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   「アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO」参加レポート   
   

http://aliceinproject.com/


【 日程 】 2016年(水・祝)(日)
【 場所 】 札幌・コンカリーニョ (札幌市西区八軒1条西1丁目)

無事終了しました



ガールズ演劇 の旗手 アリスインプロジェクト が北海道初上陸!

ジャガイモンプロジェクト では、今回の公演に対し、チケット販売イベント稽古場取材 、そして 公演本番取材 と、3度に渡っての 特別出張 を敢行しました。

今回は一部関係者として参加させていただいたからこそ経験のできたこと、見ることのできたものがたくさんありました。
また、これまで公開してこなかった裏話も一部盛り込み、3部作の長編レポートとして公開します。


これまでに例を見ない長期に渡る企画、実行。
そして複数回にまたがっての 特別出張

レポート自体も3部合計で原稿用紙130枚を超える長大作となっています。


北海道のガールズ演劇の歴史の1ページとなったこの公演を、ジャガイモンプロジェクト 目線でレポートします。

   
(フライヤーはクリックで拡大してご覧いただけます)




舞台稽古の見学 から約1週間。

あの日、あの場所に座った時、そしてあの雰囲気に触れた時、これが本物の現場だと全身で感じることができました。

その場所を支配する空気感、響き渡る声、台本をめくる紙の音、全てを見つめる視線 ・・・。
その全てが特別な想いにも包まれ、それは感動的なものへと変わっていきました。

目を閉じても聴こえてくる彼女達の台詞を奏でる声、声、声。
その音、そして響きにはそれぞれに経験や年齢の差こそあれ、1人1人のプロフェッショナルとしての気概を感じました。

響き渡るその声は全てが心地良く、私の2つの耳を通して頭の中へ波となって到達しました。


その場での指導や演出について、具体的なことを私の口や文字でお伝えすることは無いと思います。

しかし、それらを真剣な眼差しで受け止め、飲み込もうとし、そして自らのものにしていった彼女達の姿をこれからも忘れることはないでしょう。

あの場所で演出の 納谷 さん から彼女達に与えられた数多くの金言はこの舞台だけに活かされるのではなく、きっとこの後もそれぞれに財産として残っていくのだろうと思います。
ただ横で見ていただけのはずの私ですら何度も頷き、納得し、そして感心してしまうことばかりでした。


本来ありえないことだとは思いますが、これから舞台を観るというたくさんの人があの稽古を事前に見学し、そして本番の舞台を観るとすると、更に違う見え方で舞台を楽しむことができるのではないかとも感じました。

先に稽古を見てしまうと、物語のストーリーこそわかってしまいますが、違う意味ではそれを越えるような素晴らしさに気づくこともできるかもしれませんし、実際に私はそうでした。

以前よりこの物語の大体のストーリーについては知ってはいたのですが、それでも通し稽古を見た時、私は涙が抑えられませんでした。
ストーリーを事前に知っていたとしても、そこには感動があり、そして押し寄せる涙や感情がありました。


今回、直前までは舞台本番は千秋楽のみ会場入りできる予定となっていましたが、様々な調整の結果、千秋楽前日の7日に1日前倒しでの会場入りが実現。

結果的に2日分のレポートを書くことができるようになりました。

間違いなく過去最長の文量になるとも思いますが、あえてこれをコンパクトにまとめることもしません。
ただし、あくまでも演劇を観る目としてはド素人の私です。
その点だけはご容赦いただければと思います。




5月7日

スタッフのみなさんの入り時間などを確認しつつ、私が現場入りしたのが12時少し前。

早速スタッフ控室に通していただき、しばらくは準備のために現場入りしてくるスタッフの方と談笑しながら時間を過ごします。

両手に抱えてきた差し入れの3箱のポテトチップスを早速スタッフの方にお渡ししたところ、それは次第に集合してくるキャストのみなさんのところへとすぐに運ばれたようで、ちょっと離れたところから歓声が聞こえてきました。

私に出来ることは本当に少ないですが、一瞬でも喜んでもらえるということはこちらも嬉しいことです。

   

このスタッフ控室には、舞台ステージを映すモニターがあり、映像がいつでも見られる状態になっています。

また、この場所以外にもバックヤードの数ヶ所にモニターが設置されており、更にはステージの最前部に設置されたマイクの音を拾って、どこでもその音声が聴けるようになっています。

こういうものを全く見慣れない私にとってみれば、これだけでもすでにとても感心してしまう環境でした。

   

しばらくしてから、数人で会場入口の受付の準備や客席のセッティングに入りました。

そもそも、私は 取材 という形で入っていますので、特にそういう部分に手を出すこともないという捉え方もできるのかもしれませんが、少しでも多くのことを知り、そして知識として自分のものにするためにはやはり自ら経験することが大事だと思います。

事前に私の方から、「 こき使ってほしい 」 という事を伝えていましたし、基本的に邪魔にならないことが本当に大事ですが、そんな中でお手伝いのできることがあるのであれば、そういうものには積極的に手を出すつもりで現場入りしています。

これは今回の現場にのみ言えることではなく、他の現場でもいつもそんな気持ちでいますし、決して建前や上辺だけの気持ちではありません。
そんな現場で体験することのできる作業はどんな単純作業であったとしても、私にとっては全てが貴重な経験なのです。

必要数の椅子を設置したり、フライヤーを並べたりするのを少し手伝わせていただきながら時間を過ごしました。

   

この間、スタッフのみなさんでもそれぞれの準備が進みます。

音響や照明などは前日までも当然同じものを使っていますし、舞台の演目も、機材を操作する人も同じです。
しかしそれらも、改めて1つ1つチェックが進んでいきます。

舞台上では舞台監督自ら霧吹きを使って何度も何度も湿度を上げるために水分を拡散する作業を繰り返しています。

受付ではチケットの用意、席の確認がされ、物販担当の方もお客様を迎える準備を進めます。

それぞれのプロフェッショナルが最高の瞬間を作るために、最高の仕事をしている姿そしてその場所は、リラックスした空気の中にも緊張感があり、1つのものに向かって進む、1つのものを全員で作り上げるということへの美しさや素晴らしさが感じられました。



時間の経過を追って、舞台上には本番開始を前にキャストのみなさんが次第に集まり始めます。

ストレッチを始める人、熱心に台詞を練習する人、自分の立ち位置や動きを確認する人、楽しく談笑しながら写真や動画を撮っている人 ・・・。
それぞれがそれぞれの過ごし方で本番前のこの時間を送っていますが、やがて全員が揃ったところで 納谷 さん から少しお話があり、開場直前までポイントを絞っての最終チェックがスタートしました。

舞台もこの日ですでに4日目。
稽古も含めて何度も何度もやってきたことではあるのでしょうが、やってきたからこその慣れや油断、またちょっと違った意味での余裕が生まれてしまうと、それがバランスを崩す原因、またミスへの要因となってしまうのだとも思います。

更には前日までの舞台を経験した上で、直すべき点、注意すべき点、そういうものもあると思います。

舞台を観ていただくお客様のため、最後の最後まで真剣に、そして一生懸命に少しでも良いものを、そして前回よりも更に上を行くものを観せたい、観てもらいたいという気持ちが、演出側からも、スタッフ側からも、キャストのみなさんからも伝わってきました。

私自身、前週には稽古場で同じように頑張っている彼女達の姿を見てこそいましたが、やはり本番の舞台の上で、本番の衣装を身にまとい、そして実際に扉1枚外にはすでにお客様がいる。
そんな状況で改めて見る彼女達のその様子は、さぁいくぞという気合いや気迫がその場の空気を突き抜け、こちらにまでしっかりと届いてくるようでした。


全ての準備が終わったところでまずは 納谷 さん からキャストのみなさんに対しての 「よろしくお願いします」 という声がかけられ、続いて裏方、表方のスタッフのみなさんにも 「よろしくお願いします」 という声がキャストのみなさんからもかけられます。

また最後には納谷さんから 「ジャガイモンさんも1日前倒しで現場入り・・・」 と改めてご紹介をいただき、隅の方でコッソリ見ていた私でしたが、一言二言みなさんに対して声掛けをさせていただきました。



この時点ですでに開場までは5分前。
一旦表に出て会場周辺の様子を見に行きましたが、そこにはすでに知った顔があっちにもこっちにも。

他のイベント会場でいつも一緒になる方、主催イベントに参加いただくことがある方など、そういう方が何人も会場の外にいらっしゃる景色はちょっと感慨深いものがありました。

           

また開場を前にすでに物販はスタートしています。

今回の公演ではは2000円の購入ごとに終演後の 交流会 に参加できる 参加券 がもらえます。

こちらは 参加券 1枚ごとにキャスト1人からサインをもらえ、更に握手と会話一定時間が楽しめるという設定になっており、開場前からたくさんのファンの方で賑わっていました。

       


13:30 、開場時間です。

開演までは30分あり、また全席指定ということもあって、すぐに会場に入られる方もいれば、比較的ギリギリまで外で時間を過ごす方もいました。
私も外で色々な方とお話をさせていただいたり、時に外で迷われている方をご案内させていただいたりしながら時間を過ごしました。


そんな感じでみなさんが開演までのそれぞれの想い想い時間を過ごし、14:00 、ついに本公演4日目、風組 の舞台が始まります。
私も、最前列中央付近に席をいただき、場所に着いて開演を待ちます。

   

ついさっきまでそのあたりをウロウロしながら何度も見ていたはずの舞台セットも、実際に席について周りにお客様が並ぶ中で見ると、なんだか少し違った景色に見えます。

この日に至る前、私は稽古場ですでにこのセットの縮小版として簡易的に作られたモデルを見てはいたのですが、実際にこれが形になって目の前にあると、これもまた感慨深いものがあります。
ついさっきまで何度も往復していたはずの舞台袖の通路もなんだか厳かに見えてきます。


緊張感が次第に増す会場内にはまず学校のチャイム音と共に 小山百代 さん吉本ほのか さん による注意事項の楽しいアナウンスが流れ、少し空気が緩みます。

しばらくすると照明が暗転し、その暗闇の中にこの舞台の主題歌 「世界の始まりはいつも君と」 の前奏が流れ始めます。
1時間45分の アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO の世界が始まります。


本公演は終了しましたが、この アリスインデッドリースクール は世界観を維持しつつの再演、もしくは オルタナティブ としての演出が変わっての再制作が考えられるものです。

今回の ・・・ SAPPORO の舞台こそ終了しましたが、ここに具体的内容を書き添えることは、次に デッドリースクールの世界が再び描かれる際、その観劇を楽しみにされる方に対してのネタバレになってしまう可能性があります。

その為、レポートといえどもこちらで劇中の具体的内容やストーリーについては書くことは控えさせていただきます。




ほんの少しだけ断片的に書くとすれば・・・、

劇中の比較的前半、暗転から舞台が明るくなるとキャスト全員が横一列に並んで、そこから主題歌を歌うというシーンがあります。
まだ物語の核となる場面への導入部分でのこのシーンですが、私の涙は既にこの時点で流れ始めていました。

