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   イレブンナイン「あっちこっち佐藤さん」 観劇参加レポート   
   

イレブンナイン さん がこの夏に大きな舞台に挑む。

私がそんな話を聞いたのはもう何ヶ月も前。
あれは確か、5月に公演があった アリスインプロジェクト 「みちこのみたせかい」 の期間中だったと思います。

イレブンナイン さん の代表の 納谷真大 さん から舞台がある話と共に色々な話を伺っていました。


  
フライヤー (クリックで拡大します)


そしてそれからしばらく経った6月25日、納谷 さん とお会いするために札幌へ。

朝から 納谷 さん と2人でお会いし、色々とお話をさせていただきつつ、様々な打ち合わせなどを行ないました。


そしてその中で、ジャガイモンプロジェクト が今回の 「 あっちこっち佐藤さん 」 の公演に対して 協賛 をさせていただくこととなりました。

この 協賛 のお話、実は以前よりいただいており、私としては迷うことなく参加させていただくことを自分の中で即決していました。

このようなお話、色々といただいたとしてもその全てにお応えすることはできませんが、今回は他でもなく イレブンナイン さん からのお話。
これに対して首を横に振ることはしません。

私自身にとっても、そしてもちろんジャガイモンプロジェクトにとっても、このような機会、そしてこのようなお話を、いつもお世話になっている 納谷 さん から直接いただけるのは本当に嬉しくもあり、ありがたくもあります。


こちらからの 協賛 に対し、納谷 さん は、「1番の番号チケットをお渡ししたい」 と言っていただき、協賛提供の団体用チケットの通し番号 「001」 の束を私に渡してくださいました。
これはちょっとした感動です。

今回の公演はジャガイモンプロジェクトは全く外部から関わることとなりますが、それでもできる限りのことをしたい、何か力になれることがあれば微力ながらも力になりたいと、改めて心から思った出来事でもありました。


この時点で公演スタートまであと50日を切っていました。

すでに色々なものが動き出しており、納谷 さん も連日のように営業に周るなどしているとのことでした。


   
   


同日夜、私は 納谷 さん と再合流し、2人で イレブンナイン さん のプロデューサー・カジタシノブ さん の元へ。

今回の公演は当初より、”動員5000人” を目標に掲げて動いていました。
そんな中での取り組みの1つとして、これより以前の6月7日を皮切りに、納谷 さんカジタ さん とで、「 あっちこっちカジタン 」 というYouTubeでの毎日の生配信番組をスタートしており、この日が通算19回目。

朝の打ち合わせの時に、そんな配信にお邪魔させていただけることが決まっており、22時も過ぎた頃に3人で某所に集合となりました。


あっちこっちカジタン は、19回の放送にして、イレブンナイン さん のメンバー以外がゲスト出演するのは私が初めてだったそうです。

前日まで連日の配信を欠かさずにチェックしていたこともあり、そんな舞台裏に触れることができたのは楽しいことでした。
またこのような形で参加させていただけ、こちらの活動を認めていただけたと感じることもでき、それもまた嬉しいことでもありました。




約1時間の配信は、いざ始まってしまうとあっと言う間。
というよりも終わってみて1時間経っていたという事実にビックリするほどの楽しさでした。

これまでの私自身の経験の中で、インターネットを利用した生配信の番組に出演するということは過去に何度となくありましたし、その中では番組MCを務めるなどもしてきましたが、今回はまたその時とは違った感触や面白さがありました。

配信の中では私自身についてやジャガイモンプロジェクトについて。
また、士幌町についても色々とお話をしていただけました。
そんな全てがありがたく、そして嬉しいことだらけの1時間の特別体験でした。




実はこの1日の直前、ジャガイモンプロジェクトのホームページ内に、”イレブンナイン「あっちこっち佐藤さん」応援特設ページ” として新しいページを開設していました。

これ以外にも士幌にいながらにしてできる限りのことをしようとこちら側からも連日の発信を続けました。

ジャガイモン、ジャガイモンプロジェクトからの発信はもちろん、普段私が士幌でいる 寿し大洋 にフライヤーを設置。
他にも私個人のSNSやネットワークも駆使しつつ、1人でも多くの人に あっちこっち佐藤さん の情報が届くようにと微力ながらも活動をさせていただきました。


   


公演開始直前には イレブンナイン さん のフリーペーパー 「 calro(カルロ)」 が完成し、事前にこちらに郵送していただけました。

そしてその冊子の最終面には今回の公演の協賛に対しての 広告 が!

こちらと イレプンナイン さん との間では事前に色々と打ち合わせや事務作業も行なわれており、実際にこの冊子にどのようなデザインで掲載されるかというのは知ってはいました。
ですが実物を手にしてみると、本当に嬉しいものです。

しかもものすごく目立つ位置に掲載していただき、何だか本当に色々とありがたい限りです。

こちらのフリーペーパーは、本公演中には他の団体の公演のフライヤーなどと共に全てのお客様に手渡されます。
更には札幌市内を主に、各所でも手にすることができるようになるそうで、そんなところにジャガイモンプロジェクトが掲載されているということは改めて感動です。


   


今回、納谷 さん からは、「稽古場にもぜひ」 というお話をいただいていました。

これまで イレブンナイン さん とご一緒させていただいた機会にもそうでしたが、ただ単純に公演の本番を観賞するということもとても楽しいことですが、稽古場を見学するとその楽しさはより増すと感じています。
これは人によって考え方も捉え方も変わってくるのかもしれませんが、本番前に稽古を観てしまうと、そのお芝居の中身の多くが分かってしまうため、本番にドキドキしながらそのストーリーを楽しむことはできなくなってしまうのかもしれません。

ですが、稽古を観るということでそのお芝居が作られていく過程に触れることができ、私個人の感想としてはより一層その作品に対しての思い入れが強くなると感じてきました。

これまでにも他の作品の稽古にお邪魔し、演出を行なう 納谷 さん のすぐ横に座らせていただきながら稽古を見学する機会がありましたが、そこで稽古を観たからといって、内容を知ってしまったからといって本番がつまらなかったか、楽しめなかったかと言われれば、それはまるで違います。
むしろ逆に普通よりももっと楽しめたのではないかとさえ思います。


今回の作品もそんなチャンスをいただけたのですが、実は私はこの作品の稽古場には行きませんでした。
これまで稽古場で見学をした作品は、私自身がすでに関係者として関わっているものばかりであり、いわゆる内部の者として稽古場に行っていました。

