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2月21日・22日と、夕張市で開催されていた ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015 に行ってきました。

私自身としては、昨年に続いて2度目のゆうばり映画祭です。

昨年は、映画 「鐘が鳴りし、少女達は銃を撃つ」 の関連イベントにも関係者待遇で参加させていただき、ジャガイモンプロジェクト としての活動の幅を広げていただくと共に、1つ1つが本当に大事なたくさんの出会い、多くの御縁もいただきました。


ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014での様子はコチラから


また、昨年の参加ではこのイベント以外にも映画祭自体をゆっくりと見させていただいたことで、たくさんの刺激を受け、心を揺さぶられ、色々なことに気づかされ、そして多くのことを学ぶことができました。



そんな映画祭。

今年は ジャガイモンプロジェクト研修 として参加をさせていただきました。

また、私自身が所属する 士幌町商工会青年部 の部員3人もそれぞれ自分達の研修として同行しました。


文中、この2日間で不便だったことや、もっとこうした方がいいのではというようなことも書かせていただいておりますが、あくまでも個人的見解です。
これらの事象をただ単にダメだ、直した方がいいというのではなく、私自身が様々な立場や役割でイベントなどに主催者側として関わる時などに生かしていきたい、参考にさせていただきたいという思いからの前向きなものとしてとらえていただければ幸いです。



2日間で経験する様々なこと、見て聞いて知る初めてのもの。

今までに味わったことの無いような体験、ビックリした現実。

そんなたくさんの経験を経て、それぞれがそれぞれの目線から、そして立場から現状から、得たもの感じたものはとても多かったと思います。


とても楽しかった時間でもあり、たくさんの感動を得た思い出に残る2日間。

この2日間を改めて振り返ります。



また、今回の研修。

同行の最低条件は 「レポートを書くこと」 としました。

ただ行くだけではなく、レポートを書くことを頭に置くことによって考えながら行動をし、また、帰ってきてから改めて振り返ることによってもう一度しっかりと考える。

これこそが 研修 だと思います。




「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」とボク〜その1〜
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」とボク〜その2〜
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」とボク〜完〜   


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21日、早朝からの車移動で 夕張 に到着したのが朝の8時30分過ぎ。

この日のイベント自体は10時からのスタートでしたので余裕を持っての到着です。


到着後、岐阜から1人で来たという女性にいきなりイベントスタッフと間違われながらも無事にメイン会場である アディーレ会館ゆうばり へ。

早くも周りからは、関西弁が聞こえてきたり、海外の方の顔が多く見えたりと、この映画祭が近郊や北海道の人だけが集まるようなイベントでないということを再実感。

私自身は去年もこの映画祭に参加していることもあり、会場全体のどこに何があるかはだいたいわかっているつもりではいますが、初参加の同行の3人にはこの映画祭がどう映るのか。

また、去年の参加時に自分が不自由に感じたこと、難しいと思ったこと、不明瞭だったことをこの3人がどう感じるかということにも興味があったため、そんなことも気にしながらの行動をとりました。

   
まずは、ゆうばりファンタパスポート という、映画祭のごく一部の上映を除く全ての作品が観賞できるフリーパスを購入に向かいますが、この場所がなかなかわかりづらい。

柱の影のような場所にあるのは全体のレイアウトや立地から仕方ないとしても、初めての人にとってはかなりわかりづらい部分でした。

また、最初に会場スタッフの方にパスポートの販売場所を伺ったところ、違う場所を案内されてしまいました。

このような部分を解消する為には、やはり初めてこの場所に来る、初めてこのイベントに参加する人にも分かりやすいよう、「〇〇はコチラ」というような案内の掲示が多くの場所に必要だということを再認識しました。

私自身がスタッフとして参加してきているイベントでも、初めての人に対してそのような対処がしっかりと取れているかと振り返った時、少なからず反省点が見えてきます。


また、今年は購入したパスポートを首から下げていられるようにストラップを持参しました。

昨年不便だった点を踏まえての事前準備の1つです。
 
会場ではゲストの方やスタッフのみなさんが同じようなものを下げているのですが、昨年はそういうものを持参していなかったため、パスポートの提示か必要になるたびに財布から出してはしまい、また出しての連続でした。

パスポートをチェックされる場所では事前に準備して手に持っていれば列の流れ自体はスムーズにいって特に問題はないのですが、やっぱり首から下げているだけでかなり楽です。

コレ、パスポート売り場で100円でも200円でも販売していれば結構売れそうな気がするのですが。




そんな中、会館の前では早速 なっちゃんに再会

あ、なっちゃんというのは、夕張のゆるキャラ メロン熊専門アドバイザー であり、いつも一緒にいる飼い主みたいな方です。

今までにも何度かお見かけしたことはありましたが、昨年のイベントで改めてお会いし、ご挨拶をさせていただいたり名刺を交換させていただいたり、色々とお話も伺うことができました。

そんな、なっちゃんがまだ普段着で歩いているところに遭遇し、私が「なっちゃんっ!」と叫びながら普通のご婦人に近づいて行って話をしたりしているものですから、同行の3人は突然のことにビックリしたようです。

知ってる人は知っている (あ、当たり前か) 有名人です。


続いて、まだ映画の上映までには時間があったため、会館内で軽食を取ることのできる 休憩所 へ。


実はココ、私が昨年初めて来た際、一般の人が入っていいのかどうなのか、いまいちわかりづらい場所でした。

スタッフの方が多くいたりして、中で軽食を販売もしているのですが、これが一般の人もOKなのか、それともスタッフ向けなのか。

休憩所とも、関係者以外立ち入り禁止とも、ご自由にどうぞとも、何とも書かれていないのがこの場所です。

私自身は昨年の経験から、一般の人も入れる場所だということを理解していましたが、同行の3人は案の定、「入っていいのかどうかわかりづらい」という感想を持ったようです。

