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 ホーム > 特別出張 > 士幌町中央中学校「しほろ探求学習」 道の駅ミニマルシェ事前授業レポート

   
   

私の母校である士幌町中央中学校で約3年ぶりに特別授業の講師を務めてきました。

前回の特別授業の様子はコチラから


道の駅ピア21しほろで、11月14日と21日に開催されるイベント「道の駅ミニマルシェ」。
このイベントは、士幌探求学習の一環として中学3年生が半数ずつ2回に分かれて参加するもので、当日は生徒のみなさんが商品の販売スタッフとして活動します。

今回はこのイベントを前に、実際のお金の扱い方やお客様の呼び込み方などについての事前授業をしてきました。


これまでも学校や企業から講演や授業のご依頼をいただき、何度かみなさんの前に立たせていただいたことはありますが、このようなテーマでお話しするのは今回が初めて。

私自身が普段から本業でやっていることではありますが、それを実際に言葉にして誰かに伝えるということを前提に考えたことがありません。
そこで自分自身の行動を振り返って言葉にしてみようと思うのですが、これがなかなか難しい。

普段自分はどんなことに気を付けているのか、どんな手順で動いているのか、これを数日かけて少しずつ文字に起こしていきます。

更にはそれを授業として伝えるために並べていきますが、それもなかなか大変な作業でした。



当日は9:45から10:35までの、1日のカリキュラムの中では2時間目が私の授業の時間。

30分程前に中学校に到着し、授業が始まるまでは校長室で校長先生、教頭先生や担当の先生とお話をさせていただきながら過ごしました。

やはり、大人になってからこのような形で学校を訪問できるというのは、とても光栄なことです。
ましてや、今回のテーマは私以外にも、自らの経験をもとにお話しできる方がいらっしゃるはず。
そのような中で私にご依頼いただいたというのは、本当にありがたいことだと感じています。


1時間目終了のチャイムが鳴るとあと10分で次の授業の開始時間です。
この音を聞いて我々も場所を移動し、廊下の先に設けられた講堂(と言っていいのか、学校内であの場所が何と呼ばれているのかは不明)へ。

すでにそこには生徒達が集合しており、私の姿を見るなり、「こんにちはー!」と挨拶の声が飛んできました。
私の知っている顔もいくつかありましたが、こういう場所でこういう立場で改めて声をかけてもらえるというのはとても嬉しいことです。


少しの準備をしているうちにすぐに2時間目開始のチャイムが鳴り響きました。
いよいよ出番です。

今回は相手が中学3年生ということで、実際にアルバイトやお手伝いなどでお客様を相手に販売や会計をした経験はほとんどないと考えて臨まなければなりません。
何事も未経験のことはなかなか想像しにくいものです。

そこで授業の中では、「実際に自分がお客さんとして買い物に行ったら」という場面を想像してもらいながら進めることにしました。
この方法であれば中学3年生でも様々なシーンでの経験をもとに考えることができるでしょう。


接客に関して気を付けるべきポイントをいくつかの項目に分類し、具体例を示しながら話を進めます。

「会計の時にこんな経験をしたことありませんか?」
「店員さんにこんなこと言われたことはありませんか?」

そんなそれぞれの経験を掘り起こし、そこから今回のイベントの中で自分達がやるべきこと、気を付けるべきことを探り出していきます。


また当日できることの可能性を拡げるためにも、実際にこんな大胆なことをやってしまってもいいんだよといういくつかの具体例を紹介し、それぞれが考えながら工夫できる取り組みを促したりもしました。

当日その場に立って、「こういうことをやっても大丈夫かな」という建設的な想像が膨らんだ時、事前にそこに実際にチャレンジできる下地を作ってあげることは大切なことだと思いますし、その下地が新たな想像を生んでいくのではないかとも考えました。


   
   
   


お金の扱い方に関しても、当日の手順に沿って実際に紙幣を見せながら話を進めたり、生徒達に色々と質問を投げかけながら、それぞれが積極的に参加できる授業を心掛けました。

「次はお金の話です」と切り出す時のために、スクリーンには30円のイラストを準備していきました。
ここで、「たった30円かよ!」と言葉を続けることで生徒達をザワザワさせる方向へと持っていき、そこで、「でもたった30円でも間違ってはいけないんです!!」と少し声のボリュームを上げると、生徒達の後ろで先生達が一斉に頷くのが見えました。