ですが今回は、いくら 協賛 をさせていただいているからといって外部の人間であることは間違いありません。
そんなこともあり、1つとしては外部の人間としての私が行くことで邪魔をしてしまうのではないかという懸念があったこと。

そしてもう1つとして、外部の人間であれば外部の人間らしく、あまり詳しい情報を持たないままにこの公演の情報を発信し続けることが、イレブンナイン のみなさんにはできず、私にできることなのではないかという想いがあったことです。

他にもお互いのタイミングの問題等もあったりはしましたが、とにかく今回はそんなことから、せっかくお声掛けいただいたにもかかわらず遠慮をさせていただきました。



8月12日から19日まで、8日間全12公演で5000人。
これは本当に大変な数字です。

イレブンナイン さん は、在札幌の劇団としては一番集客力のある劇団だそうですが、それでも過去の動員数と照らし合わせてもこの5000という数字は並大抵の努力では到達することのできないものだそうです。

この数字の達成に向け、イレブンナイン のみなさんは連日の努力を続けていました。

ベテランのメンバーが営業に回ったり、事務的な作業を進めている中、若手のメンバーもチケットの手売りなどをするなど様々な形での発信を続けていました。


そんな中で、「動員5000人を達成するまで毎日配信する」 と公言した、前述の あっちこっちカジタン の配信も続いていました。

納谷 さん が営業などで札幌以外の別の場所にいても、原因不明の体調不良 (のちに尿管結石と判明) で倒れても、カジタ さん が発熱して具合が悪くなっても続いた配信は、公演本番前日までで66回。

そして更に本番が始まってからもその配信は続き、戦史遊楽翌日の総括回までで実に75回。

この努力って本当に凄いことだと思いますし、これだけの回数続けられ、そして残されてきたアーカイブはある意味では財産だとも思います。

また配信の中でも繰り返し言われていたことが、「今回の営業などを通じてたくさんの人と出会えた、御縁ができた」 ということ。
これらは今回の公演に限らず、きっと今後も継続し、そして生きていくものだと思います。

これらも間違いなく大きな財産になったのだと思います。(アーカイブはこのページの最下部で全回分を紹介しています)


若手もベテランも、他に仕事をしているメンバーも少なくなければ、当然この間に連日の稽古も続いていた。

しかしそんな中でも色々なものを犠牲にしながらも続けられたこのたくさんの努力は本当に言葉では表しきれないほど凄いものだったと思いますし、圧巻であり、感動にも値するものだったと思います。

”努力は必ず報われる” とは限らないのがこの世界。
しかしそれでもそんなみなさんの姿が多くの人の心を動かしたのは間違いないことだと思いますし、私もその1人であるということは絶対的に言えることです。


私が イレブンナイン さん と出会ったのは昨年のアリスインプロジェクト札幌公演 『アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO』 に関わることになったのがきっかけであり、納谷 さん と初めてお会いしたのは更にさかのぼること1年前のことです。

一緒にお仕事をさせていただく前に、イレブンナイン所属の女性俳優によるユニット 「ギャルソンモンケ」 の 『となりの花は棘』 という実験公演を観劇させていただきましたが、これが私自身にとっては初めて自分の意思で観た演劇だったと思います。
あの時感じた衝撃や色々なものは今でも心に焼き付いています。

そこからは、納谷 さん ばかりではなく、周りでスタッフとして公演を支えてくださる、普段は イレブンナイン さん の役者として活躍するみなさんと出会い、そして一緒にアリスインデッドリー・・・ の事前イベントや公演本番などを経験することでそれぞれのみなさんのことをより深く知り、そして交流も続きました。

そんなことを経てよりみなさんのことが大好きになり、イレブンナイン さん のことが大好きになった私は、この公演の終わった後も時間の許す限りではありましたが、『そして誰もいなくなった』 『乙女の祈り』 『イージー・ライアー2017』 と、イレブンナイン さん の公演を観に行き、これらを経て演劇自体が大好きになりました。


   


観れば観るほど、知れば知るほど、演劇自体も、そしてみなさんのことも大好きになっていきます。

私にとってみれば、きっかけはどうであったとしてもそんな世界を知ることができたことは大きな財産であり、こんな素敵で魅力的なみなさんと知り合えたこと、御縁ができたことはとても大きな宝物です。


だからこそ、今回の 協賛 があり、独自の発信がありました。

そしてこの御縁はこれからもずっと続いていくものだとも思いますし、ぜひ続いていって欲しいものだとも思っています。




公演2日目となる8月13日。
私はこの日の2公演を観るべく札幌へ。


   


まずは4丁目プラザでこの日まで開催中だった 「オリジナルポストカード展」 へ行きました。

こちらには、イレブンナイン さん が出品した、”納谷納涼” のポストカードがあります。
イベント最終日ということでまだ残っているかということだけが心配だったのですが、無事に全10種をゲット。

まずはこの日最初の目標を達成です。


   


あっちこっち佐藤さん 、この日の昼の部の開演は13時。
これを前に12時からは当日券の販売や団体用チケットの引換などが受付で始まるとのことでしたので、それより少し前に会場の かでる2.7 に到着。

到着した頃にはまだロビーに人もまばらでしたが、顔見知りのスタッフやキャストの方もちょうどいらっしゃり、そんな方々とお邪魔にならない程度にお話をしたりしながら時間を過ごします。


   


12時の受付開始時には2、30人の方がいらしていたでしょうか。
チケットの販売や引換などは種類によって細かく列が分けられていたため、それぞれの列に並びます。

そしてチケットの引換が終わってからはすぐに入場列へ。

その後、15分ほどでホールの扉の前までのロビーが解放されました。


   


ここでいち早く扉の前まで駆けつける方もいらっしゃったようですが、私はまずは 物販コーナー へ。

こちらでパンフレット・うちわ、ステッカー、缶バッジなどを購入しました。

こんな場所でも先頭に立って活躍しているのは イレブンナイン さん の若手メンバー。
一生懸命に頑張る彼ら彼女らの姿がそこにはありました。

このような形でたくさんのお客様と直接触れ合える機会があるというのは、若手のメンバーにとっては色々な意味でいい刺激にもいい勉強にもなるのではないかと思います。
それてそんな子達が将来の劇団を、そして札幌の演劇界を引っ張っていてくれるのではないかと想像すると、こちらもワクワク感がつのります。