実際には誰もが入れる場所であるために、映画の監督・スタッフさんや俳優さん女優さんがいて、そのすぐ横に一般の方がいてというようなとてもフレンドリーな場所でもあり、すごい空間です。

それだけに、やはりどこかに一言だけでも案内の掲示がされていれば、初めて来た人にとっても優しいイベントとなるのではないかと思います。


実際にこの映画祭自体、作品上映に合わせて多くのゲストの方が参加されてています。

その為、会場の中や町の食堂、他にも様々な場所やタイミングでそんな方と触れ合うチャンスも多い、そんなすごいイベントです。

そしてこの休憩所もまさにそんなすごいイベントを体現できる、そんな場所です。

だからこそ余計にもったいなく感じる部分でもありました。

    

昨年関係者として参加させていただいた際に使用させていただいたゲストの控え室がこの休憩所のすぐ近くに(詳しい場所は書きません)あるため、多くのゲストの方がこの場所を通ります。

そんな場所で、朝から4人揃ってカレーを食べました。


ちなみにここでは、500円1セットの食券を入口で購入してからの利用となります。

更に、チケット購入ごとに抽選券が付いていて、当たりが出たらグッズと交換してもらえます。

色んなことを知っている人はその分だけ色々とお得です。

しかし裏を返せば、やはり初めての人よりも常連の人が優先されてしまいかねない、そんな可能性も秘めていると感じました。

そんなこんなで10時からは今年最初の映画を4人揃って鑑賞。

まずはショートムービーのプログラムDとして上映される4本、《 カー子のスワローハット 》 《 Green Glows 》 《 恵まれたマシーン5 》 《 真田志郎、5年生になる 》 を見ましたが、会場から笑いが絶えない作品あり、どんな結末になるのかとドキドキさせられる作品あり、難しい内容に考えさせられる作品ありと、多種多様なラインナップでした。


また、上映後にはゲストとして作品の監督やプロデューサーさんがスクリーンの前に並ばれ、司会の方の進行で作品を作ることになったきっかけや苦労話などを聞くことができます。

更に、会場からも質問をすることもできるようになっており、ただ作品を見て終わりというのではなく、このような時間、チャンスがあるというのは、本当に楽しいことでもあり、特別感もあります。
そしてイベント後には、会場の外でそんなみなさんと触れ合うチャンスもあります。

普通の映画館で映画を見るのとは違う、映画祭ならではの醍醐味でもあり、楽しみの1つでもあります。

           


続いて、今回私自身が個人として一番楽しみにしていたと言っても過言ではないトークショーへ。

まず最初は、女優・ 武田梨奈さんのトークショー です。


武田梨奈さんといえば、頭で瓦割りをする女優として最近はテレビなどで見かけることもしばしばですが、私が初めて武田さんを見たのは昨年の映画祭でした。


関係者として参加させていただいた時間以外に、空いた時間で鑑賞した 「少女は異世界で戦った」 というアクション映画に出演されていて、その舞台挨拶にも登場。

更には昨年新設された、第1回のニューウェーブアワード賞も受賞されて注目を浴びた女優さんでした。

そんな中で私もこの1年間、色々な活動を注目していただけに、今年も夕張にいらっしゃると聞いて、ぜひお会いしたいとこの日を心待ちにしていました。


また今年の映画祭では、初日のオープニングセレモニーにもオープニングアクトとして登場し、期間中に主演映画も2本公開されるなどしています。


そんな大注目の女優さんですが、実はこのトークショーは映画祭開幕の数日前に発表されたため、公式プログラムには掲載されておらず、ホームページなどでも目立たない場所に1度書かれただけ。

そんなこともあってか会場にいたのはわずかに20人程度でかなりの席が空いていました。

もったいないなと感じると同時に、そんな中でも自分は会場にいるんだということに喜び感じながら、目の前でトークショーを見ることができたのは嬉しいことでした。


と同時に、やはりどんなことにおいてもしっかりと告知宣伝すること、たくさんの人に伝えることの大事さも再実感しました。

ジャガイモンプロジェクトの活動として、また一方での商工会青年部員としてのIT担当としても、様々なことをインターネットを使って告知や拡散をする役割を担っている部分が大きいだけに、このことは改めて考えさせられる点でした。

   


また、トークショー終了後はフォトセッションがありました。


普通、タレントさんが出演されるイベントなどでは、写真撮影禁止というのが普通で、それが常識であり暗黙の了解となっていることが多いと思いますが、この映画祭では終始いつでも、そしてどこでも写真撮影は自由。

ですので報道の人やスタッフ関係者でなくても、一般の人も自由に写真を撮ることができます。

   

これがまた映画祭の嬉しいことの1つでもあるのですが、実はこの写真撮影については、おそらくどこにも記載されておらず、各会場での改めての案内等もありません。

ということで、私も初参加の昨年の映画祭では、会場で他の方にその事実を聞くまでそんなことはつゆ知らず、また今年初参加となった同行の3人も、私にその事実を聞いて驚いていました。


こういうこともやはり最低限会場での案内は必要かと感じます。

そうでなければ、ルールに従って写真を撮影している人がいても、そのことを知らない人から見れば、ルール違反をして写真撮影をしているマナーの悪い人と思われてしまうかもしれません。

これを元にトラブルに発展してしまう可能性すらあるのではないかと思います。

やはりここでも、初めて参加する人にとって優しい、そしてより楽しく過ごせるイベントにするためには、主催者側がしなければならないことというものが見えてきた思いがしました。




