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   イレブンナイン「サクラダファミリー」観劇 &
カジタンファミリー新年会 参加レポート
 
   

札幌の劇団・イレブンナイン さん が、この冬も 札幌演劇シーズン に登場。


今回の作品は、「 サクラダファミリー 」。

2012年12月に初演された作品が5年以上の時を経て、1月20日〜28日まで、札幌琴似の、生活支援型文化施設 コンカリーニョ にて再演されます。



フライヤー (クリックで拡大します)


昨年夏の、札幌演劇シーズン2017夏 では、イレブンナイン さん が公演した ” あっちこっち佐藤さん ” には、ジャガイモンプロジェクトも協賛で参加させていただき、また新しい、そして貴重な経験を積ませていただきました。


かでる2・7 で行なわれたこの公演は全12公演で4300人を超える観客を動員。
札幌の、北海道の演劇史に、間違いなくしっかりとした足跡を残しました。

私自身も限られた時間の中で2公演を観劇。
大きな感動を会場のみなさんと一緒に味わわせていただくと共に、本当に気持ちのいいちょっとした達成感にも満たされる想いのする経験でした。


イレブンナイン「あっちこっち佐藤さん」 観劇参加レポート はコチラから




気が付けば早くもあれから約半年。
年末年始のバタバタした空気に身を委ねているうちに、アッという間に今回の公演の日程が近づいてきていました。

ジャガイモンプロジェクトとして、今回は何をお手伝いできるのか。
どんな形で少しでも力になれることができるのか。

いつもお世話になっている イレブンナイン さん でもあり、そんなことはアチラから何か言われるまで待つのではなく、ごく当たり前の行動としてコチラから勝手に動き出します。

とは言いつつも、今回はジャガイモンプロジェクトとしては正直なところ初動が遅くなってしまったことも否定できません。



昨夏の ”あっちこっち佐藤さん” 以来、イレブンナイン さん では、公演ごとにその魅力を発信すべく YouTube の生配信を、代表の 納谷真大 さん と、プロデューサーの カジタシノブ さん が行なっています。

そして今回の、サクラダファミリー でも、カジタンファミリー として12月30日に初回が配信。
翌日以降の数日間はお休みでしたが、年明けの稽古始め1月4日には第2回が配信されました。


その第2回の配信、当日私は生配信が始まっていたのを気が付けずにいたのですが、そんな中である方から、「 ジャガイモンさん、観てないですか? 」 って納谷さんが呼んでますよ! とご連絡が。

慌てて カジタンファミリー の放送を観ると、生配信中に 納谷 さんカジタ さん がジャガイモンの話をしていました。



(カジタンファミリー第2回 36:40 あたりから)

(カジタンファミリー第2回 37:50 あたりから)


カジタンファミリー 第1回

2017年12月30日
カジタンファミリー 第2回

2018年 1月 4日
カジタンファミリー 第3回

2018年 1月 6日
カジタンファミリー 第4回

2018年 1月 6日
カジタンファミリー 第5回

2018年 1月 7日
カジタンファミリー 第6回

2018年 1月 8日
カジタンファミリー 第7回

2018年 1月 9日
カジタンファミリー 第8回

2018年 1月14日
カジタンファミリー 第9回

2018年 1月15日
カジタンファミリー 第10回

2018年 1月16日
カジタンファミリー 第11回

2018年 1月17日
カジタンファミリー 第12回

2018年 1月18日
カジタンファミリー 第13回

2018年 1月19日
カジタンファミリー 第14回

2018年 1月20日
15回目以降の配信アーカイプは、
当ページ中部下部で紹介しています



直後、私がコメント欄にて観ていることをアピールすると、お2人もすぐに気が付いてくださり、「 いつ来てくれますか? 」 という話に。

そこで私が、「 21日と28日に行く 」 ということと、「 あとで納谷さんに改めて連絡するつもりだったけれど、今回は士幌から10人程度の有志を・・・ 」 ということをコメントで伝えました。



私自身、今回の公演に対して何度か観劇をしたいとは思いつつも、当初は時期的な問題もあってチケットの手配などを年の瀬の頃にはまだ出来ずにいました。

そんな頃、一方では士幌で違った動きがありました。
士幌には、私自身現在は形程度とはなりつつも所属となっている、商工業者の後継者を中心とした 商工会青年部 という団体があります。

この部は毎年この時期に北海道内に宿泊研修に出るのですが、今年は28日に札幌に ”サクラダファミリー” を観劇に行こうと思っているという話を耳にしました。


この部の中には昨年、イレブンナイン さん 、そしてジャガイモンプロジェクトが共に制作等で参加した舞台、アリスインプロジェクト 「 みちこのみたせかい 」 を札幌まで観劇に来てくれた部員がいます。

更にその部員はその後もジャガイモンプロジェクトが広報等で参加した、富良野塾OBユニットの帯広公演も駆けつけてくれており、少なからず演劇の楽しさに触れてくれています。

今回はそんな彼の提案を中心に話が盛り上がり、私自身がジャガイモンプロジェクトとして イレブンナイン さん と一緒に活動することが多いということもあってこの公演を観に行きたいという流れになったそう。

とにかく士幌の仲間達にこういう機会に、私がいつも取り組んでいる活動、人、そして演劇というもの自体に触れてもらえるというのは本当に嬉しいことです。



また、この生配信の中では 納谷 さん から、「 ジャガイモンさん、21日一緒にご飯食べましょうか、終わったあと 」 とお誘いの言葉が。
これを私が即答で快諾したところ、そこから更に、「 集いますか? 」 → 「 オフ会やりたい 」 → 「 配信を観てくれてる人で新年会をやろう 」 と話が膨らみ、カジタンファミリー新年会 の開催が決まりました。

21日の公演終了後に2時間開催予定の カジタンファミリー新年会
まずは、納谷 さんカジタ さん 、そして私の参加は決定。
他の方の参加はこの時点では未定ですが、それでも間違いなく面白いことにはなりそうです。



(カジタンファミリー第2回 41:00 あたりから)

(カジタンファミリー第2回 43:00 あたりから)


この回以降の生配信でも、納谷 さん は、公演のチケットの取り扱いなどについて私から連絡をさせていただいたものに対して配信中にメールの返信を書いて送って来てくださったり、更にはまた、「 ジャガイモンさん、観てますか? 」 と画面を通して呼びかけてくださったりと、楽しい意味で油断できません。
また、そんな配信の中では、ジャガイモンプロジェクトや士幌についての話も何度も色々と展開してくださり、本当にありがたい限りでした。



(カジタンファミリー第5回 33:30 あたりから)

(カジタンファミリー第5回 35:00 あたりから)


これ以降の生配信では諸事情もあってしばらく新年会について触れられることはありませんでしたが、開催前日の20日、第14回の配信では改めて翌日の打ち合わせが行なわれました。
あとは我々3人以外に、誰かが来て待くださるのか、ただそれだけです。



(カジタンファミリー第15回  4:45 あたりから)

(カジタンファミリー第15回  6:20 あたりから)


当初は広報的なことなどお手伝いできることはしつつも、一傍観者として観劇参加しようと思っていた ”サクラダファミリー” 。
それでも色々とお声がけをいただいたり周りの人の想いもある中で、プラスの方向へそれが変化していくというのは本当にありがたくもあり、そして嬉しくもあります。

21日には色々な方と交流できる機会もありそうです。
士幌の仲間からは新鮮な視点から28日の感想を聞くことができそうです。

そしてその両方は共にその場限りのものではなく、きっとその後の様々なものへと繋がっていくはずです。

であるならば、この飛び石での2日間をただの観劇参加とはせず、特別出張 として、正式にジャガイモンプロジェクトとしての活動の1つにすることとしました。
今回は ”自ら仕掛けた” というよりも ”機会をいただいた” という方があてはまるものですが、それもまたジャガイモンプロジェクトにとっては大切な機会となるはずです。




1月21日

公演2日目は朝から雪がチラつく少し不機嫌な空。

早朝からすでに札幌入りしていた私は、公演が始まるよりもかなり早い時間に コンカリーニョ へと向かい、まずは楽屋に差し入れを届けます。

このような演劇公演への差し入れとしてはいつも同じものを持って行ってますが、” ジャガイモンプロジェクト → ポテトチップス ” という流れができつつあるのは、ある意味では楽でもあり、ある意味では嬉しくもあります。

そんな定番のポテトチップスを、朝の早い時間から練習や確認、そしてその日の公演への準備を進めるみなさんの元へと届け、まずは朝一番のミッションは終了です。


   


13時30分の開場、そして14時の開演を前に、改めて12時30分頃に コンカリーニョ へと戻りましたが、まだ人の列も何もありません。
少し早く到着しすぎました。

それでもそれから数分も経たないうち、以前の イレブンナイン さん の公演などでもお会いしており、そこから色々と交流させていただいている方が到着。
まだ当日の準備が始まっていないロビーに入って一緒に時間を過ごすこととしました。

屋外は雪がチラつき、こんな状況の外で待つというのは非常にツライことですが、屋内にいられるというだけでもありがたいこと。
それでも、誰かが来ると自動ドアが開き、その度に冷たい風が中まで吹き込んできました。


開場30分前の13時頃になると、会場前のロビーに集まってくる方の数も増え、スタッフによる開場へ向けての準備も進みます。
今回は1人の観劇者としてここに来ている私ではありますが、そんな準備を進めるみなさんは他の機会の活動では私も共にスタッフとして動くこともある方ばかりで、そんなみなさんとの再会はとても嬉しいもの。

また、そんなみなさんの準備作業の邪魔にはならないようにしつつも、ちょっとテープルを運んでみたりと思わず手が動きます。


ある程度の準備が終わったところで手の空いたスタッフさんと少し話をさせてもらったり、入場待ちの方々と懇談したり。
また、この回の観劇予定はないものの、私がここにいると知ってわざわざ会いに来てくださった方もいらっしゃり、そういう全てがありがたく、また1人で何かを待つのとは全く違った時間の経過を感じることもできます。

このような観劇でも、イベントやライブでも、ただ黙って1人で静かに始まるのを待っているのは時間もなかなか過ぎていかないものですが、みなさんと話をしたりしながら過ごすことで時間も自然と早く経過していきますし、こういう時間帯がまた楽しいものでもあります。
今回もそんな楽しい時間を過ごしているうちに、やがて開場の時間となりました。
気が付くと後ろには数十人の列が出来ていました。


   
   


入場時の整列について、前日の カジタンファミリー でも話題になったのですが、ここには少なからずの、そして解決には色々と試行錯誤が必要であろう問題が発生しています。
それは イレブンナイン さん のこの現場だけに言えるものではなく、多くの場所、多くの演劇の現場で発生している問題です。

ライブや各種スポーツ、講演会や展示会 ・・・。
それぞれにチケットのシステムがあり、そして購入の仕方があると思います。

演劇にも独特なチケットシステムがあり、これが不慣れな方にはわかりづらく、そして購入する時以外にも色々な余波を及ぼしています。


非常に大きな公演ともなるとまた話は変わってくるとは思いますが、少なくとも札幌界隈での演劇業界ではチケット購入がいくつかあります。

まずはローソンなどのインターネットを介するチケットシステムを利用し、チケットの入手と同時に事前に決済を完了する方法。
これは演劇に限らず、多くのチケット購入に利用されているシステムだと思います。

次に、事前に予約のみをし、代金は当日に会場に来てから支払いを行なうことで、そこで初めてチケットを受け取るシステム。
これは ”取り置き” と呼ばれ、この中にもインターネットなどで観客自らによって手続きを完了するものと、出演者やスタッフに直接連絡を取って ”予約” をお願いしておくものなど様々なケースが存在します。

他にも例外的なものもあったりしますが、大きく分けて、”事前精算” と ”当日精算” の2種類の人が混在するのが演劇の世界に多く見られるシステムです。


当日の開場時の受付ではこの2種類の精算の人達がそれぞれの列に分けられ、すでにチケットを手に持っている ”事前精算” の人達はそのまま入場できるため、まずは入場列の先頭に。

これに対して ”当日精算” の人は受付で精算してチケットを受け取ってから入場列に並び直す必要があるため、必然的に ”事前精算” の方達の後ろに位置することになります。
この ”並び直し” が納得いかないという方が多く存在している現状があるようです。




お気に入りの役者さんからチケットを買いたいという方もいれば、一部の役者さんは ”購入特典” として、自分からチケットを買ってくれた人に対して何らかのプレゼントなどをするという場合もあります。
そうなるとこちらを希望する方達は自然と ”当日精算” となります。

”取り置き” にも事前精算を出来るシステムを導入すれば? という声もあるようですが、”取り置き” にこそ様々な事情やケースに更に細分化されるため、これらに事前決済のシステムを設けようとしてもこのシステムから溢れ出る事例が必ず出てきてしまうと思われます。

極論を出すならば、”事前” と ”当日” のどちらか一方だけに集約してしまえばいいのでしょうが、これもまた現状として難しいものがあるようです。
私自身も イレブンナイン さん の公演に対してはほとんどの場合で役者さんに直接連絡を取る ”取り置き” → ”当日精算” のシステムを利用していますし、これは少なからず、「 ちゃんと観に行くからね 」 というアピールにもなっているのだとも思います。

また、ジャガイモンプロジェクトの活動の中ではスタッフ側、主催側に入る機会も少なからずありますが、そんな時にもやはりこの2つの精算システムがあることでチケットの購入や予約を一般の方に対して促すこともできますし、事前に多くの手を煩わすこともなく来場していただけるということにも繋がります。
逆に、”事前決済” のみにしてしまうと、せっかくチケットが欲しいという人が目の前にいてもインターネットなどでの購入方法を案内するだけしかできなかったりもするでしょうし、もしくはチケットを取り扱うであろう全ての人がチケットの実券とお金を持って歩かなければならなくなってしまいます。

これは明らかに不親切でもあり、手間もかかれば大変なことだと思います。
また、来場いただける可能性のあるお客様を逃してしまうことも考えられます。


安室奈美恵さんのライブにはそんな ”取り置き” のシステムなんて無いでしょうし、札幌ドームで開催されるファイターズの試合にも無いでしょう。
イベント自体が大きくなっていけばこれは必然的に ”事前精算” のみに淘汰されていくのでしょうが、現時点ではどちらのシステムも、売る側にも、買う側にも必要であり、あって欲しいシステムなんだと思います。