そしてさらに、「お金が好きな人?」と聞いて生徒達が手を挙げるのを促したところで、「はい、そんなみなさんが大好きな、そして大切なお金の話をこれからします」と、それぞれが自分事として捉えてくれるように話の流れを作りました。


お釣りを間違ってしまう時の主な原因を示し、そこからそれに対する解決策や事前準備。
注文を受けてからお客様に商品を渡すまでの作業手順をしっかりと確立させることでミスを誘発させない方法。
どんな言葉をかけてお客様から不安を取り除き、安心して買い物を楽しんでいただくのか。
そんな話もしました。

また、私自身が普段から使っている会計時の”裏技”も伝えてきました。
これに関しては”裏技”ですので、実際に授業で聴いてくれた生徒のみなさんだけのものにしたいと思います。


   
   


授業の最後はここまでの私の話を踏まえ、実際にロールプレイングが行なわれました。
数人ずつのグループに分かれ、それぞれ店員役、お客さん役を演じます。

私も各グループを回りながらそんなみなさんの様子を近くで見たり、お客さん役として参加したりもしました。

そんな中では私が伝えたことを元に自分達の工夫で役割分担のアイデアを出したり、数種類の方法を試したりするグループもありました。


全体で50分の授業の中でかなり詰め込んで色々と伝えた部分もありましたし、本番前の事前授業はこの1回のみです。

また、接客というのは1回1回全てが違うものですし、同じことの繰り返しではありません。
まさに臨機応変の対応が常に求められるものです。

ですので当日になって今回の授業で私が伝えた以外のことが起こることもあるでしょうし、彼らはそれにも対応しなければなりません。

大変ですし、とても疲れるでしょうし、悩んでしまうこともあるかもしれません。
終わった後で何か後悔が残ることも、悔しい想いをすることもあるかもしれません。

ですがこの授業、そしてイベントを通して彼らの中に未来に繋がる何かが残ればいいなと思います。



自分自身が普段から普通にやっていることも、改めて文字に起こしたり、人に伝えるために整理するというのはなかなか難しいことです。
それを今回改めて実感しました。

それでもそういう機会を今回いただき、これをきっかけに自分自身がやっていることを見つめなおすことにも繋がりました。
本当にありがたいことです。

またやはり母校でこのような機会をいただけるというのは大きな喜びでもあります。
現在の校舎になる前の古い校舎の時代にここを卒業した自分ですが、それでもそんな校舎にこのような立場で訪問させてもらえるというのは嬉しいことです。

さらに、このような機会を通じてこの先の士幌を支えていってくれるであろう世代のみなさんと改めて出会い、そして時間や経験を共にできるというのもありがたいことです。
この授業を通じて私自身も大きな刺激をもらいました。

ひとまずは14日、そして21日と、彼らの頑張る姿をしっかりと見に行きたいと思います。




14日 道の駅ミニマルシェ 1日目。

道の駅オープン時間と同時にイベントスタート。

会場の準備は生徒達が前日から行なっていたとのこと。
各店のポップなども生徒達が自分達でアイデアを出し合って作成したそうで、前週の私の授業以外にもこの日に向けての準備がされていたのが伺えます。

   
   

9時のスタート時には平日ということもあって館内も閑散とした状況。
それでも生徒達が準備をしながら楽しそうにしている姿がとても眩しい光景でした。

少し時間が経過するとパラパラとお客さんの姿もありましたが、それもまたすぐに落ち着いてしまいました。

しばらくそんな様子を横から見ていると、生徒のひとりが、「 買ってください! 」と。
私がその誘いに乗ってシフォンケーキを購入していると、「 あ、あの人にも声かけていいんだ 」ばかりに次から次へとお誘いが。
気が付くと手荷物が増え、財布の中身が減っていました。

   

この商品と金銭のやり取りの中で気が付いたことも少し声掛けしつつ、この後も生徒達の頑張る姿を見守りました。


前週の授業の際に、「 自分達が売る商品のことをちゃんと知っておこう 」 という話もしたのでが、それぞれにお客さんに対して、「 これは士幌の○○を使ってます 」とか「 こうやって食べると美味しいですよ 」 などとしっかり商品をアピールできていました。

また、販売ブースから出て一生懸命にアピールする姿もあれば、売り方に様々な工夫をする姿も。
慣れないことへの取り組みに、終盤はそれぞれに疲れの色も見えましたが、それでも商品が売れた時に見せる笑顔がとても輝いて見えました。