武田さんのトークショーに続いては、同じく女優の 三田真央さんのトークショー です。

三田さんも武田さんと同様に、映画 「少女は異世界で戦った」 に出演されていた女優さんで、同じく今年のオープニングアクトに選ばれた女優さんです。


三田さんも武田さんと同じく約1時間のトークショー。

いや〜、楽しかった。

しかも終了後には武田さんはすぐに舞台裏に下がってしまわれたのですが、三田さんはステージ横に残られたため、持参した映画のDVDジャケットにサインをいただき、更に一緒に写真も撮っていただくことができました。

大満足です。

完全にミーハーです。

   


また、一緒にマネージャーさんもいらしていたので、色々とお話もさせていただき、名刺も交換させていただきました。

ただ遊びに行ったわけではありません。

しっかりと御縁を育む活動もさせていただいています。


見つけたチャンスは逃さないようにすると同時に、あの時こうしておけばよかったと後で後悔しないようにするというのは大事だという思いで行動をしています。

その想いだけを前面に押し出して周りの方に迷惑をかけてしまっては元も子もないですが、そのあたりのバランスも大事にしながら、またここで新しい御縁を頂戴しました。

有難いことでもあり、本当に嬉しいことでもあります。




そんな中、このトークショーでただ一点。

これは会場にいらした方で、あとで他の場所で偶然一緒になった方も言っていたのですが、用意された客席の最前列にスタッフジャンバーを着たスタッフの方が陣取っていたのはちょっと気になりました。

会場自体は周りの場所もかなり余裕を持って椅子が置かれていたため、立って見ることも十分に可能です。

また、後ろの方は空席がずらり。

そんな中で最前列をスタッフの方が取っているというのはちょっと違和感を感じます。

その場で見たいのであれば最低限その時だけでもスタッフジャンバーを脱ぐなりという工夫、配慮があってもよかったのではないかと思います。


スタッフがスタッフの格好をしていれば、それはいくら休憩中であっても、時間外であっても、担当外であってもスタッフです。

無料のイベントであっても有料であっても、それは変わらないと思います。

スタッフより誰が偉いとかお客さんがどうだとかいうことではなく、スタッフと一般の人では、やはり 「迎える側 」と 「迎えられる側」 という構図がはっきりとしているわけで、そんな中で自分の立ち位置、自分がどう見られているかを考えない1人の行動は、他のスタッフの仲間みんなの印象さえ悪くしてしまう可能性があるということだけは理解してほしいと思います。

実際に私も、自分が主催する側にまわるイベントでは私自身がいわゆるスタッフの格好をしていることもあるわけで、そんな時に周りからどういう目で見られているのか、どういう行動どういう対応をしなければならないのか、そんなことを改めて考えさせられ、再認識するきっかけとなる出来事でもありました。


続いて同じ場所で開催された ゆうばり25周年座談会 と銘打ったイベントは事前に早くから告知されていたこともあってか用意された席はほぼ満席。

この座談会は最後の20分程度しか見ることができなかったのですが、ここで思わぬ感動と衝撃を受けることになりました。


会場に到着した時、ちょうどステージでは映画ジャーナリストであり、この映画祭の創設にも関わった 「夕張映画祭の生みの親」 とも言われる 小松澤陽一さん が、映画祭プロデューサー兼フェスティバルディレクターの 澤田直矢さん に対して激しく怒っているところでした。

私達が聞くことのできた限りでは、映画祭に貢献してきた監督さんなどに対して敬意をしっかり払っていないという趣旨の話で、主催者側がそういう場さえ提供さえしてくれればあとは自分達がしっかりと支えるのにということを話されていました。
そしてその後もヒートアップ。

映画祭を支える、地域を盛り上げる、人を元気にするという話が小松澤さんから熱く熱く語られ、同じステージにいた司会のフジテレビ 笠井信輔アナウンサー鈴木直道夕張市長 、芸能プロデューサーでオフィスキュー社長の 鈴井亜由美さん もみんなすっかりおとなしくなってしまうという状態。


そしてそんな中、熱く語る小松澤さんの目には涙が・・・(私のところからは見えなかったのですが、近くの席で観覧していた方の情報によると)。


小松澤さんのその大きな情熱や深い愛情は、立場や方法は全く違えど、地域を盛り上げたい、元気にしたいという思いで活動している私自身にとってはものすごく感動に値するものでした。

実は翌日、会場の外でタイミングよく小松澤さんにお会いすることができ、数分ではありましたが直接色々とお話をする機会に恵まれました。

その折、小松澤さんが実際にやってみたいこと、みんなにやって欲しいことなどのお話を伺え、また私の話も聞いていただくことができました。


後ろで傍観していた同行の3人が 「2人のベクトルが同じ方向を向いていた」 と言っていましたが、まさに私自身もそんな感情になりました。

実際にこの短時間で小松澤さんもどうやら私のことを気に入っていただけたようで、名刺を渡してくださり、「近くに来ることがあったらぜひ連絡してきなさい」 というありがたいお言葉をいただきました。
家に戻ってきてから小松澤さんがどういう方なのか、色々と調べてみましたが、調べれば調べるほどすごい方でもあり、そして熱い方でもあるというのが判明。

またここでも1つ、大切な御縁をいただくことができ、素敵な方と巡り合うことができ、本当に感激です。




イベントとイベントの合間の空いた時間には、街並みを見るためにメイン会場であるアディーレ会館と、他の会場との間も何度も歩きました。

   
   
   