ですが、これによって何かが複雑化したり混乱を生じさせることも否定はできないでしょう。


前述した入場時の混乱、そして納得いかない人が出ているという現状に対しても、事前に全員に対しての整理番号を出す、全ての人を1列に並べてそのままの順で入場してもらうなど、色々と考えられることもあるかと思います。

ですが、前者だと整理番号を出すために、お客様側もスタッフ側も更に早い時間からの来場や準備が必要となってしまいます。
お客様側からすると、「 いい席で観たいのであれば早く来ればいい 」 という発想にもなると思いますが、スタッフ側からすると人の数の問題からもそれが難しくなることが予想されます。
また、1日2公演の日があると、1公演目が終わった時にはもう2公演目の整理番号が配布され始めていた、整理番号待ちの列ができていたということにもなりかねず、これはこれで混乱が生じる原因にもなりそうです。

後者であれば単純に会場に来た順番に入場することができ、そういう部分での混乱や疑問は生じないでしょうが、精算の必要な人、チケットの半券を千切るだけの人などが列に混在すれば、入場に時間がかかってしまうことは間違いありません。
会場の収容数が多くなればやはりそれだけ早く開場することが必要となり、これはこれでまた色々な人に対して負担がかかることになるでしょう。


全席を指定席にしてしまうという発想もあるでしょう。
ですが、このシステムにするとチケットは一ヶ所で一元管理する必要が出てきます。

これはインターネットのチケットサイトなどを利用するか、興行主がチケットセンターを兼ねるかで可能でしょうが、前者はシステム利用料が自由席のみの時に比べても高くなりますし、後者はスタッフの負担の増加を考えると現実的ではありません。

”指定席” という考えの元では、前側数列のみを指定席として、後方を自由席とする発想もあるでしょうし、実際にこの2つの席種で価格を別々に設定して運用しているところもありますが、今回の最初の話題である 「 入場時の混乱 」 を直接的に解決するには至りません。

また前側数列を指定席とすると、当日券などの扱いで既定の席数プラスアルファでお客様を収容しようとする時、最前列よりも前にベンチなどで造席するというやり方は、頑張って前方の指定席を取った人の感情を考えると実質的に不可能となるでしょう。


現状の ”事前精算” と ”当日精算” の人がそれぞれの列を作るというものも、観劇に慣れた方やそのシステムに納得している人、そして実際に事前精算している人にとっては、改めて大きな問題にはならないことなのかもしれませんが、そうではない人も多数いるのは現実。
どんな時にも、「 今回が初めて 」 という人がいるでしょうし、そういう新規の人がいないというのはそれはそれで問題があります。

イレブンナイン さん に限らず、この問題は色々な劇団さんや運営側が試行錯誤を繰り返し、そして一番良いであろうという着地点を求めているのだとは思いますが、はっきりとした全員が納得するスマートなものもなかなか無いというのが現状だとも思います。


   


13時30分の開場。
”当日精算” の列の先頭にいた私は、”事前精算” の方の列の後ろに並び直しつつも、中ではしっかりと最前列の中央あたりに着席することができました。

演劇は、前方の席で役者さんや全てを目の前で感じながら観るのと、後方から全体を俯瞰して観るのとでは全く観えるものも変わってきますし、感じ方も変わってきます。
上座側から観るのと下座側から観るのとでも様々な違いがあります。

とこが良くてどこがそうでないのかというのは観る側の人それぞれの考え方もあり、一律で考えることはできませんが、今回の公演を複数回観るチャンスのある私は、まず1回目の観劇に最前列を選択しました。
足を少し伸ばせば舞台の端に当たりそうですし、役者さんから唾が飛んだとしたらきっとこちらまで届くでしょう。
右端と左端は首を振らなければ観えませんが、臨場感という意味ではこの上なく最高の場所でもあります。


この回は前売りの時点でチケットが完売となっていたこともあり、私が着席した後にも次々と会場内に人が流れ込んできます。
コンカリーニョ は通常時で 174 という席の設定になっていますが、これもどんどん埋まっていきます。

開演前の前説が始まる頃にはほぼ全ての席が埋まりました。 会場内が暑くなることを想定して上着をイスの下に押しこむ人や、最後に慌ててトイレに向かう人。

それぞれの準備があり、それぞれにワクワク感があり、それぞれに期待や想いがあります。

そんな中で舞台袖から5人のシスターが、「 只今、写真撮影オッケー! 」 と書かれた札を持って前説に登場。
ここで内容には触れませんが、楽しい演出に笑いが起こる前説でした。

慌てて携帯電話の電源を入れ直して写真を撮影する人もいれば、前日も観劇していたことで事情を把握していて一眼の大きなカメラを構える人も。
撮るも撮らないも自由ですが、やはりこういうところで写真撮影ができるというのは多く喜ばれるものでしょうし、私自身も嬉しく感じます。


   
   


前説が終わり、舞台が暗転すると、ついに本番のスタートです。
それまでガヤガヤしていた会場も一気に静寂に包まれ、そして再び少しずつ明るくなった舞台には、桜田巌納谷 さん が座っています ・・・

約2時間。
ここでしか体感することのできない、そしてもう2度とやってこない時間。
台本は同じであっても絶対に同じものにはならない、そして誰かの何かのタイミングやちょっとしたことで変化も起きれば、回数を重ねることで変わっていくものもある。
そんな2時間。

ですが、具体的な内容を書き添えることは避けます。
このレポートは今回の公演の全日程が終了してから出すものではありますが、今回の ”サクラダファミリー” は2012年に初演したものの再演であり、当然今後の再々演も考えられます。

そんな時に誰かが公演の情報を知ろうとして検索した結果、ここに辿り着いてしまい、楽しみにしていた内容を事前に不意に知ってしまうというのは望みませんし、当然避けたいところです。

また、やはり物語のあらすじや詳細に関してはその場で生の舞台を観た人のものだと思います。
色々な方の感想などを通じて、また出演者やスタッフの方からの発信によって漏れ出るものを否定するつもりは全くありませんが、私からのここでの公開は致しません。




舞台の感想は、最後に書くとして。
それでもまずここで一言言うのなら、本当に思い切り笑って思い切り泣いた作品でした。
終盤の笑いと泣きの怒涛の畳み掛けは凄かった。

見所が本当にたくさんあって、何度観ても絶対に楽しめると作品そして舞台だと、1度観ただけで確信を持てました。
まずはこのあたりにしておきましょう。



今回の公演では全13公演中6公演に アフタートーク が設定されています。
そしてこの回もそんな6回のうちの1回でした。

毎回組み合わせの違うメンバーで行なわれるアフタートークですが、今回は 納谷 さん とアリスメンバー。
”アリスメンバー” というのは ”アリスインプロジェクトメンバー” の略で、アリスインプロジェクトといえば 納谷 さん が2016年、17年と演出を手掛けたガールズ演劇。
ジャガイモンプロジェクトでも様々な形で参加させていただいており、イレブンナイン さん ともこのガールズ演劇をきっかけに出会うことができました、

そんな演劇に出演したことのある ちーしゃみん さん小西麻里菜 さん鈴木花穂 さん廣瀬詩映莉 さん が今回のアフタートークのメンバーです。

また、途中からは 宮田桃伽 さん も呼び込まれました。
宮田 さん は昨年のアリスインプロジェクトの公演で、最初からキャスティングされていたメンバーではなかったものの、本番直前に体調を崩して出演ができなくなってしまったメンバーの代役で急遽起用され、公演そのものを救ってくれた大功労者です。
私は今でもあの時のことを思い出すと涙が出てきますし、彼女に対しての感謝や特別な想いは消えません。

こちらのアフタートークも内容の詳細もその場にいた人だけのものと考え、1から10まで全てを書くことは避けます。

ですがいくつか紹介するとするならば、アリスインプロジェクトと今回の違いを聞かれた ちーしゃみん さん が、「 女の子ばかりのお芝居と、男の人がいるお芝居という違い 」 を挙げてくれました。
また、宮田 さん が代役で出演した時のエピソードも紹介されました。

他にも、今回の劇中で使われた歌に関して 小西麻里菜 さん の想いや、「 大事なことは3回言う 」 という 鈴木花穂 さん の名言も出ました。

更に、廣瀬詩映莉 さん はホームグラウンドのイレブンナインでのお芝居ということもあり、納谷 さん に激しいツッコミを入れつつ、サクラダファミリー初演時のエピソードなども紹介してくれました。


アフタートークが始まる前、早々に席を立って帰路につかれた方もいらっしゃいましたが、残っていたお客様の中にもアリスインプロジェクトの演劇をご覧になったことのない方は多数いらしたでしょうし、今回は ”客演” という形で外から参加している彼女達のことを初めて観たという人も少なくなかったのではないかと思います。
そんなみなさんにとってみれば、直前まで舞台の上で繰り広げられていたお芝居の中の彼女達が全てであり、それ以外は初めて触れるもの。

ですが、このアフタートークでは彼女達それぞれに ”らしさ” が溢れていて、サクラダファミリーの魅力をより伝えると同時に、彼女達自身の魅力を伝えるものにもなったと思います。

時間にして約20分のアフタートークでしたが、会場からは常に笑いが溢れ、これもまた本当に楽しいものでした。


   
   
   
   
   
   
   


この回の全ての予定を終了してロビーに出ると、先程まで舞台に出演していた役者さんが数名出てきており、お見送りと共にお客様と交流をしていました。
演劇の現場ではよく見られる光景ですが、この時間も1つの公演を楽しむにあたって本当に楽しいプラスアルファでもありますし、この時間を楽しみにしている人も多く存在していると思います。

また、このタイミングで渡そうとお土産や手紙を持参されている方も少なくないようです。

会話をしたり、一緒に写真を撮ったりサインを貰ったり、それぞれの交流が行なわれており、あちらこちらで笑顔が溢れます。

短い時間ではありますが、私も数名の方とちょっと話をさせていただいたりするなどしました。
またこんな時、私から声をかけるより先に役者さんの方から声をかけて来てくださるということが何度もあります。
イレブンナイン さん とはアリスインプロジェクトの公演を含め、普段から様々な形でご一緒させていただいているということもありますが、そういう瞬間というのはより嬉しいものです。



ロビーでは同時に 物販 も行なわれています。
今回は私は、サクラダファミリ―の缶バッジと、同作品の初演時のDVDを購入してきました。

ジャガイモンプロジェクトでもイベント時などに物販を行なうこともあり、また様々なイベントで関わることもありますが、このような時の物販での売り上げというのはイベント全体のことを考えてもとても大切です。
それがわかっているからこそ、このような時には微力ながら必ず何かを購入しています。

また、物販でグッズを購入するということはここで体験したことの対する思い出を1つ増やすということにも繋がると思います。
だからこそ、このような演劇や様々なイベントでも、たとえ興味が先立っていなかったとしても帰り際には一度でもそんな物販を覗いていっていただければと思っています。
そこには何か心に刺さるものがあるかもしれません。


また、グッズを用意する側にすれば来場いただく方に、「 欲しい 」 と思ってもらえるものを用意することが必要とされるでしょう。

グッズというのは事前に資金を必要としますし、そこへの投資は少なからずのリスクも伴います。
更には権利なども含めて色々と障壁もあったりします。

発注すれば余計に費用がかかり、自作すれば手間と時間がかかります。
今回のことだけを考えても、本来は劇を作るのに集中したい、すべき人が色々と苦労してグッズを夜鍋して作ったりしている。

そうであれば、私には、「 買わない 」 という選択肢はすでにありません。

全ての人に対して、「 必ず買いましょう 」 と言う気は全くありませんが、ぜひ一度でいいのでそんなグッズコーナーも覗いていってもらえればと思っています。


   


次の公演は17時30分開場、18時開演。
ロビーに誰もいなくなってから開場までまだ1時間ほどありましたが、1回目を一緒に観た方とこの場所から動かずにそのまま待つことにしました。
我々以外には本当に誰もいませんでしたので、自動的にまた列の先頭です。
あくまでも ”当日精算” の先頭ですので、この後並び直さなければなりませんが。


その頃、屋外は猛吹雪。
コンカリーニョは屋外に出なくても琴似駅などと繋がっており、天気に関係なく色々と移動は可能ですが、それでも会場に向かっている人にとっては大変な空模様。
屋内で待っている我々も、そんな人達が来るたびに開く自動ドアから吹きこんでくる冷風や雪になかなか苦しめられました。

この自動ドア、昼の部ではスイッチが入っていたために何かがセンサーに反応するたびに開いていました。
その際にスタッフの方と、「 スイッチを切ったら? 」 というような話をした時には、「 スタッフの数の問題もあるので 」 ということでしたが、夜の部ではスイッチを切って、誰かが来るたびにスタッフの方が手動で開け閉めをしていました。

こちらの意見に対して敏感に対応してくださることも嬉しいですが、あのドアの開け閉めは本当に大変だったと思います。
間違いなく手も冷たくなることでしょうし、必然的に一番冷える位置に立っていることになります。

今回の公演は私は完全に1人の一般観劇者として参加していましたが、やはりこのような対応というのは嬉しいものです。
同時に、私自身がこのような演劇公演に対してスタッフとして参加することも少なからずあり、このような出来事というのは本当に参考にもなり、勉強にもなります。


   


このような演劇公演も、様々なイベントでも、一般の方と同じ立場で参加させていただく時も、常に全ては勉強だと思って参加しています。
1つの同じものでも、客側にいるからこそ見えるものもあれば、スタッフ側だからこそ見えるものもあります。
また、その両方を経験しているからこそ感じることもあれば気が付けることもたくさんありますし、色々な立場で物事を考えることができるのは色々ことに対してプラスに働くと思っています。

これまでのジャガイモンプロジェクトの活動や私自身の人生の中で、このような形で得た経験というのは全て次に活かされていくものですし、その積み重ねが今のジャガイモンプロジェクトを形成していると言っても過言ではありません。

私はこれまでの経験の中で、当然1人の傍観者としてファンとして様々なイベントに参加したこともありますし、スタッフ関係者としての参加や主催者としてイベントを開催してきたこともあります。
また、自らステージの上に立ってお客様の前に出るという経験も少なからずしてきています。

これらそれぞれの立場を全て経験している人とというのはそんなにどこにでもいるということはないでしょうし、この経験の積み重ねというのは今の私を支えてくれています。

イベントを観に来た立場で不満や何かが足りないと感じる部分があったのなら、自分がスタッフ側に回った時にそういう部分を気を付け、そして改善すればいいですし、それがお客様の満足度のアップに繋がっていくと思います。

