそれが当たり前だと思いがちになってしまうのですが、それでも情報発信をする際には少し気を付けるようにしています。

ツイッターは文字数制限があるために毎回振り仮名をつけることができないこともありますが、数回に1度は ”BLOCH(ブロック)” と書くようにしています。

こうしておけば、きっと私のように読み方がわかるまでにしばらくかかるという人は減ると思います。

せっかくイベントの案内をしているのに、会場の名前の読み方が分からないというのは、それだけでお互いに損しているとも思います。


   
   


また、この ”BLOCH” は、場所が少しわかりづらいと思っています。

これについても、私が初めてこの場所を訪れた際、事前に調べてなんとなくの場所はわかってはいつつも、不安を抱えたまま近くまで歩いてきました。
そしてビルの前までは来たものの、一度前を通り過ぎてしまい、キョロキョロしながらこの場所にようやく辿り着けたのを今でも覚えています。

これもやはり知っている人の当たり前を前提とした思い込みではいけないと感じます。

分かりづらい場所にあるのであれば、大きな通りに面した場所に案内の表示を出すなり、事前の情報発信でよりわかりやすい発信を心掛ける必要があると思います。

時間に余裕を持って会場に来られる方にとっては場所が分かりづらいというのは小さなリスクでしかないのかも知れませんが、ギリギリの時間で到着される方にとっては大きなリスクでもあり、大きな不安でもあると思います。


そこで私は今回のイベントに際してこんな動画を作り、ホームページの情報発信に合わせて公開していました。




決して出来のいいものとは言い難いですが、住所を辿ってビルの前まで来れば、あとはこの動画を参照いただければ会場の場所はお分かりいただけるのではないかと思います。

地図を出して、写真をたくさん出して ・・・ と、色々とやっていけばキリは無いですが、何もやらないよりはずっといいと思っています。

知っている人の当たり前は、全ての人にとっての当たり前ではないのです。





今回のイベントは終了しましたが、これらは間違いなく次の何かへと繋がっていくものだと思いますし、繋げていかなければならないものだとも思います。

このように書くと、「来年も札幌でアリスインプロジェクトがあるのって決まったの?」 と言われてしまうかもしれませんが、現時点では何も具体的に決まったものはありませんし、当然私から発信出来るようなこともありません。

ですが、このようなイベント、そしてみなさんからのご意見というのは、間違いなく来年のそれへと繋がっていくものだと思いますし、望む声が多ければきっと何かが動いていくのだとも思います。


そこで今回、このイベントに対してのアンケートを用意させていただきました。

イベントに参加いただけた方だけではなく、いただけなかった方からも様々なご意見・ご感想・ご希望・ご提案などをお寄せいただきたいと思っています。
ぜひよろしくお願いします。


アンケートはコチラから




このレポートの最後に、アリスインプロジェトクトとジャガイモンプロジェクトとの関係を少し紹介します。

アリスインプロジェクトの北海道上陸は昨年2016年だと思われている方が、この会場でも、この2年の公演を観られた方でも、それがほとんどだと思います。

ですか、それは間違いです。

アリスインプロジェクト北海道初上陸は、それよりずっと以前の2013年7月。
ジャガイモンプロジェクトの本拠地である士幌町で開催された、しほろっち夏祭り花火大会が初めての上陸です。

このイベントに、アリスインプロジェクトの運営するアイドルグループ・アリスインアリスを私が招致させていただいたのが、アリスインプロジェクトとの初めての出会いであり、北海道初上陸です。


2014年にはアリスインプロジェクト制作の映画が夕張の映画祭で公開され、2015年にはアリスインアリスが札幌でのイベントに参加するなど、実は昨年の舞台公演以前に、北海道ではすでにその活動を開始していたのです。

ジャガイモンプロジェクトとしてもその全てのイベントに関係者として随行するなどし、その親交を深める共に単発的であるようでいて、振り返ってみると継続的なものとしてその歩みを共に進めてきました。


これまで、ジャガイモンプロジェクトがこのアリスインプロジェクトの公演に無理矢理入り込んだ、という趣旨の噂話が何度か聞こえてきたこともありますが、そういう意味ではジャガイモンプロジェクトは入り込んだのではなく、むしろ最初からいたというのが正解です。

実際、昨年の公演を考えてみても、本番よりはるか1年以上前に私はすでに 納谷 さん とお会いしています。

その時点ではまだ北海道での開催すら正式に決まったものではありませんでしたし、当然キャストの1人すら決まってもいませんでした。

思い返せば、短い時間ではありましたが、アリスインプロジェクト、納谷 さん、そして私の3者で初めて顔を合わせてあの瞬間というのは、私自身にとっても、ジャガイモンプロジェクトにとっても運命のターニングポイントだったのだと、今改めて感じます。




更に、ここで今回のトークショーで触れられなかった部分での秘話をご紹介させていただきます。

この2作品は、いずれも北海道での公演より前に東京で同じ台本の元での公演が行なわれています。

同じ台本とはいえども演出家は違っており、それによって作品の大きな流れこそ変わらないものの、中の実際は大きく変わっているところも多数あり、”再演” と言えるものではないと思います。

