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   ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会
〜1人のイモの物語〜 レポート 
 
   

昨年6月、ジャガイモンプロジェクトは活動開始から10年を迎えました。

とは言いつつも世の中には新型コロナウイルスの感染の波。
もう丸2年、やりたいことをやれない、会いたい人に会えない、行きたいところにも行けないような日々が続いています。

本来であればこの10周年を記念して大きなイベントを開催し、みなさんに改めてここまでの感謝をお伝えしつつ一緒にお祝いができればとは思っていましたが、そんな想いも全てはこの憎きウイルスが飲み込んでしまいました。




1月19日、道の駅ピア21しほろ で1つのイベントがスタートしました。

その名も ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会 〜1人のイモの物語 〜

これは年表と写真を中心に、ジャガイモンプロジェクトの活動10年を振り返る展示イベントです。


特設スペースに立てられたボードには溢れんばかりのたくさんの写真が貼られ、プロジェクトのこれまでの活動の様子を伝えてくれています。
常設の大型ビジョンでは昨年の3月に生配信でお届けした ” 新しほろっちTV 第2回 ” の映像が1日数回流れます。

併せて、館内のあちらこちらに隠されたキーワードを集めるとお菓子をもらえるイベントも同時に行なわれ、 更にはジャガイモン缶バッジのガチャガチャも期間限定で設置していただいたりもしています。

そんな、ジャガイモンプロジェクトにとっても私個人にとっても、まるで夢を見ているようなイベントが2月末までの約1ヶ月半もの長期間に渡って開催されました。

今回はそんな展示イベントの内容について。
更にはイベント開催に至るまでの色々なお話をレポートとして公開します。


   


今回のイベント、企画に始まって全てを制作してくれたのは道の駅ピア21しほろを運営する株式会社atLOCAL さん のインターン生、
佐藤颯太 くん宍倉憂哉 くん の2人です。

実際には私自身もイベント開始のだいぶ以前からそんな話を提案され、そしてその準備が進んでいく様子も常に伺い聞いてはいたのですが、今回はあくまでも私は主催者ではなくイベントを開催してもらうという受け身の立場です。


ジャガイモンの歴史、ジャガイモンプロジェクトのこれまでを振り返るのは、それは確実に私が誰よりも詳しく、そして様々な繋がりや流れも理解しています。
それは当然ですし、歴史を振り返ることをするのであれば私自身が自分でやるのが一番簡単なことには間違いありません。

ですが私の視点で振り返るものと、いわゆる第三者が外からの目線で振り返るものとでは目の付け所もプロジェクトそのものの見え方も違うものになるでしょう。
伝え方ひとつを比べても、きっと私が自分でするのとは違う感覚で伝えてくれるのではないかと思います。

第三者の目線から見てプロジェクトの歴史の中で何が際立って感じるのか、どれが気になるのかというのは私自身にとっても非常に学べるところが多いと思いますし、それはきっと今後の指針にもなるはずです。

こういう機会に私が次々に口を出し、「 あれを絶対紹介してほしい 」「 これだけは外さないで 」 と続けてしまえばしまうほど私の考えが強く反映されるものになっていってしまいます。
ですがそれは今回の企画に対してはちょっと違うのではないかと思います。

そんなこともあり、今回はあくまでも私は彼らにイベントを開催してもらう立場。
踏み込み過ぎずに一歩引いて見守ることを大切にしました。




そんな彼らが準備を進めてくれたイベントが道の駅ピア21しほろの館内でスタート。

会場には大きなボードが3枚立てられ、その表裏両面にたくさんの写真やジャガイモンの過去のツイートなどが年表形式で貼られています。

その中には最近のものもあれば10年以上前のものもあります。
大勢で肩を寄せ合って撮った写真もあれば、あの人と出会ったその日の写真もありました。

   

プロジェクトの活動の大きな転機になったツイートもあれば、ある日の何気ないツイートもありました。
1つのツイートをきっかけに大きく広がった世界もあり、そこで出会った人がいて、そして紡いできた御縁がたくさんあります。



そんな数多くの写真を見ていると、その1枚1枚を撮ったその情景や交わした会話、そしてその時に感じていた様々なことを思い出したりもします。

私自身にとってみればどれも大切な記憶であり、そして全てが間違いなくたくさんの方々と積み重ねてきた歴史そのものです。
そしてそんなたくさんの思い出が貼り出され、こうしてたくさんの方に向けて展示していただくというのはとても嬉しく心躍らされる出来事です。

   


この展示の初日、朝9時の道の駅のオープン時間直後に会場に行ってみると、実はまだ展示会自体は準備の途中でした。
たくさんの写真達のほとんどはまだ貼り出される前で、裏に両面テープを付けられながら台の上に山積みに置かれていました。

彼らはその山を前に、「 写真がたくさんあって、どれがどの時のものだかわからなくなりそう 」 と少し混乱していた様子。
そこで私もその写真を年代ごとにまとめる作業を少しだけ手伝ったのですが、その時ふとあることに気が付きました。
たくさんの写真のそのほとんどが私やジャガイモンが誰かと一緒に映った写真だったのです。

ジャガイモンプロジェクトの活動では常に記録を残していくためにたくさんの写真を撮り続けています。
会場の様子を撮ったもの、準備の様子を撮ったもの、グッズや配布物を撮ったもの、そして人を撮ったもの。

そんな中でも今回は私が誰かと一緒に撮った写真が数多く用意されていたのです。

   
   
   


私はかねてより、「 ジャガイモンプロジェクトはたくさんの人との出会いや御縁があってこそ続いている 」 ということを発してきています。

彼らはしっかりとその想いをキャッチしてくれていたようで、「 裏テーマは ” 人との繋がり ” 」 と私にも伝えてくれました。
それは何とも嬉しいことでした。


私が自らこのような企画を立てたとしたらきっと色々なものを伝えたいと考えるばかりにたくさんのものを掲示してしまい、結果的には見る人にとっても大変なものになってしまうのだろうと思います。

それがこうしてある程度テーマを絞って展示するというのはまさに彼らの感性であり、そういうスタンスが見えることこそが今回の展示会の意味でもあると思います。
私自身にとってもそれは非常に興味深いことです。