すると昨年の映画祭との違いが数点見えてきました。

まず会館の正面玄関の前では、昨年は夕張青年会議所と隣の栗山町の青年会議所。更には夕張再生の会という有志の団体の方が一緒になってテントで出店し、主に地域のものをつかった食べ物や飲み物を販売していました。

昨年はその方達とも実際に直接お話をさせていただき、色々と伺うこともできたのですが、やはり地域を元気にしたい、映画祭を一緒に盛り上げたいという強い気持ちが伝わってきました。

また、複数の団体が1つの目標を持って一緒に活動しているという姿が羨ましくもあり、眩しくもありました。

しかし、今年はその場所にテント2つが張られていたため、最初は団体がさらに大きくなったのかなと思っていたのですが、よくよく聞いてみるとその人達は札幌から来ていたいわゆる的屋の方で、使っているものもなぜか全く違う地方の牡蠣だったり、普通のラーメンだったり。

試しに一品購入してみましたが、途端に次から次へと他の商品を押し売りしてくる上に態度が悪い。

しかもお客さんの為に用意されたであろうわずかなテーブルを自分達の休憩用に使ってしまっているため、結果的に座りたい人も誰も座れない使えない。

正直、今回の映画祭で一番がっかりした点です。

しかもこれがメイン会場の正面玄関前なのですから余計にがっかりです。
私自身がイベント主催者側として動く時には、これを反面的にとらえるという意味ではとても参考になる事象ではありましたが、やはりせっかく会場のどこに行ってもいい雰囲気の映画祭の中、ここだけはちょっと殺伐とした嫌な空気を感じました。




歩いている中で他に見つけたものとしては、商店街の中にある 観光協会の事務所 の前で、昨年同様に網でホタテや肉を焼いて販売をしているみなさんに遭遇しました。

いい匂いにもつられながら実際に事務所の中に入り、焼きホタテや長いもの団子を食べながら色々とお話を伺うなどしたのですが、ここはすごく良かったです。


まず、事務所の中には会計係、厨房係、販売係などとそれぞれ役割を分担した地域の奥様方がたくさんいました。

外は寒いから男性の役割です。

ここで色々とお話をしていると、おばちゃんが夕張メロンのゼリーをくれました。

自分が住んでいる以外のよその場所に行った時には、地域のみなさんとの触れ合いが嬉しくもあり、それがまた楽しみの1つでもあります。


「自分達は年齢的にも体力的にも実際に会場に行って手伝ってあげることはできないけれど、若い人が頑張っているから少しでも応援してあげたい」 という素敵なお話を伺うこともできました。

それだけでも大感動です。


そんなお話をされるみなさんの笑顔はとっても素敵でした。


イベントに直接参加して、会場で色々な役割を持った人だけがお祭りを盛り上げているのではなく、地域が1つの想いを持って盛り上げようとしている、同じ方向を向いている。

そんな姿、そんな光景が羨ましく、そしてとても温かく感じました。

   



また、町のあちらこちらには 黄色いハンカチ が下げられ、映画祭のポスターがたくさん貼ってあります。

こんなことからも町をあげてイベントを応援しよう、町を盛り上げようという気持ちが伝わってきます。

しかも会場に掲げられた黄色いハンカチには1枚1枚に色々なメッセージが書かれています。

イベントに参加する関係者に向けたもの、来場する一般の人に向けたもの、家族や愛する人に向けたもの・・・。

たくさんのメッセージが会場をより温かくしてくれています。

   


更に、この映画祭は関係者であっても一般の人であっても、何度目かであっても、初めての人でも、全ての人に対して 「おかえりなさい」 と言って迎えてくれます。

1つ1つが本当に素敵な取り組みであるとも感じますし、それらが重なり合った時、それはまさに、1+1が2以上のものになるんだとも思います。


人の温かさが他の人の心に伝わる。

地域の温かさがイベントを盛り上げる。

そしてみんなの温かさが感動に変わる、そんな素敵な映画祭であることを再実感しました。


初日の昼食は、吉野家さんという蕎麦屋さんにお邪魔しました。

こちらの名物は カレー蕎麦 です。

以前夕張には、藤の家さんというお店があり、カレー蕎麦もそのお店が始めたメニューだったそうです。

そしてそのメニューが人気となって次第に他のお店も同じようなメニューを始めたそうですが、この吉野家さんは藤の家さんが閉店する際、そのレシピを直接受け継いだそうで、そんなこともあってこの日もお店は大盛況。

そしてそんな中でもここにも普通に席に女優さんがいたり、監督さんがいたりと、やはりすごい空間です。

視線の先であの人が蕎麦をすすっていました。

また、このカレー蕎麦は地域としてもいわゆるご当地グルメとして力を入れており、お店の中にもポスターが貼られていたりします。

地域をあげて推していくメニューというのも、最近流行のB級グルメと同様に本当に魅力的ですよね。

   

この後はまたアディーレ会館で 映画鑑賞 です。

今度はショートムービープログラムEとして上映される、《 モラルボーイ 》 《 育っている! 》 《 ワイヤー 》 《 拝啓アトム 》 の4本を鑑賞しました。

こちらも最初に鑑賞した4本同様、それぞれに個性の光る楽しい作品でした。


上映後には今回は4本目の 《 拝啓アトム 》 の 吉池監督 が登壇しました。

司会の方をはさんでのトークショーが始まり、一言話し始めたところでハプラング発生!