とは言っても、それはまだまだ先のことなのでしょうが、だからこそ楽しみは長く続いていきます。


   


物販コーナー でもひとまずの目標を果たし、ホールの扉前の列に並びます。

私は入場が早かったために前には数人の方がいらっしゃる程度でしたが、後ろを見るとすでにたくさんの方がその列を長くしています。
そしてそんなみなさんの表情からは、これから始まることに向けての期待感が伝わってきます。

またそんな列の中でも、ジャガイモンプロジェクトだと知った上で私に声をかけてくださる方もいらっしゃり、そんな出会いや御縁もまた嬉しい出来事でした。



12時30分、定刻通りに開場です。

長い列に並ぶお客様が一斉にホールへと流れ込みます。
自分の希望通りの席を確保すべく我先にと走る方や素早く動いている方がいらっしゃる中、私は難なく最前列の席へ。
私もまずは希望通りの席を確保することができました。


演劇でも、コンサートでも、色々なものに言えることだと思いますが、前の方、演者さんのすぐ近くで見ると、細かい表情や仕草までを色々と観ることができます。

また、少し後方に座ると舞台を俯瞰でとらえることができ、顔を右に左にと振らなくても全体を観ることができます。

舞台というものはその瞬間に台詞を話している人だけでできているのではなく、そうではない人も同時に演技をしていたり色々と動いたりしています。
そのたくさんの出来事が全体で1つのお芝居であり、作品です。
そういう意味ではこれは前の方で観てしまうと見逃してしまうこと、観づらいこともあったりします。

同じ公演を1度しか観るチャンスが無い場合、これをどこで観るかというのはなかなかの悩みどころであったりもするのですが、幸いにも今回私は1日で2度観るチャンスがあったため、まずその1回目は前方での観劇としました。

目の前には今回の舞台セット、舞台装置が広がり、これから繰り広げられるストーリーの幕開けを待っています。



これまでに色々な演劇を観てきた中で、自分がどこに座って観るかによって同じものでも捉え方が大きく変わるということを感じています。

客席の前方と後方のどちらに座るかによって目の前に広がる景色も違ってきますし、観えるものそのものも変わってきます。
それは右側に座るか、左側に座るかによっても観えてくるものは違うと思います。


今回の公演はダブルキャストが2組あって、その組み合わせによって全4パターンを楽しむことができましたが、自分自身の座る場所を変えることを考えると、そのパターンは4種類以上にも何倍にも広がります。

同じ演劇の公演をこれまで複数回ご覧になったことが無い方にとっては、「同じものを何度も観るなんて・・・」 と思われてしまうかもしれませんが、”同じもの” であっても、それは ”同じもの” ではありません。


舞台は生もの。
誰かの台詞や動きのタイミングが変わればその後の色々なものが変わってきたりもしますし、アドリブが1つ入ってきたりするだけで印象も大きく変わったりもします。

動き1つをとってみても、逆に全く同じ動きなんて出来るはずもありませんし、そういう意味でも ”同じもの” なんて1つも1回もありません。


ストーリーや結末を知らずに見る演劇も当然面白い。
ですが、ストーリーもオチも結末も、どんな展開で進んでいくかというとも全てわかった上で観る演劇も、実は本当に面白い。

私自身、演劇を観賞するという世界に足を踏み入れてからまだ2年も経っていません。
元々そんな文化は自分の中には全くありませんでした。

ですが、今は同じものを何度も観るということに対する面白さを感じています。

当然その作品に対しての思い入れも強くなりますし、記憶という部分でも大きくなります。
2度観たとしても、2倍以上得したような、何だかそんな気持ちにすらなります。

確かに、料金はそれだけかかります。
ですから、それぞれのお財布とも相談しながらになるのは当然です。

でも、もし機会があるのなら、1度でいいので同じものを複数観ていただきたいと、心から思います。




あっちこっち佐藤さん は、開演前に前説があります。

北の大家の佐藤さんと、南の大家の佐藤さんの2人の登場に始まり、若手メンバーも出揃っての前説は、たとえこれを観なかったとしても本編が分からなくなるということ全くないですが、、これを観ると少し得た気持ちにはなるはずです
だからこそ逆に、観なかったとしたら少し損した気持ちにもなるのではないかとも思います。

客席側から突然舞台に上がってしまう2人のおばあちゃんを見て、事情を把握できていない正義感溢れる人が静止してしまうのではないかと少し心配もしてしまいましたが、このコメディの元ではたとえそんなことがあったとしてもそれも含めて面白いことになってしまうのではないかとも思います。


また、開演前に事務的に説明がされることが多い、「携帯電話の電源を切りましょう」 「終演後にはアンケートを書いてください」 「トイレは今のうちに行きましょう」 というような説明も、この前説に起こるコメディの中に組み込まれ、ごくごく自然な流れの中で楽しく伝えてもらえます。

あんな感じで伝えられれば、ほぼ間違いなく全員が携帯電話の電源をしっかりとオフにするでしょうし、ちゃんとオフになっているか直前に再チェックもすることでしょう。
そういう意味でもとてもいい前説だったと思います。



4パターンあるダブルキャストの組み合わせのうち、この回は、佐藤ヒロシ明逸人 さん 、佐藤タロウ納谷真大 さん の組み合わせ。

具体的内容に関しては今後また再演があることも考えて書くことを避けますが、イレブンナイン さん のベテラン俳優陣の安定感に、客演の 小野真弓 さん小林エレキ さん 、そしてわんわんズ の3人のパワーも合わさり、更にそこに若手の元気が加わってすごいものが出来上がっていました。

2つの部屋を表現するのは、ドラマや映画であれば2つの部屋を用意すればいいと思いますが、舞台ではなかなかそういうわけにはいかない。
そんなところから生まれた今回のセット、そしてその使い方にはものすごく感心もしました。

違う部屋にいるはずの2人の妻の台詞や動きが重なり合うところもあり、そんな部分も非常に面白かったと思います。


冷静に考えて、この物語がただ単純にその事実やその行先を辿るだけであれば、それはただ ”ありそうでなさそうな” 物語なのかもしれません。

ですが、これにたくさんのドタバタが加わり、たくさんの言葉が加わることによって、この物語が大きなコメディへと変わっていきます。

これまでに私が観てきた演劇の中でも、言葉のチョイスによってそのシーンが面白おかしくなったり印象的になったりするところを何度も観てきましたが、今回の作品はそんなチョイスの連続で、シーンが面白くなるのではなくストーリー全体が大きく彩られていくのを感じました。