たくさんの写真の1枚1枚の全てにはそれが具体的にどんな写真なのかという説明はつけられていませんでした。
周りに貼られたジャガイモンのツイートからそれを推測することはできたりもするのですが、あくまでも写真は写真だけで貼られているものが多いのです。

これも私が企画したものであれば間違いなく全ての写真に、これはいつ誰と撮った写真だよ、この時にこんなことがあったんだよと毎度説明文を付け、その文量だけでも結構なものになるのだと思います。
ですが一方で彼らの表現は長々と説明をするよりも写真でストレートに伝えるというもの。

いちいち言葉を多用するのではなく、端的に物事を伝えようとする彼らの感性がここにもあると感じました。

   


ジャガイモンプロジェクトはこの10年で本当に様々なことをやってきたため、その全てをこの限られたスペースで紹介することはとても不可能です。
全てのことを紹介しようとすればするほど、それは見る側のほとんどの人ににとっては重たいものになってくいことでしょう。

だからこそ削る部分はしっかり削り、テーマを絞って紹介するというこの展示の手法は、削るという行為が不得意な私自身にとってみれば本当に斬新であり、改めて色々と気が付かされるものでもありました。

また一方で、そんな ” 削る ” という作業ですら彼らは真剣にやってくれたことを私は知っています。
彼らがこのイベントの開催に向け、その準備に自分の時間をたくさん犠牲にし、寝る時間を惜しんで連日夜遅くまで作業をしてくれたということを私は知っています。
そしてジャガイモンプロジェクトを改めて深く学んでくれたということを私は知っています。

彼らはただ単純に大きなものの形をコンパクトにしたのではなく、自分達が学んだことから得た感覚で慎重かつ大胆にこれを削り落としてくれたのです。

多くのみなさんにはそこまでの感覚というのはなかなか伝わらないのかもしれませんが、私にはこの展示や選択されたものを見て彼らのそういう想いがしっかりと伝わってきました。
だからこそまた一段とありがたかったのです。


ジャガイモンプロジェクトのこの10年の活動は本当に横幅広く多岐に渡っているため、その流れをある程度の理解をするだけでも大変だったことでしょう。
何と何が繋がっているとか、これがきっかけでその後のこの活動に繋がっていったとか、全てを把握しているのは私だけです。

しかしそんな中でも彼らはしっかり理解しようと、時に私への質問で確認をしてくれたり、様々な資料に目を通してくれたり、公式サイトをあちらこちらと巡って学んでくれたりと本当に一生懸命でした。

私との何気ない会話の中に出てきたことですらしっかりと覚えていてくれていて、それも全てを彼らなりの学びに繋げてくれていたのだということも今回の展示からは感じ取ることができました。

   


そんな中、ある日ちょっと思い出深いワンシーンがあったので紹介させてもらいます。

この展示会を作り上げるにあたって 宍倉 くん が、「 ジャガイモンプロジェクトのキーポイントになった人って○○○○さんですよね 」 と言ってきてくれたことがありました。

ジャガイモンプロジェクトの活動を長年リアルに近くで見てきたのではない彼らにとってみればそれを理解することも辿っていくこともなかなか難しかったのではと思うのですが、宍倉 くん が言うそのキーポイントは実にしっかりと的を射ていました。

それだけ彼らがこの活動を深く理解しようと努力してくれたこと、学んでくれていたということに改めて気が付かされ、私はちょっと心震えるような感情にすらなりました。




展示会の顔、一番正面のボードには大きな4枚の紹介文が貼られていました。

   


1枚目にはまずイベント名と彼らからのイベントの紹介。
そこには、

ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会 〜1人のイモの物語〜

昨年10周年を迎えたジャガイモンプロジェクト。
士幌町をもっと元気に。士幌町をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。
熱すぎるほどの士幌への愛で走り続けてきたジャガイモンと川崎さんの活動を振り返るイベントです。
イモと士幌と熱い男の10年間の軌跡。
インターン生より、愛をこめて。

ジャガイモンプロジェクト × 株式会社 at LOCAL

と書かれていました。
正直なところ、私はこれだけ見てすでにちょっと泣きそうでした。


2枚目はジャガイモンプロジェクトの紹介。

2011年6月に始まったジャガイモンプロジェクト。
士幌町をもっと元気にしたい、士幌町をもっとたくさんの人に知ってもらいたい、という想いのもと、主に4つの事業を展開。
クスッと笑えるものから、熱い想いがあふれ涙するものまで、多種多様な活動を続けてきました。
15万文字のイベントレポートや27万を超えるツイートなど、圧倒的な熱量でイベントの企画や情報発信をしています。

という文を、ジャガイモンプロジェクトが常に掲げている、「 あなたとの御縁を大切に いままでも そしてこれからも 」 という文言と共に。


3枚目にはジャガイモンのプロフィール。

” 偉大なる大地の記憶 ” から、色々なことを知っている。
士幌町の非公式キャラクターだが、松坂大輔や上原浩治などから「公認」をもらっている。(みんな「公認って何?」と思っている。)
Twitterのフォロワー数は3万人超。
シホロンファイブの仲間は全員流浪の旅に出てしまい、音信不通。


4枚目は私川崎について。

” 御縁 ” を大切に。
士幌町寿し大洋の4代目でありながら、町おこしからアイドル育成まで様々な事業を手掛けるジャガイモンプロジェクト代表。
「元ミュージシャン」の一面も持つ。

と、店で撮影してもらった写真と共に紹介してもらいました。


この道の駅という施設の中で、いわばこういう個人の活動を紹介してもらえるというのは本当に異例なことだと思います。

そんな中でこの正面に掲げられたこの4つの紹介文だけでも私は胸が熱くなり、そして鳥肌が立つような気さえしました。
本当にすごいことであると同時に、これを実現してくれた彼らに対しての感謝の気持ちがまた一段と大きくなりました。



1枚目のボードの裏面には、彼らがピックアップした5つの活動が紹介されていました。

   
   

それぞれに、

ジャガイモンプロジェクトの活動領域
「キャラクター関連事業」「町おこし関連事業」「タレント関連事業」「イベント関連事業」の4本の事業を中心として、様々な活動 ・ 取り組みを行なっています。

ジャガイモンというキャラクターを皮切りに士幌町を知ってもら機会を生み出しており、一見して関係のないような事業、イベントへのかかわりであってもゴールは常に「士幌町をもっと元気にしたい」「士幌町をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」という基本理念に基づきます。

新しほろっちTV
「しほろっちTV(ティーヴィー)」「新しほろっちTV(テレビ)」これ、テストに出ます。

2013年〜2015年にかけて制作された伝説の視聴者参加型生配信番組「しほろっちTV」が新たな形となって復活。
ジャガイモンプロジェクトの新たな取り組みの一つです。
過去には、インターン生が出演したことも。道の駅でも上映中です!