いきなり会場内に音響から大音量で音が流れ、みんなビックリしてトークもストップしてしまいました。

その大きな音、自分の耳にはバラエティ番組などで 「大成功っ!」 という文字と共に使われそうな音に聞こえたため、思わず普通に、「うわっ、なんかすごく良いこと言った人みたいになってる」 と声を漏らしてしまったのですが・・・

予想以上に会場中のみなさんがコチラを振り向き、そして一斉に大爆笑。

思わぬところで良い空気づくりに貢献しちゃったようなそんな感じですが、そういう緩い雰囲気もまた、この映画祭の良さだと感じます。


同行の高坂クンからは後で、「さっきの川崎さんの一言、僕的には 『踊るヒット賞』 です!」 と絶賛されましたので、きっと高坂君からは何か良いものが送られてくるのではないかと期待しています。



映画を観終わり、アディーレ会館を出た頃には日も落ち、あたりもすっかり暗くなっていました。


会場周辺は多くの照明機材で明るくはなっているのですが、夜になるとそんな足元にはたくさんのアイスキャンドルも設置されます。

これもおそらく地域の方が一生懸命に作られたものだと思います。

アディーレ会館の前にも、ホテルの前にも、商店街にも、居酒屋さんが立ち並ぶ場所にも、どこに行ってもオレンジ色のきれいな灯りに照らされたアイスキャンドルが並んでいます。


ここでも、地域が1つになっているという温かい気持ち、想いが伝わってきます。


日没後はアディーレ会館前の広場で、毎年恒例の ストーブパーティー が開催されます。

このパーティーは、最初に任意の額を募金箱に入れれば箸と容器を貰うことができ、あとは会場内で配布される食べ物・飲み物を自由に食べることができるというシステムです。


このシステム、会場内で特に書いてあるようなところはなかったとは思いますが、それでもマイクを使って10〜15分に1回程度の頻度で案内がされていました。

これだとわかりやすくていいですね。

それでもイベント開始直前には募金箱の前に長蛇の列ができていましたが、これについては特に事前の案内は無く、初めての人は何がどうなってるいのか戸惑っていた様子でしたし、私自身も何度か他の方にどうすればいいのかと質問をされました。

結局は流れのわかっている常連さんが列に最初に並ぶわけですから、そういう人が優先されてしまいます。

確かに何事においても常連さんというのは大事だとは思いますが、初めての人にも優しいイベントでもあって欲しいと思います。


また、今回のストーブパーティーは過去最高の動員を記録したそうです。

そのためか、会場内に数ヶ所設けられた焼き網や鍋など、食べ物を貰える場所はどこも常に長蛇の列。

一部は石炭ストーブを使っての調理でしたが、肉などは基本的に炭を用いて焼いていたため、なかなか時間もかかる状態。


そんな中で、会場内には食べ物を貰える場所と、それ以外に椅子やテーブルなどがランダムに設置されています。

特にどこにどうやって列をつくるのかというような指示も出てしおらず、良い言い方をすれば自由な、でもやはりちょっとわかりづらいところもあり、見ている限りでも全然食べ物を手にする、口にすることのできない人も多々見受けられました。


やはりテントを一列にまっすぐにするなり、L字型に構えるなりして、まずは食べ物を貰える場所を集約し、それによって列の作られる方向もある程度コントロールすればいいのではないかとか、そういう光景を見ながら色々と意見を出し合ったりもしてみましたが、ここのイベントとしては長年やってくる中で現在の形にたどり着いているのでしょうから、我々が外からどうこう言うべきことでないのは重々承知しています。

しかしそんなところからも、改めて自分達に置き換えて色々なことを考える機会、そしてアイデアをいただけたということはありがたいことだとも思います。

   
   
   
   
また、この会場に着くと、目の前に先程の最初のトークショーで拝見した武田梨奈さんがごくごく普通にストーブにあたっていました。

まだ周りには人が少なく、あまり気付いている人もいない様子でしたので、今のうちにとばかりにまずサインをいただき、そして一緒に写真を1枚。

いや〜、超かわいい!幸せです!!

すでにある意味ではここまでで今回の目標を全て達成した感もありました。

       



後で聞いたところによると、この会場には他にも多くのタレントさんや関係者の方もいたようです。

しかしあまりに人が多くて、誰がどこにいるのかどこに何があるのか、ちょっとわかりづらくもありました。


でも、それだけ大盛況だったということですから、いいことですよね。



そんな会場で、しばらくは西潟クンと2人で食事を楽しんでいましたが、やはり夕張の夜は寒い。

ということで場所を、昨年も 「鐘が鳴りし・・・」 の映画スタッフのみなさんとご一緒させていただきお世話になった居酒屋・俺家さんに移動。

しばらくしてから、途中から別行動をとっていた原尾クンと高坂クンも合流し、4人で改めて食事をとって夕張の夜を楽しみました。


こうして夕張の夜は更けていきました・・・

       




2日目。

宿泊地の千歳から再び夕張に戻り、10時からは ホテルシューパロ で、本日1本目の韓国映画 《 メイドロイド 》 を鑑賞。

鑑賞後には、ノ・ジンス監督 と、主要キャストの ホン・ヨンゴンさんヨン・スンハさん が登壇し、トークショーもありました。

作品の中の三枚目の役と違ってすごくかっこいいホン・ヨンゴンさんと、ものすごく美しいヨン・スンハさん。

あ〜、たまりませんっ。

特にそのヨン・スンハさんの美貌に目を奪われながら、心を奪われながらのトークショーでしたが、話もとても面白く、今観たばかりの作品がより一層楽しいものに感じました。
どの作品もそうなのですが、やはり実際に制作に参加された方のお話を伺うと、当然その作品に対しての思い入れも強くなりますし、とにかく本当に楽しいです。