そしてそれは当然逆の立場でも言えることだと思います。
スタッフとして参加していて、お客様に対して、「 もっとこうしてほしいのに 」 という想いが浮かんだのなら、自分が客側の立場になった時にそういう点に心を配って行動すれば気持ち良くイベントも進んでいくと思います。

ファンの方がステージの上に立つ側に対して抱く想いや希望が理解できるのなら、それを活かしていけばこれも当然ファンのみなさんの満足度を上げていくことに繋げられると思いますし、これら以外にもそれぞれの立場の想いがわかることによって様々な利点が生まれます。
だからこそ、このような形のレポートを書く時も、そして当然実際に行動をする時も、常に色々な立場の人の想いに心をめぐらせ、そして実際に自分がその立場だったらどう思うか、どう行動するかということを考えながら物事を進めています。


更に、そんな内部の事情や状態を把握できている人がいるのであれば、その人というのは良い意味での ”利用価値” を持った人になり得ると思います。
”利用価値” という単語にしてしまうと勘違いもされてしまいそうですが、冷静に考えて正しい使い方が出来ればその人には間違いなく大きな ”利用価値” が生まれるのだと思います。

そしてジャガイモンプロジェクトの活動をする中で私自身も、そんな ”利用価値” のある存在に近づこう、近づければとも思いながら自分なりの努力や工夫をしています。

そんなそれぞれの立場に立って物事を考えられる、理解できるというのはジャガイモンプロジェクトにとっても、そして私自身にっても大きな財産であり、そして宝物であると考えています。
だからこそその財産を更に ”価値” あるものにしようと努力もしていますし、その努力こそが自らを高め、それらが活動の幅や内容、そして様々なものに繋がっていくのだと信じています。


実際これまでの活動の中でもジャガイモンプロジェクトに対してそのようなことを感じていただけた方は間違いなくいらしたと思いますし、それはある意味ではジャガイモンプロジェクトにとっては成果であるとも思います。

こんな書き方をするととても硬く感じられてしまいそうですが、実際には頭の中も活動もかなり柔軟に、そして臨機応変に対応していきたいと思っていますし、それが出来るのが誰からもどこからも縛られず自由な立場で活動しているジャガイモンプロジェクトだと思っています。




夜の部の開場をロビーでそのまま待ち、30分もするとまた再び次第に人が集まって列が出来始めました。
その列は昼のそれよりも長くなり、開場の頃にはロビーが人でいっぱいになっていました。

そこには男性も女性も極端にどちらかに偏ることが無くいれば、若い人も年配の方もいる。
本当に幅広い世代のファンを魅了しているのが イレブンナイン さん なんだと、改めて感じる光景でもありました。

そんな中で今回も開場の数分前に当日精算を済ませてチケットを受け取り、事前精算の方がすでに並んでいる入場列に改めて並び直します。

今度は前から30人目くらいだったでしょうか。
それでも実際に開場すると前の方で観たい方、後ろの方で観たい方がそれぞれにバラけて、私は狙い通りに3列目の中央あたりをゲット。
昼の部よりも少しだけ全体を見渡しやすい位置を確保しました。


   


着席して少しすると、隣に座っていた私より一世代上くらいの男性が、「 受付にいた女性ってどの人ですか? 」 と、サクラダファミリーのパンフレットを見ながら私に質問をしてきてくださいました。
幸運にも(!?)色々と知っていましたので、説明をさせていただきながら少しお話をすると、その男性は昨夏に ”あっちこっち佐藤さん” を観たのが演劇の初めてで、その面白さに魅了されたとのこと。
そして今回、あんな面白いものを作れる劇団が次にどんなものを観せてくれるのかと楽しみにしていたという話でした。

”あっちこっち佐藤さん” といえば、イレブンナイン さん が、札幌演劇シーズン2017夏で公演し、4300人を超える動員を記録した作品。
私自身も心の底から笑って泣いて、本当に面白いと感じるものでした。
そしてその ”あっちこっち佐藤さん” は、普段からたくさんの観劇をしているような人が楽しめるのはもちろん、初めて演劇というものに触れる人にとっても楽しめる、スタートとしてはこの上ない抜群の作品だとも感じていました。

今回その男性の存在はまさにその想像が形となったものでした。
新しいファンの方が生まれるというのは イレブンナイン さん にとっても、この演劇の世界にとっても素晴らしいこと。
それを思うと、ここで伺った話にはなんだかとても暖かい気持ちにも、そして嬉しい気持ちにもなりました。

直前までは全く知らない同士の他人だったけれど、これから同じ場所で同じものに期待を寄せ、そして楽しもうとしているという意味では仲間でもあると言えると思います。
そんな仲間の人とたとえ少しであったとしても触れ合えるというのは嬉しいことですし、こういう現場だからこその喜びだと感じます。


しばらくすると、今回も撮影OKの、シスター5人による前説。
そして、暗転から本編が始まります。


   
   
   


終演後はダブルカーテンコールもあり、会場全体が大きな拍手に包まれました。
最後にはキャストの 江田由紀浩 さん が、「 あ、1つ言い忘れた・・・ 」 という変な感じを残したままに舞台裏に下がって行き、会場が、「 え?なに? 」 みたいな感じになったまま終了。
その微妙な雰囲気もそれはそれで面白いものでした。
(あとで聞いたところによると、ダブルカーテンコールの時には写真撮影OKにするつもりだったけれど言い忘れたとのことでした)


ロビーに出ると、出演者の方がまた何人か出てきており、今まで観劇していたみなさんとの交流が行なわれていました。

私もまた色々な方と交流をさせていただき、ちょっと一緒に写真撮っていただいたりもしました。



( 江田由紀浩さんと )

( ヴィンセント藤田クンと )


やはりこのような交流の機会があるというのは本当に嬉しいことですね。
直前に観たものの感想を伝える人、「 アレって本当はどうなってるの? 」 と質問をぶつける人・・・ 、それぞれの時間が同時進行的にロビーの中で続いていきます。

そんな中では私自身に声をかけてくださるお客様もいらっしゃり、それもまた嬉しい出来事でした。




この日、2度の観劇を経て本当に様々なことを感じ、そしてたくさんの笑いや感動をもらいました。
1度観ただけではわかりづらいものの、2度観ることによって後半部に向けての布石が前半に数多く仕掛けられていることも気づくことができました。

座る場所によって観えるものも当然変わってきましたし、基本は同じであっても全く同じではない微妙な違いもあるのがナマモノのである演劇なわけで、そういう部分も多く楽しむことができました。

「 話の内容をわかっちゃってるんだから、やっぱり1番最初に観るのが一番面白いんじゃないの? 」 と想像する方も少なくないとは思いますが、私自身は全くそんなことはなく、これから何が起こるかというドキドキ感こそ無くなるものの、それでも楽しめる部分というのは無限大にあると思っています。
そして実際に今回も1回目には1回目の、2回目には2回目の楽しさがありました。


イレブンナイン さんのベテラン陣には揺るぐことのない凄さがあり、若手メンバーもまた確実に成長したことを感じさせてくれます。
客演のみなさんもそれぞれの個性が光り、ここに外部から呼ばれていることの意味を見せつけてくれたと思います。

また、私にとっては ちーしゃみん さん小西麻里菜 さん鈴木花穂 さん の3人が男性のいる舞台に上がっているというのは、これまでガールズ演劇で観ていた彼女達とはまた違ったものが観られ、それも新鮮であり、そしてとても楽しいものでもありました。
特にやはり 納谷 さん との舞台上での絡みは特別感があって見え、本当に嬉しいものでした。

昼の部終演後のアフタートークでも彼女達が、そのガールズ演劇の演出家でもある 納谷 さん と再び登壇し、トークを繰り広げました。
そんな光景は、アリスインプロジェクトの札幌での2年の積み重ねの日々と相まって、それは私の中では一種の感動へとなっていきました。


とにかく色々な感動や衝撃が多かった舞台であり、同時に泣いたり笑ったりするのが忙しい舞台でもありました。

しかし、私はまだこの後、千穐楽の28日も改めてもう1度観劇します。
全ての感想はその後に改めて考えたいと思います。


   




この日の日程はこれで終わりではありません。
前述した、カジタンファミリー新年会 がこの後予定されています。

前日20日の カジタンファミリー の生配信で改めて参加の募集がされましたが、あくまでも公式には発表せず、この配信を観ている人だけを対象としたものとなりました。

この新年会に関しては1月4日の第2回の配信以来特に触れられてこなかったため、全くどなたの反応もないことも想像されましたが、それでもひとまずは配信の中で、「 21時にコンカリーニョの前に集合 」 ということで決まり、そのまま当日を迎えていました。

その配信の中では、納谷 さんカジタ さん 、そして私の3人は参加することが事前に確定していましたが、そうなると早い時間にコンカリーニョの前にいられるのは私のみ。
ということで、「 集合に関してはこちらで担当します 」 と伝えて、その日の生配信を終えました。


そんな中、ロビーでキャストのみなさんとお客様との交流がまだ続いている頃に、”新年会参加希望” ということで私に話しかけて来てくださる方がいらっしゃいました。
私はジャガイモンプロジェクトの活動で出張するなどする際には必ずプロジェクトのロゴ入り缶バッジをカバンや服につけています。
それを見て私に気が付いてくださったとのこと。

また直後にはもう1人、同じく、”新年会参加希望” の方が話しかけて来てくださり、早くも私を含めて3人と、少しでも人数が集まってホッと一息というところでした。


その後、ロビーから他の方がほぼいなくなったところで、事前に用意してきたものを床に置きます。

”カジタンファミリー新年会集合場所” と書いただけの紙1枚ですが、実はこういうのってとても有意義だと思います。

お互いにまだ会ったこともない人同士が集まる場合、場所の指定だけでは集まりづらいということがあると思います。
例えばその場所に実際に行ってみたとして、誰かが1人そこにいたとしても、「 本当にこの人も参加の人だろうか 」 と迷って、なかなか話しかけづらい場合もあると思います。

そんな時に、「 ここが集合場所だ 」 と書かれたものがその場所にあれば、その人に話しかけなくても自分の中で、「 ここで間違いないんだな 」 と安心することもできると思います。
実際今回も、誰かが来るたびに、「 これですか? 」 とこちらからその紙を指さし、スムーズに集合ができたと思いますし、少し離れた場所から見てもこの人達も新年会に行く人達だとすぐに分かったのではないかと思います。


   


最初は私を含めて3人が集合しており、「 これで全員ですかね 」 なんて話をしていましたが、集合の21時に近づくにつれて1人また1人と増え始め、最終的には7人。
カジタンファミリーの生での視聴者数はいつもだいたい20人くらいですから、それを考えるとすごい参加率です。

この頃、コンカリーニョの中ではまだ次の日へ向けた準備などが進んでおり、納谷 さんカジタ さん と合流できたのは21時30分頃になってしまいましたが、それでもそれまでの間、みなさんと一緒に色々な話をしながら盛り上がり、すでにその時点でオフ会のような雰囲気でとても楽しむことができました。


納谷 さんカジタ さん と合流後は、近隣のお店に移動。
カジタンファミリー新年会 のスタートです。

我々の中ではすでに済ませてはいたものの、まずは改めて全員の自己紹介 ・・・ のような誰が誰なのかを再確認。
生配信の中でお互いのハンドルネームを見たことがあったりはしているものの、改めてこうして集まるのは初めて。
それぞれ職業は何なのかという話に始まり、色々と盛り上がりました。

また、”イレブンイナン” や ”カジタンファミリー” という共通のものがあることもあり、私自身はなんだかみなさんと初めてお会いした気があまりしませんでした。

演技以外の部分での公演でここをもっとこうすべきなのではないかという話や、ちょっとした裏側の話。
疑問や不思議に思っていることへの質問や、これからの話 ・・・。
とにかく色々な話題で終始盛り上がりました。

時には1つのことに対して役者側、運営側、観衆側など、様々な立場からそれぞれどう思っているのか。
そしてそこには何か改善点や改良点はないのかというような、ちょっと真剣な話もしました。

23時までの時間にして約1時間半。
具体的なことに関しては公にすべきでないことも含め、全てはその場にいた人だけの ”秘密” ということにさせていただきたいと思いますが、とにかくただ楽しいというだけではなく、色々な意味で有意義な会になったと思います。

納谷 さんカジタ さん も大変お疲れのところだったとは思いますが、我々参加者にとってもとてもありがたく、そして嬉しく楽しい時間となりました。
本当にありがとうございます。



今回は、カジタンファミリー の配信を観ている人だけの会となりました。
そんなこともあり、改めてこのような情報に触れ、「 自分も参加したかった 」 というご意見も出てくることが予想されます。

このレポートは今回の サクラダファミリー の全公演の終了後に公開するため、すでに カジタンファミリー の生配信も基本的には終了していますが、イレブンナイン さん はまた今夏には札幌演劇シーズン2018夏に参加しますし、その前後にも様々な予定が組まれているようです。
その頃にはまたきっと、この カジタンファミリー と同様の番組が配信されると思われますし、そこには ”ここだけ” の様々な情報も含まれていると思います。

今回のようなオフ会のようなものに限らず、演劇が好きな方、特に、「 イレブンナインが好きだ 」 「 イレブンナインの〇〇さんが好きだ 」 という方には楽しく有益な情報もたくさん散りばめられていると思います。
実際、昨夏に生配信として初めての挑戦となった あっちこっちカジタン に始まり、今回の カジタンファミリー まで、演劇をより楽しく観ることのできるような、そして深みを持って体験できるような話がたくさんありました。

生配信はいつも稽古の後などで開始時間がバラバラだったり、配信の時間も一定ではありませんが、それでも生配信後にはアーカイブとして過去の配信も公開されています。
これまでまだそんな配信をご覧になったことが無い方も、是非とも次の機会には触れていただければと思っています。


この新年会でも最終盤にはその場からそんな カジタンファミリー の生配信が行われ、参加者全員でチラッと出演もました。


カジタンファミリー 第15回

2018年 1月21日
16回目以降の配信アーカイプは、
当ページ中部下部で紹介しています


今回の カジタンファミリー新年会
最後にはみなさんで集合写真を撮って終了です。

ここで過ごした時間も、みなさんとの出会いと御縁も、本当に素敵な経験でした。
カジタ さん と私との間では、我々3人以外に本当に誰か来るんだろうか、という話にもなっていたのですが、それでも私達3人以外にも6名の方にご参集いただき全員で9人。
本当に楽しい新年会となりました。