YouTubeライブカメラ
故郷の空を見て思い出す。素敵な場所も、素敵な人も。あと酔っ払いも。

ジャガイモンプロジェクトのYouTubeチャンネルで見ることができる、士幌町の市街地から東の空を望む定点カメラからの映像。
雪が降るとアクセス数が増えるそう、たまに酔っ払いも映ります。
士幌にいない時に見ると、ちょっぴり嬉しいのは何故なのか。
インターン生のおすすめは、秋の朝焼けの空の映像です。

士幌町史跡をめぐる
町民も意外と知らない、士幌を作った大切な場所。
振り返り、そして考えよう。

士幌町には平成元年度に「士幌町史跡」として指定された場所が39か所あります。
消えてしまった史跡もある中、集まった情報を頼りに少しずつ更新されていきます。
改めて振り返り、歴史に想いをはせてみよう。

ジャガイモン缶バッジ
全種類が数量限定のジャガイモン缶バッジ。
あなたが知っている町民とコラボしたデザインもあるかも?
本イベントに合わせ、缶バッジガチャガチャも用意しましたので、ご興味をお持ちの方は、この機会にぜひガチャガチャしちゃいましょう。


私がこの面を作るとしたら、ジャガイモンプロジェクトで掲げている、” キャラクター関連 ” ” 町おこし関連 ” ” タレント関連 ” ” イベント関連 ” という4つの事業を掲示すると思います。
ですが今回はそうではなく、やはりここも私の考えに影響されない中での彼らの観点からの5つを選択。

ここにも彼らのそれぞれの想いも感じ、そして私自身とはまた違う発想に色々と考えさせられるものがありました。



2枚目以降のボードにはプロジェクトの活動が始まった2011年からのことが年表形式で、たくさんの写真とツイートを中心に紹介されていました。
そこは彼らがジャガイモンプロジェクト公式サイトに掲載してあるものを中心に一生懸命に調べ、そして探し出してくれたもので溢れていました。


本当に最初の頃に松坂大輔さんに「公認」をいただいたツイート、初めて制作し夏祭りで無料配布したグッズのカードに始まって思い出深い写真の数々。

古いものはもう10年以上前のものになるのですが、私にとってみれば全てが大切な瞬間であり、その全てに出会いや御縁があります。
そしてこれらの全てがあったからこそ今があると確信もしています。

ここにもやはり彼らの目線からの取捨選択があり、私にとってみればドキッとさせられたり、なるほどと感じるポイントもたくさんありました。

   
   


この年表形式の展示の中には、実は今回初めて公開するこれまでは全く未公開にしていた写真が複数枚含まれていました。

もちろん公式サイトにも掲載していなければ、過去にツイッターやブログなどで公開したこともありませんし、基本的に今後も公開する予定はありませんでした。

しかし今回は、彼らの作ったこの空間や光景に大きく心動かされたこともあり、彼らのテーマに従って色々な方と一緒に撮った未公開写真を特別にいくつか提供させていただきました。
おそらく本当に今回限りの公開です。

   


そんな一方で私は数々の写真を見たり、更には未公開写真を自分のデータの中から探したりしている時にあることに気が付きました。

それは様々な機会で自分のやらなければならないことに追われ、みなさんと一緒に写真を撮ることを最近さぼっていたのだなということです。

活動の当初はしっかり色々な方々と一緒に写真を撮っていたはずなのに、近年は間違いなくその枚数が減っています。
ここ1、2年はコロナウイルスのこともあってそれは仕方のないことではあると思うのですが、それ以前のもので考えてみてもこれは間違いなく顕著でした。

改めて思い起こすと、近年は、「 一緒に写真撮ってください 」 とお願いされ、ありがたいことに相手のカメラやスマホなどで写真を撮っていただくことは以前に比べて間違いなく増えています。
でも一方で確実に自分のデータとして残すことを疎かにしていたと思います。

そう考えてみると私がこの直前に書いた ” 自分のやらなければならないことに追われ ” という一言さえ単なる自分への言い訳にしか聞こえてこなくなりました。

みなさんと一緒に写真を撮っていただくこと、自分のデータにも記録にも残していくことは、やらなければならないことに追われて後回しにしていいことではなく、それも ” やらなければならないこと ” ” やっておくべきこと ” のひとつなのだと改めて実感しました。

これからは改めて初心に戻り、しっかりとみなさんとの写真もたくさん残していこうと思います。

   


3枚目のボード、最後の一面には今回の展示に際しての私からのご挨拶、そして彼らからのメッセージが貼られていました。

私からのものは、だいたいこれくらいの長さでということでイベントスタートの数日前に依頼を受けていたものです。

一方彼らからのメッセージは初日に会場に行って初めて目にしたのですが、正直これには泣きました。
目頭が熱くなるとかそういうレベルではなく、確実に泣きました。
それだけ素敵なメッセージをいただきました。

以下それぞれ紹介します。

   