トークショ―自体は、ゲストがみなさん韓国の方ですからお話も通訳さんをはさみながら当然韓国語です。

それでも私、実は数年前から韓国語を超スローペースながらも勉強していることもあり、お話されていることも通訳される前に大体理解ができました。

ゲストのみなさんが韓国語でおもしろいことを言った時、通訳される前にクスッと笑える楽しさは、少しでも韓国語を学んでいたからこそ。

ん〜、今日のこの日のために韓国語を勉強して・・・(は、ちょっと嘘ですが)、とにかく良かったです。


ゲストの方が韓国語で話した時点で、周りで自分だけが頷いたり反応したりしているものですから、次第にステージの上からもこちらに気づいたようで、お陰で (!?) 何度も何度も目が合います。

ということで、私の心はすっかりヨン・スンハさんに奪われました。

あ、それ、どうぞ韓国にお持ち帰りください。

   

ここからは、12時から正面玄関前で フォトセッション があるとわかっていたので、一旦アディーレ会館に戻ります。

これはこの日にまだ現地に残っている関係者の方が公式の集合写真を撮るためのイベントなのですが、ここでもやはり一般の人も自由に撮影できるため、自分は去年の経験を参考に、素早い行動で最前列を陣取り、完全に報道の方に交っての参加。

ちょっと去年より人が少ない気もしましたが、やはりこれだけの関係者の方が一堂に会すと圧巻です。

しかし、こんなおいしいタイミングなのですが一般の人はそれほど多くは集まっていませんでした。

公式プログラムにも、フォトセッションとだけ書かれているのですが、それだけではおそらく何のことかわからないのかもしれませんね。

公式のカメラのすぐ横にいたものですから、後で自分の撮った写真を見直してみたところ、たくさんの方の目線がしっかりとこちらに集まっていました。

ありがとうございます。


また、集合写真の撮影が終わってからは三々五々解散になるので、そこからは一般の人も普通に近づいていけます。

ということで、私はひとまず先程のメイドロイドの関係者のみなさんのところへ。


実は直前、ホテルでもう少しで一緒に写真を撮れるところだったのですが、惜しくも時間切れで撮れませんでした。

しかし、ここでしっかりとそれ以上の収穫を。


一緒に写真も撮っていただき、少しですが韓国語でお話もさせていただけました。

しかも、一緒に撮らせていただいた写真やイベント中の写真を帰宅後にフェイスブックから送らせていただいたところ、3人共に私のことを覚えていてくださり、友達登録 もいただきました。

更にメッセージ機能でも色々とお話をさせていただきました。

本当に韓国語を勉強していて良かったです。

私の心はすっかり・・・あ、それさっき言いましたね。


他にも女優の 水井真希さん とも写真を撮らせていただくなど、重ねて喜びもひとしおです。

   



私自身、主催者側としてライブなどのイベントに関わることもあり、また出演のゲストの方と交流させていただいたりすることも時折あります。

そんなイベントの時、出演者側の方と一般の方とが触れ合える時間、触れ合える機会というのは間違いなくとても楽しいものだと思います。

時間的な制約や警備の必要性など、様々な問題や課題があるというのも、今回のように一般の方と同じ立ち位置からと、主催者側としての両方を経験して理解はしているつもりですが、それでもやはりこういう交流というのは改めて大事であり、素敵なものだと感じました。

実際、こういう形で交流を持つことによって、その瞬間その出来事が忘れられない思い出となり、そんなことがあったということでその時に体験したライブ、見た作品も一層思い出深いものになります。
今回の映画祭で考えると、映画を1本見ることだけが目的やイベントなのではなく、その前後にあるこのような交流も含めて1つのイベントになっていて、だからこそこの映画祭自体が面白い。

映画以外にもストーブパーティーがあったりトークショーがあったりと、色々な楽しみ方はありますが、どれもこれもが当然映画関連のものです。

映画祭には当然映画を好きな人がたくさん集まるわけで、そういうものを求めています。

こんな状況の中でそういう人たちが求めている以上のものを提供してくれるこの映画祭はやっぱりすごいと思います。


相手が求める以上ものを提供するというのは言葉で言うほど簡単なことではないと思いますが、今後私が関わるイベントなどでもそういうことができるように、常にそういうことを心がけて望んでいきたいと改めて思いました。




またこのフォトセッションの直前、アディーレ会館に向かう際に、すごいものと遭遇してしまいます。

夕張のご当地キャラクターの メロン熊

以前から顔などが違うのが3匹いるのは知ってはいたのですが、その3匹が1列になって歩いているではありませんか!

こんな場面、初めて見ました。


一緒にいたアドバイザーのなっちゃんに聞いたところ、3匹となっちゃんが勢揃いするのは本当に珍しいことだそうです。

しかも一緒に写真まで。更にジャガイモンまで一緒に。

この2日間でなっちゃんには何度も何度も会いましたが、本当に嬉しい瞬間でもあり、なんだかすごく得をした気分になりました。

   
   
同行の原尾クンには 「行動の早さにビックリする」 と言われましたが、写真を撮って欲しい、話をしてみたい、近づいてみたいと思ったら、ルールを守った上で、ご本人や周りに迷惑にならない範囲で即行動。

見てみたいと思ったものは見に行く、感じてみたいと思ったものは感じる。


せっかく夕張まで、映画祭まで行くという行動を起こしたんですから、あとで後悔の残ることのなるべくないように、そんな行動を心がけています。

同行の3人は私の動きを上回ることはなかったようですが、何事もスピード、そして決断は大事です。

こういうところでは一瞬の決断の遅れがあとで後悔を生むことにもなりかねませんから。



2日目の昼食は夕張駅前にある バリー屋台 へ。

やはりその地域のものをその地域で食べるというのはいいですね。


また、この場所も映画祭期間中、常に関係者の方でいっぱいです。

有名な監督さんや女優さんが普通にラーメン食べてます。蕎麦食べてます。

ここもまた非日常が隣り合わせです。

   