佐藤ヒロシと佐藤タロウのドタバタっぷりに巻き込まれていく佐藤サチコと佐藤カズコ。
そしてそれを取り巻く人々が更にそのドタバタに拍車をかけていく。

そんな中でそのドタバタな話の流れが突然変な方向で繋がってみたり、噛みあわないはずの会話が奇跡的に噛み合わさってみたり、大きなドンデン返しがあったりと、とにかく観ている方も気の休まる暇がない。


また今回の作品は、佐藤ヒロシには2人の妻がいるものの、寸分違わない緻密なスケジュール管理によって誰にも悟られていない。
しかし、ある事件によってその日常が崩壊していく・・・、というストーリーが観る側に向けて事前に明らかになっていました。
観ている側はその事実を知っているのです。

ですが、劇中の登場人物はその事実を知らない人がたくさんいたり、不都合な事実を必死に隠そうとする当事者がいる。
知らないからこそのドタバタと、隠そうとして巻き起こるドタバタが次のドタバタを生み、そして自体は更に悪化していく・・・。

そんな様子は観ている側にとってはとても滑稽であり、そして面白さを越えた大爆笑へと繋がっていきます。


会場はそんな次から次へと繰り出される出ドタバタに爆笑の連続。
声を出して大声で笑い、手を叩いて喜び、時にそのあまりに見事な笑いに拍手が沸き起こります。

私自身、笑いに笑いすぎて涙が流れ、その涙も乾かないうちに次の笑いが押し寄せてくる。
それは私ばかりではなく周りのみなさんも同じだったようです。

会場全体が大きな笑いに包まれ、それがまた更なる笑いを誘い出します。

そこは子供も一緒に来ている親の世代も、そのまた上の世代の方も。
男性も女性もなく、本当に色々な層の方々が笑っていました。

ここで初めて会った、いや偶然同じ場所に居合わせただけの他人同士が同じ笑いを共有していました。

これは本当に凄いことだと思います。


笑いというのはお笑い芸人やコメディアンが作るものばかりではなく、役者が演劇の中で作ることもできるというのが実感できました。
演劇から作り上げられる笑いというものにはものすごいパワーがあるということも実感できました。

面白いものを観て、「面白い」 「面白かった」 と感じることはあると思いますが、今回はそれに合わせて、「楽しかった」 という印象を持ちました。
舞台上で起こるドタバタを味わいながら会場全体が大いに笑い、そして涙を流すという状況の中でその一部になれたという事実が嬉しく、そしてそんな中にいられるという現実がとても愉快で楽しいものでした。


物語の最終盤にはその笑いから一転、会場が静まり返り、今までのそれとは違うシリアスなシーンもありました。
あまりの急な展開に気持ちが付いていかなくなりそうにもなりましたが、その熱演は私の心に響き、自然と流れ出る涙を抑えることができませんでした。

あっちこっち佐藤さん はただ笑わせるばかりではなく、雰囲気が一変する瞬間も堪能できますし、まさに ”魅せられ” ます。
しかし、実は私が笑い以外の涙を流しそうになったのはそのシーンだけではありません。

お芝居の序盤の序盤、ちょっとしたダンスから会場が暗転し、そこで全員で、「あっちこっち佐藤さん!」 と叫ぶシーンがあったのですが、実は私はそこで泣きそうになりました。

この本番が始まるまでには稽古や物の準備だけではなく、それ以外にもメンバーのみなさんのたくさんの努力や苦労があったと思います。
そこにはたくさんの一生懸命があったと思います。

そんなたくさんのことが結実するこの公演。
その公演でみなさんが息を合わせて叫ぶ、「あっちこっち佐藤さん」 という声には、そんなたくさんの想いが込められているようにさえ思え、私にはとてつもない感動となって聞こえてきたのです。



本編は時間にして約2時間。
2時間という時間は決して短いものではありませんが、それでもこれだけ笑いに笑いを重ねる楽しい時間というのはあっと言う間に過ぎていきます。

最後は出演者のみなさんが舞台上に揃い、会場からはダブルカーテンコールの惜しみない拍手が沸き起こりました。

大変さを物語るように衣装も顔も汗でべちょべちょになっている演者さんもいました。
まるでこの約2時間ずっと全力でマラソンを走っていたかのように。

それでもそこに並ぶみなさんの顔には直前まで繰り広げられていた時のものとはまた違った笑顔が浮かび、それらからは安堵感や解放感が見て取れました。


ベテランのみなさん。
以前よりすごい人ばかりだ、力を持った役者さんが揃っている、とは思っていましたが、今回は本当にその凄さを実感しました。

このコメディは、ただただ面白いことを連発するだけでなく、その中に悲哀を感じさせる部分があったりもします。
ドタバタっぷりが面白いと言っても、それはお笑い芸人が観衆の笑いを取るべく体を張って芸をしているものとは違い、例えるなら ”吉本新喜劇” のように、1つのストーリーの上にお笑いが乗っかってくるような感覚でしょうか。

また、これはただの1本の演劇なのかと聞かれれば、それはそれでまた違う。
舞台の上で繰り広げられるものを観ていても、客席側で観ている人達の反応を感じても、それらは私がこれまでに体感してきた演劇 ・ お芝居とは明らかにどこか違うものであったと思います。



”演劇” というキーワードは、それまでその世界に触れたことのない人にとっては、”演劇” という単語1つさえもどこか固く感じてしまう、遠いものと受け取ってしまうものなのかもしれません。

実際私自身は、昨年にジャガイモンプロジェクトの活動の中で演劇の世界に半ば流れに身を任せるままに触れることとなりましたが、そんな機会が無ければなかなか自分からはこの世界へと飛び込むことはなかったかもしれませんし、全くと言っていいほどその知識も持ち合わせてはいませんでした。

北海道に、札幌に、どれだけの劇団があり、どれだけの公演が行われ、どれだけの人がそんな劇場に通うことを趣味としているのか、そしてそこにはどんな世界が広がっているのか。
そんなことの1つも分かってはいませんでしたし、むしろそういう文化は札幌にはまだまだ無いものだとさえ思っていました。