しかし、衣装や小道具は基本的には同じものを使っており、昨年も今年も多数の衣装が東京から送られてきています。

そんな中でも衣装は、こちらに来てから一部を変更したり、キャスト自身が自ら用意したものを着用するということもありますが、元々準備されていたものは、全て東京で1人の衣装担当の方の手によって揃えられたものです。

実はその方、北海道出身です。

私も以前にアリスインプロジェクトとの活動の中でご一緒したことがあるのですが、本当に素敵な方で、札幌での公演ごとに、楽屋や稽古場で大きなハンガーラックにズラッと並んだ衣装を見ると、「あぁ、○○さんが揃えてくださったものなんだな」 と、いつもその方のことを思い起こしていたりもしました。

実際、衣装の細かな部分や、一部こちらで揃えなければならないものに関しては、イレブンナイン さん の中で衣装を担当される方が揃えてくださったり、連日の公演の合間を縫ってアイロンをかけてくださったり、時に修繕もしていただけいたりしています。

ですがこの元々の衣装、東京で北海道出身の方が揃えてくださっているという事実は、おそらくキャストの子達自身も知らないのではないかと思います。


昨年の ”アリスインデッドリースクール オルタナティブ” に関して見てみても、札幌での公演後、”アリスインデッドリースクール パラドックス” として昨夏に東京での公演があり、その際にも札幌でも使われた衣装や小道具がそのまま引き継がれています。

カエルの王様の ”ゲロタン” のぬいぐるみも、札幌で使われて東京に戻った後、作品の原作者で脚本を書かれた 麻草郁 さん がご自宅の洗濯機で洗ったそうです。

昨夏の東京での ”・・・パラドックス” には、札幌から 鈴木花穂 さん もキャストとして出演しており、その公演にも ”ゲロタン” は登場しています。

が、その時も 麻草 さん はおそらく、「自分が洗った」 とは伝えていないことでしょう。



同じく衣装の話として、”みちこのみたせかい” の中で、アイ が着ていた衣装。
他のキャストのものはこの舞台のために作られ、揃えられたものですが、アイの衣装はこの舞台のために作られたものではありません。

みちこのみたせかい は昨春の東京が初演でしたが、アイの衣装が作られたのはそれよりかなり以前の2014年。
アリスインプロジェクトが運営する、前述のアリスインアリスの衣装として作られたものなのです。


   

   


実は私も今回の札幌公演直前まで、この公演でこの衣装が使われることを知らなかったのですが、宣材として出来上がってきたアイの写真を見た時、すぐに気がつきました。

そして、私以外にも実際にこの事実に気が付いた方が東京にはいらしたようです。


更に、この衣装に限って見てみても、実は今回以前に他の公演でも同デザインのものが使用されています。

リボンなどの細かな部分は変更されたりもしていますが、実際に映像が公開になっているものだけでも、昨年9月に東京で公演された 「魔銃ドナークロニクル」 、そして今年7月に同じく東京で公演が終わったばかりの 「クォンタム・ドールズ2017」 でも同デザインの衣装が見られます。


   


全く同じデザインの衣装でも、その物語が違っていたり、着る人が違うだけでその雰囲気も受ける印象も全く違ってきます。
こんなところにもアリスインプロジェクトの様々な公演の中での連続性が見られたりします。

札幌ではまだ公演は2回しか行われておらず、これまで東京で開催されてきた公演を観に行ったことのある人も多くはないはずです。

ですがアリスインプロジェクトは2010年の旗揚げ以降、札幌以外でも、東京、大阪、名古屋、和歌山、そして香港と、60を越える作品を上演しています。
そんな中には様々な連続性があるものもあり、これもまたアリスインプロジェクトを観るにあたっての楽しみになったりもしています。

北海道でもこれから先、アリスインプロジェクトのガールズ演劇がしっかりと根付いていけば、きっとそんな楽しみにも更に触れることができるのではないかと思っています。

実際、この2年の公演を両方共に経験した子を見ていても、1回目と2回目との間に明らかな成長を感じることが出来ます。
これもまた様々な連続性の1つなんだと思います。

まだこの先、具体的に決まったことが何かあるわけではありませんが、それでもその先には楽しみや期待感がきっと広がっています。




アリスインプロジェクトはこの7月1日に正式に法人化。
アリスイン株式会社が設立されました。

これからは、従来の公演を、 「アリスインスターズ」 として舞台出演の登龍門的な位置づけのものとし、メディアミックスを加えた高品質な舞台を提供する公演を、「アリスインプログレス」 として、これらを明確に分けた上で二系統の公演を行っていくそうです。

この大きな渦に、札幌が、そして北海道が良い意味で巻き込まれていくことを期待したいですし、そうなっていくように努力もしたいと考えています。

楽しみはまだまだこれからも続いていきます。


2017年7月13日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康



 
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