私自身、様々な事情からこの舞台、この公演に関し、本当に強く思い入れを持ち、そしてここまで自分なりの情熱の傾け方をしてきました。

チケット販売イベントや稽古を実際にすぐ近くで見せていただき、彼女達の頑張る姿や一生懸命な姿も、そのほんの一片ではあったにしても見てきました。

そんな中で、この風組の舞台に出演する19人全員がそれぞれがそれぞれのキャラクターに合せたポーズや表情をして横一列に並んでいる光景、そしてそこに流れる主題歌。
そこから歌が始まり、ダンス、フォーメーションに入る彼女達。

物語そのものとはまた別の意味での感動が押し寄せ、もうこの時点で涙を抑えることはできませんでした。


またこのシーンでは、キャストのみなさんの写真と共に、劇中の役名ではなく、それぞれの役者さんの名前が舞台後方のスクリーンに順に大写しになる演出がありましたが、私自身これも大好きな演出の1つです。

舞台の上に立って実際に物語が始まってしまえば、舞台の上にいる人は劇中に登場するそれぞれのキャラクターです。
ですが、そんな劇中でそれぞれの役者さんの名前がスクリーンに出てくる演出は、この物語を紡ぐ役者さん1人1人をリスペクトし、そして彼女達がいるからこそのこの舞台だという表現というか、想いというか、そういうものが伝わってくるようでもありました。

その映像による演出は、とにかくそのかっこ良さも印象に残りましたが、私自身はこの日に至るまでに様々な情報に触れ、更に実際に本番前にも彼女達に会っていたこともあって1人1人に対する思い入れも強くなっていたこともあり、結果的にこれが感動へと直結しました。


あとでご本人から直接伺って知ったことなのですが、このシーンで泣けるという方がもう1人いらっしゃいました。
その方は今回の舞台の歌唱指導をされた 木幡周子 さん です。

ご自身で指導された歌唱のシーンということもあり、また指導の際にもそうですし、様々な場面で彼女達が頑張っているところもご覧になっていたことでしょう。
そんなことから思い入れも強くなっていかれたのだと思います。

この気持ち、わかっていただける方がいらして素直に嬉しかったです。




本公演中、納谷さんのツイッターにこんなツイートがありました。

稽古での成長率
本番での成長率
圧倒的に違う    と。


劇中、私が稽古を見せていただいた時に演出として加えられた部分や指導されていたものがしっかりと活かされているところもあれば、細かい変更がされた部分もありました。

また、稽古場のサイズよりも大きな舞台に実際に立ったことによって動きや立ち位置のバランスも当然違って見えましたし、それよりも何よりも、彼女達自身の明らかな変化、そして大きな成長を感じました。

私が稽古を見てから1週間弱というタイミングでしたが、この1週間という時間は彼女達にとっては 「たった1週間」 なのではなく、気持ちでは短く感じたとしても、その役柄を育てる、自分達を育てるという意味ではそれなりに長い時間だったのではないかと思います。
この時間が彼女達を間違いなく大きく成長させ、そしてこの舞台を更に素晴らしいものにしていたのだと、私自身も自らの目や耳、そして心をもって実感することができました。



1時間45分の間、涙が乾いたと思ったらすぐにまた感動の涙が流れ、更にその涙の乾かないうちに次の涙が押し寄せました。

これだけの時間にこんなにもたくさんの涙を流したことなんてこれまでの人生の中でそんなにあっただろうか。
そう思えるほど本当にたくさんの涙が流れた1時間45分でした。


最後にはキャストのみなさんに対し、お客様から大きなカーテンコール。
そして更にダブルカーテンコール。

彼女達の熱演に対し、惜しみない拍手が長く長く続きました。



私自身、ここまで色々なことを経験しながら、ようやく本番の舞台を観ることができました。

ストーリーなんて知っていたはずなのに、事前に通し稽古も観ていたはずなのに、それでもやっぱりたくさん泣けました。
我慢しようなんて全く思ってはいませんでした。
でも、あれはきっと我慢しようと思っていたとしても我慢なんてできなかったんだとも思います。

舞台の上でそれぞれの役を演じる彼女達はみんなが輝いていました。
彼女達の一生懸命な演技、そして心を込めた台詞や動きの1つ1つがキャラクターに魂を宿らせ、そしてその想いが客席へと届いてきました。



あと、少し余談ですが実際に現場で観劇された方はお気づきになったでしょうか。
食料を調達して屋上に戻ってくるあのシーン。

あの食料の入った箱、あれは私が持っていった士幌の生産者還元用のポテトチップスの箱です。

先日稽古場にお邪魔した際に持っていった分ですが、その日の稽古で食料を入れるものがビニール袋から箱へと変更されることとなり、それに採用されたのがその場にちょうどあったこの箱でした。

舞台監督がその提案をしてくださった時には本当に嬉しかったですし、実際に本番の舞台であの箱が出てきた時は更に歓びが大きくなりました。
あまりに嬉しくて、舞台後に何人かのファンの方に、「箱見た?箱見た?」 と聞きに行ってしまう自分がました。

 (あとで舞台裏で写真を撮ろう撮ろうと思っていて結局忘れてしまいました ・・・)



終演後は 交流会 が始まります。

舞台上にテーブルが数台設置され、そこにキャストのみなさんが並び、そこにお客様が並ぶというシステムです。

ステージ下には 参加券 を受け取るスタッフが待っており、そのスタッフに券を渡すことで舞台の上がることができます。

時間にして約30分。
サインをもらい、会話を楽しみ、握手もできるという 交流会 は大盛況。

券をたくさん持って何度も何度も参加されている方もいれば、1枚を大切なものを持つように握りしめ、交流後も席について他の方が参加している様子を見守っている方もいました。


私自身も物販で台本やパンフレット、Tシャツなどを購入して参加させていただきました。

これまでにもアイドルイベントなどに行く度にこのような 交流会 には参加させていただいていますが、今回のものはちょっと時間も長めで、参加されるみなさんにとってもかなりお得感があったのではないでしょうか。

   

私もこの時の交流会では、吉本ほのか さん小山百代 さん塚本奈緒美 さん小西麻里菜 さん のところに行かせていただきました。

中でも 小山百代 さん にはこんな事を聞かれました。
「稽古の時とくらべてどうでしたか? 結構違いましたよね?」 と。

実際、私が観た稽古の時の内容と、この時に見た公演とでは、細かな部分であちらこちらに変更がなされていました。
具体的にどの部分がということを書くことはしませんが、そういう部分も観ている私からすると、この違いというものはとても楽しめる部分でもありました。

実際に物販で販売していた 台本 の中を見られた方はわかると思いますが、決定稿 とされているはずの台本の中身と、今回の公演の中身とでは色々と表現の違っているところや台詞が変更されているところがあちらこちらにあります。

そういう部分を見ても、たとえ同じ脚本、同じ台本がベースとなっていたとしても 演出 をする人の解釈やお芝居の作り方次第で、この舞台の上で描かれるものは大きく変わっていくということを知ることができました。
描かれるものが変わっていけば、当然観る側が受ける印象や感じ方も変わっていくのだと思います。


この舞台に先立って4月29日にノルベサで行なわれたチケット販売イベントの際には、どの程度の時間でいわゆる 剥がし を行なって進行するかという話し合いをした結果、「だいたいで」 という結論に達し、不測の事態や問題が発生しない限りは 「だいたい」 の時間で進めることになっていました。

それに対して今回の交流会も 「だいたい」 の時間で進行したため、結果として1人1人の時間が長めになりました。


これに対し、交流会後には舞台裏で、「本当はどのように進行すればよかったのか」 というアドバイスを仰がれたため、私が感じたいくつかの問題点を出させていただきました。

その1つは、サイン用のマジックがなぜか乾きの悪いものが使われていたことです。
パンフレットにサインをもらう場合は、1つだけもらうのであれば乾くまでそのページを開いておけば問題ないとも思いますが、複数のページにサインをもらうためには乾いていないと色々と問題があります。

また、このマジックはキャップ部があまり丈夫でないものが使われていたため、途中で複数のマジックの繋ぎ目が外れてしまい、結果としてインクが大量に漏れ出すという事態が発生してしまいました。
お客様の持ち物を汚してしまう可能性もあり、これは大きな問題です。


それでも全体としてはそれぞれが楽しめる時間が流れました。
やはり、直前まで見ていたお芝居に出ていた役者さんと直接触れ合えるというのは、私自身もそうですし、ファンの方にとっては本当に嬉しいことだと思います。

普段、役者として活動しているキャストの方にとってはあまり経験をしたことのないような慣れないものだったようですが、そこに溢れる笑顔を見ればこの交流会は色んな人が満足をし、楽しみ、そして全てにおいて何の問題もなく進んでいたということが伝わってきました。

自分自身の演技を見た人がどう感じてくれたのか、そういうことを直後に直接聞けるというのはいい意味で刺激にもなったのではないかと思います。
実際、交流会後にはそんな本人達からも 「刺激になった」 という話が聞こえてきました。

   


この日の2回目の公演は 19:00 から。
交流会終了の時点からまだ2時間以上の間隔があります。

この間、まずは交流会後のテーブルの撤収や、次のために座席に改めてフライヤーを置くなど、また少しだけお手伝いもさせていただきながら、スタッフさんと交流をさせていただいたり、会場内のあちらこちらを邪魔にならないようにウロウロとしていました。

普通であれば絶対に見ることのできない舞台裏。
入ることのできない場所。
ついさっきまで使われていた小道具や衣装。

私にとっては見るもの全てが新しく、そして何から何までが貴重な体験です。

役者さん側でもなく、当然制作スタッフでもない私ですが、このように会場内を自由に行動し、そして色々な体験をし、取材に、交流にと様々なことができるのは全てこれまでにいただいたたくさんの 御縁 のお陰です。

本当にありがたい限りです。

       

こんな貴重な体験をしている時間というのは、実際に経過している時間よりもずっと短く感じるものです。
気付けば開演まで1時間を切っていました。


この頃には既に会場の外にパラパラとお客様が集まり始めていました。

私はそんなみなさんとまた色々とお話をさせていただいたりしながらも、一旦会場内へと移動。
中ではキャストのみなさんが集まり始め、そして 納谷 さん からのお話が始まります。

まずはこの日の1本目の 風組 の舞台に対し、大まかな部分から細かな部分まで、様々な指摘が入ります。

具体的にどのようなということについてはここでの記述は避けますが、その一言一言には 納谷 さん のこの舞台、このお芝居に対する情熱が感じられ、そしてキャストのみなさん1人1人に対する愛情が感じられました。

どんなに厳しいことを言ったとしても、ダメなものはダメとはっきり言ったとしても、彼女達は真剣な眼差しでその方向を見つめ、そして頷いています。
そこには間違いなく彼女達の情熱があり、納谷 さん を信じてここまでついてきたからこその感情があったのだと思います。


また、この時点でも、「〇〇〇の部分、台詞をこうしてみよう」 「〇〇〇はもう少し〇〇〇〇になるように」 というような演出が入りました。

このような風景は、稽古を見学させていただいた際にも見ることができましたが、稽古の時とこの時とでは明らかに状況が違います。

稽古の段階であれば何日か先の本番に向けての練習、仕上げの一環としてとらえること、変更することができるものだと思います。
ですが、本公演自体が始まりすでに4日目を迎えていたこの段階でなお変更がされているということには正直驚きました。