しかし、一歩この世界に足を踏み入れてみると、今までとちょっと違って角度からちょっと違った知識を持って見てみると、そこにはとてつもなく魅力的な世界が広がっていました。

一度そんなことを知り、そして感じてしまうと、あとは自然と色々なものが目に飛び込んでも来ます。
関連する様々な情報が気になり出したりもします。


それでもやはり、この ”演劇” の入口、導入口というのは、すでに中にいる人が言うほど低くも無ければ簡単なものでもないとも思っています。
初めて演劇を見に行くにはある程度しっかりとした理由があったりするものなのではないかと思います。

「演劇って難しいものなんでしょ!?」 「誰も知ってる人が出てないし・・・」 「長いんでしょ!?」 「高いよ!」 ・・・
色々な疑問や抵抗があったりもするものだと思います。

”知ってる人” が出ていれば、それがたとえどんなものであったとしても観に行く理由にはなると思います。

ですが、今回の あっちこっち佐藤さん は、たとえ知ってる人が誰も出ていなかったとしても楽しめるものだったのではないかとも思います。
難しいこと何一つ考えなくても、目の前で起こることを単純に受け止め、そして楽しむことができたのでのではないかとも思います。


いつも自分の趣味として演劇鑑賞をしている方にとってもこの作品はある意味衝撃を持って受け取られるものだったかもしれませんし、札幌で活躍する実力を持った役者さんが繰り広げる世界観は演劇好きにこそたまらないものだったかもしれません。

しかし一方で、この作品は、初めて演劇を観る人にとってもとても入っていきやすく、導入口としてもすぐれた作品だったのではないかと思います。
今回の公演を通じ、SNSなどで実際に観劇された方の意見を見ていると、「初めて演劇を観た」 「初めて観るという人を連れて行った」 という話が散見されました。

今回は初めて演劇を観た方も、きっと楽しかったはずです、面白かったはずです。
そして、このドタバタコメディを通じて演劇というもの自体に興味を持っていただいた方も少なからずいらしたのではないかと思います。

ダブルキャスト4パターンのうち、他の組み合わせも観てみたいと思われた方も多かったはずです。

そんな結果や反応が、公演前から予想できただけに、私自身も様々な情報発信の中で、「演劇を初めて観るという人にも楽しめるはず!」 という文章を多用しましたし、それはただ宣伝という意味ではなく、この世界の魅力を多くの方に知っていただきたいという想いも込めていました。


1つの人生の中で知ることができることは、世界中で起こっていることのほんの一部にしかすぎません。
知らなくても全く問題のないことや、知らなくたって損しないことはたくさんあります。

演劇というものを一生の中で一度も観なくても、だからといって何かマイナスなことがあるかと言われれば、きっと無いでしょう。
スポーツ観戦に行ったことがないから何か損するかと言われれば、それも無いと思います。
誰か特定の人と出会わなけれぱその先を生きていけないのかと聞かれれば、出会わなくてもきっとそれなりに生きていけることでしょう。

ですが、何かを知ること、出会うこと、体験することというのはその人の人生や生活をより豊かにし、そして時に大きな影響さえ与えるものなんだとも思います。
”損” はしなくても、”得” をすることはたくさんあるのではないかとも思います。


私自身、この世界のことを知れたこと、関われたこと、魅力を知れたことはとても大きな ”得” であり、本当にたくさんの方に対しての ”おかげさま” があります。
この人達に出会えたことは私にとっては今現在、そしてこれからも間違いなく大きな ”宝物” であり、そして大きな大きな ”得” だったのかもしれません。


私の身近な役者さんの話を伺うと、幼少の頃からこの世界に憧れていたという人もいれば、大人になって偶然こういう世界を知って飛び込んだ、知人に誘われて初めて観に行った演劇で人生が変わってしまったという人もいます。
その全てはどこかのタイミングでの ”運命的な出会い” があったからこそ。

この役者さん達が今の世界に進んでいなかったとしても、それぞれにそれぞれの違った世界や未来があったはずです。
だけど今はここにいる。

これが ”得” だったのか、それとも ”損” なのかは、他の誰かが評価することではなく、自分自身が思うこと。
あの人達の顔を見ていると、直接聞かなくてもその答えは自然と見えて来る気がします。



この公演は動員5000人を目指し、たくさんの人の様々な努力が積み重ねられてきました。

公演が始まってからの あっちこっちカジタン の配信で、納谷 さん はこの動員目標に対して、「悪あがきでも、みっともなくても最後まで努力する」 ということを言っていました。

しかし私からしてみると、そうやって最後の最後まで努力を惜しまず、大勢をまとめあげ、そして懸命に歩み続けるその姿は、それがたとえ ”悪あがき” だったとしても、”みっともない” だったとしても、それが何よりも ”かっこよく” も ”美しく” も ”逞しく” も感じられます。

同時に、目標が達せられたにしてもそうでなかったにしても、その ”悪あがき” や ”みっともないこと” は間違いなく次の何かへと繋がっていくものなんだと思いますし、それらが新しい何かを生み出したりもするんだとも思います。


   


終演後は、その場でアンケートを記入してから、会場出口へと向かいます。

そこにはついさっきまで舞台の上で頑張っていた若手メンバーがお客様を誘導しつつ見送っており、更に外には一部のベテランメンバーも出てきています。
直前までの熱演はどこ行ったというような涼しい顔で立っています。

私がこれまでに直接体験した演劇は、終演後に演者さんが劇場の出口まで出て来てくださり、ここでお話をしたり、写真を撮ったりと、もう1つの楽しみがあったりしました。
今回もそれと同様に、そこに並ぶ演者さん達との交流が、それぞれ行なわれていました。

これは間違いなく演劇の魅力でもあり、楽しみでもあります。

ある意味では前説同様に、見なくても体験しなくても何の影響もないとは言えますが、これを体験することはやはり ”得” したことになるんだと思います。

私自身は普段の活動の中で演者のみなさんと触れ合う、直接会う機会が何度となくあるため、他のみなさんがいる限りは遠慮しつつそんな様子を見守っていましたが、どの人も笑顔笑顔に溢れていました。
こういうところで演者さんと触れ合うということは、その演者さんのことをより知れるということにも繋がりますし、舞台の上とは違う顔を見ることもできます。
そして、そんなことをきっかけにその人のことをより好きになったり、より興味が沸いたりもするものです。