ジャガイモンプロジェクト代表 川崎康より

この度は 「 ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会 」 へお越しいただきありがとうございます。
昨年、この道の駅ピア21しほろを運営されている (株)atLOCAL の堀田社長、そしてインターンの若者からとても嬉しい声がけをもらいました。以来、インターンの彼らが中心に準備を進めてくたれことで今回こうして1つの形となりました。
この展示の準備期間、彼らから様々な取材や質問を受けることで私自身も改めてこれまでの10年の活動の歴史を振り返る良い機会になりました。
ジャガイモンプロジェクトは、「 士幌町をもっとたくさんの人に知ってもらいたい 」 という想いを持って2011年6月にスタートして地域おこしプロジェクトです。当初はご当地キャラクターのSNSを運営するのみでしたが、そんな中からたくさんの出会いや御縁に恵まれ、次第に活動の幅が大きく拡がっていきました。
このプロジェクトのスタッフは私1人です。しかし、これまでの活動を振り返ってみると私は決して1人ではなかった。たくさんの人に支えられ、見守られ応援され、そして一緒に活動してきたのだと再実感することができました。
活動の内容は非常に多岐に渡ります。これをまとめるという作業はとても大変だったと思いますし、みなさんに見ていただくためにどう紹介するのかというのも難しかったのではと想像します。
今回の展示会に際し、インターンの彼らの熱い気持ち、これを実現するために動いてくださった方々、そしてプロジェクトの活動を応援いただいているみなさんにも改めて心から感謝申し上げます。

インターン生 佐藤 ・ 宍倉 より

昨年10周年を迎えたジャガイモンプロジェクト。
コロナ禍ということもあり、リアルな場で10周年を祝うことができない状況でした。
逆に、そんなコロナ禍で大学がオンラインになり、士幌町にやってきた我々インターン生。このインターンの期間中、色々な取り組みをしてきましたが、川崎さんはいつも応援くださり、イベントの告知など活動にたくさんのご協力を頂きました。
取材に行き詰まり、困ったときには川崎さんに聞きに行けば、士幌の人や面白いことを紹介してくれました。町外から来た僕たちを不審がる人もいたけれど 「 彼らは大丈夫。士幌のために一生懸命やってくれているよ 」 と紹介していただけたり。就職活動のエントリーシートの締切直前に家のWi-fiが壊れてしまった時には、大洋の座敷でWi-fiをお借りしたことも。(笑)
川崎さんと一緒に取り組んだ企画はもちろんのこと、取材や士幌での日常も含め、僕たちの活動になくてはならない存在です。川崎さんや大洋で出会った人たちをはじめとする町のみなさんのおかげで僕たちは士幌町で様々な活動をすることができたのだと思います。
そんな川崎さん、ジャガイモンへの感謝の気持ち、10年間の活動へのリスペクトを込めて、今回の展示会を企画しました。
展示会の準備を進める中で、次第にその圧倒的な熱量により資料・レポートの数々に尊敬の念を覚えました。15万文字のレポートに関しては、若干引きました(笑)
インターン生佐藤の大学の卒業論文の4倍。
一体この熱量の源泉は何なのか。どうすればこの熱量、想いを伝えられるのか。そんなことを考えながら展示の準備を進めました。
僕たちはこの展示会を通じて、ジャガイモンプロジェクト、川崎さんが貫いてきた御縁を大切にする姿勢や町おこしに対する想いを少しでも多くの人に届けることができたらと思っています。
ありがとうジャガイモン、ありがとう川崎さん。そしてこれからも。

彼らのメッセージの最後に書かれた、「 そしてこれからも。」
これはジャガイモンプロジェクトが常に掲げているメッセージ、「 あなたとの御縁を大切に いままでも そしてこれからも 」 に掛かっているのは私からすれば一目瞭然。
それがまた泣かせました。


この最後の一面には当初はこの2つの挨拶、メッセージのみが貼られていました。

ですがこれに対し、数日後に私はここに写真を1枚追加して貼ってきました。
それはこの展示会が始まった直後に彼らと3人で一緒に撮った写真です。

この展示会を見て私が今回改めて学んだことの1つ。
ここにこの写真をいま貼っておかないときっと私は後悔すると想像しましたし、その後悔は後では取り戻せません。

今できることは今やっておく。
今しかできないことを逃さない。
大切なことだと思います。

   



今回の展示会は1月19日から2月末までの約40日に渡って開催されました。

1つ残念だったのは北海道にも発令されていた新型コロナウイルスに対する 「まん延防止等重点措置」 とほぼ期間が丸々かぶってしまったこと。
ですがこればかりは仕方もなく、そして誰が悪いわけでもありません。

コロナを気にしなくていい状況であれば、ジャガイモンプロジェクトでも、「 遠くからでも見に来て! 」 「 みんなで見に来て! 」 と高らかに連日発信し、更には期間中に会場で何らかのプラスアルファのイベントも開催することもできたかと思います。

また、会場からのYouTubeでの生配信も検討しましたが、告知なくやったのでは見ていただけるチャンスを失い、また告知してからやったのではこの状況で会場に一度に人を集めるきっかけを作ってしまうということを懸念し、残念ですが今回は断念しました。


しかしそんな中でも何かできることはないか。

模索した結果、まずは会場で ” しほろ☆ふるさとカードHOROCA ” のイベント期間限定版を枚数も200枚に限定して配布させていただくことにしました。
これであれば一度に多くの方が集まることもなく、また一方でカードを目当てに来場される方にも展示や道の駅そのものを楽しんでいただけるチャンスを作ることができます。

また更に、道の駅側からも ” ジャガイモンをさがせ! ” という、館内に隠されたキーワードを集めてお菓子をもらおうという、子供達にも喜んでもらえる企画を開催していただきました。
これには結果的に100人近くの人が参加してくれたそうです。

   
   
   
   
   


期間限定でジャガイモン缶バッジガチャガチャも設置していただけました。
展示物以外にも色々と楽しんでもらえるものがあるのはとてもありがたいことです。

館内にある大型ビジョンでは、昨年3月にYouTubeチャンネルで生配信した ” 新しほろっちTV 第2回 ” の映像を1日何度も流していただきました。
これもまた凄いことだと思います。

   
   


また準備期間の彼らとのやり取りの中で、私が今までに書いた中でも一番長い15万文字のレポートをスマホで開いたらスマホが固まったとか、PDFにまとめてもとんでもない長さになったというような話になったことがありました。

これもせっかくなので目に見えるようにしようということで、あえて紙に全て印刷した上で紐で束ねて会場に置いておきました。
この場所でそれを最初から最後まで目を通す人はまずいないでしょうが、その存在感にはちょっとした面白さがあると思います。

   