しかし、この変更や演出に関しても一連の話を伺い、そしてそんな様子を見ているとその全てに納得がいきました。


後になって、今回の公演を観た方の感想をSNSなどでたくさん見ていると、その中には、「観た全ての回で少しずつ違う作りになっていた」 「あれはあえてそうしていたのではないか」 という趣旨のものをいくつか見かけました。

でもそれは あえてそうした ものでは無いと私は思っています。

少しずつ変わっていったものは、上演回数を重ねるごとに複数回を見ている人でも楽しめるように変更されたものなどではなく、演出をしていく中で 「〇〇はもう少しこういう台詞で伝えた方がわかりやすい」 とか 「こういう風に動いた方が良い」 というように、次の舞台を直前のそれよりも少しでも良くしたいという気持ちからであり、あくまでも最初から狙ったものではなく結果として変更されていったものなのだと思います。

実際、目の前で 演出 がされていく場面を何度となく見ていて、そんな想いが強くなりました。

とにかく、この時にも 演出 が加えられ、結果として直前のものとは違う箇所が生まれていきました。

   

18:30 開場、19:00 開演。
この回は 光組 の出番です。

前回最前列で見せていただいた私は、今回は舞台全体を見えるようにと、後方の席をいただきました。

昼の 風組 の公演を観た時に感じたことの1つとして、舞台上で誰かが喋っていてその場所を中心に話が進んでいても、舞台の上ではそれ以外の場所でもお芝居が行なわれているということ。

その瞬間話の中心にいない人も、表情が変化し、動き、そしてお芝居は続いているのです。
しかしこれはすぐ近くで観るよりも、少し離れて観た方が分かりやすい部分でもあり、全景を俯瞰できる場所から観ることによってわかる様々なものがあると思います。
ということで、今回は客席後方からの観劇です。

   

今回の舞台は、シングルキャスト、ダブルキャスト以外に、変則シングルキャスト という挑戦が取り入れられています。

風組公演では映画研究会の会長 界原依鳴 を演じていた 両羽桃夏 さん が、光組ではソフトボール部 緑浜塔蘭 を演じます。
そして逆に 緑浜塔蘭 を演じていた 亀代詩穂 さん が、光組では 界原依鳴 をと、配役が入れ替わります。

また、風組 で叩き上げ自衛官 柏村香 役の 岩杉夏 さん は、こちらではエリート自衛官の 竹内珠子
竹内珠子 を演じていた 井澤佳の実 さん が、今度は 柏村香 をと、この2人も配役が入れ変わります。

この2組4人がそれぞれの役をどう演じ分けるのか。
ここも大きな注目点です。

単純に1つの作品で2つの役を演じるということは、1つの役を演じるということよりも覚える量も多ければ苦労も多いと思います。
その演じ分けは当然大変でしょう。

井澤 さん岩杉 さん はどちらも自衛官の役ということで、その役に違いを出すということは本当に大変だったのではないかと思いますし、両羽 さん亀代 さん は全く違うキャラクターの2役ということでまた違った苦労もあったと思います。


そんな中でのこの 光組 公演。

吉本ほのか さん 演じる 百村信子 と、小山百代 さん 演じる 墨尾優ノ☆ビューン の漫才や細かいボケには毎回変化のある様々な工夫が見られます。
また、他にも細かいところで気の利いたアドリブの台詞が入っていたり、動きが違っていたりと、それぞれが自ら考えて演じていた部分が随所に見受けられました。


ここでは私自身、内容をしっかりとわかっている上で、更に配役こそ多少違えど同じ台本で作られたものをついさっき観たばかりなわけですが、それでもやはり泣けるところ、涙を抑えられないところは何度もありました。

クライマックスに近い部分にある、塚本奈緒美 さん 演じる 青池和磨 と、横山奈央 さん 演じる 村崎静香 の2人のシーンは、お互いの気持ちのこもった素晴らしいお芝居になっており、その度に涙無しで見ることはできませんでした。

和磨の大きな決断、そしてそれに対する静香の決断。
そこにあるストーリー自体も泣けるものですが、やはり2人の熱演があったからこそ本当に心から泣けました。



塚本 さん は、この場面に限らず、どの瞬間を捉えても、どの台詞や動きを思い出しても本当に流石だなと思えるところばかりでした。

台詞を話している時のその言葉にももちろん注目ではありますが、私としてはその声にも常に気持ちが傾きました。
私自身、以前に声に関するお仕事をさせていただいていたということもあるのかもしれませんが、どうしても人の声というのが気になります。
そんな中で聴く 塚本 さん の声は私の耳や心に特に心地良く入ってきます。

普段お話をさせていただく時の声とは違う声が舞台の上では出ています。
それは間違いなく、本人が色々なことを考えた上で、そしてこれまでの経験や様々なものを経た結果に辿り着いた場所であり、声なんだと思います。
そういう意味ではこれも本当にプロフェッショナルを感じる部分でもありましたし、役者さんとしての魅力を大きく感じる部分でもありました。

休憩時間等に他のキャストさんとリラックスしている中で、「スマホで出来たのにぃ〜」 と、塚本 さん が出演中の某社のCMの台詞をみんなに真似されたり、自分で言ったりと、楽しそうにしているところに何度となく遭遇しました。
当然その声は今回の舞台の上での声とは全く違うものですが、「スマホで ・・・」 もそれはそれでとても可愛らしく、とても耳に残ります。

また、声ばかりではなく、台詞の無いところでも動き1つにしても本当に気が使われていて、そういう部分でも素直にすごいなぁと感じることのできる箇所があちらこちらにありました。
個人的には、舞台中央で展開している場面を 和磨 が少し横から見ながら号泣するシーンがあるのですが、その号泣に至るまでの一連の流れ、そしてそれに対する動きや表現はとても心に残ったシーンのひとつです。

とても目力も強く、その目を見ているだけでも気持ちや表現したいものが伝わってくるようです。
ビジュアル的な部分ばかりではなく、様々な部分でこれからも注目していきたい、そんな女優さんです。



一方、横山 さん に関しては、本当に様々な感情が私自身の中で入り混じり、その感動を抑えることができませんでした。

私が 横山 さん のことを知ったのはもうすでに2年ほど前。
現在も所属している サッポロSnow♡Loveits のメンバーとして、一緒にお仕事をさせていただいたのが最初でした。

士幌で開催した夏祭りのイベントにゲストとして出演していただき、以来何度となくお会いする場面やイベントがあり、そして現在に至ります。

今回、本人にも直接少し伝えたのですが、最初の頃は5人グループの一員としてなかなか積極的に前に出られないイメージが強く、あの子はもう少し積極的になれればいいのになと、遠巻きに見ていていつも思っていた時期がありました。

その後、グループのメンバーの卒業や移籍、新加入による入れ替えが何度かあり、そのたびに責任ある立場になっていく過程で確実に変わっていく 横山 さん の姿も見ることができました。
最初は消極的なイメージだった子が、少しずつ積極的に変わっていき、そして自らの言葉での表現ができるようになっていきました。
次第にどんどん前にも出られるようになり、そしてしっかりと責任を持って何かに取り組む姿を見ることができるようにもなりました。

そんな中で巡って来た今回のチャンス。
稽古を見学させていただいた時に見た 横山 さん の姿に、私の心は猛烈に刺激され、そして揺さぶられました。

思い切りのいい演技を、彼女なりのオリジナリティを持ちながらやっている姿は、大きな驚きや喜びを越え、全然泣くような場面でもないのに自分自身のそんな感情を抑えることができませんでした。

そしてそんな 横山 さん のお芝居は本番の舞台の上では更に輝きを増していました。

キャリアの長い、そして本物と言われるような役者さんからすればまだまだ至らない、足りない部分もあるのかもしれません。
ですが、この初の舞台で彼女は本当にキラキラと輝いていました。

今回のこのチャンスは間違いなく 横山奈央 という1人の女性を一皮剥けさせ、そして成長をさせることのできたものになった、そんな舞台だったのだと思います。

本当に心から楽しそうにやっている姿も印象的でした。
今はアイドルとして活動している彼女ですが、1つのきっかけが将来の夢を大きく変えていくこともあるのではないかと、自分の涙の向こうに見える 横山 さん の姿を見ながら、私はそう感じていました。



小西麻里菜 さん 演じる 紅島弓矢 には何度感動させられ、そして泣かされたことか。

誰が見ても強くて、そして怖いものなんてなさそうに見える 紅島 も、実はその見た目とは裏腹に今起きているこの状況を怖いと思っているところもあれば、仲間を想う優しさをしっかりと持っている。
そんな部分が本当によく演じられているということを感じていました。

紅島 は大きな声を張り上げるシーンが何度もありますが、どこをとっても 小西 さん の演技力がこれを更に迫力のあるものにし、そして多くの人の涙を誘ったと思います。

坪井有里沙 さん 演じる 高森朝代 とのラストシーンは誰もが泣けるようなそんな名シーンでもあり、私自身もこの熱演に引っ張られるように大量の涙を持っていかれました。

また、小西 さん は、歌のシーンでも人一倍声が響き、手足が長くて動きも大きいからこそより迫力を感じられました。
今回のようなお芝居に限らず、例えばミュージカルとかそのような方向でもきっと活躍できるんだろうなと感じる、そんな女優さんです。

一方で、紅島 ではない時の舞台から一歩降りた 小西 さん は、いつも笑顔が溢れ、周りにも本当に目が届く、気遣いのできる女性だと感じました。
私に対しても声をかけに来てくれる姿はとても嬉しかったです。

今回の舞台を観た方の中には 小西 さん はいわゆる ヤンキー なのではないかと思った方もいらしたのではないでしょうか
ですが、それこそが彼女の名演技であり、それは決してただ髪が金色だったからとか、そういうものだけに由来しているものではないと思います。
そういう意味でも本当に素晴らしい女優さんです。


そんな彼女はマイクを持って挨拶をしようとすると途端に上がり症が表に出てきたかのように上手く話せなくなる一面があります。

ノルベサでのイベントの時には自己紹介で 「紅島弓矢役の紅島弓矢です」 と言っていましたね。
アレはアレで場の空気を思いっきり柔らかくしてくれて、面白かったし楽しかったです。

とにかく、多面性を持った魅力的な女性です。



高森朝代 を演じる 坪井有里沙 さん は今回のキャストの中で唯一東京から呼ばれた役者さんです。
慣れない環境や場所で苦労したことも多かったのではないかと思います。

高森 は中盤以降は感情を表に出すシーンが多く、それを演じられる女優さんだからこそ 坪井 さん がわざわざ呼ばれたのだということを、この舞台を観ることによって実感することができました。

歌とかダンスとか、これまでの経験の中であまり取り組む機会のなかったものへの挑戦もあったのではないかと思いますが、そんな中でも一生懸命に取り組んでいる姿がそこにはありました。

納谷 さん の話す一言一言をしっかりと聞き、そしてそれを自分のものにしようとしている姿もとても印象的であり、そんなところにもとても好感を持てました。



堂本千十合 を演じる 市山黎 さん からは交流会の時、あるシーンについて1部と2部とを比べてどうだったかという質問をされました。

このシーン、私は1部と2部とである違いがあり台詞に抜けがあったことにちょうど気付くことが出来ていたため、それについて思っていたことを素直に伝えました。
するとその部分は 市山 さん 自身も同じことを思っていた様子で反省を口にしていましたが、公演最終盤になってもこうやって反省と向上心を忘れないその姿はとても素敵だと感じました。