この日は昼夜の2回公演であり、当然時間的な制約はあったりはしますが、直後のSNSなどを見ていても、たくさんの人が撮った写真や楽しさで溢れる感想がたくさんありました。

その様子をちょっと遠巻きで見ているとわかるのですが、この瞬間のこの場所の雰囲気って本当に最高です。
見ているだけでもこちらまで自然と笑顔になってしまいます。


そんな中で、私を見つけて声をかけて来てくださる演者さんも多く、それもとても嬉しかったですし、また他にもこれまでに様々なイベントでお会いした方々が声をかけてくださることもあり、それもまた嬉しいことの1つです。

ジャガイモンプロジェクトの活動をしていたからこそ出会えた方もとても多く、改めてそんなたくさんの御縁に感謝です。


   


夜の公演の受付開始は17時。

ということで、やはり昼同様にそれより少し早めに会場へと戻り、そして時間になる頃にまずはチケット交換の列に並びます。
受付が開始される頃にはお客様が増え始め、ロビー開放を経て17時30分にホールが開場となる頃には長い列ができていました。

私は今回は前回の最前列とは違い、会場の中央あたりから観ることを考えており、狙い通りに中央を左右に通る通路のすぐ後ろの列をゲット。
ここであれば、前説や本番で通路なども広く使う演出も全て見渡すことができ、同時に舞台全体を同時に観ることもできます。


開場後は イレプンナイン さん の若手メンバーが入場してくる方々をスムーズに誘導し、混乱なく席を埋めていきます。
彼ら彼女らにとってはこのような経験もこの世界で生きていく以上はとても大切なことだと思いますし、お客様と直接触れ合えるチャンスであるとも思います。

イレブンナイン さん は普段からこのようなスタッフとしての対応も出来る限りのことを自分達自身でこなしています。

これは本当に大変なことだと思いますが、同時に役者として以外に公演に関わる人の立場や想いを理解するには一番の近道でもあると思います。
何をやるにしても自分の立場以外の人の大変さや想いを知るということは大切なことだと思いますし、私自身もジャガイモンプロジェクトの活動の中でその部分は常に大切にしています。

相手の想いを知るということは自分自身の次の活動にも繋がっていくことですし、理解する為にはやはり自分自身もその立場になってみるのが一番だと思います、

そういう意味でもここで若手メンバーはものすごく良い体験をしていていますし、そして彼ら彼女らは素晴らしい対応もしていましたし、全てが好意的に感じられました。


役者として同業者から見れば、きっとまだまだなんだと思います。
ですが彼ら彼女らは、私の目から見ても確実に色々と成長しているように感じます。


この夜公演は、佐藤ヒロシが、オクラホマの 藤尾仁志 さん 、佐藤タロウ江田由紀浩 さん
昼の組み合わせとはまた違ったものが楽しめます。

ヒロシとタロウの年齢に差があったりなかったりすることでその関係性が変わったようにも見えます。
納谷・明組のヒロシとタロウは、ヒロシがタロウに頼っている日常が見えてきますし、藤尾・江田組ではヒロシとタロウの日頃からの近しい関係が見えて来るようでいて、どこかで仕方なく付き合っているのではないかという関係性もあるようにすら感じました。

一方、廣瀬詩映莉 さん 演じる佐藤ハナコと、タロウとの兄妹も、その見た目の年齢差が大きく変わり、時に真っ当なことを発言するハナコに対し、タロウの年齢が上であればあるほど余計にいい意味で情けなくも見えてくる。

単純に人が変わればやることも色々と変わってくるわけで、そんなところから1人1人の演技も楽しめますし、ダブルキャストの組み合わせ如何でその関係性から生まれる絶妙な掛け合いも面白い。
この夜公演も、昼とは色々と違うところもあれば、一度ストーリーを観知ったからこそ見えてくる部分もある。

また、演者さん自身も、同じ演技を全部の回でやろうとしているのではなく、常に向上心をもって取り組んでいるからこそいい意味での変化もあり、本当に何度観ても楽しめる作品だったと思います。



終演後は昼同様にアンケートを記入後にホールを出ると、やはりそこには演者さんと、そんな演者さんと触れ合うたくさんのお客様の姿が。
何度見てもこういう光景は素敵です。

私自身も最後は 納谷 さん に改めてご挨拶をさせていただき、会場をあとにしました。

なんだかとても清々しい想いと、そして心地良い疲れに包まれながら帰路につきました。




が、実は今回はこれまでにないほど士幌に戻ってくるまでに時間がかかりました。

ただ座って演劇を観ていただけなはずなのに、特に何もしていないのに、ドッと疲れが押し寄せてきました。
笑うっていう行為は思った以上に体力を使うようです。

道中、何度も車の運転を休憩し、帰り着くまでにいつもの2倍弱の時間がかかってしまいました。
ですがやはり、そんな疲れもかかった時間も、全てが心地良く、なんだかとても満たされたような気持ちになりました。




公演を2本観て、キャストや色々な方とお話もさせていただくなどし、全てを終えて会場をあとにした時、感じたこと。

面白かった!
というのはもちろんですが、もう1つ、

楽しかった!!
と感じました。

あの会場の笑いの渦の中に、私自身もいました。
大きな声を出して笑いました。
大粒の涙も流しながら最後まで見届けました。

笑いが笑いを増幅させるという意味では今回の作品は会場のお客様も含めて全ての人がその作品を彩り、作品の一部になっていたのだとも感じます。

そんなことを考えた時、私の中に会った感情は、

楽しかった!!
です。

本当に楽しい経験をできたと、心から思います。




会場で配られた多くのフライヤーの中には イレブンナイン さん の次の公演の案内も入っていました。

よし、次はこれだな!