   


普段の平日はほぼ大きな身動きの取れない私にとって、通常であれば1つの公演に対する観劇はこれで終了です。
ですが、今回は20日〜28日までの8日間の公演ということで、幸運にも日曜日が2回あります。

ということで、また1週間後の28日、再び コンカリーニョ へと向かいます。
レポートもまだまだ続きますが、21日の分はひとまずここまで。




カジタンファミリー 第16回

2018年 1月22日
カジタンファミリー 第17回

2018年 1月23日
カジタンファミリー 第18回

2018年 1月27日


1つの公演、1つの作品を複数回観劇するというのは、演劇が好きな人にとってみれば最高の贅沢とも言えるのではないでしょうか。

そこにはただ何度も同じものを観るという楽しみだけではなく、ナマモノである演劇だからこそ毎回の違いがあり、そして全体でも個々にも成長や変化が観られたりもします。

演出家さんによっては公演中に演出の一部を変更するということもあります。
そんな意味では、そもそも、「 同じものを観る 」 という言葉は正解なようでいて、一方では不正確なのかもしれません。


また、その変化というのは演じる側の意図したものばかりではなく、時には誰かのちょっとしたミスであったり、動きの違い。
他にも、台詞のタイミングで直後の雰囲気が変わってしまうこともあるでしょうし、例えば小道具が落ちた壊れたということでも当然変わってくると思います。

そんな演劇を観る機会が1度だけであれば、そういうものにはなかなか気が付くことも出来ないでしょうし、自分が観た回に演じる側が意図しない何か大きなことがあったとしても、それが1回のうちの1回であれば観る人にとってはそれが通常。
複数回観ることによって初めて気が付けることというのは思いの外たくさんあります。


また、納谷 さん は、廣瀬詩映莉 さん に対して、アドリブの一部を丸投げして本人に任せてしまうことがあります。
誤解を生じないために書き添えますが、これは演出家としての 納谷 さん が、役者としての 廣瀬 さん を信頼しているからこそです。
実際、納谷 さん は日頃から 廣瀬 さん を、”天才” と表現していますし、素人の私から見ていても、本当にこの子は凄いと感じることが多々あります。

そしてそんな 廣瀬 さん に委ねられたアドリブは、毎回少しずつ違っていたりします。
ということは、その部分にもやはり同じものというのはありません。

他にも例を挙げていればキリがないですが、とにかくナマモノである演劇には、全く同じものというのは2つとしてありません。


自分が座る場所によって観えるものも当然変わってきます。
前列で間近で観るものと、少し離れた席の俯瞰できる位置から観るのとでは、目の前の光景も見えてくるものも全てが変わります。

また、お芝居というのはその瞬間に話している人だけで進んでいるのではなく、舞台の上ではその瞬間に無言の人でも演技が続いているわけで、そういう人の表情や動きを観るのもまた面白いのです。
何から何まで全てを全部観るというのは絶対的に不可能とも言えるでしょうが、それでも複数回の観劇を重ねることで色々な発見や気付きもあるものです。


お芝居後半の展開に繋がる布石が前半部に仕掛けられているということもよくありますし、意味を持って同じ台詞が繰り返されることもあります。
こういうものを発見するというのも楽しくも嬉しくもあるものです。


他にも、1つの作品を複数回観劇する人にはそれぞれの楽しみ方があり、そしてそれぞれに見所や意味合いがあるのだと思います。



21日の物販では、同作品の2012年の初演時のDVDを購入。
折角なので28日の千穐楽観劇の前に観ておくことにしました。

2012年の初演は、桜田巌納谷 さん を初め、桜田ナツオ江田由紀浩 さん桜田ウメコ上總真奈 さん桜田キヌエ小島達子 さん が今回と同じ配役で出演。

一方で今作では、桜田ハルオ明逸人 さん が、城ヶ崎ワタル で。
桜田マツコ で出演の 廣瀬詩映莉 さん が、初演では 桜田ユウナ で舞台に立っています。

物語は基本的には同じ脚本で作られてはいるものの、初演と再演とでは色々と違っているところがあります。
また今回の再演では、前回よりも笑える部分がよりわかりやすく作られていたようにも思います。
ほぼ同じ台詞回しであっても、微妙な間の取り方などで観ている側にもそれがよりわかりやすくなっているなと感じました。

また、今作では ”シスター” が出てくるところが、前作では ”社長” となっており、その部分の演出や展開は大きく変わっています。
更には、同じ人が同じ役を演じているものであっても、そのキャラクターの性格的なものが変わっていたりします。


実は私自身、初演、再演と繰り返し上演された作品を、映像と生の舞台の違いこそあれ、その両方を目にしたのは今回のこの ”サクラダファミリー” が初めてでした。

同じ公演を短期間で繰り返して観るのも非常に面白いものですが、このような形で過去の同一作品に触れるというのもまた楽しいものでした。

同じ役者さんが同じ役を演じている場合は、何がどう変わっていっているのか。
同じ役者さんが違う役にチャレンジしている場合は、その2つをそれぞれをどう演じているのか。
同じ役でも役者さんが変わっている場合は、役者さんが変わることによってその役はどのような形に変化しているのか。

21日には昼夜と2回続けて観劇しましたが、このDVDも立て続けに2度観てしまいました。


この映像を観られたことにより、28日の千穐楽の観劇を前に、なんだかまた楽しみが増えたような、色々と観たいポイントも増えたような、そんな気がしました。


   




1月28日 、公演最終日。

1週間前よりもよく冷えた札幌。
そんな空の下で サクラダファミリー が千穐楽を迎えます。

私はこの日も当日早朝に札幌に到着。
ワクワクしながらその瞬間までの時間を、色々なことをしながら過ごしました。


1週間前に今回の2日目の公演を観劇後も、他のたくさんの方の感想や、これから観に行くという方々の発信をSNSなどを通じて見ていましたが、そんな中には、「 コンカリーニョへの行き方がよくわからない 」 というものがいくつかありました。

本当に行き方がわからなくてSNSなどに書き込む人の陰には潜在的に同じことを思う人が必ずもっといるはず。
改めて考えると、私自身も数年前に初めてここを訪れた時には、この場所がわかるのかが少し不安で、インターネットで色々と調べたり、実際に現地に早く向かって自分の足で確かめたりもしたものでした。

が、逆に早く行きすぎることで、コンカリーニョの前には受付なども準備されておらず、当然入口も開いてなければ人もいない。
”コンカリーニョ” と大きく書かかれた看板なども見つけられずに不安を100%払拭することはできませんでした。


正直、今回は私は一傍観者、一参加者ですから、他の誰かが会場の場所がわからなくても、私自身は何も困りません。
ですが、違う機会では私はこの場所で今回と違う形でスタッフ関係者として参加することがあり、その場合には、「 お客様が会場の場所がわからないと言っているからって、そんなの自分で調べて辿り着けるべさ 」 という考えでいるわけにはいきません。

やはり来場いただけるお客様が何かわかりづらいであろうことがあるのなら、こちらから何らかの発信をしてそれを補うという努力は必要だと思います。

「 前もここを使ってるんだから、今更言わなくてもわかるしょ! 」 は、今回初めて観劇するというお客様がいる可能性がある以上は通じません。

どんな案内も発信も、常連さんや事情通の方に合せるのではなく、新規の方に出来る限り合せていくべきだと思います。

ということで次回以降私自身がご案内をする際、その時に使えるようにということで素材を集めました。


   


コンカリーニョは最寄りのJR琴似駅から高架の連絡通路で接続されています。
ですがこれを実際にご存知無い方、道順がわからないという方が多いという話を聞いていましたので、改めて駅からの道順を動画で撮影。
同様に、連絡通路を使わずに屋外を歩いて来る場合の道順も撮影して回りました。

更には、「 札幌駅から来るとすると、どんな具合なんだろう 」 ということも気になってしまい、実際にJRで札幌駅まで移動して、折り返して琴似駅に戻り、その移動を実体験してきました。

私自身、コンカリーニョに来る際にはいつも自家用車で来てしまうため、JRで移動した経験がなかったのですが、これで次からは実体験を踏まえてご案内もできると思います。

また、前週の21日には少し離れた地下鉄琴似駅へも往復。
所用時間も含め、改めて色々と確認をしてきました。


   


今はインターネットを含め、事前に自分で色々と確認できる時代ではありますが、だからこそインターネット以外の部分での案内というのが不足している場合が多々見受けられます。
ジャガイモンプロジェクトもインターネットを多用して活動しているため、その懸念というのは残る部分でもあるのですが、それでも今できることはやっておくべきだという考えから、少しでも時間を有効利用します。



( 高架連絡通路 ver. )

( 屋外 ver. )
( あとでもっとわかりやすく編集します)


動画などを一通り撮影し、ちょっと落ち着いたのが11時30分頃。
前回21日に私がコンカリーニョに到着したのが12時30分頃でしたからそれと比較してもまだ1時間以上あったのですが、すでに会場前にはお1人だけ到着されている方がいらっしゃいました。

その方がそこにいる目的は明らかですから、そういう状況では話しかけもせずにその同じ空間にいるだけという選択は私にはありません。
ということでご挨拶がてら色々とお話をさせていただいていると、その方は今回に限らず色々な演劇をご覧になられているようで、その中には私がこれまでにスタッフ側、主催側として関わったものも多く、ジャガイモンプロジェクトのことも以前からご存知だったそうです。

そんなことから話がすっかり盛り上がり、決して暖かくはないその場所で長時間過ごしました。
こういうタイミングでこのような方から伺えるご意見や感想というのは、ジャガイモンプロジェクトの活動をする上でも本当に貴重であり、ありがたくもあり、そしてその1つ1つが参考にも刺激にも勉強にもなります。

開場を待っている時間というのは本来とても長いはずのものですが、そういう意味でもとても短くも感じられ、そして本当に有意義なものでした。


またこの間、我々が話し込んでいるロビーには、前週のそれより遙かに早いペースで人が集まり始めました。
しかしスタッフの方はまだ来ていない状況。
そんなこともありこの間、私がちょっとだけ列の整理をさせていただきました。

伺うとほとんどの方が ”当日券” を求めて来られた方ばかり。
主催側の事前情報では、「 当日券が数枚・・・ 」 ということでしたので、みなさん早めに早めに来られたとのことでした。

そうなれば、実際会場には来たものの、どこに行けばいいのか、並べばいいのか。
そして自分はその、”数枚” の中の1枚をゲットすることはできるのかというのは最大限に気になるところでもあり、不安な部分でもあると思います。

その場にスタッフの方がいれば、そこは私自身は前に出ずにご案内を全て委ねますが、そうではない状況。
であれば、少しでも事情などを把握している私がみなさんの不安を拭う役割を果たせるはず。

今回の公演に際しては、”事前精算済” の方、”予約済当日精算” の方、”当日券希望” の方がそれぞれいることが想定されるため、それぞれの方に列を作っていただきました。

一度列さえ作ってしまえば、「 私の方が先に来ていたのに他の人が先に案内された 」 というような事態を避けることはできますし、そういう意味でのそれぞれの方の不安も払拭できます。

逆に自分が当日券を求めて来場した立場であれば、いつまでも列もできずにあちらこちらにそれらしき人が点在している状況は不安そのものでしかありません。
しかし列が出来て自分の前後の人が確定さえしてしまえば、長時間の待ち時間の中でトイレに行くなどその場所をちょっと抜けることも可能になります。

更には、私がそのようなご案内をしたことにより、私に対して入場のことやチケットのことなど、色々と質問をして来られることがいらっしゃいました。
そこで私自身がわかっていることをご案内できたことにより、みなさんの不安も取り除くことができた様子。

みなさん同じものをこれから楽しもう、楽しみたいと思って集まられている方ばかり。
そういう意味では ”仲間” であり、”同志” です。

そんなみなさんのお役にほんの少しでも立てたのであればそれは嬉しいことですし、むしろそれも役割だと思い行動させていただきました。


”当日券” の方が並ぶ列は、本来であれば会場入口直前のロビーではなく、自動ドアを1枚挟んだ通路のような場所です。
ですがそこは更に寒い。
そんなこともあり、みなさんにはそういう部分も説明しつつ、スタッフの方の正規の整理が始まるまでということで列の後方がその通路側に向くように並んでいただきました。
これであればひとまず寒い場所で長時間待機することは避けられますし、後で来られた方がまた新しい列を作ってしまうという危険も避けられます。

少しすると受付のスタッフの方も出て来てくださり、ここで私の仮の役割終了となりました。


前週私が来た時もそうでしたし、当然この日も、受付周りのスタッフの方は本当に一生懸命に、そしてお客様のことを真摯に考えながらご案内をしていました。
そしてそれは今回に限らず、少なくとも私が目にしている限りではいつもそうです。


   


少し話は飛びますが、この千穐楽の開場後、ロビーに並ばれている方ほとんどの入場が終わった後も、いまだ来場されていない ”事前予約” の方がかなりの数いたらしく、開演時間を多少遅らせる対応となりました。

そんな案内が会場に対してされた際、スタッフの方が謝罪と共に、「 みなさんの貴重なお時間をほんの少しだけください 」 という言葉で締めたのですが、それにはちょっと鳥肌が立つと共に、心にスコーンとまるで音がしたかのように響いてきました。

「 予約した方でまだ来ていない人がいる 」 という説明だけをしてしまうと、言い方や捉え方によっては、「 来ていない人が悪いんだから 」 という雰囲気にもなりかねません。
そこからこの場所にすでにいる人にとって、「 私もあなたも被害者側 」 という雰囲気が生まれてしまえば、その案内の後で席に着く人の姿が見えれば、自然と、「 お前か! 」 という空気感にもなることでしょう。

ですがそこでスタッフの方からの明確な ”謝罪” ”説明” ”この後の案内” と、最後の一言で自ら遜ったことにより、お客様側には良い意味での一体感が生まれ、何ら問題も起こらないままに本番に突入することができたのではないかと思います。

1つの公演は役者さんばかりが大切なのではなく、たくさんのスタッフや関係者の方がいてこそ成り立つものだということを改めて思い起こさせる出来事だったと同時に、私自身にそれを落とし込んだ時に、自分自身もスタッフとして動く時には今まで以上にもっともっと出来ることがあるのではないかと考えさせられるものでもありました。