またこことは別のシーンでは、緊縛の場面の中で実際に涙を流しながらお芝居を続けている姿も見ることができました。

本番以外の時間ではいつもみんなに笑いを提供する、周りからは芸人枠とも言われていたムードメーカーの 市山 さん でしたが、そんな一面を垣間見られたことは、彼女の魅力をまた1つ見つけられたような、そんな嬉しい気持ちにもなりました。

今回は役柄もあってか、淡々とした話し方、そしてそんな演技の進め方が多かったですが、私個人としてはあの独特な演技、好きです。
パンを片手に公演ごとに微妙に違った面白い表情をしながらプルプルと手を震わせているあの姿も忘れられません。

この子、学校や普段からも絶対人気者なんだろうなと思える様子が、その行動のあちらこちらに伺えました。



ちーしゃみん さん が演じる 辻井水貴 は舞台の上でも存在感の大きいキャラクターの1人です。

孤独な部分もあり、優しさを持った部分もある。
攻撃的な面もあれば、誰かに何かをきつく言われた時には強くいられないという面も持っている。

人間らしいといえば人間らしいキャラクターではあるものの、それぞれの演じ分けが必要であり、お芝居の中でそれを表現して伝えるというのは難易度の高いものだったのではないかと思います。

そんな役を演じるにあたり、本番前にストイックに見えるほど1人で集中し、舞台上で何度も台詞の言い回しなどを練習している姿を目撃しました。

私との会話の中で ちーしゃみん さん は、「みんなやってることです」 と照れながら答えてくれましたが、彼女の努力はぜひ色んな人に見てもらいたいし、伝わって欲しいなと思えるものでした。

普段は笑顔が絶えず、とても元気で周りにみんなが集まってくるようなキャラクターの彼女ですが、集中しなければならない時、何かを聞かなければならない時、そして聞きたいことがある時には真剣な眼差しに変わり、身を乗り出すように心を傾けて話を聞く姿は、彼女の笑顔以外の素顔を見られたような気がしました。


今回、関係者の方に話を伺ったところによると、彼女に対する評価が分かれていることがわかりました。

それは、「良い」「悪い」という分かれではなく、Aさんは 「彼女は〇〇〇な部分が素晴らしい」 と言い、Bさんは 「彼女の〇〇〇な部分は他の人も見習うべき要素だ」 と言います。
その 「〇〇〇」 が聞く人によって全く違うものなのです。

私自身、彼女と話をする中で、 「この子は本当に色んなことを考えながら物事に取り組んでいる子だ」 という印象を受けました。

周囲の人に色々な部分を評価されている ちーしゃみん さん
彼女の努力次第で、これからもっと注目される存在になれる気がします。




昼の 風組 の公演では、スタート早々に 長南舞 さん 演じる 橙沼霧子 が勢い余って舞台からはみ出したりもしましたが、アドリブで台詞を一言加えることで何ら全く影響なくお芝居が続きました。

夜の 光組 の公演では、ちーしゃみん さん 演じる 辻井水貴 が長台詞の終盤で突然言葉に詰まり、一瞬場の空気が止まったかのように舞台上でも全員の動きがストップするという自体が発生しましたが、ここは 吉本ほのか さん 演じる 百村信子 の咄嗟の素晴らしいフォローでその場のピンチを回避しました。

他にも台詞が被ってしまったことによって流れが少し変わってしまったり、小さな動きのミスによって他の部分で無理が出て来てしまったりするなど、そういうものを1つ1つを挙げていけばきっとキリがないのかも知れません。

ですが、それは単にミスというよりも、総じて舞台そのものの魅力になっていくことも多く、観ている側からすると生の舞台ならではの楽しみであったりもします。

例えば、収録のドラマではそのセットから役者さんがはみ出してしまうなんていうシーンがカットされずに放送されるわけがありませんし、そうなれば結果としてそれをアドリブでカパーする姿も見られるわけがありません。
でもそんなハプニングがあるかもしれないというのは、それも含めて生の舞台の魅力です。

ミスに近いことを魅力と単純に捉えてしまうのはプロフェッショナルの目線から見るとまた違うのかもしれませんが、ド素人の私からすればそういうものはある程度のものであればその時のオリジナリティを高める要素にもなり、そして魅力へと繋がっていくものだとも思います。


ただし、1つの台詞が飛んでしまったり、聞こえなかったりすることによって、その台詞から始まるはずだったストーリーが曖昧になってしまったり、その先の展開がぼやけてしまうようなことになると、それは結果として確実にミスと言われるものになるのだとも思います。

稽古を見学させていただいた時、納谷 さん が話していた言葉を思い出しました。
「俺は台本を見てここは何を喋っている台詞なのか、次の台詞が何かということが分かっているからこそ聞き取れるけれど、演じる側は常にそうじゃない人がしっかりと聞き取れるように話さないとダメだ」 と。

これは稽古の時にあるシーンで具体的に個人に対して指摘されたものでしたが、この注意というのは決してそのシーンのその台詞だけに言えるものではなく、誰もに言えることであり、他の全てのシーンに対しても言えることだと思います。
また当然この舞台に限ったことでもないと思います。

本当に大切なのは言われた側、そして周りの人がそれをしっかりと受け止め、そして次へと繋げることだと思います。
もしそれがしっかりとできたとしたら、もしくはすぐにはできなくてもそれを自分の心にしっかりと置くことができたのなら、それは言われた側にとっての将来への金言になるものなんだと感じました。

どこからがミスで、どこからどこまでは舞台の味であり魅力だということは、一本の線を引くことによって区別をすることも分別することもできません。
ですが、基本があるからこそそこにアドリブがあり、その基本の上にこそ余裕や次のステップがあるということを実感する出来事でもありました。




夜の 光組 の公演は後方席から見たことによって、今回は舞台上で繰り広げられる様々なシーンの全体像がよく見えました。

前方で観れば、役者さんの汗や本当に細かい表現までもが手に取るように見えると思います。
一方で後方で観れば、舞台全体で同時進行的に進むお芝居を俯瞰して観られたりもします。
どちらの見方も楽しく、そして魅力的です。

今回の複数回にわたる観劇を経て、お芝居、演劇の楽しさに気づいてしまった私ですが、このように自分自身の座る場所、観る場所を変えることによっても違う楽しみ方ができるということにも気づいてしまいました。
単純に同じものを複数回見比べ、そして味わうという楽しみ方にも。

楽しみが増えるということは人生そのものが豊かになることにも直結すると思います。
そういう意味でもありがたい、そして嬉しい出来事です。




終演後には再び 交流会 です。

この時、ファンの方にある流れがあるという事実にたくさんの人が気付いていたようですし、実際にスタッフさん側、キャストさん側でも後になって話題になっていたことがあります。

それは、来場されたアイドルファンの方が、自分の推しているキャストだけではなく、他の女優さんの方にも流れて行っているということです。
そしてこの流れは回数を重ねるごとに顕著になっていったようです。

アイドルファンのほとんどの方は、語弊や誤解を恐れずに言うとすれば、きっと最初は自分の推しているアイドルが出る舞台だから、その子を見たさに会いたさに観劇を決め、そして来場されたのだと思います。

ですが、実際に目の前で繰り広げられるお芝居を見たことで、他のキャストの方やお芝居自体の魅力に気づき、そして目覚めていったのではないかと感じました。

実際私自身も、今回のことでたくさんの魅力ある方に出会うことができましたし、気づくことができました。
当然お芝居自体の楽しさも体験することができました。

交流会ではこんな流れからアイドルの方ばかりに限らず女優の方の前にも列ができ、そしてサインをもらったり握手をしたことによる喜びを、私にも伝えてくださる方が何人もいました。

   

その他にも会場にはもちろん 「お芝居を見に来た」 という方、そういうものが目的だという方もいらしたはずですし、そういう方のお話も伺うことができました。

ここではそんな方に伺った話を少し紹介させていただきます。

その方はアイドルがファンの人と交流している場面を初めて目の前で見たそうです。
最初は遠巻きに見ているだけだったけれど、楽しそうにしているファンの姿、そしてアイドルの笑顔を見て、ちょっと心が揺らいだそうです。

更にしばらく見ているとアイドルの前に並んでいたはずのそのファンが今度はある女優さんの前に行き、同じように交流をしているのを見たそうです。
最初は 「このファンは節操がない」 と思ったそうなのですが、一方で本当に嬉しそうに楽しそうにしている女優さんの笑顔を見た時、「ちょっと自分も行ってみようかな」 という思いが沸き起こり、取り急ぎ物販で 参加券 を手に入れて、実際に交流に参加したそうです。

結果、ものすごく楽しかったそうです。
アイドルファンを見て、最初は 「節操がない」 と思っていたのは自分の間違いであり、あのアイドルのファンは自分が好きなタレントだけではなく他の役者やお芝居自体を好きになってくれたんだと思ったら、もともとお芝居が好きな自分としてはものすごく嬉しい出来事だったと。

そんな話を私に教えてくださいました。

こんな話を伺うことができ、そしてこんな事実があったということを知り、私自身も改めての感動をもらうことができました。

   

アイドル、そして女優さんが入り混じって1つのものを作り上げるこの アリスインプロジェクト の世界にはこんな結果をも生み出す力や雰囲気、そしてそんなチャンスや機会があります。
この流れや力はアイドルの側から見ても、女優さんの側から見ても本当に素晴らしいことだと思いますし、演劇の世界にも新しいファンを生み出す大きな力になると思います。

逆に、今回来場された演劇のファンの方、女優さんのファンの方が、これをきっかけにいつかアイドルのイベントに行っていただけるかもしれません。
どこかでアイドルとして頑張っている彼女達の姿を見かけた時、ちょっと気に留めていただけるかもしれません。

異種のものがコラボレーションするということには新しいものを生み出すチャンスがあると思いますし、時として予想以上の結果を招くこともある。
今回はそんなものが形として出てきた例になったのだと思います。


ジャガイモンプロジェクト のこれまでの活動の中にも実際同じような現象が生まれたことが何度となくありました。

ジャガイモン がアイドルと様々なお仕事をしたり、交流をするようになってからもうしばらく時が経ちましたが、当初の頃からこの 「アイドル と ご当地キャラクター が交流している」 という組み合わせ、そしてその手法が珍しかったようで、一部から大変な注目をいただきました。

その交流もSNSでの中にとどまらず、実際にイベントに来ていただいたり逆にこちらから訪問することもあります。
また、コラボレーションすることで一緒に何かを作ったり、お互いがお互いの宣伝告知をし合ったりするなど、実に色々な方法を取り、機会を作ってきました。

これによりアイドルファンの方がこちらのファンになっていただいたということも数多くあり、アイドルファンの方と直接交流をさせていただく場面も多くなりました。

一方で、こちらのファンだったという方が交流させていただいている先のアイドルのファンになったり、実際にイベントに行ってくださったりという機会も増え、そんな方がそのようなイベントでアイドルの方に対して、「ジャガイモンに聞いてきた」 「ジャガイモンと友達だ」 と言っていだける事も少なくないようです。