さらに、自分達が担当する商品が完売した時に、「 ヤッター! 」 と、目標達成の喜びが声に出ている姿もありました。

   
   

全体を見ていると声が小さくて聞き取りづらい場面や他にも色々と気になるところもあったりもしましたが、今回は彼らが販売員として一人前になることを求めるものではありませんので、そこを突くようなことはしません。
それよりも受験、そして中学卒業を前に仲間同士で地元士幌でこんな経験をできたということ自体が大きいのだと思います。



21日 道の駅ミニマルシェ 2日目。

前回同様、今回もスタートからしばらくは館内は静か。
これでは打つ手もありませんが、それでも入口あたりをしっかりと見つめながら、誰かが来るのを待っている姿がいくつもありました。

入口の自動ドアが開くか開かないかのうちに素早く駆け寄り、一生懸命にアピールする様子は本当に素晴らしいなと感じました。

   
   

そんな中にひとり、すごく気になる男子生徒がいました。

彼はお客様を入口あたりからブースに向かって手で行く方向を示しながらエスコートしていたのですが、その自然さと丁寧さがちょっとしたベテランのホテルマンのようでした。
制服を着ていなければ中学生とは気がづかれないのではないかというくらいに本当に素晴らしい振る舞いでした。
他にも商品を紹介する時も、実際に購入いただく時も、横でしっかり寄り添って目配り気配りが行き届いていました。
また更には入口からエスコートしながら、このお客様がこの後札幌に移動するという情報まで聞き出していたのです。

こういう時に個々のそれぞれの行動に対して、直接本人に、「○○が素晴らしい」とか「○○をもう少しこうした方が良いよ」ということは伝えますが、誰が誰より良いとか悪いとか、誰が一番で誰が二番だとか、順位をつけるようなことは私はしません。

しかしそれでも今回だけは彼に対して、「君がナンバーワンだ」と伝えずにはいられませんでした。
本当に素晴らしかったです。


他にも、お客様が商品を選ぶまではブースの中にいても、袋に入れた商品を渡す時に必ず横に出てきてお客様をみながら丁寧に渡す生徒。

声を出し続けてアピールしている生徒。

商品を見ているお客様に対して一言二言加えながら説明をしている生徒。

自分の担当以外のブースも気にしながら時々声をかけにいく生徒など、それぞれ自分なりの努力や工夫をしている姿が今回も見られました。


前週に比べると生徒のご家族の来場は比較的少なく感じましたし、更には途中人の流れが途絶えてしまうようなこともありました。

それでも最後まで諦めることなく、自分の担当しているものを売り切ろう、全部は売れなくてもひとつひとつお勧めしようという姿勢が終始感じられました。

そんな努力の先で商品がひとつ売れた時の嬉しそうな笑顔がとても眩しく、仲間と喜び合っている光景がとても微笑ましかったです。

   
   
   


学生としての彼らとは今月7日の授業で基本的には初めて触れ合い、そして2回の販売イベントで半数ずつ一緒の時間を過ごしました。

以前から知っている生徒も数人いますが、それでもほとんどはどの子がどんな性格の子なのかなど全くわかっていません。

それでもこのような形の、各自のやり方で努力や工夫をするというイベントは、これを横から見ていると、それぞれの子がどんな性格なのかというのが手に取るようにわかるようでした。

これもまたとても面白い現象でした。


イベント終了後にはみなさんの前で挨拶と、私からの総評もさせていただきました。
その中でも伝えましたが、ぜひ生徒のみなさんには今回の経験を通じて得たものをぜひ将来の何かに活かしてもらえればと思います。
また事前に行なった私の特別授業が今回のイベントに対して少しでも役に立ったのであれぱ幸いです。


過疎化だ、少子化だと色々と騒がれる時代ではありますが、今回の一連の授業、そしてイベントを通じて、士幌の将来はまだまだ明るいなと感じました。

生徒達の未来のために様々な工夫を凝らした授業を用意してくれる先生や関係者のみなさんがいて、それを通して生徒達が新しい経験や発見をしている。

それは生徒が一方的に与えられるものばかりではなく、それぞれが考え、そして工夫する余地が開かれている。

そんな一片に参加させていただくことができ、私自身も今回は本当に楽しく、そして嬉しかったです。

   



2025年11月22日 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康



 
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