話を少し戻して。
この日の当初案内の開場時間は13時30分。
これを前に13時15分頃には ”当日券希望” の方に対しての整理券が配布され始め、更に同時に私を含む ”予約済当日精算” のみなさんの精算が始まりました。

前週は開場時間とほぼ同時に精算が始まっていましたから、ここが少し変わったようです。
前週の時点ではお客様側から色々な声も出ていましたが、これに対して対応したものと思われます。

”当日精算” 後には ”事前精算” ですでにチケットを持っている方の入場列の後ろに並び直さなければなりませんが、今回はその列がとても短く、”当日精算” の先頭にいた私も、その入場列の前から10人目くらいのところに入れました。
更に中に入ると最前列が大きく空いており、私は最前列中央の21日の昼の部で座った場所と同じ場所を陣取ることができました。



この後は前述の案内で少し開演が遅れたものの、まずはシスター5人による前説があり、そして本番へと突入します。

さぁついにこれが最後です。


   


会場が暗転し、事前に録音された 明逸人 さん の奏でるギターの音と共にお芝居が始まります。
舞台が明るくなると、テーブルのところで 桜田巌 がお茶をすすっており、そこに黒電話の音が鳴り響きます。

この黒電話の音、最初は舞台全体に均一に響くような音でしたが、舞台がしっかり明るくなると、音が舞台向って左側に置かれた黒電話そのものから聞こえるように変化しました。
気にして聞いてると、この音の作り方だけでもドキッとするものがあります。

また、奥のキャビネツトの上や中に置かれたものの多くは 江田 さん が自宅から持ってきた私物だそうです。

この音の聞こえ方の ”タネ” や、どれが 江田 さん の私物なのかなどという話は、納谷 さんカジタ さん が配信し続けた カジタンファミリー の中で紹介されていますので、気になる方はそちらをご確認いただければと思います。




私の判断からやはりこちらにははっきりとした物語の内容や具体的なことは書きません。
ですから、サクラダファミリーを実際に観劇されていない方にとっては何のことだかわからない部分もあると思います。

ですが、今回観劇をされた方、物語に実際に触れた方にはきっと伝わることも多いと思います。

再々演がある時、このレポートがネタバレのようになってしまわないようにするための処置でもあります。
ご理解をいただければと思います。


終演後には大きな大きな拍手と共にダブルカーテンコールが贈られました。

また、千穐楽というともあって 納谷 さん が改めてキャスト全員の紹介が行なわれました。
そんな紹介には1人1人に対する 納谷 さん の愛情が感じられる言葉が連なっていました。

稽古から長期間を一緒に駆け抜けてきたみなさんの笑顔が並ぶ中、全員から1人ずつ挨拶もありましたが、それぞれに達成感と解放感を口にする人もいれば、終わってしまったという寂しさを口にする人も。


思い切り笑って、思い切り泣けた。
笑いながら泣いて、泣きながら笑った。

流れる涙が感動からのものなのか、笑いすぎてのものなのかさえわかなくなるほど、笑いと泣きが怒涛のように繰り返し押し寄せる終盤のシーンは、これまでの私の観劇経験の中でこれほどのものはなかったと思えるほど凄いものでした。


最後の最後に一列に並んだキャストのみなさん。
深々と頭を下げるみなさんに対して会場からは改めて大きな拍手が沸き上がりました。


   
   
   


また、千穐楽も会場の外では最後の交流やお見送りが行なわれます。

そんな中で私もタイミングのあった方々とお話をしたり一緒に写真を撮っていただいたりもしました。

考えてみると、イレブンナインの方々と写真を撮るの、今回の公演がほぼ初めてなような気がします。

みなさんとはこういう機会以外にも様々なタイミングで会えるチャンスが私にはあるため、普段のこういう時にはなるべく他の方の邪魔になったり、時間を奪ったりしないように気を付けているのですが、今回のこの時間はそれほど多くの人がいなかったこともあり、私も積極的にそこに参加をさせていただきました。



( 明逸人さんと )

( 廣瀬詩映莉さんと )

( 小西麻里菜さんと )

( 櫻井保一さん ・ 大和田舞さんと )

( 澤田未来さん ・ 上總真奈さんと )

( 梅原たくとクンと )




劇場で配布されていたパンフレットにも記載がありますが、この公演の直前の1月14日に 桜田巌納谷真大 さん のお父様がお亡くなりになられました。

伺うところによると、2012年にお父様から勘当を言い渡された 納谷 さん
自分自身とお父様の間で実際に起こったことがきっかけとなって同年に生まれた作品がこの サクラダファミリー だったそうです。

その後、2017年の年明け早々にお母様からの、「 父さんが弱ってきているから仲直りしてほしい 」 との連絡をを受け、ようやく勘当が解かれたそうです。
そんな年に今回の公演に向けて改めて作品を作り始め、その劇を上演しようとする直前にお父様が天に召されました。
これは、納谷 さん の言葉をお借りするならば、「 運命だったのかもしれない 」 とのこと。


連日の生配信を予定していた カジタンファミリー を一時休止して、急遽故郷の和歌山へ。
そして番組の配信が再開となった日に、お父様の訃報に我々も触れることとなりました。

そんな日、納谷 さん から出た、「 これは私自身にとっての弔いだ 」 という言葉が忘れられません。
そして、悲しみや様々な特別な想いを胸にこの公演この舞台にのぞんだ 納谷 さん のことを考えると、何とも切ない気持ちにもなりました。

私自身、納谷 さん のお父様については写真では拝見したことこそあるものの、それ以上の面識も何もありません。
ですが、今回の サクラダファミリー を目の前で観ていると、納谷 さん 演じる 桜田巌 と、お父様がなんだか重なって見えるようでもありました。

納谷 さん は、「 弔いだからといって何か特別なことをやるわけではない 」 とは事前におっしゃっていましたが、それでもそれを受ける我々の目には 納谷 さん の一挙手一投足、そして台詞や表情1つにも色々なものを感じざるを得ませんでした。

この状況で本番の公演に臨んでいる 納谷 さん から吐き出される台詞には、より色々なものが詰め込まれているようにも聞こえました。
そしてそこには聴いている側、観ている側の私自身の 納谷 さん に対する、その状況に対する想いも重なり、一層心に大きく響いても来ました。

稽古を重ねるごと、公演を重ねるごとに声も次第にガラガラになっていき、千穐楽が近づくにつれて音が音にならなくなりつつありました。
それでもそこから絞り出される音には深みがあるようにも感じ、逆に今しか出ない音さえあるようにも感じました。

また、この公演中には 納谷 さん の奥様がお父様のご遺骨を携えての観劇をされたそうで、お父様にもご子息のこの舞台を観ていただけたんだと思うと、そんな話には私自身もある種の感情を禁じ得ませんでした。


桜田巌 という役は頑固で横暴で自分勝手で、周りの人のことなんて何一つ考えていないような ・・・。
それでも物語が進むにつれて明かされていく事実や感情の変化、そこに至るまでの出来事や辿り着いた結果には涙が止まりませんでした。

家族の前で見せる頑固一徹な姿と、シスターの前で見せる心をさらけ出したような姿が対照的でもあり、それもまた魅力的だったと思います。
また、そこまでに色々な姿を見せたからこそ、最終盤でのカレーのくだりでの、マツコ に対して一瞬空気が止まったかのように言葉を言いよどむシーンなどは言葉が無くてもより感動的にも感傷的にもなったと思いますし、や、「 おかえり 」 の一言を絞り出して ナツオ の頭を娘ずくシーンも観ている側に色々と想像をさせるものになったと思います。


私自身、納谷 さん と普段一緒に活動行動をさせていただく際も、そしてアリスインプロジェクトなどで演出をしている姿を見る時も、他の様々な場面でも本当に凄い人だな、本物の役者ってこういう人のことなんだと感じながら目の前の人のことを見ていますが、今回もそんな想いを更に強くさせるような、そんな凄い 桜田巌納谷真大 、そして舞台でした。




そんな 桜田巌 の7番目の妻である 桜田キヌエ小島達子 さん

納谷 さん小島 さん を以前、「 最高のコメディエンヌだ 」 と言っていたのを今回改めて思い出しました。

ドタバタ走り回って畳の上で豪快に転ぶのも、ティッシュの箱で思い切り叩かれるのも、小島 さん の面白おかしい反応や動きがあってこそより楽しいものになっていたと思いますし、一度ツボに入るともう 小島 さん が動いているだけでも笑えてしまう。

かと思えばその一方で、泣かされるようなシーンでは、まるで 桜田キヌエ にではなく、小島 さん 自身にその出来事が起こったのではないかと思えてしまうくらいに真実味が溢れ、私自身も入り込んで観ることができました。


ジャガイモンプロジェクトでは、役者として以外の 小島 さん と関わることも多く、私と密に連絡を取り合って共にイベントを企画運営することもあります。

1つのイベントに対しては事前の企画の相談などから始まり、当日も現場で共に運営側として協力し合って何かを作っていくということもしており、そういう意味では私自身にとっては 役者・小島達子 よりもそちらに触れる機会の方が多いのかもしれません。

だからこそ、私にとっていつもと違う 小島 さん の役者としての姿を観られるのはとても嬉しいことでもあり、同時にちょっと新鮮なことでもあります。

今までにも何度かそんな役者としての姿は観て来ていますが、その間には必ず違う姿にも触れているわけで、結果的には回数を重ねるほどにその度に私の中での ”新鮮度” は上がっていきます。

そしてその度に役者としての 小島 さん の凄さを再認識させられます。


次にお会いする時はきっとまたお互いにスタッフ運営者としての立場になると思いますが、今回があるからこそそんな機会も楽しみになりますし、そしてそんな機会があるからこそ、次の役者としての姿に出会えるのもまた楽しみになります。




長男の 桜田ハルオ は、明逸人 さん
さん は北海道内で放送されるローカルCMにも何社も出演されており、名前までは知らなくても顔は見たことがあるという人も多いのではないかと思います。

今まで私が観たお芝居の中でも、かっこいい役もできればちょっと情けない役もこなす。
普段から本当に素敵な方で、今回も最初に舞台に出てきた瞬間の佇まいからして惹きつけられるような雰囲気が溢れていました。

長男だからこそしっかりしなければならないという部分と共に、兄弟達のことを考えて気をつかう様子はいかにも長男らしい雰囲気が出ていました。


さん は初演の前回は 城ヶ崎ワタル で出演しており、同じ物語の中で自分の配役が変わるという難しさもあったのではないかと思いますが、そんな中でも迫真の演技を観ることができましたし、そのシーンごとに感情のこもる表情を観ているだけでも 桜田ハルオ の想いが伝わってくるようでした。

本当に色々なことができる人だからこそ、様々なCMでも重宝されるのだろうと思いますし、その理由さえ見えるようでした。


また、ギターを使った劇中に流れる音楽は、 さん 演奏したものだそう。
普段、ミュージシャンとして歌を歌うこともある さん
本当に多彩な方です。




桜田ハルオ の妻、桜田オリエ は、澤田未来 さん

澤田 さん は、全体から見るとそれほど台詞が多い役ではなかったですが、それでも最初の登場シーンからその雰囲気がとても印象的でもあり、本当にピッタリとハマっているのを感じました。

私がこれまでに 澤田 さん が出演している作品を観たものの中では、おばあちゃんであったり、陽気な質屋さんであったり、スーパーのパート店員さんだったりと、その度に本当に様々な役どころ。

今回はそんなどれとも近くないまた全く違った役でしたが、毎回に 澤田 さん の役者としての魅力を感じます。

台詞が無くてソファ―に座っている時も、桜田家の雰囲気に流されることなく 桜田オリエ としての感情で表情が色々と変化。
こういうのを観るのもまた生の演劇の楽しみ方だと思わせてくれる 桜田オリエ だったと思います。




桜田ハルオ桜田オリエ の娘、桜田サキ は、鈴木花穂 さん

鈴木さん とは、一昨年のアリスインプロジェクト札幌公演以来、何度も現場でご一緒する機会もありますが、いつも笑顔で、とても ”らしさ” を持ったタレントさんだと思います。

今回の舞台では作品の中の 桜田サキ にもそんな 鈴木 さん の ”らしさ” が演出上でも散りばめられていました。

台詞の言い回しや声特徴的なそのものが活かされ、まさに 鈴木 さん にしかできない 桜田サキ がそこにいたと思います。
そしてそんな声を他の人がイジるシーンが生まれたのは 鈴木 さん がここにいたからこそです。

また終盤の衝撃の事実がわかってしまったシーンでも、周りの人が大騒ぎする中でもその自らの雰囲気を崩すことなく、逆に舞台全体の空気感を台詞1つで変えてしまうような素晴らしさがあったと思います。


アリスインプロジェクトでは東京公演でも起用され、その独特の演技や雰囲気への評価が高まっていることが証明されつつあります。

また、普段の 鈴木 さん を見ていても、「 花穂ちゃんはこういう子 」 という、色々な表現があると思いますし、それはそれぞれが魅力へと繋がっていると思います。

この先も役者としての 鈴木 さん を目の前で観れることも間違いなくあるでしょうし、また現場でご一緒することもきっとあると思います。
楽しみはこれからも続きます。




二男の 桜田ナツオ は、 さん と並ぶ イレブンナイン さん の看板役者でもある 江田由紀浩 さん

この役も色々な意味で本当に難しいものなんだろうなと思います。

物語でも重要な役割であり、そして1つの物語の中にそれぞれに感情の起伏が激しい ”喜怒哀楽”がある。
特に終盤に向けての鬼気迫るようなシーンでは、時に目に涙を浮かべ、時に表情が無くなり、そして時に怒りを越えて笑い出す。

それは観劇している人の感情までも大きく動かす、本当に凄いものだったと思います。


普段は北海道のバラエティ番組で楽しいところをたくさん見せてくれる 江田 さん ですが、そうではない 江田 さん の役者としての姿には本当に痺れました。

また一方では、いつものバラエティ番組で見かけるものに近い楽しいシーンも劇中には盛り込まれており、そこには間違いなく ”江田ワールド” が広がっていました。


終演後の ”お見送り” の様子などを見ていても、やはり不動の人気を誇る 江田 さん ですが、役者としての姿、そしてバラエティ番組などでの姿の両方を知ることでより一層魅力が増して感じられます。