こうなってくるとこれはもうこちら側にとっても、アイドルの側にとっても、そしてファンの方の側にとっても誰から見てもプラスの出来事であり、誰も損せずに誰もが得をしているという状態が出来上がっていることになります。

ある程度になると自然と相乗効果も生まれてくるもので、ジャガイモンのファンになってくださった方が士幌を知ってくださり、実際に遠方から訪問してくださる方もいます。

ジャガイモンのことを直接知らないアイドルの方に対しても、直接間接的にその存在が知れ広がり、結果としてこちらがまだ存じ上げないアイドルの方がいつのまにかジャガイモンを知っていてくださるようになったりということもあります。
そうなれば自然とそのファンの方にも情報は広がっていくものです。


過去にはあるアイドルのファンの一般の子がジャガイモンファンになってくれ、時を経てその子自身がアイドルになってしまった。
そして自らがアイドルになってからも引き続いてジャガイモンを好きでいてくれている、という事例もあります。

一度広がり始めた素敵な輪は、その輪を放り出さないでいればこそ、良い意味で自分の予想した以上に、そして予想のつかない方向に広がるということを、ジャガイモンプロジェクト では身をもって体験しています。


今回の舞台に関しても、そこには「お芝居・アイドル・女優・交流」 というようなコラボレーションが実現しています。
これは今後の流れ次第では誰もの予想を大きく超え、広く拡大していく可能性を秘めていると思います。

物事の広がりは時として誰もが予想しているよりもずっと大きくなることもあり、また化学反応を起こしたかのよう予想のつかない方向へと広がっていくこともあると思います。




交流会終了後、お客様が退出されてから、キャストのみなさんが集まり、この日最後に 納谷 さん から総評がありました。

この内容についても具体的に触れることは避けますが、みなさんの顔には千秋楽前日の公演を終えた安堵の表情と、明日に向けた緊張感とが入り混じっているように見えました。

翌8日の千秋楽は開演時間が2時間早く進んでいくため、集合時間からなにから全てがこの日よりも2時間繰り上げとなります。
ひとまずは早く帰ってもらって少しでも休んでもらう、そして千秋楽への英気を養ってもらうのが大切です。

ここで私が出来ることは全員が退出するのを見守り、見送ること。
この一点です。




22時過ぎには私も コンカリーニョ を退出しました。

この後は アリスインプロジェクト・鈴木 さん 、エイベックス・瀧野 さん と3人でちょっと食事などを楽しみました。
思い起こせばこの3人が初めて同じ場所に会したのは2014年3月の夕張での映画祭のことです。

以来この中で様々なものが生まれ、始まり、そして続いています。
今回の舞台に関してもそれは少なからず言えることだと思います。
本当に 御縁 というものの大切さを感じますし、感謝の気持ち無くしてこのお2人には顔を向けられません。

ここからはきっとこれからもなにかが生まれていくことでしょうし、そう願いたいものです。





5月8日

公演最終日。
1ヶ月以上にわたって続いた稽古、そして本番。
共に駆け抜けてきた23人の少女達の夢舞台もこの日で終わりを迎えます。

4日の本番開幕以来すでに6公演を終え、残すところは 光組風組 共に1公演ずつのみ。

これが終わってしまえばもうこの同じメンバーで、そして同じシチュエーションで舞台に再び上がることも無くなります。
あの稽古場に集い、このお芝居の練習、稽古をすることももう二度とないはずです。

ならばあとは自分自身に後悔なく、そして今日という日に後悔の無いように前に進むのみ。

23人の少女達の集大成の夢舞台が始まります。




朝、キャストのみなさんの集合時間を前に、私も コンカリーニョ に入りました。

時間はまだ 10:00 前でしたが、本番開始を2時間後に控え、すでに現場には少なからずの緊張感が漂っています。

私は早速舞台の方へと向かい、まずはステージに一礼してからまだ誰もいない客席に座りました。

   

少しするとキャストのみなさんが何人か舞台の上に入ってきました。

舞台セットの中を所狭しと走り回っている人もいれば、動画を撮りながら大爆笑している人もいます。
そして毎回そうなのですが、直前の公演でお客様から回収された アンケート をみんなで回し読んでいる姿も見られます。

とにかく本当にリラックスした空気が流れていると同時に、みなさんの仲の良さを改めて感じます。

本番までの時間はそんなにたくさんあるわけでもありません。
しかも、12:00 からは 光組 のラスト公演です。

一部の ダブルキャスト の人達にとっては本当に最後の舞台。
また、変則シングルキャスト の人達にとっても、一方の役柄での出演はこれが最後です。

正直、私はもっと緊張感に包まれた時間が過ぎていくのかと思っていました。
ですが、そこには私の想像とは少し違った空気感がありました。

彼女達の本当に楽しそうな表情、そしてその様子は、努力や苦労、たくさんの大変なことも経験しつつも、そんな中でも仲良く楽しく過ごしてきたこの約1ヶ月の時間を物語っているようでした。



時間の経過を追うにつれて、次第にそんなみなさんもメイクを仕上げたり衣装の準備をするために少しずつ舞台裏へと下がっていきましたが、そんな中でプロフェッショナルの姿を見ることができた瞬間がありました。

この時間、最後まで舞台上に残っていたのは 岩杉夏 さん
ストレッチをしたりしながら一人、真剣な表情で何かに集中している様子で、そこには言いようのない緊張感が張りつめていました。

そんな 岩杉 さん に対し、客席に座っていた 納谷 さん が一度大きな声で話しかけたのですが、その声は彼女の集中の中に全てかき消されたようで全く反応なし。

プロの女優さんが本番前の集中する姿、美しい姿を垣間見たような出来事でした。



そんな頃、スタッフさんの間では前日と同様に開場、開演に向けてしっかりと確認や準備が進んでいきます。

私も前日同様に少しお手伝いをしながらの貴重な経験を重ねさせていただきます。

1つの舞台、1つの演劇をお客様に見ていただくにあたり、実際に開場前にはこのような準備が進んでいる、そして毎度毎度こんなに細かく様々な確認が進められている。
そんなことをほんの一部ではあったにしても垣間見ることのできた今、私の中でこの演劇という世界に対しての興味は増すばかりです。

それぞれのスタッフの方に対しての尊敬の念、そしてそんな場所に存在させていただけることへの感謝の念で頭の中がいっぱいでした。



開場1時間前。
外には既に前日を上回るペースでたくさんの方が集まってきています。

この日は風がとても強く、会場の外に並ぶ花輪もまともに立っていられないような状況。
当然外で待っている人もそれだけ大変なはずではありますが、早い時間からこれからの時間に対する期待感からか、どの人を見ても笑顔笑顔。

   

また、物販 ではTシャツがサイズによっては完売となっているものもあったようですし、写真セットも一部で完売間近になっていたものもあったようです。

今回の物販は 公演台本公演パンフレットオリジナルTシャツキャラクター写真セットキャラクターポートレート というラインナップでした。
特に写真セットは全キャストのものが4枚1セットで数種類のセットが用意されており、種類の多さもあってかなりの大人気だったようです。

そんな中でも物販担当の方に聞いたところ、塚本奈緒美 さん のものの売れ行きが好調だったとのこと。
実際に購入した方にもお話を伺いましたが、「生徒会長がかわいい」 「和磨がかわいい」 という声があちらこちらから聞こえてきていました。

しかもそんな声を挙げていたのはアイドルファンの方々でした。

元々はアイドルを見に来たけれど、この公演を通じて新しい魅力を発見した、新しい魅力に出会ったという、素晴らしい現象がここにも起こっているようです。
彼らの中には明らかに、「札幌の演劇界にニューアイドル誕生!」 といった雰囲気を感じることができましたし、そんな話をする時の嬉しそうな表情、そして実際に購入したものを見せてくれるその姿は、普段のアイドルイベントで見かけるようなそれと全く同じでした。

   

開場前の客席の方へと戻ると、ちょうど舞台にキャスト全員が集まり、納谷 さん から演出が入っているところでした。
そして千秋楽だからということでの若干の注意事項も。

最後にはカーテンコール後のキャストからの挨拶についてもその流れについての説明がなされました。

11:30 の開場時間直前までその集中の時間が続き、そして 「よろしくお願いします」 の掛け声とともに取り急ぎそれぞれがそれぞれの場所へと散って準備完了です。



千秋楽の昼の部。
12:00 からは 光組 にとっては最後の公演が始まります。

関係者の方、メディアの方も多く詰めかけた会場は開演前の独特な緊張感に包まれています。

前日は最前列、そして後方列で観劇した私は、この日の2公演はあえて同じ席から観ることを早々に決め、席を取っていました。
2つの組のお芝居を同じ場所から観ることによってその違いを感じたかったからです。

1時間45分、光組 最後の公演が始まります。

   



全8公演中7公演目。
私が観るものとしては3回目の公演もやはり素晴らしいものでした。

そしてまた心から何度も何度も泣けるものでした。
正直なところ、泣けるというレベルを通り越し、もう何度も見ているはずなのに号泣レベルでした。


あまりに号泣する私を会場の横から見ていた某氏がからかいに来ましたが、だからと言ってそんなところを見られたところで恥ずかしくも無ければ嫌でもありません。

「動画で撮ろうかと思った」 という冗談話には笑ってしまいましたが、私自身そんなところもどんな様子も、別に誰が撮っていたとしてもそれをどこかにアップされたとしても全く構いません。
その私の様子こそが、彼女達のお芝居に対する評価であり、本当の気持ちだからです。

どちらにしても 「自分はフリー素材だからご自由にどうぞ」 と言うだけです。
何ら問題ありませんし、これは開き直りでも何でもありません。

そこには間違いなく、私自身の事よりも優先される何かがあるからです。



カーテンコールに続いては 光組 にのみ出演の ダブルキャスト の4人、堂坂有希 さん小林香織 さん櫛引あやめ さん鈴木花穂 さん から挨拶がありました。

それぞれに想いのこもった挨拶は、笑顔を誘い、そして涙を誘います。
お客様から1人1人に送られる大きな拍手や笑顔は、彼女達がここまで頑張ってきたということへの証明でもあり評価でもあると思います。


本番前、彼女達に対して 納谷 さん がこんなことを言っていました。
「ダブルキャストの人はシングルキャストの人を引っ張るくらいの気持ちで思い切り最後の舞台を頑張ってほしい」 と。

彼女達4人の姿は、私の目にはそんな言葉や気持ちに応えられているように映っていました。



光組宍戸舞 を演じた 小林香織 さん は、キーポイントでその存在感を見せてくれた気がします。
特に序盤に全員で主題歌を歌う場面では、全員がフォーメーションを組むところで客席から見て前方右手に位置していた彼女の存在感は目を引きました。

普段からアイドルとして活動していることもあり、やはりダンスはしっかりと仕上がっていて自信を持って動いているのが感じられます。
更に、その最後で動きを止めて正面を見据えるポイントではその目力が更に印象を増し、流石だなと思える迫力とかっこよさを感じさせてくれました。