今回、早い時期から 納谷 さん に声をかけていただき、ジャガイモンプロジェクトは 協賛 という形で公演に参加させていただくこととなりました。
本当にありがたいことであり、この御縁に感謝せずにはいられません。

イレブンナイン さん とは、昨年今年のアリスインプロジェクト札幌公演での本公演、そしてそれに関連するイベントで一緒に活動をさせていただいています。
またそれ以外にも前述したように何度となく公演を見に行かせていただいたりもしています。

またこれ以外にも普段より色々と交流をさせていただいたりもしており、そういう部分もとてもありがたいことなのですが、今回はまた新しい関係性を持って何かができたというのは、これもまた新しい喜びでもあります。



(イレブンナインさんの公式ホームページから引用)



「 あっちこっち佐藤さん 」

公演中、SNSを見ていても本当にたくさんの方が書かれた感想が溢れていました。

「観てきた」 「楽しかった」 「面白かった」 「また観たい」・・・
舞台全体の感想、キャスト個人の感想、ストーリーの感想、物販や会場スタッフの感想・・・

それらは、見ているだけでなんだかこちらまでワクワクしてしまうような、笑顔になってしまうような、嬉しくなってしまうような感想がほとんどでした。

あっちこっち佐藤さんイレブンナイン のことを知らずにいたとしても、もしあれだけの感想や想いに触れればきっと、「え? 何があるの?」 と気になってしまうとも思います。


今回の公演は全12公演。
目標動員数5000人に対し、最終動員数は 4335人 だったそうです。

目標不達成という意味では悔しい想いをされている方もいることでしょう。

ですが、札幌での演劇公演で、普通はどのくらいの動員があるとか、どのくらいの動員があれば興行的に成功だとか、どのくらいで収益が出るかだとか、そういうことを全く知らなかったとしてもこの4335人という数字が凄いというのは多くの人が感じる部分だと思います。

実際に私もそうですし、他にも複数回の観劇をした方もたくさんいるでしょうが、これだけの人が同じものに興味を持ち、そして劇場に足を運び、お金を払って演劇を観た。
世の中に様々な娯楽があり、更に多種多様な情報が溢れる中で、これだけの人が実際に行動を起こしたというのは本当に誇れることだと思います。


同時に、私以外にも4000人を超える人が同じものを楽しんだ、経験したということも、これは本当に嬉しいことですし、そういう意味では同志であり仲間です。

その中には演劇鑑賞を日常の趣味とされている方もいれば、演劇自体を今回初めて観たという方もいるでしょう。

自ら情報を見つけ自分の意思で行動に移した人もいれば、誰から誘われたりして劇場に足を運んだ人もいるはずです。

どんな起点であれ、どんな経過であれ、これだけの人数が あっちこっち佐藤さん を楽しみました。
これってやっぱり凄いことです。

今回の公演を通じて演劇というものにより興味を持っていただける方が増えればそれは本当に素敵なことですし、素晴らしいことだと思います。


私は今回、この あっちこっち佐藤さん を劇場で生で鑑賞できたこと、たくさんの方と一緒に楽しめたということを心から誇りに思っています。

本当に凄いことだと思いますし、本当に観て良かった、行って良かった、体験できて良かったと思っています。


札幌の演劇界にとって、この8日間12公演、そして4335人という数字はある意味では 革命的 だったのではないかとも思います。

しかし、今回これだけの動員があったからといって、では次回は黙っていても同じ程度の人が観劇してくれるのかと言われれば、それはきっと大きな間違いです。
ですが、きっとこの数字に近い数の人が次回に何かが始まる時、きっとそれを気にすると思いますし、情報を得ようともすると思います。
ある意味ではそれだけでも凄いことなんだと思います。

けれど私が知っているあの人達は、この数字に満足することなく、そして慢心することなく、更に上を目指して、前を目指して突き進んでいく人達だと確信しています。
この先、今回と同じ規模の公演があったとしても、これよりも小さいものでも大きなものでも、その日々の努力やチャレンジが止まることは無いでしょうし、そこからは今よりももっと凄いものが生まれてくるんだろうとも思います。


私はこの先も間違いなく イレブンナイン さん を応援していきます。
今回の公演を経て、これまでも大好きなみなさんのことがもっともっと好きになりました。

客演で出演されたみなさんも本当に素敵な方ばかりですし、やはり同じように応援していきたいと思っています。

この中には以前より知っている方もいれば、今回初めてお芝居をしているところを観せていただいた方もいます。
また、この先も何度となくお芝居しているところを観ることのある方もいれば、これまでのようにジャガイモンプロジェクトとして時に一緒に活動をする機会のある方もいるはずです。

この先のそんな機会、その瞬間に立った時、きっと私はその度に今回の公演のことを思い出すはずです。
その相手と今回の話をすることもあるかもしれませんし、今回のことが前提で次の何かに進んでいくこともあるかもしれません。

今回この劇場でこの作品を観れたということは、私自身にとっても革命的な出来事だったように感じています。
これまでにも印象的な作品に何度となく出会ってきましたし、その度に心から楽しんできましたが、今回は今までのそれとは明らかに違った何かがありました。


私自身が実際に客席に座って観た2公演は本当に心から楽しみました。
観に行く前は本当にワクワクもしましたし、そんな日を指折り数えたものです。

ですが今回の公演は、私はそれ以外の時にも色々な意味で公演全体を楽しんでいたように感じます。

公演中に色々な人から溢れる感想を見聞きすることも楽しかったですし、たくさんの人が喜んでいる様子を感じるのも楽しかった。

あっちこっちカジタン での 納谷 さんカジタ さん の会話は私自身のジャガイモンプロジェクトの活動においても本当に勉強になることがたくさんありましたし、大きな刺激も受けました。
そんな配信に出演させていただけたことも楽しかった。

協賛 という形でお声がけをいただいたことによって、そういう意味でも楽しみや喜びを感じることもできました。

情報発信という意味ではごくごく微力ながらにお力になれたかとも思っています。

本当に、本当に心から楽しかった。


それだけに、これがここで1つの区切りを迎えるというのはちょっと寂しい気もしています。
ある意味での達成感や満足感もありつつ、ちょっとした喪失感もあったりします。

でも、今日と違った明日は始まります。
今日までの経験を踏まえた未来が広がります。

楽しみはこれからも続いていきます。




2017年8月20日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表・川崎康




『あっちこっち佐藤さん』 の ”動員5000人” を目指し、連日生配信された あっちこっちカジタン


イレブンナインの代表・ 納谷真大 さん が、ゼネラルマネージャーである カジタシノブ さん と共に制作した あっちこっちカジタン の配信が始まったのは6月7日。
以来連日の生配信が続きました。


そんな中では、納谷 さん が尿管結石に見舞われたり、カジタ さん が風邪でダウンするなど、様々な不測の事態もありましたが、それでも生配信をお休みする日はありませんでした。
時に 納谷 さん が名古屋や富良野にいる時も、電話を繋ぐなどしての配信が行なわれました。