こんなコロナの状況のど真ん中で開催されたイベントでしたが、実際にスタートしてその開催を情報として発信していると、「 見に行ってきたよ 」 「 実は行ってお菓子ももらってきた 」 というような報告を数多くいただきました。

他にも会場の様子や限定カードの写真だけをそっと送信してくる人や、ガチャガチャで缶バッジをコンプリートしたと報告してくださる方など数多くの反応をいただき、そのたびにとても嬉しい気持ちになれました。

また一方で、「 見に行きたかったけれどこういう時期なので諦めた 」 という反応や、「 行きたいけれど遠いので難しい 」 というご連絡も多数ありました。
やはりコロナの状況もありましたし、また日頃からインターネットでの情報発信を主にしていることもあり遠い地域の方にもそれは届きますが、やはり距離の問題というのは大きなものです。

ですがこれらのように、「 本当は行きたかった 」 というみなさんの想いの1つ1つもまた嬉しいものであり、同時に申し訳ない気持ちも持ちつつも、やはりそれらからも確実に元気や勇気をいただいたりもするのでした。


実際に来場された方の話も色々と伺うことができました。

たくさんの写真を見て、「 懐かしいのがたくさんあった 」 と言ってくださる方もいれば、そんな写真の中にご自身の姿を見つけ、「 一緒に映ってる写真を見て改めて嬉しくなった 」 と伝えてくださった方も。

また、「 ジャガイモンプロジェクトのことよく知ってると思ってたけれど、まだまだ知らないこともたくさんあった 」 と言っていただいた方もいれば、「 こんなことまでやってたんだね 」 と改めて新しいことを知ってくださる方も。

更には、「 え?どうしてこの○○○○さんと一緒に映ってるの? 」 と、ご自身がずっと好きなタレントさんと私が一緒に映っている写真を見て驚かれる方や、「 どうやったらこんなことまでやれるようになるの? 」 と興味津々に質問を連発される方も。

私が直接伺うことができただけでも本当に様々な反応がありました。
わざわざ見に来てもらっただけでも嬉しかったのですが、私に対して色々と反応をくださったのもまたとてもありがたいことでした。

   


開催の期間内には短時間ではありましたが私も何度となく会場に顔を出しました。

これもコロナを気にしなくてよかったのであれば、事前に会場に行く日時を示し、そこで集まっていただける方に対して展示について色々と解説をさせていただくような催しもしてみたかったのですが、やはり今はちょっと厳しいと断念。

そんな中でも私が偶然居合わせた時、私がそこにいることに気が付いた方が声をかけてくださったり、また展示を長時間じっくりと見てくださっていた方に対しては、「 ご来場ありがとうございます 」 とこちらから声がけをさせていただいたりもしました。

更には私が会場に行ったタイミングで、ちょうど展示を見ていた知り合いに会うことも何度もありました。
これはこれでまたとても嬉しいことでした。


展示会の開催前、そして開催中には 北海道新聞 さん 、十勝毎日新聞 さん でもそれぞれイベントの開催を報道していただけました。

これによりこれまでジャガイモンプロジェクトをご存じなかった方にも知っていただけるチャンスが広がったのでは思います。
そして何よりこの道の駅という施設の中でこのようなイベントを開催していただくことは、道の駅そのものを目当てに来館された方にも偶然展示会を見つけていただける機会にもなったと思います。

こういう機会を自らの行動のみで作るというのはなかなか難しいことであり、こうしてたくさんの方々の力を借りられるというのは本当にありがたいことです。
入口が偶然であったとしても、たとえ何かのついでであったとしても、結果としてプロジェクトの活動を知っていただけるのは非常に嬉しいことですし、幅を持って色々な活動をしているからこそ誰かの琴線に触れる可能性もより広がるのではないかと思います。


ジャガイモンプロジェクトでは、その発信の中で私自身の存在も前面に出してしっかりとアピールするようにしています。

それは何かの活動の折に私自身にも注目していただけるようになれば、次に私が違うことを始めたとしても私の存在を介してその次の何かにも注目してもらえる可能性が高くなるのではと考えるからです。

だからこそ、今回のように私自身の発信以外のところでたくさんの方にそれを見ていただける機会というのは非常にありがたいものなのです。

例えばキャラクターの運営をしていればそういうものが好きな方は一定数集まっていただけます。
タレントを育成していればやはりそういうものに興味を持っている方の一定数にはその情報は届きます。

ですがこの2つだけで考えたとしても、キャラクターが好きな方にタレント育成の話を突然してもあまり響かないでしょうし、またその逆も然りです。

ですがそこにその2つの間を繋ぐものとして私自身の存在があればどうでしょう。

もしタレント育成をする私自身に興味を持っていただけたなら、次に私が何か他のことを始めてもある程度そのことに対しても興味を示していただけるではないかと思います。

まして一見バラバラに見えるそれぞれの活動が実は根元でひとつに束ねられていて、互いが互いを活かす内容になっていると気が付いてくださったらその興味というものは何か1つだけをまっすぐ見るのではなく、ジャガイモンプロジェクトというものを広域的に見ていただけるようにもなっていくと思います。

その全てを束ねる扇の要たる存在が私自身なのは実はどう考えても当然なのですが、そこで顔をしっかりと出して自らをアピールしているか、それとも半ば隠れているのかでは大きな違いがあると思います。

これはジャガイモンプロジェクトのこの10年の活動の中で私が習得したものであり、そして実際に大きく活かして来た手法でもあります。

本当はあまりこうして表立って不特定多数の方に向けて言うべきことではないのかもしれません。
ですがこの長いレポートをここまで読んでいただけている方はきっとすでにそういう意味で少しでも興味を持っていただけている方が多いのではないかと想像します。
そんなこともあり、今回はあえてここにこれを記しておきます。

   


私が会場にいた時間の中でも、こういう時節にもかかわらず多くの方が展示に目を止めてくださっていました。

私が全く知らない人がじっくりと展示を隅から隅まで見てくださっている光景には、興味を持ってくださっていることに大きな嬉しさを感じました。

これまで直接プロジェクトの話をしたことのなかった町内の方が展示を見てくださっている途中、私がそこにいることに気が付かれて、「 もう何年も前から、この頃からずっと応援してるからね 」 とごくごく初期の頃の写真を指差しながら伝えてくださった時にはちょっと泣きそうになりました。

