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> ジャガイモンプロジェクトオンライン交流会 「ジャガイモンと語る舞台演劇」レポート
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言。
世の中が今までの通常ではなくなってしまっています。
最近はテレビなどのメディアでもソーシャルディスタンスの観点などからテレビ局に出演者が集まるのではなく、自宅などからのリモート出演が非常に多くなっています。
一方、世間一般でも、密閉、密集、密接のいわゆる 「 三密 」 を避けるため、あらゆるイベントなどもほぼ無くなり、ごく普通の日常の形が崩れてしまっています。
最近では多くのタレントさんがSNSや様々な動画ツールなどを利用して、色々な発信を行なったり、今まではほとんど無かったような新しい形での交流を行なうなどしており、この異常が収まった先の日常の形すら変わってしまうのではないかと思えるほどの変化を見せています。
そんな中、ジャガイモンプロジェクトでもこの現状をただ遠巻きに見守るのではなく、しっかりと変化に対応すべく、交流会をオンラインで行なうこととしました。
最近になって様々な会社の会議などでも広く使われるようになっている
zoom
を利用し、離れた場所にいる複数の人が同時に会話を交わせる交流会を、その回ごとにある程度のトークテーマに絞って複数回開催させていただきます。
まずその初回、5月10日の第1回の
ジャガイモンプロジェクトオンライン交流会
のトークテーマは、
舞台演劇
。
いきなりちょっと敷居の高そうなテーマとなりました。
このトークテーマに関しては、2日前の8日に、今年6月に開催を予定していたアリスインプロジェクト札幌公演の延期が発表されましたが、制作側の人間としてこの日に発表されることを事前に把握していたこともあり、それに合わせるような形でこのような初回トークテーマとしました。
また、初回の交流会のゲストとして、ジャガイモンプロジェクトで業務提携をしている、北見焼肉アイドルMeatYouの
星隈瞳
さん
を事前に告知させていただきました。
彼女は本来この延期さえ無ければ、舞台の上に立っているはずでした。
「 この公演に出る予定だった 」 という個々のキャストからの発信はできるように何とか調整こそしたものの、公式に主催者を介してのこれ以上の発信はありません。
そんなこともあって今回はこのトークテーマで
星隈
さん
に出演してもらい、今の想いを語ってもらうこととしました。
本来、このような形の交流会は出入口を全くの自由にしておいた方が、会の途中での入退場も含めて気楽に参加していただけると思います。
ですが今回は会話の内容がすごく細かい部分にまで触れられる可能性もあり、だからこそ参加される方が不特定多数の方の中で自分の意見を発するというのはある種の勇気もいる行為です。
そんなこともあり、今回に関しては初回ということもあるので、入口を全くのフリーにするのではなく、参加したいと直接ご連絡をいただけた方に対してこちらから参加IDをご連絡させていただく手順を取らせていただきました。
一方、今回は事前準備の段階で大きなミスをしてしまっていたことに、開催当日の開始数時間前に気が付きました。
ツイッターを見ていると、20時からの開始に対し、18時過ぎに 星隈
さん
から、「 アルバイトに行ってくる 」 との書き込みが。
あれ?
となって再確認をしたところ、事前にこちらから送った出演依頼に、「 18日 」 と。。。
完全に書き間違えました。
これにより急遽、ミスによってゲストが 【なし】 になったという発信をさせていただきました。
完全に私の凡ミスです。
この後、当初の予定通り20時のスタートに向けて40分ほど前にzoomのミーティングルームをスタートさせ、まずは私がログイン。
早めに入って来られ方がいるだろうと待っていると間もなく数名の方が続々と。
そこで少しゆっくりと話をしていたところ、19時30分過ぎに次のアクシデントが発生しました。
両耳に入れていたイヤホンの向こう側から何となく聞こえてくるサイレンの音。
私はてっきりこの時点ですでにログインされていたどなたかの近所で緊急車両が走っている音だと思い、「 誰かのところでサイレン鳴ってません? 」 と聞いたのですが、どうやらどこでもない様子。
もしやと思って自分のイヤホンを耳から外してみたところ、聞こえていたサイレンの音が一段と大きくなりました。
鳴っているのは士幌だったのです。
鳴っていたサイレンは災害発生により消防団員召集の緊急参集指令。
そうなると地元消防団に所属している私は何を置いても出動しなければなりません。
大至急やらなければならないこと。
どうすればいいのか判断の難しいこと。
この現状で出来ない不可能なこと。
そんなことが一気に押し寄せてきてしまったため、正直ここ数年ないほどに慌てました。
まず、大至急やらなければならないことは、消防団員として出動することです。
これは何よりも最優先。
どうすればいいのか判断の難しかったものとしては、まずはこの交流会自体をどうするか。
幸いにも数名の方にすでにログインしていただいていたため、慌てながらも即相談した上で、自分が戻って来てから再開することとさせていただきました。
しかしここでの懸念は、間もなく始まる交流会に向けてまだログインされてない方のことでした。
zoomのシステム上、入場しようとする方に対しては、最終的に主催者の私が画面上で直接操作をしなければこのミーティングルームには入れないのです。
今回の参加予定の人数はそれほど多くなく、平時であれば1人1人に対して直接的に何らかの変更を連絡することも可能ではありますが、さすがに今回の現状では無理。
そこでこれもログイン済みのみなさんに相談させていただき、私の方からツイッターを通じて交流会の開始がアクシデントによって遅れることを広く発信させていただきました。