昼食後は、ホテルシューパロで 《 Not The End 》 《 おかあさんにないしょ 》 の2本立ての映画を鑑賞。

これで今年は長短合わせて11本の映画を観たことになります。


全く毛色の違う2本の鑑賞後には 《 おかあさんにないしょ 》 の 冠木監督 が登壇。

3分の短い作品ながらも最初から最後まで会場全体が大爆笑の作品を振り返りながら、質疑応答でまた爆笑。


色々な作品がある中で、このような作品もラインナップに含まれていること自体が楽しい。

そんな面白い1本でした。
また、この会場も、他の会場でもそうでしたが、直前に見た作品に出演されていた人が普通に自分達の後ろや隣に座ったりしている。

これもまた、非日常の極みであり、映画祭の醍醐味です。




夕方からはアディーレ会館で開催される 授賞式・閉会式 にも参加。

比較的早く並んだこともあり、前から2列目の良席をゲットしました。


式は、THE TON-UP MOTORS北海道ブギ からスタートです。

この曲は映画祭期間中、全ての作品の上映前に、この映画祭のいわゆるトレーラー映像と一緒に流れていました。

1分くらいのものだったかと思いますが、今年の映画祭のために作られたこの映像は、これから見る作品に向かって興奮が高まるようなそんな素晴らしい映像で、式の際にもオフシアター・コンペティション・プログラミング・ディレクターの塩田時敏さんが、「私の中ではこのトレーラーが今年の映画祭のグランプリだ」とおっしゃっていました。

まさに素晴らしい映像、そして素晴らしいスタートでした。

   

授賞式では様々な賞が授与される中、審査員の1人として映画監督で特殊メイクアップアーティストの 西村喜廣さん が登壇。

表彰の中では、20年ほど前に自らがこの場で受賞した賞を若い監督に授与するという場面があり、見た目はゴツい西村監督ですが、感極まって涙を流してらっしゃいました。

こういう熱い心、熱い気持ちがこの映画祭を支え、映画界を支え、そして次世代へと繋がっていくんだと思うと感動も深まります。


『何もないところから何かを作り出す』 というところに関しては、広い意味でとらえるとジャガイモンプロジェクトの活動とも近い部分があるのではないかと勝手に思っています。
そんなことを考えていると自然と涙が・・・。

ただ、初参加の3人には全くそんな感情は無かったようですが・・・。

   

また、式の途中、1匹の蛾がフワ〜ッと会場の中を飛んできました。

するとそれを見た司会の方が、「アッ、品田さんがいらっしゃいましたね」 と咄嗟に反応。

品田さんとは、長年この映画祭に審査員、実行委員長、相談役、そして顧問として携わられながらも、昨年末残念ながらお亡くなりになられた品田雄吉さんです。


普通に考えればちょっとしたハプニングなのですが、司会の方のそんな気の利いた一言の切り替えしで、その蛾はアッと言う間に感動の対象へと変わりました。


その蛾は一旦飛び去った後、関係者がステージに大集合した頃にもう一度戻ってきて、そして塩田さんの体にそっととまりました。
そんな蛾を掃うこともなく愛おしそうに見つめる塩田さんに、また感動をいただきました。


イベント司会者の大事さ、重要性、そして責任の大きさを再認識させられる出来事でもありました。




また、式の締め括りにはまず、映画祭実行委員長で夕張商工会議所会頭の 澤田宏一さん の挨拶がありました。

型にはまった決まったような挨拶ではなく、一言一言に心のこもった、今回の映画祭に関係した全ての人に、全ての作品に感謝の気持ちのこもった挨拶は聞いている人の心にもしっかり届きますね。

ご自身の役職があって、結果的に運営委員長を務めているのではなく、映画祭を愛し地元を愛している人が運営委員長で、その人がその役職にあるのだということが本当に伝わってきました。



更に最後は、映画祭名誉大会長の 鈴木直道夕張市長 の挨拶。

これはもう圧巻でした。

他の方も 「鈴木市長にはメッセージを伝える力がある。発信する能力がある」 と言っていましたが、まさにその通り。

1つ1つの言葉が本当に力強く、30代の若い市長ですが、本当に尊敬できる、本当に素晴らしいリーダーだと思います。


最後は鈴木市長の、「世界で一番、楽しい映画祭!ここに閉幕します!」 という言葉と共にステージ横からはきれいなテープが飛び出し、会場全体から大きな歓声と拍手、そしてたくさんの笑顔が溢れます。

これで閉会式も全てが終了です。


挨拶に立たれたみなさんもおっしゃっていましたが、この会場、アディーレ会館ゆうばりを使った映画祭は今年が最後です。


たくさんの人のたくさんの思い出とたくさんの気持ちが詰まったこの会館は3月をもって閉館となります。

そんなことも相まって、会場は大きな感動の嵐、感動の大海原となっていました。

   