また今回のお芝居の中では、某クラシ○ンの歌のシーンの演出なども担当されたとのこと。
そう聞いて改めてそのシーンを振り返ると、そこにはすごく 江田 さん らしさが出ているなと感じることもできました。

まさに 江田 さん の色々な意味での ”凄さ” を改めて感じた今回の舞台だったと思います。




三男の 桜田アキオ は、納谷 さん と同じく富良野塾OBの 藤本道 さん が客演。

藤本 さん はイレブンナインでは2016年に公演された ”そして誰もいなくなった” に出演し、それ以来の2度目の参加でした。

今回の作品ではあまり登場シーンの多くない役ではありましたが、そんな中でも 藤本 さん の魅力が発揮される場面がいくつもあったように思います。

聞くところによると稽古期間中は随分と 納谷 さん に怒られながらの毎日だったようですが、それはきっと期待の裏返しであるとも思います。
本当にダメなのであれば、客演として呼ばれることもなかったでしょうし、今回の 藤本 さん桜田アキオ には、イレブンナイン さん の役者さんの誰も持っていないような雰囲気がたくさんあったようにも感じました。




桜田アキオ の娘、桜田ユウナ は、宮田桃伽 さん

この子は観る度に進化していくのが感じられる凄い役者さんだと思います。
まだまだ若いので伸びしろももっともっとあるでしょうし、この先が本当に楽しみです。

口に含んだお茶を顔にかけられたり、思い切りビンタされたりのドタバタするシーンでは、それらが本当は段取りに入っていなくて、突然アドリブでそうなってしまったものに巻き込まれてしまったのではないかというほど自然な感じ。
特にビンタをされて客席側を向いた時の表情は印象的でした。


また、終盤に涙を浮かべながら必死に桜田家の人達に気持ちを訴えるシーンは、高校1年の女の子の設定にしっかりと合せてきて、その年代の女の子が大人に対して必死に訴えかけている様子がすごく伝わってきました。

イレブンナイン さん の某ベテランの方の言葉を借りると、「 あの子は本当に地味なのに・・・ 」 ということでしたが、この、「 地味なのに 」 の後には、「 本当に凄いと思う 」 という言葉がありました。

ベテランをしてそう言わせるにはやはり本人の並々ならぬ努力もあるのでしょう。

年齢相応の役をやっても、もっともっと若い役をやってもいつも本当にピッタリとハマるのを感じます。
次に観る時にはどんな役を演じるのか、そしてどんなものを観せてくれるのか、そしてこれからどんな成長を見せてくれるのか。
本当に楽しみな役者さんです。




四男の 桜田フユオ は、劇団yhs さん からの客演の 櫻井保一 さん
昨年のTGR札幌劇場祭では俳優賞を受賞された役者さんだそうです。

私は今回初めて 櫻井 さん のお芝居を観ました。

自分の普段の畑とは違う場所に出向く客演というのは役者さんとしては色々大変な部分もあるのだと思います。
また、呼ぶ側にもその人を選ぶという明確な理由があるからこそ、客演というものが成り立つのだと思います。

今回、そんな 櫻井 さん を観て、この人がここにいる理由が登場してきてすぐにはっきりと分かったように感じました。
そしてそれは時間を追うごとに、シーンが進むごとに私の中でどんどんと明確になっていくのを感じました。

フユオ の父親に対する想いや兄弟それぞれに対する想いが、櫻井 さん の表情や声、他の様々なものを通してありありと伝わってきました。

今度は 櫻井 さん の本来の畑である 劇団yhs さん の方でもそんな演技を観てみたいと感じさせてくれる素敵な役者さんだったと思いますし、今回の客演を通じてそんな役者さんに出会えたことにも感謝です。




桜田フユオ の彼女、吉村リカ小西麻里菜 さん

小西 さん とも一昨年のアリスインプロジェクト札幌公演以降、何度もご一緒しており、それは役者としての一面にとどまらず、歌手・アーティストとしての場面にまで及びます。
昨年秋には士幌でのイベントにもシンガーとして参加していただき、地域の人も、そして私自身もその姿に魅了されました。

役者としての 小西 さん も本当に魅力に溢れています。
これまで2度出演したアリスインプロジェクトの公演でも多くのファンの脳裏にしっかりとそれぞれの役が焼き付き、その実力を示すことに繋がったと思います。

今回の 吉村リカ はこれまでに観てきたパワフルな女性の役とはまた違い、桜田家の人達に大いに振り回され、そのドタバタに巻き込まれていく女性の役でしたが、そこにはまた新しい魅力や姿も見えてくるように感じました。

また、桜田家の雰囲気に流されることなく孤独感を漂わせつつも、やがてそんな桜田家の人達に少しずつ溶け込んでいく様子は、その表情からも佇まいからも分かりやすく伝わってきました。


これまで私が観たお芝居の中の 小西 さん は、男勝りの強気な女性の役柄が多かったのですが、今回は逆に 小西 さん の本来の女の子らしさが発揮され、その魅力も伝わってきました。


普段の 小西 さん は本当にいつもニコニコしていて、まさに女の子らしい女の子。
そんな普段の姿をかけ離れた役を演じるのを観られるのも演劇の楽しさだと思いますし、普段の自分の魅力がある程度残った上での演技もまた魅力です。
これからもきっと、そんな 小西 さん の色々な魅力を観られるのだろうと思うと楽しみは止まりません。




長女の 桜田ウメコ上總真奈 さん
上總 さん は イレブンナイン さん では、年齢的には中堅ながらも、前回の初演時にも同じ役を演じたベテランの役者さんです。

初演のDVDでもそんな様子を観せていただきましたが、同じ役ではあっても色々な変化や演じ方の違いが感じられ、とても面白かったと思います。

今回のような役は 上總 さん にとっては得意な部類なのではないかと言う人の言葉を多く聞きましたが、私もそんな感想を持ちますし、多くの人がそう思うということはそれだけその役にピッタリと合っていた、合せることが出来ていたという何よりの結果だと思います。

このヤンキーのような役と、普段の 上總 さん とのギャップがまた楽しいものでもあり、そのギャップこそが役者としての魅力なのだと、今回改めて感じました。


また、私が会場で話した方の中で、今回の ウメコ と、”あっちこっち佐藤さん” のおばあちゃんを演じる人が同一人物であると、私に言われて初めて気が付いたという方がいました。
これって本当にすごいことだと思います。




桜田ウメコ の夫、桜田タロウ は、梅原たくと クン
彼も間違いなく観るごとに進化する役者さんだと思います。

イレブンナインに加入以来、私が観ているだけでも本当に様々な役を演じてきていますが、特に昨夏の ”あっちこっち佐藤さん” での巡査役と、今回の 桜田タロウ の役は、多くの人に 梅原 クン の役者としての魅力を大いに伝えるものになったと思います。

特に今回はとてもコミカルな動きや台詞の多い役どころでしたが、終盤の会場が涙に包まれるようなシーンでは誰よりも涙を流す姿がとても印象的でした。

そしてあの涙、聞くところによると タロウ が流していたのと同時に、梅原 クン 本人の涙でもあったとのこと。
それだけ自らの役に魂を込め、感情を役とリンクさせてのぞんでいるのだということが通じてきましたし、何よりもその涙が観ている側にも訴えるものがあったと思います。

まだまだ若手の 梅原 クン ですが、ベテランとの絡みも堂々としたもので、イレブンナイン若手のホープと言っても過言ではないと思います。

これからの活躍にも大いに期待したいところです。




次女の 桜田タケコ は、劇団リベラルシアター所属の 大和田舞 さん
イレブンナイン さん の過去の作品にも数回出演されているそうですが、私自身は今回初めてその演技を観ることとなりました。

やはりこのような客演は一度呼ばれることにもそこには呼ぶ側の理由があると思いますし、それが数回ともなるとそこにはより明確な意味があると思います。

そういう意味でもこのような客演の役者さんの演技というのは本当に楽しみでもあるのですが、大和田 さん のそれは私自身の期待を良い意味で大きく上回るようなものだったと思います。

私はまだこの舞台の上での 大和田 さん しか知りませんが、それだけにこの人は普段はどんな人なんだろうか、他の役をやる時にはどんな感じなんだろうかと、とても気になる存在ともなりました。
本当に次の機会が楽しみです。




桜田タケコ の彼氏、城ヶ崎ワタル は今回の舞台では唯一のダブルキャスト。

菊地颯平 クンヴィンセント藤田 クン の2人の 城ヶ崎 は同じ役でも明確な違いがありました。

当初のチケットの売れ行きは、菊地回ばかりが前売完売になっていき、ヴィンス回はなかなか伸びない状況でした。
そんな状況には ヴィンス も心配ばかりが募ったようで、2日目の公演を終えた時にも、「 どうしてでしょう 」 と言いつつ、「 僕と菊地クンと、どちらが良かったですか? 」 と私に尋ねてきました。

チケットの売れ行きというのは単純に日程的なものもありますし、全13公演の中で今公演は初回も千穐楽も菊地回。
単純にそういう部分もあったとは思いますが、やはりそこには 菊地 クン が彼らよりも一歩先にイレブンナインに所属し、経験値としての一番の若手として1人で頑張って来たことへの答えであるとも思います。

また、「 どちらが良かった 」 という問いに対する答えはやはり、「 どちらも良かった 」 と、私は素直に思いました。

役柄としては2人は全く同じ 城ヶ崎ワタル を演じており、台詞も基本的には同じです。
ですが、1つの台詞や動き、様々な表情から見えてくる内に秘められた 城ヶ崎 というキャラクターの性格的なものに、2人の理解や解釈が違っていたのではないとかも感じました。

そしてその2人の中での違いというものがそれぞれが演じる 城ヶ崎 にも反映され、それぞれに魅力を持った、違った 城ヶ崎 になっていたと思います。

彼らのことですからきっとこの役に挑むにあたって2人でたくさん話し合いも持ち、お互いの考えをぶつけ合ったりもしたのでしょうが、だからといってこの2人が同じ 城ヶ崎 を作ろうとしたのではなく、それぞれのものが出来上がっていったというのは演劇を観る側にとっても面白かった部分でもあり、それがダブルキャストというシステムの魅力であるとも思います。

これからも、仲間であると同時に、時にライバルであって何かを競う相手にもなることでしょう。
それでも彼ら2人は普段の姿もそれぞれに違ったキャラクターを持ち、そして魅力を持っています。
きっとその2つが、次代のイレブンナイン、そして札幌の演劇界を作っていってくれると、大いに期待しています。




三女の 桜田マツコ は、廣瀬詩映莉 さん

廣瀬 さん納谷 さん をして、”天才” と言わせる才能の持ち主です。
その明るさや度胸、色々な人と接する時の愛嬌などには天性のものもあるとは思いますが、やはりそこには並々ならない努力や自ら学んできたものもあるのだと思います。

ちょっとしたコミカルな部分にもその役の中に 廣瀬詩映莉 という本来の自分自身を投影させ、そこに新しい独自の魅力を生み出しており、誰も真似できないような領域に持って行きます。


また、同時に私は 廣瀬 さん は、”泣かせ” の役者だとも思っています。
それまで平穏だったりドタバタしている空気感を、たった1つの台詞や叫びで、途端に多くの人の涙を誘う雰囲気へと思い切り引っ張っていけるのもまた役者としての 廣瀬 さん の魅力だとも思っています。


北海道のバラエティ番組ではいつも面白い姿を見せてくれる 廣瀬 さん ですが、そんな彼女だからこそ、そういうバラエティが好きで観ている方と、この演劇の世界との懸け橋にもなれる存在だとも思います。

千穐楽の終演後、挨拶に立った 納谷 さん は、「 北海道にとどまる女優ではない。これから全国に羽ばたいていくはず 」 と廣瀬 さん のことを称賛しました。

昨年あたりは東京で出演した舞台でも大絶賛の評価を各方面から受けており、この言葉は遠くない将来によりはっきりとした形の現実になるかもしれません。

本当に大きな大きな意味で、これからがより楽しみな役者さんです。




ちーしゃみん さん後藤七瀬 さん工藤沙希 さん城田笑美 さん小野洋子 さん の5人は、教会の シスター

前説に始まってこの5人の、時にコミカルであり、時に 桜田巌 を支えるその様子は、桜田家の家の中だけで物語が進むのではなく、シスターが出てくることによっての良い意味での変化を与えてくれていたと思います。

初演時にはこのシスターはいなく、社長とされる男性が1人いました。
今回はそれがシスターに代わったことによってより日常生活や家の中の出来事との差ができ、桜田巌 の心境の変化と共にわかりやすくなっていたと思います。


5人それぞれに1人の役者さんとしても魅力を持った方ですが、私はやはりどうしても ちーしゃみん さん を注視してしまいます。

彼女とも、鈴木 さん小西 さん と同様に、一昨年のアリスインプロジェクト札幌公演以来のお付き合い。
そして彼女も役者としても観るごとに成長を感じさせてくれますし、何よりも ”らしさ” を発揮してくれていると思います。

今回、2日目の公演を終わった直後に少し話をさせてもらった時、彼女は、「 今回はちーしゃみんらしさがあまり無い 」 と言っていました。

ですが、私はその時点で様々な場面でその ”らしさ” というものを感じていましたし、役どころの設定から、その ”らしさ” を隠しつつも、一方では ”らしさ” が染み出して来ている ちーしゃみん さん の姿に感心もしていました。

比較的自由の利く前説で ちーしゃみん さん の動きを追っていると、それは彼女を目当てで来場されたであろうファンの方にしっかりと反応をしており、目線やちょっとした動作でそんなファンの方に対してメッセージを伝えているように見えました。

こういう事をしっかりと出来るのは ちーしゃみん さん の凄さでもあり、多くの人にとって見習うべきところがたくさんあるのだとも思います。


また、本番中のコミカルな動きや表情にも随所に ”らしさ” が溢れており、それはもう、「 シスターの役の1人を ちーしゃみん さん がやっている 」 のではなく、「 ちーしゃみん さん がシスターの格好をしている 」 にも近いものだったように感じます。

しっかりとした役柄を与えられたキャストはそういうことばかりではいけないとは思うのですが、今回のように5人の中の1人という役割であれば、そういうのもとても良いと思いますし、そこから彼女の魅力がすごく伝わってきましたとも思います。