一方で、舞台後に少し話をするタイミングがあったのですが、そんな時にはすごく柔和な話し方、そしてキラキラした笑顔。
そのギャップが彼女の魅力でもあると感じました。



志倉夏樹 を演じた 櫛引あやめ さんも普段はアイドル活動をしている子。
普段と違う環境、そして今までに経験したことのないようなこともたくさんあったでしょう。

見た目にもホワッとした、いかにも可愛らしいという言葉がピッタリくるような子ですが、いざお芝居が始まると決めるところではしっかりと決めてくれる、言われたことをしっかりと忠実にこなそうとして頑張っている、そんな印象を持ちました。



巣宮春菜 を演じた 堂坂有希 さん は、本当に私に大きな印象を残してくれました。

まず一番印象深いのは何と言っても、舞台本番前や合間の時間など、他の人が比較的リラックスしている時や、自分が出ない 風組 の人が中心になって練習をしている時、1人で少し離れた場所で台本に目を落として真剣に物事に取り組んでいる姿です。
そして 納谷 さん が話をしている時などに、一瞬たりとも見逃さないぞ聞き逃さないぞといった感じでその方向一点を見つめる真剣な眼差しも印象深いです。
そんな真面目な一面がとても心に残りました。

彼女の性格は役を演じる上でも 巣宮春菜 というその役にいい意味で反映されていたと思います。

仮に役者として何かまだ足りない部分があったとしても、経験不足な部分があったとしても、私がもしキャスティングを決めるような立場にある人間だとしたら、あの姿を見ればきっと次のチャンスを与えたくなる、そんな役者さんであり、1人の女性でした。



黄市恵美 を演じた 鈴木花穂 さん は、恵美 のキャラクターにピッタリとハマった役者さんでした。

泣き叫ぶようなシーンが何度もあれば、心から嬉しそうに語るシーンもあります。
この2つは演じ方がかなり相対的な部分があると思うのですが、泣き叫ぶところでは本当に気持ちが入った演技を見せてくれ、嬉しそうな場面ではこちらの心までハッピーになってしまいそうなくらいに嬉しそうに話す姿がとても心に残りました。

鈴木 さん は声に特徴があり、そんな声が心にも耳にも残ります。
このような世界ではやはり何事にも特徴があるというのは良いことだと思いますし、そんな武器があればこれからも多方面で活躍することができるのではないかとそう感じさせてくれる子でした。



終演後の 交流会 は千秋楽ということもあったのでしょうが、前日を大きく上回るファンの方が一斉に舞台に上がっていきました。

アイドルの人の前にも、役者さんの前にも、あっちにもこっちにも長い列が出来ていました。

この日もアイドルファンが役者さんの方にも流れ、役者さんのファンがアイドルの方にも流れている様子が上から見ていると本当によくわかりました。

間違いなくこの状況は彼女達1人1人にとっても、これまでの既存のファン以外に新しいファンを得ることのできるチャンスであり、お客様側からしても新しい魅力を発見開拓できるチャンスになったと思います。

役者さん側にしてみれば、普段のお仕事の直後にファンの方から直接感想を聞ける機会というものはなかなか無いのでしょうし、そういうものは刺激にもなり参考にもなるのではないかと感じます。

アイドル側にしてみても、普段自分達のことをあまり見ていただける機会のないようなお客様と出会い、更にはそんな方々から自分の演技に対する贔屓目の無い率直な評価や感想を聞けるというのは、普段アイドルとしてライブをした直後に聞くような感想とはまたかなり違ったものになっているのではないかと思います。

北海道初のガールズ演劇 は、こんなところにも波及効果や相乗効果をもたらしてくれたんだと思います。

演劇を観賞する、ガールズ演劇を観るという文化がまだまだ浅いと言える北海道ではありますが、この世界においてい良い一歩が踏み出せたというのは現場感覚で間違いのないことだと感じました。

       


大盛況の 交流会 を終え、お客様の退出した後の舞台の上では、先程出番を終えたばかりの 光組 の。
そしてキャスト全員が揃っての 集合写真 の撮影も行われました。

こういうことが行なわれるたび、この舞台の上でやること、このメンバーでやるということの1つ1つが最後になっていきます。
きっとこのメンバーが全員揃って撮影される写真だってもうこの先1枚もないでしょう。

こちらではそんなことを考えながら彼女達を見つめ、そして少し感慨深くシャッターを押していましたが、一方で彼女達には笑顔笑顔笑顔。
どの顔を見ても最高の笑顔で満ちていました。


この時点ですでに 大千秋楽 まではあと残り2時間を切っていました。
写真撮影を終えた彼女達にとっても、この公演で最後の休憩時間が始まります。

   


16:30 の開場を前に、舞台上では最後に 納谷 さん からお話があり、そしてその後に舞台上では23人全員で円陣も組まれました。
さぁ、ついに最後の幕が上がります。

最後の公演は客席の椅子をフル稼働。
これまでは一部外されて通路となっていた両端にも椅子が置かれます。

開場直前に舞台側からそんな光景をチラッと見に行きましたが、その景色は荘厳なものでした。



時計が 16:30 を告げると最後のお客様の入場が始まります。

この約1ヶ月間の頑張ってきた彼女達にとっても、周りで支え続けたスタッフのみなさんにとってもこれが最後の集大成です。
泣いても笑っても、どこかでミスをしてやり直したいと思っても、ここまでで最高のお芝居ができたとしても、間違いなくこれが最後の1回、最後の舞台です。

これまでどれだけの汗をかき、涙を流したことでしょう。
悔しい思いをしたり、腹の立ったこともあるでしょう。
途中で逃げ出したくなったり、嫌だと思ったこともあるかもしれません。
でも23人の彼女達は誰1人として欠けることなくここまで駆け抜けてきました。


私自身も改めて気合いを入れ直し、心を落ち着かせ、そして席に着いて深呼吸。

会場が暗転し、主題歌の前奏がかかった時にはすでに自然と涙が溢れ出しました。
熱い想いで心の中がいっぱいになっていました。




1時間45分後、カーテンコールに贈られる拍手は私が聞いたこれまでのどの回の拍手よりも大きく長く、そして彼女達の頑張りを称え、祝福しているようにすら感じました。

昼の 光組 の公演に続き、今回は舞台上にいる19人全員からの挨拶もありました。

笑顔が溢れる中で挨拶をする子、涙が溢れて言葉が出てこなくなってしまう子、他の人の挨拶を聞いている時点ですでに泣いている子、最後の最後まで何か面白いことを言ってくれる子 ・・・。
どんな挨拶も、どんな言葉も、どんな表情も、本当に素敵で本当にキラキラ輝いて見えました。

客席にも涙をこらえる姿、涙を拭く姿が溢れ、そして声援が飛び交います。
舞台の上と客席とが本当に1つになって、そしてこの空間と時間を楽しみ、そして同時に惜しんでいるようにすら感じました。

全員の挨拶が終わったところで最後に 納谷 さん からも挨拶があり、これで全てが大団円。
彼女達へと贈られる最後の拍手は、舞台から誰もいなくなった後もしばらく響き続けていました。




風組宍戸舞 を演じた 井村萌々花 さん は、この世界に入ってまだ1年も経っていない中、全く未経験の演技を一生懸命にやろうとしている気持ちが本番中もひしひしと伝わってきました。

与えられた台詞の一文字も間違わないように、そして正確に伝えよう表現しようとしっかり練習した姿が伺える本番での様子でした。

北海道代表にも選ばれる程の空手少女。
これからもアイドルとしてキラキラ輝いてくれると思いますし、今回の経験は彼女にとっても本当に大きなものだったのだと思います。



黄市恵美 を演じた 檜山奈南果 さん は、井村さんと同じく最年少の中学2年生。
見た目には体も小さく、本当にまだ幼く感じていましたが、いざお芝居が始まると泣き叫んでいる姿はまるで彼女自身が本当に悲しくて怖くて心の底から泣き叫んでいるように見え、楽しそうにしているところではそのワクワクした気持ちがこちらまで伝わってくるようでした。

最後の挨拶でも涙の止まらなかった 檜山 さん
あの涙はそれだけ稽古からこの日までの期間が充実し、そしてたくさんの楽しい思い出で満たされたという何よりの証拠だと思います。



志倉夏樹 を演じた 小島寧音 さん は、普段のアイドル活動やこれまでの経験が生かされた舞台になったのではないかと思っています。

台詞を話す声は、物語の流れとして大きな声で話す場所でない部分でも、しっかりとこちらまで声が届くのが印象的でもあり、本当に素晴らしいなと思いながら見ていました。
次の機会にはもっと大きな声を出すような、もっと台詞がたくさんあるような、そんな役の演技も見てみたいです。



風組巣宮春菜佐々木海月 さん
普段はあの大勢の中で控えめにしている印象でしたが、舞台の上では 巣宮春菜 のキャラクターをすごく良く表現できているなと感じました。

いつもは演技とは違ったお仕事も色々とされているようです。
これから様々な方向での活躍を期待したいです。



井澤佳の実 さん は、光組 では 柏村香風組 では 竹内珠子変則シングルキャスト

柏村 は叩き上げの年上部下、竹内 はエリートの年下上司という2つの色を同じ自衛官という枠の中で演じ分けるのは、そのポイントを見るだけでも大変だったのではないかと思います。

そんな中でも女性自衛官らしい柔らかさとかっこよさが共存したあの姿は、とても舞台経験がこれで2度目とは思えませんでした。


そして、井澤 さん とは舞台裏での思い出も強いです。

私は、全ての本番が終わるまでは彼女達に集中してもらうため、また余計な気を使わせないために必要最小限以外はあまり声をかけないようにしていました。
が、そんな中で 井澤 さん は、本番終了直後の舞台裏で私を捕まえ、「アレ?泣いてる?!」 とイジってくる上に、私が泣いていると確認すると、「泣いてる〜!!」 とみんなにそれを伝え始めました。

そういうの、正直嬉しかったですし、楽しかったですね。

次の機会にイジり返します!
今から楽しみです。



同じく 変則シングルキャスト で、光組 では 竹内珠子風組 では 柏村香 を演じたのは 岩杉夏 さん

本番前に垣間見たプロフェッショナルの姿。
そして演技そのものでも周りを引っ張る様子は、演じる役とも相まって本当にかっこよかったです。

ある関係者が言っていました。
「彼女は北海道演劇界の至宝だ」 と。

そんな評価は、演技ド素人の私から見ていても、そして何の知識も無い状況で観ていたとしても本当に納得のいくものでした。

演技のどんな瞬間を見ていても、何を伝えたいのか何を表現しているのかということがこちらにすごくわかりやすく伝わってくる。
動きもはっきりとしていて、舞台の上から何かを伝えるためにはどんなことをすべきかということが本当によくわかっている人なんだと実感しました。

来月にはすぐに イレブンナイン さん の舞台にも立つそうです。
クールビューティーな彼女の色々な演技、ぜひ今後とも見たい、見ていきたいとそう思える素敵な役者さんです。



そしてもう一組の 変則シングルキャスト

亀代詩穂 さん は、光組 では映画同好会会長 界原依鳴風組 ではソフトボール部の 緑浜塔蘭
こちらの組み合わせは、劇中でも全く違ったキャラクターであり、全く違った立場の2役を演じ分けなければなりません。