士幌を知らない人にも士幌を知ってほしいという想いから初期の頃は特に情報発信を外に外に向け、遠くにも届くようにと懸命になっていた頃、私は町内に向けての発信を明らかに後回しにしていました。
ですので常に町外ばかりを意識し、それらは遠くに届けているものだとばかり思っていたのですが、実はすぐ近くにも見てくれている人がいたというのはとても心震える事実でした。

町内の人に限って考えても、ジャガイモンプロジェクトの初期の頃の活動は私のごく近くのわずかな人しか知らないと思っていましたし、それはあながち間違いでもなかったと思います。

ここ数年は新聞紙面等に取り上げていただけることも多くなり、それをきっかけに活動を知っていただける方も少なくないと感じますが、それでも本当に初期の頃はそうではありませんでした。

ですがそんな中でも私の知らないところで私の活動を知ってくださっている町内の方がいて、そして長年見守って下さっていたというのは非常に意外だったと共に本当に心から嬉しかったです。

これも今回の展示会がなければ気がつくことのできなかった事実かもしれません。
そしてこの展示会を通じてジャガイモンプロジェクトをより知ってくださった方、中身に深く触れていただけた方も数多くいらっしゃったと思います。

本当にこれも全てこの展示会を企画準備してくれた彼らのおかげであり、そしてこのイベント実現に向けて動いてくださったみなさんのおかげであり、この10年を超える期間の中でジャガイモンプロジェクトに関わってくださったみなさんのおかげです。

   


彼らがゼロから作ってくれた展示会。
それはまず彼らに対してジャガイモンプロジェクトというものがどう見えているのかというのを知ることにも繋がるものでした。
またその彼らが作った展示にはそれを第三者に伝える時にどう伝えるのかという感性が溢れており、とても興味深いものでもありました。

私が自分自身でこういうものを作ったとしたらと想像すると、それとは今回のものとは色々と違うはず。
ですが、その違いこそが面白くもあり、貴重でもあり、そして意味あるものなんだとも思います。


ジャガイモンプロジェクトのこの10年は大変なこともたくさんあったけれど、常に自ら楽しんでやってきたと自負しています。

そんな中で今回はジャガイモンプロジェクトの活動に関して、彼らから新たなる ” 楽しい ” をもらった気がします。
こんな経験もまた私にとってみればとても貴重でもあり、そしてとてもありがたいものでした。

実際に会場に展示されたものをじっくりと見てみるのもとても楽しかったですし、これを見に来てくださった方や見に来たかったけど来れなかったという方々からの様々な反応を伺うのもとても楽しかったです。

これまでも何度も通っていた道の駅のこの空間に個人で活動してきた歴史を展示してもらっているというのは改めて本当に凄いことだと感じますし、その状況のある中でここに顔を出すということ自体も楽しかったです。

こういう展示があると知らずに道の駅に来ていた同級生にタイミングよく会い、「 なにしてるの? 」 と言われ、「 ほらほら、これこれ! 」 と、ちょっと誇らしげに返したのも楽しかったし、SNSで繰り返し展示会をやっていることを発信するのもまたとても楽しかったです。


また、この ” 楽しい ” は展示会の開催期間だけではなく、振り返るとその準備期間にも言えることだったと私は思っています。

準備の期間に彼らとこれまでの活動について繰り返し振り返る時間も楽しかったですし、その準備が進む様子を見聞きするのもまた楽しかったです。

彼らにとってみれば通常の業務や他の活動もある中でこのイベントの準備を進めるというのは本当に大変だったことでしょうし、たくさんの苦労があったと思います。
ですが彼らは2人で、そして時に1人で、何度も何度も私に色々と取材や質問を繰り返してくれました。
色々なことを吸収しようという彼らの姿勢にはいつも感心すると同時にありがたい気持ちでいっぱいになりましたし、それは同時に人に物事を伝えるということを改めて考えさせられる ” 学び ” にもなりました。

展示会のスタート直前には、” ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会 〜1人のイモの物語〜 ” という今回のイベント名の案をもらいました。
” 1人のイモ ” という表現、日本語的には不思議な表現ではあるのですが、それでもここにも彼らの深く強い想いを感じることができますし、何よりも楽しいネーミングであり本当に嬉しかったです。


一方、地域創生という点では私自身がこの10年でやってきたことというのは、これからそんな何かをやりたい人からすればちょっとした興味を持って見ていただけるものだとも思っています。
私がやってきたことが全ての正解だとも思っていませんし、同じようなことをやれば同じような道を辿れるとも全く思えませんし、その先がどこに続くのかもわかりません。

ですがそんな中でもこのジャガイモンプロジェクトの活動が、彼らに対して良いも悪いも含めて何らかのちょっとした学びや刺激になってくれれば嬉しいなと思いますし、今回のことに対するほんの少しの恩返しにも繋がるかとも思います。



北海道新聞(十勝版) 2022年1月18日付に掲載


十勝毎日新聞 2022年2月2日付に掲載



このコロナの2年、ジャガイモンプロジェクトも活動の多くをオンラインのものに切り替えざるを得ない状況が続いています。

何もやらずに過ごすのは簡単かもしれませんが、だからと言って逆に何もやらずに過ごす勇気があるわけでもなく、また何もやらずにはいられない自分もここにはいます。
だから余計にうずうずしてしまいます。


今できることをやる。
人によってこの ” 今できること ” というのはそれぞれだと思います。

ジャガイモンプロジェクトにとっての ” 今できること ” はオンラインでの活動だったりもするのですが、そんな中で一昨年から昨年にかけ、私はある学生達の ” 今できること ”に出会いました。


昨年3月にジャガイモンプロジェクト公式YouTubeチャンネルでお届けした ” 新しほろっちTV 第2回 ” 。
この回にゲスト出演してくれたのは、道の駅ピア21しほろを運営する株式会社atLOCAL さん にインターン生として来ていた 佐藤颯太 くん右代朝陽 くん
コロナウイルスの拡大に伴い、大学生活がオンライン授業へと切り替わってしまった学生達でした。

   