急な体の不調に襲われ、原因が尿管結石と判明する前のベッドの上からの配信には、執念と強い想いを感じました。
どんなに睡眠不足になろうとも、どんなに疲れていようとも、配信後に深夜の営業があろうとも、連日の配信は続きました。


気が付けばひとまずの最終回までに回数も75回に到達。
残念ながら当初の目標の ”動員5000人” には及ばなかったものの、この努力と苦労は多くの人の心を大いに刺激したと思います。


第19回の配信には、私も出演をさせていただきました。
イレブンナイン さん のメンバー以外では初のゲスト主演だったそうです。

こちらではそんな配信のアーカイブを紹介します。

また、納谷 さん が台本を書きながら配信した 『朝まで納谷テレビ』 の模様。
更には最終回配信数時間後に、納谷 さん に代わって、明逸人 さん が、「おまけ」 として出演した回も併せて紹介させていただきます。

なお各回の日付は、番組の趣旨が、「その日の終わりに・・・」 という趣旨に従い、日付が変わってからの配信となったものも含めて、「その日」 に合わせた表記としています。



あっちこっちカジタン おまけ

2017年 8月20日
あっちこっちカジタン 第75回(最終回)

2017年 8月20日
あっちこっちカジタン 第74回

2017年 8月19日

公演千秋楽
あっちこっちカジタン 第73回

2017年 8月18日
あっちこっちカジタン 第72回

2017年 8月17日
あっちこっちカジタン 第71回

2017年 8月16日
あっちこっちカジタン 第70回

2017年 8月15日
あっちこっちカジタン 第69回

2017年 8月14日
あっちこっちカジタン 第68回

2017年 8月13日
あっちこっちカジタン 第67回

2017年 8月12日

公演本番初日
あっちこっちカジタン 第66回

2017年 8月11日
あっちこっちカジタン 第65回

2017年 8月10日
あっちこっちカジタン 第64回

2017年 8月 9日
あっちこっちカジタン 第63回

2017年 8月 8日
あっちこっちカジタン 第62回

2017年 8月 7日
あっちこっちカジタン 第61回

2017年 8月 6日
あっちこっちカジタン 第60回

2017年 8月 5日
あっちこっちカジタン 第59回

2017年 8月 4日
あっちこっちカジタン 第58回

2017年 8月 3日
あっちこっちカジタン 第57回

2017年 8月 2日
あっちこっちカジタン 第56回

2017年 8月 1日
あっちこっちカジタン 第55回

2017年 7月 31日
あっちこっちカジタン 第54回

2017年 7月 30日
あっちこっちカジタン 第53回

2017年 7月 29日
あっちこっちカジタン 第52回

2017年 7月 28日
あっちこっちカジタン 第51回

2017年 7月 27日
あっちこっちカジタン 第50回

2017年 7月 26日
あっちこっちカジタン 第49回

2017年 7月 25日
あっちこっちカジタン 第48回

2017年 7月 24日
あっちこっちカジタン 第47回

2017年 7月 23日
あっちこっちカジタン 第46回

2017年 7月 22日
あっちこっちカジタン 第45回

2017年 7月 21日
あっちこっちカジタン 第44回

2017年 7月 20日
あっちこっちカジタン 第43回

2017年 7月 19日
あっちこっちカジタン 第42回

2017年 7月 18日
あっちこっちカジタン 第41回

2017年 7月 17日
あっちこっちカジタン 第40回

2017年 7月 16日
あっちこっちカジタン 第39回

2017年 7月 15日
あっちこっちカジタン 第38回

2017年 7月 14日
あっちこっちカジタン 第37回

2017年 7月 13日
あっちこっちカジタン 第36回 (2/2)

2017年 7月 12日
あっちこっちカジタン 第36回 (1/2)

2017年 7月 12日
あっちこっちカジタン 第35回

2017年 7月 11日
あっちこっちカジタン 第34回

2017年 7月 10日
あっちこっちカジタン 第33回

2017年 7月 9日
あっちこっちカジタン 第32回

2017年 7月 8日
あっちこっちカジタン 第31回

2017年 7月 7日
あっちこっちカジタン 第30回

2017年 7月 6日
あっちこっちカジタン 第29回

2017年 7月 5日
あっちこっちカジタン 第28回 (2/2)

2017年 7月 4日
あっちこっちカジタン 第28回 (1/2)

2017年 7月 4日
あっちこっちカジタン 第27回

2017年 7月 3日
あっちこっちカジタン 第26回

2017年 7月 2日
あっちこっちカジタン 第25回

2017年 7月 1日
あっちこっちカジタン 第24回

2017年 6月 30日
あっちこっちカジタン 第23回

2017年 6月 29日
朝まで納谷テレビ

2017年 6月 29日 深夜〜早朝
あっちこっちカジタン 第22回

2017年 6月 28日
あっちこっちカジタン 第21回

2017年 6月 27日
あっちこっちカジタン 第20回

2017年 6月 26日
あっちこっちカジタン 第19回

2017年 6月 25日

当プロジェクト代表・ゲスト出演
あっちこっちカジタン 第18回 (2/2)

2017年 6月 24日
あっちこっちカジタン 第18回 (1/2)

2017年 6月 24日
あっちこっちカジタン 第17回

2017年 6月 23日
あっちこっちカジタン 第16回

2017年 6月 22日
あっちこっちカジタン 第15回

2017年 6月 21日
あっちこっちカジタン 第14回

2017年 6月 20日
あっちこっちカジタン 第13回

2017年 6月 19日
あっちこっちカジタン 第12回

2017年 6月 18日
あっちこっちカジタン 第11回

2017年 6月 17日
あっちこっちカジタン 第10回

2017年 6月 16日
あっちこっちカジタン 第9回

2017年 6月 15日
あっちこっちカジタン 第8回

2017年 6月 14日
あっちこっちカジタン 第7回

2017年 6月 13日
あっちこっちカジタン 第6回

2017年 6月 12日
あっちこっちカジタン 第5回

2017年 6月 11日
あっちこっちカジタン 第4回

2017年 6月 10日
あっちこっちカジタン 第3回

2017年 6月 9日
あっちこっちカジタン 第2回

2017年 6月 8日
あっちこっちカジタン 第1回

2017年 6月 7日

 
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