舞台を降りてもいつでも明るく、笑顔でみんなの人気者という感じの 亀代 さん は、いつもたくさんの人に囲まれて楽しそうにしている姿が印象的でした。
そんな彼女を2人のキャラクターで比べると、どちらかと言えば 緑浜塔蘭 の方に近い感じなのかなとも思っていました。

この状況で演じ分けた2つのキャラクターは、いい意味で本当に違いが出ていて、この両方を観た人の中には同一人物が演じているということに気付かなかった人もいるのではないかと思うほどでした。

彼女自身、1つの舞台で2役をやるということは初めての挑戦だったようですが、苦労や努力が多かった分、この挑戦はこれからの彼女の活動の糧になっていくのだろうと思います。

あと余談ですが、今度お会いした時には、ぜひ私も顔を入れ替えてもらおうと思います。



両羽桃夏 さん は逆に 光組 では ソフトボール部 緑浜塔蘭風組 では映画同好会 界原依鳴 を演じました。

両羽 さん は私が知っている限りでも、本当に何度も 納谷 さん から指導を受けている姿を目撃しました。

椅子の座り方、台詞の表現の方法やタイミング、舞台での位置取りや歩き方 ・・・。
様々な事を言われているところを見た記憶がありますが、でもこれは単なる注意や怒られているというものではなく、彼女ならもっとできる という 納谷 さん の期待もあったのだと思います。

その内容は私が聞いていても、彼女自身や周りで聞いている人にとって、今後の役者としての活動に対する金言に聞こえていました。


本番で観た彼女の姿は、色々な指摘や指導をしっかりと自分のものにしていて、両羽 さん の 緑浜塔蘭 、そして 両羽 さん の 界原依鳴、 それぞれが出来上がっていました。
どちらのキャラクターも彼女らしい個性がそれぞれに出ていました。

終演後の挨拶では感極まって話すことができなくなってしまった彼女。
「納谷 さん にたくさん怒られたけれど本当に感謝しています」 という一言がとても心に残りましたし、ここに至るまでの彼女の苦悩をほんの一瞬だとしても垣間見ていただけに、その姿は本当に感動的でした。


今回の様々な経験はこれからの彼女を間違いなく更に大きなものにし、そして何歩も成長させるものだと思います。



大森舞生 さん は、ソフトボール部 猪狩薫 を演じました。

この配役が元々シングルキャストの予定だったのか、それともダブルキャストも考えられたのか、それは私の知るところではありません。
ですが、この 猪狩薫 を 大森 さんシングルキャスト として与えられた理由が、舞台を観ていてすごくわかるような、そんな印象を持ちました。

この役はこの1つの作品の中ではっきりとした存在感を出すにはなかなか大変だった部分もあると思います。

それでも終盤に向けて大事なシーン、大事な台詞が入ってくることにより、劇中でその存在感を増していくその抑揚が上手く表現できていたのではないかと思いながら観ていました。

素敵な個性を持ったタレントさんだと思います。



橙沼霧子 を演じたのは、長南舞 さん

長南 さん は、今回のメンバーの中では唯一、これまでにすでに 「アリスインデッドリースクール」 の舞台を経験している役者さんでした。

昨年の東京での公演 「アリスイン・・・ビヨンド」 では、黄市恵美 を演じたそうですが、それを観た方の話によると、前回とは見事に違う役になっていたという話。

私は今回初めて 長南 さん とお会いしましたが、劇中の 橙沼霧子 は、「=長南舞」 なのではないかと誤解してしまうくらいに役に入り込んでいる、何ら違和感なく溶け込んでいる様子は本当にすごいなと感じました。

まさに、ハマり役 という言葉がピッタリくるような、そんな 橙沼霧子 だったと思います。

キャラクター設定自体に個性のある 橙沼霧子 を演じるためにはきっとたくさんの努力があったのだと思いますし、これまでのそういうものが認められたからこそ前回に続いての起用になったのだとも思います。

本番中に舞台から落ちてしまった時にはビックリしましたが、「アレ?何があったんだろう」 と咄嗟にアドリブで台詞を入れて、その場のピンチを回避したあの姿も、流石だと感心してしまいました。

アドリブも利いて色々なことに対応できる 長南 さん
これからの活躍にも期待したいです。



中川梨花 さん が演じたのは科学部の 氷鏡庵

この役は感情を表に出さずに話さなければならない場面が非常に多く、また難しく長い台詞も多く、演じる上ではとても難しい役だったのではないかと思います。

また、氷鏡庵 というキャラクターは、この アリスインデッドリースクール の世界観を語るにあたって非常に大事な人物です。
そういう部分でも大変さは大きかったのではと想像します。

普段はいつも笑顔に溢れ、本当に明るくて可愛らしい 中川 さん からすると、ある意味では真逆のキャラクターだったのではないかとも思いますが、真逆だからこそいいアクセントになったのではないかとも思います。

今回のキャストの中でもし他の人が 氷鏡庵 をやるとしたらという発想で色々な想像をしてみましたが、私の想像の中ではどう考えてもやっぱりしっくりくるのは 中川 さん
それだけこの役にしっかりとハマっていたということなんだと思いますし、そこには彼女自身の並々ならぬ想いと努力があるんだとも思います。

終盤には感情をあらわにするシーンも含まれていましたが、私個人としてはミルクティのくだりで 中川 さん の可愛らしさが一瞬前面に出てくる演出がなされていたことも嬉しかったです。


ノルベサでのチケット販売イベントの日、誰よりも一番に私のところへと挨拶に来てくださったのも 中川 さん でした。
お会いする以前に多少なりともSNSを通じて交流をさせていただいていたこともあり、本当に嬉しかったです。

既にテレビでもレギュラーを持つなどしている彼女ですが、きっとこれからもっと見ることのできる機会が増えてくるのではないか、みんなが知っていると言われるような人になっていくのではないか、そんな気がしています。



墨尾優 を演じたのは 小山百代 さん
この人は本当にすごい!
いや、すごいとかいう簡単な言葉では表現できないほどに1歩も2歩も、10歩も100歩も前に行っている役者さんです。

この機会をいただくまで、私は 小山百代 さん という女優さんのことは全く知りませんでした。

が、そんな中で初めてその姿を見た稽古見学の時、彼女の仕草、様子、他を圧倒する演技力、目の動き、体の動き ・・・。
そんな1つ1つに気持ちをゴッソリと持っていかれました。


納谷 さん がすごいスピードで伝える演出も難しい表現も確実に瞬時に自分の中に取り入れてしまい、次の瞬間にはまるで最初からそうしていたかのように全く違和感なく演じることができていたのが 小山 さん です。

更にそんな中でしっかりと自分の意見を言うこともでき、自分の演じる場所ばかりではなく他の人のシーンや台詞に対しても注意が払われているし、だからこそ他の人に対して注意も助言もできる。

何を取ってもどこを取っても本当にすごい。
すごすぎて、「すごい」 という以外の言葉が出てこない、そんな想いです。

小山 さん がチーム全体を引っ張り、支え、そして高めていたのは間違いのない部分だとも感じました。

本当に全てがすごすぎて、どこが良かったとかどこが目を引いたとか言えません。
最初から最後まで全てが目を引きました。

北海道にこんなすごい女優さんがいたということを私がこれまで知らなかったというのは、ある意味では人生の損害ですらあるのではないかと感じています。
だからこそ、この機会を経て、小山百代 という1人の女優さんに出会えたことは、この出会い自体が私自身にとっても大きな財産になったのだとも確信しています。

これからも間違いなく色々な活躍を見せてくれることでしょう。
大女優になっていく素質のある人だとも思います。

間違いなくやって来るであろうそんな時に私は色んな人に自慢をしたいと思います。
「アリスイン・・・」 に出ていた彼女を観たと。



そして、百村信子 を演じたのは 吉本ほのか さん

吉本 さん のことは、横山さんと井村さんが現在所属する サッポロSnow♡Loveits に彼女が所属していた頃の約2年前から知っていました。

アイドルの活動をする中でショートドラマに出演する権利を獲得し、そして演技の経験をした彼女。
そしてそれらをきっかけにアイドルから女優の道へと一歩踏み出した彼女。

しかし正直、あの決断以降なかなか表立っての大きなお仕事が無かったように感じていました。


そんな中で私の元に入ってきたこの舞台の制作の話。
キャスティングに関し、何よりも誰よりも、まずは 吉本 さん の名前を挙げずにはいられませんでした。

どんな苦手なことも不得意なことも、一生懸命に頑張る彼女の姿を知っているから。
そして彼女には輝くことのできる素質や、それに向って突き進む気持ちがあり、常に努力をしていると知っていたから。
だからこそどうしてもという気持ちがありました。

また、後になってしまえば何でも言えると思われてしまうかもしれませんが、吉本 さん が女優へ向けての一歩目を踏み出すよりかなりから アリスインプロジェクト さん と御縁のあった私としては、いつかは絶対にあの舞台に立ってほしい、アリスインの世界を体験してもらいたいということもずっと思っていました。


私が何かをしたわけでもありませんし、私が何かを言ったところで伝えたところで、だからといってオーディションが有利になることもないでしょうし、それは全て本人の努力や実力。
そしてこれまでに積み重ねてきたものがあるからこその今回のキャスティングであることには間違いはありません。

経過はどうあれ、とにかく 吉本 さん の名前が今回のキャストの中にあることは、1人のファンとして、本当に嬉しい出来事であり、1つの夢が叶った瞬間でもありました。


稽古見学の際、その演技を初めて生で観た時、私は心の中の涙腺が一気に崩壊するのを感じました。
そんな場所で邪魔にならないようにとと必死に涙が溢れるのを我慢しましたが、本当は心の中の想いを解き放ち、思いっきり喜び、そして思いっきり泣きたかった。

目の前に立つ彼女は素晴らしい1人の女優さんでした。

これは決して贔屓目に見ているのではなく、1人の女優さんとして本当に素敵な演技ができている、立派にその役をこなしていると感じたからです。

でも正直、あの 吉本 さん がその場で楽しそうに稽古をしている姿だけでも本当に嬉しかった。
そんな気持ちも間違いなくあったのだとは思います。

あのアイドルが素敵な女優さんへと成長していました。


本番でも随所にアドリブが入っていて、良い意味で緊張感の中にも余裕を持って演じることができているのを感じました。

4日目の夜の公演では他の役者さんが台詞に詰まって一瞬全ての流れが止まってしまった時、ニャッとしながらも咄嗟の切り替えしとアドリブでその大ピンチを切り抜けた姿は、終演後も多くの人に称賛されていました。

この女優さん、これからもっともっと確実に伸びていきます。
この舞台で初めて 吉本ほのか という存在を知った人にもきっと大きな印象を残したのではないかと思います。




こんな中で観た 大千秋楽 風組 の舞台。
その板の上に立つ彼女達はあの稽古の日よりも確実に変化をし、よりキラキラと輝いていました。

様々な演出がしっかりと反映され、そして舞台の回数を重ねることによってそれぞれがそれぞれのオリジナリティを手にしていました。

まさに 「 成長 」 という間違いのない軌跡がそこにはありました。

アイドルという区別も役者もという区別もなく、23人全員が本当に立派で、そして本当に素敵な演者さんでした。


私自身、納谷 さん が言っていた、「 本番の成長率 」 という言葉の意味が理解できたようにも感じました。

何事にも本番というものは人を成長させるのだと思います。

でもそれは、スタッフさんも役者さんも含め、関わる全員がここまで共に積み重ねた稽古や準備があってこそのものだと思いますし、それは絶対に間違いのないことだとも思います。