そんな閉会式でしたが、この映画祭は決してこのステージに上がった人だけで作られているわけではありません。


期間中ずっと、そしてこの感動の瞬間も各会場ではたくさんの ボランティアスタッフ地域のみなさん が大活躍しています。

ほとんどのイベントの司会を務めるのもボランティア。チケットを販売するのも、会場の案内係もボランティア・・・。

会場の外でゴミを拾ってくれている人、歩きやすいように滑り止めの砂を撒いてくれている人、氷を割ってくれている人・・・。

本当にたくさんの人に支えられています。
そんなボランティアの方の1人に聞いたところ、札幌からだけでも50人以上の学生がこの映画祭に駆けつけているそうです。

その学生のほとんどは大学で映画関係のサークルなどに所属しており、自分達も楽しく参加しているのだとか。

映画祭と、その学生のみなさんとのお互いがお互いを支え合うそういう関係性って素晴らしいですよね。

そしてそういう関係が、また時代の映画界を支える人、支える力を育てているんだろうなと思います。



また、映画祭期間中、ボランティアスタッフの中でも北海学園大学の生徒が数人で毎日フリーペーパーを発行していました。

ファンタプレス という名前のフリーペーパーは、昨年のうちに運営から発行を依頼されたそうで、毎日イベント終了後の深夜に制作し、翌日の朝に間に合うように印刷などもしていたとのことでした。

直接目に見えないところでもたくさんの人がこの映画祭を支えているんだと改めて感じるエピソードでもありました。

    
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今回の行程中、イベントの合間で町の中を見て回る時間もありましたが、改めて色々なことに気づかされ、色々なものが目に飛び込んできます。

夕張市の中でもこの地域には、映画祭以外の時も常設で、古い映画の看板が数多く掲げられています。

《男はつらいよ》 《太陽がいっぱい》 《007》 ・・・。

たくさんの看板が映画の街をアピールしてくれています。

   
   
   


しかし、小松澤先生がおっしゃってました。

「あの看板をもっときれいにして、いつまでも守らなければならない。あれは地域の宝だ」 と。

やはり何をやるにも予算と手間がかかります。財政再建団体入りしてからはそういうこともなお難しいことだと思います。

それでも、あの素晴らしい市長さんなら、やがてその財政再建団体を脱し、そしてきっとこの夕張をもっともっと元気にしてくれるのではないか。

その頃にはあの看板たちもきっと今よりもっと元気を取り戻しているのではないか。もっともっと人の集まる夕張になるのではないか。
そんなことも予感させてくれます。



また他にも、各会場には地元のJAが夕張メロン(レプリカ)の展示をしていたり、地域のものをアピールしている場面も見ることができました。

外からたくさんの人が来る機会、こういうことも大事ですよね。

   



周辺では、駐車場がどうだとか、循環バスがどこをいつ走るとか、どの会場がどこにあるとか、トイレの場所だとか、初めての人にとっては明らかに案内が足りないのではないと感じる部分もあります。

それでも行った人は間違いなく、更には映画を普段あまり見ない人にとっても楽しめる、楽しみを見つけることのできる、そんな非日常がたくさん詰まった映画祭がここにはあります。

こんなすごいイベント、お祭りを自分達でもできるのか。

そんな角度の視点からも今回の映画祭を見てきました。


しかしそんなことは行く前から答えが見えています。

いきなりこんな大きなものはできません。


しかしこの映画祭も過去24回を経て今年に至ります。

最初から大きな祭りだったわけではありません。
そういう意味では、まさにイベントを育て地域を育むというものの象徴のようにも見えました。

そんなところは自分達にとってもとても参考にもなり、とても大きな刺激にもなりました。


   


映画祭自体は翌月曜日まで続きます。

最後はグランプリ受賞作品がアディーレ会館最後の上映作品として再上映され、そして今年の映画祭の全てが終了です。


しかしこの終わりには別の捉え方もあります。

本州方面から来たたくさんの関係者の方がアディーレ会館前からバスで離れる時、お見送りの人はみなさん 「いってらっしゃい」 と言って見送ります。

来た時に 「おかえり」 と声をかけるのと同じく、今年の映画祭は終わるけれど、それは間違いなく来年へと続いているというメッセージが伝わってきます。

言葉一つが多くの人の心を打ち、「さようなら」 と言ってしまえばそれだけのところに、「いってらっしゃい」 と変えるだけでそこには感動が生まれます。



こんなに多くの感動を生む映画祭。

3月のアディーレ会館の閉館に伴い、来年以降どの会場をどのように使っていくのかというのは全くの白紙だそうです。

それでも間違いなく、来年のこの夕張では第26回となった映画祭が開催され、そこにはまた新しいたくさんの出会いが生まれ、再会が生まれ、そして感動が生まれるのではないかと思います。

イベントを行なうと、どうしてもその時その日限りの盛り上がり、その時限りのお付き合いという関係が生まれがちですがこの映画祭は違います。


いきなりそんなところに達することはできませんが、私自身も自分が関わるものでいつかそういうものを生み出せれば、生み出していければと改めて感じ、改めて気合が入りました。



非日常から生まれる楽しさや喜びは、日々感じることのできるものとはまた違ったかけがえのないものです。

この地域だって決して年中たくさんの人が押し寄せ、元気が溢れ、笑顔に満ちている日々ばかりではないでしょう。

それでもこの非日常が地域に活力を与えているのは間違いないと思います。


そんな活力を生むことがしたい、繋がる何かをしたい。

そしてそのためにはやはり自分が動いていかなければと、改めて心に誓い、心に刻んだ 「 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015 」 でした。




今回の行程で自分と出会ってくださったたくさんの方、触れ合っていただいたみなさん、関わってくださった全てのみなさんに心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。


今年の映画祭開催にご尽力された全てのみなさん、地域のみなさんにも心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。


また来年、たくさんの笑顔、たくさんの非日常、そしてたくさんの感動に出会いに、再び夕張に戻って来たいと思います。

「ただいま!」 と叫びながら。



2015年2月21・22日

ジャガイモンプロジェクト代表・川崎康



 
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