千穐楽の終演後、改めて ちーしゃみん さん に、「 らしさがすごく出ていて良かった 」 と伝えたところ、嬉しそうな表情をしていたのがとても印象的でもありました。




物語を通じて 桜田巌 の口癖が無意識のうちに子供達に映っていたり、終盤の場面への布石が台詞上でも前半に仕掛けられていたりと、数回観劇することによってより気が付ける演出もたくさんありました。

また、私が観た全13回のうちの、2回目・3回目と、最後の13回目とでは演出そのものが変えられていた部分もありました。
それは単純に ”進化” というのではなく、何度観てもより楽しめるような ”変化” であり、同時に1つの演出をよりわかりやすくするための ”工夫” なんだとも思います。


演劇は1回だけ観劇する人にも当然楽しむことのできるものだと思いますが、数回観劇する人にとってはまたそれぞれの楽しみ方があり、そしてその数回にも同じものは2度はありません。

1回1回にやることは全てが違っており、そして観る側にも全てに違った空気感があると思います。

ちょっとした間の取り方や不意のズレ方で、私が観た中でも同じシーンで大爆笑を誘った回もあれば、静かなままに通り過ぎていったという回もありました。

観る側の気持ちとしても、同じシーンで大爆笑になったところは物語全体の中でもより印象に強く残ると思いますし、そうではない回ではその回しか観ていない人にとっては印象に残らないシーンで終わってしまったのではないかと思います。

まさに ”演劇はナマモノ” ということを強く実感する事例だったと思います。



サクラダファミリー は、捉える人によってはただの1つの演劇であり、それ以上のものでもそれ以下のものでもないのかもしれません。
しかしその一方では、この1つの演劇に様々な感情や想いを持ってのぞんだ人もたくさんいるというのは紛れもない事実です。


演者さんの目線から見ても、納谷 さん のように弔いの想いを胸に挑んだ人もいれば、当然他にも人それぞれの想いがあったと思います。
また 納谷 さん 自身もそれだけの想いではなく、立場的にも役割的にも本当に様々な感情や責任を持ってこの作品にのぞんでいたのだということは想像に難くないところです。

イレブンナイン所属の役者さんもいれば、客演として出演した役者さんもいます。
稽古中も含め、楽しいことばかりではなく、苦労したこともイラッとしたことも、辛いと感じたことも大笑いしたこともあったことでしょう。
そしてそんなみなさんのたくさんの努力や個性があってこそ、今回の サクラダファミリー が本当に素晴らしいものになったと思いますし、多くの人の心に響く作品にもなったのだと思います。

この中の1人が欠けたら違うものになっていたことでしょうし、1人の個性が無くなれば小さなものにまとまってしまったのかもしれません。
だからこそ、こんな素晴らしい作品を作り出してくれた全ての演者さんにもたくさんの感謝をしたいと思いますし、そして最大限の拍手を送りたいと思います。



公演を支えてくださる様々な役割のスタッフ裏方さんにもそれぞれの想いや苦労や当然あると思います。

私自身がジャガイモンプロジェクトの活動の中で時にこのような演劇公演の裏方に回ることもありますが、お客様からは見えないところでも常に一生懸命に頑張り、自分の色々なものを犠牲にしてでも目の前の公演に情熱を傾けるみなさんの姿に見て触れています。
どんな小さなことでも、お客様が誰も気が付かないであろうというようなことでも、常に最高のものを最良のものを追求する姿、そしてその姿勢は感動にすら値するものです。

イレブンナイン さん が関わる現場に、私がスタッフとして携わる時、お客様が入る前の本番直前の会場では、「 〇〇さん、よろしくお願いします 」 「 〇〇さん、よろしくお願いします 」 と、表方、裏方のスタッフのみなさんに対しての声掛けを 納谷 さん が大きな声で必ず行ないます。
今回の公演では私からはそのような姿は直接観ることはありませんが、それでも間違いなく我々が入場する直前の会場では同じようなことが行なわれていたことでしょう。
あれを見て聞くといつも、「 演者さんがいてスタッフさんがいて、全ての人がいてこそ1つの公演が出来上がるんだな 」 ということを再認識させられます。


また、21日の夜の部の終演直後、3列目の席から立った私を見つけたスタッフの方が、「 温度、どうだった? 」 と確認に来られました。

20日に初日を迎えた今公演ですが、アンケートには、「 会場が暑くて集中出来なかった 」 というものもあったそう。

私がいつもこの コンカリーニョ にスタッフとして入らせていただくことが多いのは春の頃ですが、その頃でもやはり冷房の使い方が非常に微妙で難しいのは承知しています。
そしてそれは冬にも当然言えることで、暖房や空調の使い方で、客席の温度がかなり変化します。

更に階段状になった客席は、前列と後列とでもかなりの温度差があり、なかなか全ての人が万全にとはいき難いのが現状でもあるようです。

そんな中で公演中もお客様には来場前から、「 外では温かく、中では涼しく居られる服装で 」 というような案内を繰り返ししていましたが、その案内に終わるのではなく、常に最善を追及している様子、そしてそんなところにもみなさんの一生懸命さやその公演に捧げる気持ちが伝わってきました。


今回も、実際に公演当日に会場にいるスタッフさんばかりではなく、それ以外のお客様の目に直接触れないところにもたくさんの関係者がいます。
また、演者さん自身がある種のスタッフを兼ねているという場合もあります。
そんなたくさんの表方裏方ののスタッフ関係者のみなさんにも改めて感謝をしたいと思います。



私自身がスタッフ側、主催側に回るような機会というのはジャガイモンプロジェクトの活動の中では数多くあります。
そんな中でもこのような演劇の現場に限って考えてみても、このような公演というのは主催者側の人だけが作るものではないということをいつも思い知らされます。

それは単純に、いくら良いものを作ったとしても、いくら凄いものが完成したとしても、そこにお客様が来てくださらなかったらどうしようもないですし、興行という意味ではチケットを買っていただかないとなりません。

ですが、この ”主催者側の人だけが作るものではない” というのはただそういう意味だけではなく、実際の本番中もコミカルな場面では会場のお客様の笑い声や反応があってこそその場にそういう空気感が生まれますし、逆に静かに観るべきところではみなさんがその雰囲気を察しているからこそ静寂の中で物語が進んでいきます。
そう考えると、客席の1人1人もその物語の一部であり、そして作り手にもなり得るのだと思います。

逆に、この雰囲気を壊してしまおうと思えば壊せるはず。
ですが、それを積極的にやろうと思う人はこの場にはいないはずですし、みなさんが至って協力的、そして自然発生的にその場の雰囲気を作っています。

私がスタッフに回っている時にはそんなお客様に対しては、そんな笑い声1つ、静寂1つに対しても、「 本当にありがたいことだな 」 といつも感じます。
だからこそ、自分が観客側に立った時にはそんな雰囲気を積極的に作っていきたいと思いますし、両方の立場の経験を持っているからこそ、自分自身が観客側であった時もやはり、周りのみなさんに対して、「 この人達がいるからこそ、こうして楽しめるんだな 」 という想いが募ります。

そういう意味でも、やはり今回もそんなお客様に対しても感謝をしたいと思います。


また、観劇を終えたお客様がSNSなどで、「 面白かった 」 「 観に行った方がいいよ 」 などと、様々な発信をしているのを見かけます。
このような発信というのは、主催者側から発信されるものとはまた別で、例え、「 面白いよ 」 「 観においでよ 」 という同じ意味合いのものであっても受け取る側には違う意味を持って伝わります。

一個人として観劇をされた方は、面白くなければ、「 面白くなかった 」 「 つまらなかった 」 「 行って時間とお金の無駄だった 」 というようなことを言ったり、もしくは発信にすら値しないということで無言になることでしょう。
そこは誰に対しての遠慮もなく、忖度も偽りも装飾も必要ないと思います。

だからこそ、そういう方々の、「 面白かった 」 には真実味があり、受信側にストレートに届くのだとも思います。
こういう発信も本当にありがたいことです。



1つの公演というのは本当にたくさんの人の力、応援、気持ち、努力、汗、涙 ・・・
色々なもので出来上がっています。

今回の公演も間違いなくそうだったのだと思います。


イレブンナイン さん は、今後も札幌演劇シーズン2018夏を含め、それ以外にも様々な予定が決まっていっているようです。
きっとまたその時には素晴らしいものを見せつけてくれることでしょうし、また一層に我々の心を鷲掴みにしてくれることと思います。

私自身、個人としてもまたそんな公演、演劇を観ていき続けたいと思いますし、出来る限りの応援もしたいと思っています。


また一方では、ジャガイモンプロジェクトとして イレブンナイン さん とまた同じ現場で活動をさせていただくことも間違いなくあるでしょうし、すでに今春にはそんな予定も入っています。
すでに日程に関しては一部イベントでは発表していますが、そのあたりは一般向けの公式発表を待つとしても、とにかくそういう意味でもまた楽しみがあり、そしてまた今回の公演とは少し違う形でみなさんと現場で再会できるのも、そして一緒に活動できるのも楽しみでもあります。
そして当然、そんな会場でたくさんのお客様とお会いできること、再会できることも本当に楽しみでもあり、待望でもあります。




千穐楽までに2000人の動員を1つの目標としていた今回の サクラダファミリー

一方で、生配信を行なっていた カジタンファミリー の中では、2100人を達成できたら、納谷 さん と カジタ さん の2人が、スペインの サグラダファミリア に自費で行き、そこで カジタンファミリー の生配信をして帰ってくる、という公約がなされていました。


そんな中で千穐楽前日までの12公演を終えた時点での動員は 1915人。
千穐楽のチケットは、事前精算当日精算含めてその時点で172人で、ここまでで計2087人。
あと13人でスペイン行き決定というギリギリのラインになっていました。 (27日配信・カジタンファミリーよりのデータです)

この動員というのは予約数ではなく、実際に観劇された方の実数で計算するため、当日になって不測の事態により来場いただけなかった方の予約の数は足し算には入りません。
その為、実際にはあと13人ではなく、もう少し多い数の当日券を求める方の来場が必要となるはずでしたが、朝に私が整理していた数だけでもそれを上回る人数でした。

予約がありながらも来場されず、結果的にそこから引き算となった人数はわかりませんが、終演後の挨拶の時にスタッフの方から発表れたのは、「 2100人突破! 」 という報告でした。

これは本当に凄いことです。


この発表があった時の 納谷 さん の何とも言えない反応と、周りのキャストのみなさんやお客様の反応との違いはとても対照的で面白いものでもありました。

また直後に カジタ さん にスペイン行きについて伺ったところ、「 早速色々と調べている 」 とのことでした。

大変ですが、「 行ってらっしゃい! 」
時差もあるので日本時間ではいつ配信するのかなど、おそらくまだ何も考えてない段階だとは思いますが、サグラダファミリア前からの生配信、楽しみにしています!


   



この日の札幌からの帰り道。
ものすごい吹雪と高速道路の通行止め、更には峠の積雪にも大きく阻まれ、札幌を出発して士幌に辿り着くまで実に8時間もかかってしまいました。

夏の頃の道の良い状態のことを考えると2.5倍もかかった計算です。

最後の最後で凄い思い出が1つ追加されました。


   


2018年2月1日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康




後記


今回少し疑問に感じたところがあります。
イレブンナイン さん に対しても、札幌の演劇の世界にも魅力を感じ、そして想いを持っているからこそあえて書かせていただきます。

また、一傍観者としての意見でもありつつ、私自身も時に主催スタッフ側として演劇公演に参加することがあり、その目線から生まれる意見も組み入れています。
更に、これはあくまでもマナー違反をする方を全面的に擁護するものでも、また一方で主催側ばかりを正当化するものでもありません。

初めにこの点を申し添え、お話を初めてさせていただきます。



まず大前提として、劇場で生のお芝居を観劇するにあたっては、観劇マナー というものがあると思います。
これは、お芝居の観劇に限らず、スポーツ観戦にしても、レストランで食事をする時も、図書館を利用する時も、それぞれにそれぞれのマナーやルールというものが存在すると思います。


一方で、そんな時、「 私は客だぞ! 」 ということを振りかざす方もいるかとは思います。
確かにお金を払って利用するもの、入場するものであれば特に ”需要側” と ”供給側” とがはっきりし、その主張もまんざら間違いではないと思います。

その場がその人が貸し切った場所であれば、ある程度何をしても許されると思います。
ですが、大抵の場合はその、「 客だそ! 」 と主張する人の周りにもやはり同じような立場の人がいるわけで、何かを口に出して主張する人が強い、言わない人は弱いということは無いと思います。



それでは、観劇マナー ってなんでしょう。

携帯電話をマナーモードやサイレントモードにするのではなく、しっかりと電源をオフにすること。
写真や動画の撮影はダメ (一部許可のある場合を除く) 。
劇場内での飲食はダメ。
帽子など、後方の席の人の邪魔になるものは脱ぐ ・・・

他にも細かいことを言えばまだまだあると思います。

ですが、これって世の中の常識なのでしょうか。
私個人としてはここに至るまでにすでに何度も何度も劇場で生のお芝居を観劇したことがありますし、スタッフとして関わったり、役者さん側から直接聞くことなどによってその知識を蓄積していったと思います。
また、演劇というものに様々な形で触れる機会が生まれ始めた段階で自らインターネットなどで色々と検索して、「 へー、こういうものなんだな 」 と学んでいったことも少なからずあると思います。

ということは、逆に表現すれば、それ以前はそういう知識は、なんとなくはわかっていても、全てを理解している状況では無かったと言えます。

そしてきっとそれは私だけに限らず、生の演劇を目の前で観たことが無い人の多くに言えるのではないかと思います。

何事も、”知っている” に越したことがないのは間違いないですが、ですが生のお芝居を観劇した経験のない人が 観劇マナー の全てを知らないのは、”イコール非常識” とは言えないのではないかと思います。



この 観劇マナー 、興行側、主催者側の立場の人にとっては、お客様に守っていただきたいものです。
そしてそのマナーが守られなかった場合、一般的に一番 ”悪”とされるのはやはりそのマナーを守らなかった張本人になるとは思います。

ですが一方で、このマナーを ”全員が知ってること前提” で、主催側が注意喚起を軽視してしまうのもまた、このマナー違反によって迷惑を受けることになる周りのお客様に対しての主催側の ”責任放棄” なのではないかと思います。


実際今回の公演中も、本番中に携帯電話のバイブ音が聞こえたり、画面をチェックしている明りが漏れたりもしていたそうです。

この2例を考えると、一般的にはそれが不可抗力であってもウッカリであったとしても、やはり一番の問題はそれをしてしまった張本人にあると思います。
そして同時に、観劇に慣れた方やその他ほとんどの方は同じようなご意見を持たれると思います。