本来であれば日々大学に通い、そこで友達と楽しい時間を過ごしたりアルバイトに精を出したりと、まさに今しかできないような体験をたくさんしていたであろう時間。
しかしそれがこのウイルスによって一変してしまったのです。

この状況に置かれてしまうと多くの人は学生だけに限らす、 ” やりたいことができなくなった ” と捉えてしまうのではないかと想像します。
そしてそこから考えがどんどんネガティブな方向へと流れていく人も少なくないのではないかと思います。


しかし彼ら2人は授業がオンラインになってしまったということを、オンラインなんだからどこにいても授業を受けることができるというポジティブな発想に変換していました。

そんな中で元々地域創生に興味があったという彼らはドット道東さんが作った雑誌を手にし、その中に入っていたエントリーシートを提出。
その先でそれまで何の縁もゆかりもなかったはずの士幌にインターン生としてやってきたのでした。

彼らにとってはそれがまさに ” 今できること ” であり、” 今だからこそできること ” でした。
そして更に彼らにしてみれば、これは逆に ” 今でなければできないこと ” でもあったのです。


当時彼らが数ヶ月の士幌滞在の集大成として制作した飲食店のショップカードはその制作過程を含めて士幌に大きなものを残してくれたと確信をもって言うことができますし、私自身も本当に大きな刺激をもらいました。

3月には道の駅ピア21しほろでは彼らのインターン生としての滞在記が卒業制作として展示されましたが、そこにはそれぞれの人にとっての様々な想いが溢れていてとても感動的なものでもありました。

   
   
   
   


そんな彼らの卒業から数ヶ月後、その2人のうち 佐藤 くん が士幌に舞い戻ってきてくれ、気が付けばインターン生も5人に増えていました。
中には数週間しか士幌にいることのできなかった子もいたようですが、彼ら彼女らはそれぞれに士幌で様々な経験を重ね、そしてやはり士幌にたくさんのものを残してくれました。

昨年12月に開催された ” ミニ商店街市 ” は、道の駅の中に士幌の色々なお店が現れたというだけでなく、たくさんの人に改めて士幌を知っていただくチャンスになったと同時に、商店を再認識していだくきっかけにもなり、そこにあるたくさんの魅力を発信する素晴らしい機会になったとも思います。

   
   
   


そして更に、今回の彼らの活動の集大成として制作された ” ミルシルシホロブック ” という情報誌はまた一段と素晴らしいものでした。

昨年のショップカードに続いて、今回は様々な業種にも光を当てる形で彼らが士幌の中をあっちにこっちにと取材に回り、これまで士幌で誰も作らなかったような、作れなかったようなものを完成させてくれました。

   
   


昨年のショップカードも、そして今回のミルシルシホロブックも、私は彼らと、「 よくあの人もOKって言ってくれたね 」 というような会話を何度となく繰り返したのを思い出します。
懸命に頑張り続ける彼らの意欲や姿勢は間違いなく町内のたくさんの人の心を動かしましたし、考え方にも変化をもたらしたのだとも思います。

最初の頃は、「 若造のよそ者に何がわかるんだ 」 と思っていた人もいたかもしれません。
ですが、若者だからこそ持っている感覚やセンス、そして出てくるアイデアもあると思います。
逆に色々なことを経験した我々が失ってしまったものをきっと彼らは持っています。

よそ者だからこそこの場所が外からどう見えるのかということがよりわかると思います。
また他と冷静に比べることもできるのだと思うのです。


地方の町はあまり変わらないことで地域を守ってきたということも多いと思います。
いい時代はそれで良かったのかもしれません。
しかし時代は確実に変化しています。

士幌町民も多くの方が多かれ少なかれ思っているはずです。
このままではこの地域は無くなると。

そう思ってはいるのにそれでも変化や新しいものを受け入れないのは私はちょっと違うのではないかと思いますし、そこにある柔軟性がこの先の何かを決めていくのではないかとも思います。
変わらないことで守られてきた地域であればあるほど最初は変化や自分と違うものに対してアレルギーを持ってしまいがちですが、そういうところにこそ今までと違う人や考えも必要なのだと思います。

若者、よそ者、バンザイです!




彼らはこの期間、士幌での経験からきっとたくさんのことを学んだことでしょう。
けれどそれと同時に私もそして士幌町も、彼らから学ぶところがたくさんあったのではないかと思います。

インターンの彼らが実際に士幌に滞在し、そしてこの士幌で活動した時間は町の歴史やそれぞれの人生から考えるとほんの一瞬の出来事に過ぎないかもしれません。( 佐藤くんは計272日の滞在で、それは一瞬ではなかったけれど )
しかし彼らが士幌から羽ばたいていった後にも、彼らが士幌で成したものは確実にここに残り、それはこれからもこの士幌で息づいていくと思います。

そして何より、彼らの存在や一生懸命さに心を動かされた我々はこれからも士幌で生きていきます。
彼らのことを忘れず、彼らと一緒に過ごし共に取り組んだたくさんのことを覚えている限り、彼らの想いや残したものは我々の中にしっかりと息づいていくのです。
彼らから学んだことをそれぞれが活かしていくことができれば、彼らが士幌に来てくれた意味をより強くすることもできるのです。


一昨年からのこの期間、士幌に彼らインターン生が来ることがなかったとしても、それでも士幌はそれなりの時間を確実に刻んでいたはずです。
でも彼らが存在しなかったこの期間を想像すると、それは今のそれよりも間違いなく楽しくなかったでしょうし、きっとつまらなかったとも思います。

彼らがいてくれたこの期間を改めて振り返ってみると、彼らが士幌を元気にしてくれて、士幌の人に活力を与えてくれて、次の何かにみんなで向かっていく道標を見せてくれたような気さえします。

彼らにそんなことを言ったらきっと、「 そんなことないです 」 と応えることでしょう。
しかしそれでも少なくとも私は確実にそう思いましたし、そしてそれはきっと私だけの想いではないはずです。

だからこそ、今回のインターンシップという制度を士幌に持ち込んでくれたドット道東の関係者のみなさん、そして受け入れてくれた atLOCAL のみなさん、様々奔走してくださったみなさんには本当に改めて感謝を伝えずにはいられません。