この時点の現状で出来なかったこととしては、いつ戻って来られるかの判断です。
参集指令の緊急事態が短時間で収拾できるものであれば比較的早く戻ることも可能だったでしょうが、こればかりはこの場ではまだわかるわけもなく、また実際の現場に到着してから誰かに連絡しているような時間や余裕はありません。
防災意識も高く、年間を通しても良い意味で消防団の活躍の場がほとんどない地域ではありますが、災害はいつ起こるかわからない。
全く交流会どころではなくなってしまいました。
私が現場から配信場所へと戻り、再びパソコンの前に立てたのはこの出動から約2時間後でした。
時計は21時30分を回り、当初の交流会開始予定時刻よりも90分以上経ってしまっていましたが、戻ったパソコンの画面には出動前にすでにログインしていた私の25年来の親友の顔がそのままありました。
どうやら先の見えない中でずっと画面の前で待っていたくれたようです。
この間、バタバタと動き回っていた私が経験したこの約2時間と、彼がこの場で待っていた約2時間とでは全くその体感は違うと思います。
いつも通りの顔で待っていてくれた彼の友情には改めて感謝の念を抱かずにはいられませんでした。
この後、先程一度ログインしていた方を中心に、戻って来れたという連絡をさせていただき、数人が集まったところで改めて、というよりもようやく交流会をスタート。
この時間、星隈
さん
もすでにアルバイトを終えて自らツイキャスで発信を行なっていたのですが、途中からこちらに合流してもらえ、ここの結果だけを見れば、当初の告知通りにゲストがいる状態で会を進めることができました。
会の中では私が制作協力で参加しているアリスインプロジェクトの今回の延期についての話を中心に、みなさんとともに色々な話をさせていただいたり、ご意見を伺わせていただいたり、こちらの意見に対してどのような感想を持たれるかなどを伺ったりと本当に様々な話をすることができましたが、具体的内容に関してはこの会に参加された方だけのものとしたいと思います。
途中、しばらく経ってから参加をいただいた方も数名いらっしゃったようです。
話の内容がどんどん濃いものになっていたため、途中からではなかなか理解に難しかったかもしれませんし、私の方で少し配慮も足りなかったかと反省もしています。
ここは次回への課題とさせていただきたいと思います。
結果的に、終わってみれば再スタートから日付が変わった直後までの、約2時間半弱の交流会をさせていただきました。
今回はトークテーマを絞っただけに参加される方の人数そのものの分母を自ら小さくすることとなってはしまいましたが、角度を変えて見れば、だからこそこの場での話の進み方がお互いにわかりやすくはなったと思います。
開始前に気が付いたミスがかき消されてしまうほどの開始直前のとんでもないアクシデント。
こんなことは確率論から考えてもなかなか起こることではありません。
何が起こったのかという具体的なことは倫理的にも差し控えますが、変な意味での
伝説のイベント
になってしまったと言わざるを得ません。
しかし今回参加いただいた方にはそれぞれの方に対してご迷惑をおかけしてしまったことは間違いありません。
本当に申し訳ございません。
ですが、ちょっと不謹慎かもしれませんが、この回の交流会は何年経っても色んな意味で話題になるとも思います。
交流会の内容だけを見回せば、まさに
伝説のイベント
になった、なってしまったと思います。
これに ” 懲りず ” 、是非ともまたご参加いだけると幸いです。
こんなこと、またこのタイミングで起こるなんて確率は、きっと士幌の人口が10万人になるよりもずっと低いと思います。
みなさんと一緒に経験した、本当にあり得ない数時間でした。
交流会終了後、自動的に録画された、私が出動してから戻ってくるまでの約2時間の録画を見直していました。
ミーティングルームにいくらかのチャットが参加いただいていたみなさんの間でやり取りされていたのは会の間に確認できていたのですが、そこに残された映像と音声は、私がなんとなく想像していたものとはちょっと違っていました。
私が出動していなくなった後、ミーティングルームへのログインこそそのままにしておいたとしても、みなさんは一度その場からすぐに離れていたのではないかと想像していました。
実際、一度ログアウトしたとしても私が戻った時点で改めてご連絡をさせていただくつもりでしたので全く問題はなかったんです。
私が交流会を終えるまでの間に知っていた事実は、前述したように、戻ってきた時点で25年来の親友が画面にいたこと。
これだけでした。
ですが、改めて録画を見直してみると、私がいなくなった直後からそこにいた3人の方がそのまま交流を続けていたのでした。
私からすればその方々はすでにかなり以前からそれぞれに知っている方ばかりですが、それぞれの方から見ればこの場で初めて会う方ばかり。
それでも結果的に私が戻ってくる少し前頃まで色々とお話で盛り上がっていたのがしっかりと録画されていました。
なかなか戻って来ない私のこともご心配いただきながら、何とも先の見えない中で過ごされているのを改めて映像で見てみると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、同時にこんなアクシデントの先に新しい御縁が生まれている瞬間を目撃できたのは何だか嬉しいような気持ちにもなりました。
私が戻ってきた瞬間は画面の中には確かに1人でしたが、その間は何人もの方がその場所にいてくださっていたのです。
そんな事実に後から気付かされ、なんだか改めて温かい気持ちにもなった今回の交流会でした。
2020年5月11日
掲載
ジャガイモンプロジェクト代表・川崎康
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