ではこういう事態を事前に回避するために、主催側は何をしたか。

今回の前説で行なわれた注意喚起の中に、携帯電話に対してのものもありましたが、そこには、「 電源を切ってください 」 とのハッキリとした一文は入っていませんでした。

演出の一環として、「 携帯電話について・・・・・・・お分かりですね 」 という形の、無言でも理解してくださいという趣旨の注意喚起はありましたが、これはいつも演劇を楽しんでいる方であれば、言われなくても分かっていることでしょうし、そう言われれば電源を切り忘れていたとしても思い出して切ると思います。

一方、今回初めて演劇を生で観るという方も全13公演の中には少なからずいたはず。
誰かと一緒に来ているのであればお互い確認し合って電源を切るという判断もできるかと思いますが、1人で来たという人に対しては、あれで本当に真意が伝わったのか。
私にはそこが大いに疑問でした。

捉え方によっては、この注意喚起の仕方によって電源を切っていない携帯電話の着信音やバイブ音が本番中に聞こえてしまった場合、そこには主催側の責任も少なからずあるのではないかと思います。


静かなところで何かを観るのであれば、「 携帯電話の電源を落とすのが常識だ! 絶対的に本人が悪い! 」 というご意見も当然あると思います。
お客様側の意見としてはそれでいいと思います。

ですが、主催側としてはそうではなく、初めてこういうところに来る人がいるかもしれない、初めて演劇を観る人がいるかもしれない、何か疑問を持っている人がいるかもしれないという発想を常に持っておくことが大切だと思います。

100%常連の方ばかりなのであれば1から10まで全てを説明するには及ばないと思いますが、こういう場所で新規の方が1人もいないというのはあまり考えられません。
まして、イレブンナイン さん は、昨夏の ”あっちこっち佐藤さん” で新しいファン層を大きく拡大しています。
であれば、常連さんにとってみれば、「 あ、また同じこと言ってるな。言われなくても電源くらい落としてますよ 」 と思われるくらい、注意喚起では同じことを繰り返してもいいと思います。

このような注意喚起や案内は、一番慣れていない人、新規の人に合せていくべきだと思います。

「 いつも同じこと言っててしつこいな 」 というストレスと、実際に本番中に不用意な音が聞こえたことによるストレスはどちらがお客様にとってマイナスなのか、どちらが迷惑なのか、どちらが嫌なのかを考えた時、答えは自ずと出てくるのではないかと、私は思います。

イレブンナイン さん のみなさんのたくさんの苦労や努力、そして自分達の力によってせっかく新規のお客様が入ってきているのに、そこに対応できていないのは本当に勿体ないと感じます。



ではこの ”注意喚起” について、受信側であるやお客様は前説以外の部分で知ることはできるかという点にポイントを移して少し考えたいと思います。

このような ”観劇マナー” というのは、インターネットなどで検索すると観劇が好きな方が自らまとめた ”注意” がいくつも出てきます。
ブログに記事を書いたり、ホームページで紹介したり、SNSに書き込んだりと、それは様々です。

ですが、残念ながら演劇を作る側の方の発信ではほとんどそういうものを見つけられません。

確かに、自分達のお客様になるであろう人達に対して、たとえ一般論であったとしても、「 あれはダメ。これは守って。〇〇は最低限のルール 」 というような提示はしづらいです。
ですが、こういうことが具体的に提示されていないと、その場所、その環境でのルールを理解できない方も少なからずいるのも確かです。

”暗黙の了解” という言葉もありますが、それはすでにその場での過ごし方や雰囲気を知っている人に対してこそ通じるもので、初めて来る人、慣れていない人には通じないものだと思います。



前説以外で全てのお客様に対して一律に何かメッセージを伝えるというのは、とても難しいことだと思います。

それをするために、例えば観劇マナーが書かれた用紙を全ての人に配布るとなると、それは経費がどんどんかさみ、あまり現実的ではないかもしれません。
ですが、大きなものを1枚作って、それを本番前の舞台の上などに掲示することは可能だと思います。

観劇のために劇場に入って着席した後は、ちょっと時間が空くものです。
そこで舞台の上に何か書いたものが立っていれば多くの人はそれを見るでしょうし、例えばそこにマナーがただ箇条書きにしているあるのではなく、マンガ風に表現してあったらなお見やすいのではないかと思います。

主催側がお客様に伝えたいことというのは、お客様自身が自ら検索したりして初めて辿り着くところにあるべきではなく、主催側から積極的に与えるべきもの。
それが出来た上で初めて自分達が示した守って欲しいルールが守られていなかった時、そこで初めてそれを主張することもできるのではないかと思います。

と、私自身の思うところを書き連ねましたが、これは今回の公演だけに限ったことではないと思います。
私自身もこのような形の演劇に対して、1人のスタッフとして主催側として公演に携わることもあり、「 じゃ、お前が携わっているものの中ではお前の言うことがちゃんとできているのか? 」 と聞かれれば、そこは自信を持って縦に首を振ることはできません。
ですから、これは私からの提言でもあると共に、自分自身への戒めでもあると思っています。

そして私自身、他の様々なイベントや催しの中で、このような事に対してどのような取り組みが行なわれているのか、もしくは何も行なわれていないのか。
それぞれに対するお客様の反応や、それを受けてどのような結果になっているのかなど、しっかりと気を付けてまた改めて学んでいかなければならないなと思っています。

どんな現場でもイベントでも、勉強になることというのは必ずどこかにあるものです。
そういうものから様々学び、そして自分自身や周りに対しても活用できるものが生み出せれば、それは本当に素晴らしいことだと思いますし、1つのイベントに対して主催側、スタッフとして関わる機会があるのであればなおさら常に向上心を持ってその場に臨まなければならないと、改めて考えさせられた今回でもありました。



イレブンナイン さん は現在、札幌で最も集客力のある劇団だと言っても過言ではありません。
良い意味でも悪い意味でも、その動きというのはこの業界から注目されていることでしょう。

そんな今であれば自分達が築き上げたその環境を活かして、この界隈のルールを作る先頭に立つこともできるのではないかと思います。

例えばここでこの観劇マナーに関しての新しい取り組みやチャレンジが始まっていけば、他の劇団をそこに引っ張っていくことも今の イレブンナイン さん にはできるのではないかと思います。

観劇のマナーだけに絞って考えても、現在でもお客様側が自らSNSなどを使って発信したり、また具体的なことに対して苦言を呈している場面を時折見かけます。
しかしそういうものに頼るのではなく、主催側が自ら積極的に発信できる環境、そして発信する土壌ができれば、お客様側も自らの言葉ばかりではなく、そういうものをベースにマナーに関しての発信を行なうことができると思いますし、それこそが全ての人が気持ち良く観劇できる環境への道にもなれば、「 演劇って難しそう 」 というイメージを持った人に対してもその敷居を下げることになるのではないかと思います。

「 演劇っよくわからない 」 という方のそんな反応は、何も情報が無くて知ることが出来ないというものでもあるとも思います。
そういう方に対しても公演の中身や内容ばかりでなく、マナーのこと、劇場のこと、役者のことなど、様々な情報というのは有益なのではないかと思います。



また、聞くところによると今回の入場時、直前に購入してきたばかりのファストフードをそのまま劇場に持ち込もうとしたお客様がいらしたそうです。

きっと、映画館でポップコーンなどを食べながら観る感覚だったのではないかと思いますし、恐らく演劇を劇場で観るということにまだ慣れていない方だったのではないかと想像ができます。

前説では飲食に関しての注意も ”なんとなく” していましたが、このお客様がファストフードを持ち込もうとしたのはその前説を聞けるよりも前のタイミング。
事前にどこにも、「 飲食物の持ち込み禁止 」 と明記されていなかったのであれば、ただ単純に ”暗黙の了解” ”常識” とこのお客様に全面的な非を押しつけることはできないと思います。

実際今回に関しては、入場前にスタッフがそのことに気が付き、そのお客様に説明した上でご理解をいただき、入場前に食べてもらったとのことで何ら問題には発展しなかったということでしたが、短時間で急いで全てを口に運ぶことになったそのお客様にとっては大変なことだったと思います。

これがもしお客様が手に持った状態で入場しようとしたのではなく、着席後に紙袋やラップなどに包まれたおなぎりやハンバーガーがカバンの中から出てきていたら、きっとスタッフも気が付くのが遅くなったか、もしくは気が付かずにマナー違反が不可抗力的に行われていたかもしれません。

これに関しては、入口前に、「 飲食物の持込は禁止です 」 というような掲示がはっきりとされていれば、たとえ持ち込もうとして誰かが何かを持って来てしまっていても、お客様自身がそれを見れば自らの判断でどうにかしたことでしょう。

また、主催側が自らそのような意思表示をはっきりと出来ている環境であれば、何かルールを犯す人がいた場合にもはっきりとその点に関して自分達の意図することを伝えることもできると思いますし、そこには注意する側にしっかりとした正当性が生まれると思います。

入場時に、「 飲食物は持ち込めません 」 とお客様に伝えても、「 どこにもそんなこと書いてないよ 」 と返されてしまえば、「 書いてないですけど、それがルールですから 」 という主張は、主張としてはあまりに弱いものになってしまいかねません。



ここまで書いておきながら・・・ という感もありますが、観劇マナー を知らない、わからないという方に対しても、私がそんな方と同じく客席に座る立場であるならば少し言いたいことがあります。

「 よくわからないけど、行けばわかるさ、たぶん 」 ではなく、自分が今までに体験経験したことのないものに触れる時、誰に何も言われなくても、「 自分で調べてみようよ! 」 ということです。
想像力を働かせて、「 観ながら飲食してもいいのかな? 」 「 動画撮ってもいいのかな? 」 「 電話がかかってきたら出ても大丈夫かな? 」 と。

そこで自分で確信を持てないことがあったのなら、自分以外の誰かがいる場所なら特に、他の人に迷惑かけないようにまずは事前に調べてみるのが一般的なのかなとも思います。

自分が何かを心地良く体験したい時、気持ち良く過ごしたい時、他の人の迷惑行為で邪魔をされたらイラッとしますよね。
そういう想像が働くのであれば、自分が他人に対して迷惑をかけないようにすることが、回りまわって自分に返ってくるのだと思います。


マナーを守るという行為はごく正常な、そしてとても普通のことなのかもしれませんが、それが自然と他人を思いやるということにも繋がると思います。
みんなが他人を思いやると、それは自然と自分に対しても思いやりという温かさで返ってきます。

みんなが他人を思いやれる場所では、きっとそういうストレスは無くなることでしょう。
そうなれば、きっと今回の演劇もストレスなく、もっともっと気持ちよく観れたはず。

私自身も客席側に座る一参加者であるならば、その場で自分が気持ちよく観たいですから、ごく自然にこう想像します。



また今回、逆にすごく良かったと思える点もありました。
このレポートの21日の分にも書きましたが、「 只今、写真撮影オッケー! 」 という掲示は、誰の目にもとても分かりやすく、更にあとで、「 動画はNG 」 という吹き出しが追加されたそう。
これは一見で言いたいことが伝わりますし、何が良いのか悪いのかもはっきりします。

前説やアフタートーク、更にはダブルカーテンコールがあった際に使われていましたが、これは本当に良かったと思います。
ダメなことをNGと伝えることも大切ですが、その場で許されることをOKと伝えることもまた大切なことだと思います。


   


ただし、その前説の終わり方には少し不満を感じました。

前説が終わるか終らないかのうちにすぐに暗くなってしまった会場。
その中で私自身は写真を撮った後で手で探りながら電源を落とした携帯電話をカバンにしまいましたが、それをみなさんが問題なくできたのかは疑問が残ります。

ましてコンカリーニョの客席で物を落としてしまった場合、運が悪いと足場の隙間をすり抜けて手の届かない下まで落ちてしまうことも考えられます。

そんなことも考えられる状況であれば、前説の最後は ”撮影OK” のまま下がって行くのではなく例えば、「 では今から携帯電話の電源を切ってください 」 と言葉で案内をし、間を取ってから下がって行くか、もしくは下がってからも明るいままの時間をせめて10秒は取るぺぎたったのではないかと思いました。



今回の公演、「 初めて演劇を観る 」 という地元の仲間が士幌から来てくれました。
そして観劇後、そんな彼らに改めて聞いてみましたが、「 携帯電話の電源を切れとは一言も言われていない 」 「 食べ物持って入ったらダメだとは言われなかった 」 という話になりました。

実際のところは事前に私の方から観劇に関してのマナーのある程度を伝えてありましたので、彼らに関してはそこで何らかの問題が発生したということはありませんでした。
ですが、事前にそういうことを伝えてないことを前提とすると、もし仮に観劇中に彼らの中の誰かの携帯電話のバイブ音が響いたり、1時間ごとに腕時計からピピッという電子音が聞こえてきたとしても、私は彼らに、「 お前が悪い! 言われなくても常識だ! 」 と自信を持って言うことは出来なかったと思います。


守って欲しいことがあるのであれば積極的に伝える。

それがそのお客様を守ることに繋がり、周りのお客様にも気持ち良く観劇していただく環境を守ることにも繋がり、そして自分達自身の発展にも繋がっていくのだと思います。




今回士幌から7人の仲間が来てくれるにあたり、そのうち1人はこれまでに何度か生の演劇を観たことがあるのですが、他の6人は今回がまるで初めての経験だということ。

そんなこともあり、観劇マナーについての彼らの反応は、演劇を観ることに慣れてしまった私にとっては新鮮であり、ハッとさせられることも数多くありました。


演劇に限らずどんな世界でもそうだと思いますが、その場に慣れてしまっている人の常識が全ての人に対してまかり通るのは間違いだと思いますし、そこが基本になるのもやはり違うと思います。

慣れている人も、慣れていない人も、与える側も、与えられる側も、全ての人が気持ち良く、そしてストレスなく過ごすことができる、そしてまたそんな雰囲気、そして場所を再び経験したいと思えるようなものが理想ではないかと思います。

私自身もジャガイモンプロジェクトの活動の中で、これからもきっとこういう場面に出くわすことがあると思います。
そんな時、その時ある自分の立場の中で、周りの人に対して最善の環境をつくれるような努力や工夫、そしてそれに対しての準備を怠らないようにしなければと強く感じています。


 
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