彼らがインターンの活動を綴り続けたインスタグラムの最後の投稿にこのような言葉がありましたのでここで紹介させてください。

寿し大洋の川崎さんと 「 おかえり 」 と言ってくれる人がいて嬉しいという話をしたときに、
「 おかえり 」 を言う側にも言える相手がいるという嬉しさに繋がっている、ということをおっしゃっていました。

同じように、「 ただいま 」 を言えることも
言う側にとっては、恵まれたことだと思います。

いつか、また士幌町に帰った際に、
胸を張って 「 ただいま 」 と言えるように、
インターン生一同、これからも頑張ります。

この投稿を見て、この会話をした日のことをはっきりと思い出しました。

そして彼らがこういう会話からも色々なことを吸収してくれていたんだなと思うと、改めて嬉しくなると同時に頬を涙が伝うのを感じました。



彼らの中には就職で次の新しい道へと進む子もいれば、学生生活をもう少し過ごす子もいます。
そのそれぞれには故郷があり、それぞれにここからのまだまだ長い人生があります。

そんな彼らにとってはこの士幌町はもう1つの故郷のようなものだと私は思っています。
いつでも帰ってきていい場所だと思いますし、我々はいつでも両手を大きく広げて彼らがまた顔を見せてくれる日を楽しみにしています。


彼らから学んだこと。
それは何もやらないことを時代や状況のせいにせず、 ” 今できることをやる ” ということ。

” 今できること ” の中には、” 今だからできること ” もあれば、” 今でなければできないこと ” もあると思います。
それに気が付くためには常に色んなアンテナを張り、色々なことを模索し続けることが必要だとも思います。

1つのことをネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉えることでその先に見えてくるものがあるということも、改めて彼らから学びました。
私自身もっと若い時にそういうことに気が付きたかったなと思ってしまう反面、やはり現在の私自身にも ” 今できることがある ” のだとも思います。

またいつか、「 おかえり 」 と言える日まで彼らの想いに恥じないような活動を続けなければなりません。
同時に彼らがいつでも、「 ただいま 」 と戻ってこられる地域を守っていかなければならないと改めて心に誓いました。





ここで、これから何かをやってみたいチャレンジしてみたいという人に対して私からのメッセージを書いておきたいと思います。

それは ” 一歩踏み出すだけでその先の世界は変わっていく ” ということ。

ジャガイモンプロジェクトは10年前、全く何もないゼロからスタートしました。
当初はSNSでの発信をするのみでしたが、そこから生まれた御縁が繋がり、これらを大切にすることで活動の幅が広がっていきました。

一方で彼らもこのインターンという制度を利用し、この先の人生にも活きてくるようなことをここで色々と経験できたたのではないかと想像します。

どちらにも共通して最初にやったことはまず一歩踏み出したこと。
そこに必要だったのはきっとほんの少しの勇気だけだったのではないとか私は思います。

” 一歩踏み出すだけでその先の世界は変わっていく ”
これは私自身の経験からも、そして今の彼らを見ていても、自信を持ってみなさんに伝えることのできる言葉です。





展示会は2月末で無事終了。
翌日の朝、私はひとまずのお礼を伝えるために会場に足を運びました。

わかってはいたものの、そこには彼らの姿はもうありません。
彼らは個々インターン生としての活動を終え、すでに士幌から羽ばたいています。

終了翌日の会場はまだ前日と何も変わらず、ボードも写真も全てがそのまま。
それでも何故かその光景には寂しさを感じます。

彼らが作ってくれたこの展示会。
私は彼らと一緒に写った写真を見つめながら、小さな声で、「 ありがとう 」 を呟いてきました。
彼らに直接伝えるのは次にまた会えた時にしたいと思います。


そんな中でちょっと嬉しいことがありました。

この展示会の間、期間限定で会場に設置していただいていたジャガイモン缶バッジのガチャガチャをそのまま常設していただけることになりました。
ありがたい限りです。
ひとまずは引き続きこれまでと同じものが中に入ってはいますが、この先はここに置いてもらえことを活かし、たくさんの方に楽しんでいただける何かを考えていきたいと思います。

更に、今回の展示会で使われた写真などはそのまま処分されるようなことはなく、しっかりきれいに回収してくれた人がいます。
” すぐ ” にではないと思いますが、そのうちまた多くの方が目を通せるような状態になるような話も聞いています。
その際にはまた改めてみなさんにもお知らせしたいと思います。




今回の、ありがとうジャガイモン 活動10周年記念展示会 〜1人のイモの物語〜 は、終わりました。

ですがジャガイモンプロジェクトの活動はすでに11年目に突入しており、更に新しい歴史を日々刻んでいます。

このプロジェクトのスタッフは私1人です。
しかし、これまでの活動を振り返ってみると私は決して1人ではなかった。
たくさんの人に支えられ、見守られ応援され、そして一緒にジャガイモンプロジェクトの歴史を作ってきたのだと、今回の展示会の全てを通じて改めて再実感することができました。

そういう意味ではこの展示会を作ってくれた 佐藤颯太 くん宍倉憂哉 くん の2人も、そしてこの展示会そのものもジャガイモンプロジェクトの歴史の一部なのです。

実際に会場まで足を運んでくださったみなさんも、来れなかったけれど想いを持ってくださったみなさんも、開催を喜んでくださったみなさんも、1人1人がこの展示会を彩る大切なパーツなのだと思います。
ありがとうございます。

この展示会の実現に向けて奔走してくださったみなさんにも改めて感謝申し上げます。
特に、道の駅ピア21しほろを運営管理する株式会社atLOCALの堀田社長には心より最大限の感謝を申し上げます。
本当にありがとうございます。

ジャガイモンプロジェクトのこの10年の活動の中で、関わってくださった全てのみなさんにも改めて感謝したいと思います。
今の私、そしてジャガイモンプロジェクトの今日があるのは間違いなくみなさんのおかげですし、みなさんと作ってきた歴史があったからこそ今回の展示会があったのだとも思います。
本当に本当にありがとうございます。


そして最後になにより 佐藤颯太 くん宍倉憂哉 くん
あなた達には本当にいくら感謝してもしきれません。
ありがとう。ありがとう。




2022年3月6日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康



 
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