1つの舞台を作り上げるためには本当にたくさんの人が関わります。

受付をしたりチケットを販売したり、またはイベントで様々な案内をしたりなど、実際にお客様の目に触れる場所にいるスタッフさんもいれば、舞台装置や衣装、メイクや照明や音響、歌やダンスの指導、パンフレットやグッズの作成など、あまりお客様の目に触れることのないスタッフさんもたくさんいます。
中には複数の役割を兼ねている人もいます。

脚本、企画、キャスティングを担当する人ともなれば、実際にたくさんの人が関わり始めるよりもずっと以前から動き出します。

実際に今回の舞台も一般的な舞台の例外に漏れず、たくさんのスタッフさんが活躍し、そして舞台の上で輝く役者さんを縁の下から支えていました。

私自身、今回は一部に関係者として広報の部分を担当させていただいたことにより、そんなスタッフさんの長期間に渡るお仕事をほんの一片ではあったとしても見せていただくことができました。

それらは私自身にとっても、普段の活動、普通の生活の中ではまず体験することのできない、経験することのできない貴重なものでした。



舞台上で行なわれる全てが終了し、ほぼ全員が舞台裏へと下がってくる中、数人が私達と逆に舞台の方へと向かっていきました。

ここからは舞台のセットが一気にバラされます。
舞台へと向かったのはそんな作業をする方々でした。

この部分をあまり詳しく書いてしまうと、あの舞台を介してみんなで観た夢を壊してしまう気がするため、具体的な記述は避けたいと思います。

ただ間違いなく言えることは、「本当にすごかった」 ということかもしれません。

舞台の後ろにある大きな扉が開けられ、一気に作業が始まります。
そのスピード、手際の良さはこれぞ匠の技とも言える本当にすごいものでした。

ここでもまた、プロフェッショナルの仕事を垣間見ることができました。

   

今回は 演出 というお仕事の一片を見ることもできました。
私の中ではこの舞台に触れるまで、演出 というのは具体的にどういうことをするのかというイメージも、知識もあまりありませんでした。

なんとなく想像していたのは、台本に書かれた通りに進められていくお芝居の中で、役者さんの細かい動きや立ち位置など、そういうちょっとしたエッセンスを付け加えていくのが 演出 というものだと思っていました。

ですがこの考えは、納谷 さん という演出の方に出会い、ほぼ根底から覆されました。


お芝居というものは、役者さんが台本通りに進めるものではなく、演出をする人が台本をベースにその世界観を描き、それに役者さんが乗っかっていくものなんだということを感じました。

演出をする側の人もみなさんが同じ方法でやるわけでもなく、人それぞれのやり方があるのでしょうから、この考えは全ての演出家の方に当てはまるわけではないと思いますが、今回は本当にそんな想いが強くなりました。


公演終了後に 納谷 さん から、これに類するお話を伺うことができました。
内容についてはここで公にすることこそ避けますが、なんとなくそんな発想を抱きながらいた私の考えは確信へと変わりました。

そのお話は本当に心から何度も何度も頷ける、そして全てにおいて納得のいくものでした。


私自身は、子供の頃の学芸会の劇ですら自らやることに対しては苦手意識が強く、今までにそういうことにチャレンジしたいと思ったこともありませんでしたし、自分自身は全くそういうものに向かない性格であり、そういう人間だと思っていました。
正直、興味というもの自体あまり持っていませんでした。

ですが、一連の 納谷 さん のお話を伺い、そしてそんな世界観に一瞬でも触れたことによって、お芝居をするということ、何かを演じるということにもとても興味が湧いてきました。

そしてそういう知識を得た今となっては、これからお芝居、演劇というものを観るということが本当に楽しみであり、本当に興味を持つことができるようになりました。
ほんの少しではあっても色々と考えながらそんな世界を見ることができるようになった、そんな気もしています。

これは間違いなく今回の舞台を通じて出会うことのできた 納谷 さん をはじめスタッフのみなさん、そしてキャストのみなさんのおかげだと思います。

たくさんの方に出会うことでまたそれぞれの 御縁 が生まれたことも間違いないですし、それらはこれからの私自身にとっての間違いのない宝物です。
そしてそんなみなさんを通じてお芝居の楽しさ、楽しみ方を知ることができたということも大きな財産のひとつです。



ジャガイモンプロジェクト が、アリスインプロジェクト さん と出会ってすでに3年ほどの年月が経過しています。

以来、何度か一緒に活動をさせていただく中で数多くの本当に貴重な経験をさせていただいています。

今回の公演に関しても、北海道での開催を初めて伺ったのは実はすでに1年以上前。

具体的なことを書くことは避けますが、今年4月に一般の方に向けて舞台制作の発表が行われるよりずっと以前に、少なからず色々な話を伺い、そして実際に 「 広報 を 」 というお話をいただいていました。

これが今回、ジャガイモンプロジェクト がこの舞台に関わっていた最初の理由です。


ありがたい形、そして他の方とは少し違った形で参加させていただいた今回の公演。

色々なものの邪魔にだけはならないようにと、ジャガイモンプロジェクト がどのような形でこの公演に携わっているのか、どういう役割で参加しているのかということについては特にこれまでどこで発表するでもなく、どこに書くでもなくやって来ました。

それにより、「どうしてこの舞台のことばかり宣伝してるのか」 というお問い合わせをいただくこともありました。
ですが、きっとこれからも続くであろう長い活動期間の中でほんの少しそんな時間があってもいいのかなと思っていました。

これまで多くのものを与えていただき、そしてたくさんのかけがえのない 御縁 へと導いてくださった アリスインプロジェクト さん の少しでも助けになれれば、ほんの少しでもお役に立てればと、他の活動を一時凍結した上で、この公演の成功のためにという想いから及ばずながらも尽力させていただきました。


少なからず不思議に思った方もいたかもしれません。
もしかすると心配をいただいた方もいらしたかもしれません。

それでも私自身にとって、そして ジャガイモンプロジェクト にとって、この期間の経験は望んでも得られるものではないと思いますし、探しても発見できるものではないとも思っています。
そういう意味でも今回の経験は ジャガイモンプロジェクト にとってもこれから先も決して忘れることのない、そしてかけがえのないものとなりました。
この気持ちは私のような立場に限らず、実際に舞台の上に立った彼女達にも、そしてスタッフ関係者として参加されたたくさんの方々にも多かれ少なかれ言えることなのではないかと思います。


今回、「 北海道初のガールズ演劇 」 と銘打って行われたこの公演。
この公演に携わることによって得たもの感じたものは、それぞれの人がそれぞれの形で持っているのだと思います。

そしてそれはきっと今回だからこそ得られたものなんだとも思います。


公演を観に来てくださったみなさんにとってはどうだったでしょうか?
みなさんの心を温かくしたもの、何か残ったものはありますか?

そういうものが何か1つでもあったとしたら、それぞれの人にとってこの公演はきっと成功だったのだと思います。
そして、それはただの思い出に留まらず、それぞれの人の歴史やこれからの何らかのきっかけにもなっていくのだと思います。



北海道初のガールズ演劇 として全8公演が行われた今回の舞台。

北海道の演劇界の、そしてガールズ演劇の歴史にはどういう形で残っていくのか。
それはきっとすぐに全ての答えの出るものではないと思います。

しかし間違いなく言えることは、この瞬間、この公演のどこかに一瞬でも触れた人がたくさんいるということ。
そしてその人達が今回のことを語り継ぐことによって、この公演は今後に渡って色んなものの歴史の一部になっていくんだいうことです。

ですから、どうかこれからも 「 アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO 」 のことを覚えていて下さり、そして何かの機会に話のネタにしてほしいと思います。

この舞台に立つためにたくさんの努力を重ねた23人の少女達のことをどうかこれからも見守ってあげてほしいと思います。



今回、私自身も 「 アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO 」 をきっかけに、23人の少女達との素晴らしい出会いを迎えることができました。

アイドルやタレントは星の数ほどいると言われるこの時代ですが、ここで出会った彼女達1人1人はそんな中でも間違いなくひときわキラキラ輝く星でした。

1人1人それぞれが普段からたくさんの努力をし、そして常に高みを目指して頑張っていたからこそ今回のチャンスが巡って来たんだと思います。
ここでキャスティングされた23人の彼女達は、そうされるべき何かを持っていたからこそ、そしてそうされるべき理由があったからこそこの場に集まったのだとも思います。


努力は必ず報われるものではない、でも頑張っている人には報われてほしい。
そんな言葉があります。

今回の舞台に上がった23人は、ここに至るまで間違いなく多くの努力を重ね、努力を重ね、努力を重ねてみんなで1つの舞台を、1つの作品を作り上げました。


たくさんの汗を流し、涙をこらえ、悔しさや辛さにも耐え抜いて、稽古、そしてこの本番を駆け抜けました。
本当に素晴らしいことだと思います。

この舞台を会場で実際に観た全ての人にとって、彼女達の努力や苦労は間違いなく報われたものになったと思いますし、それが結果としてしっかりと届いたと思います。

私自身、チケット販売イベントや舞台稽古に始まり、2日間4公演をこの目で見届けましたが、彼女達の頑張る姿、そして紡がれる物語に、溢れる感情、そして流れる涙を抑えることはできませんでした。

それは私のみならず、この会場で一緒に観ていた周りの方もきっと同じ。
身を乗り出して彼女達の一挙手一投足を見つめる姿、涙を必死に抑える姿があちらこちらに見られました。

本当に感動的なもの、そして感動的な空間でした。



終演後に贈られたカーテンコールは彼女達への頑張りに対しての拍手、激励の拍手、称賛の拍手、感動の拍手、そしてありがとうの拍手だったのではないかと思います。

そんな拍手の嵐に包まれる彼女達の姿は眩しいほどに本当にキラキラ輝いていました。

この舞台のキャスティングが決まり、初めてみんなが集められた頃よりも、稽古が始まった頃よりも、小屋入りしてそして本番が始まった頃よりも、きっと1人1人が逞しく、より輝きを持った女性になったはずです。


台本に書かれているキャラクターそれぞれが彼女達1人1人にしっかりと入り込み、元々設定されていたはずのものの上に演じる役者さんの個性が重なって、そこに新しい唯一無二のキャラクターが生まれる。

そしてそれは時間や回数を重ねるごとに更にどんどん個性的で魅力的なものになっていったんだろうと思います。


だからこそ、そんなメンバーが集結し、そして作り上げられたこの舞台がここで一旦終わるということが本当に残念すぎる。
できればいつまでも見ていたい、そんな気さえします。

ですがそれは誰がどれだけ願ったとしても、毎日のように通った稽古場とも、情熱を捧げたステージとも、共に一つのものを目指し戦った仲間とも、周りで支えてくれたたくさんの人達とも、ここで一旦のお別れです。
あのキャラクター達ともサヨナラです。



私自身、今回の舞台を通じ、本当にこんなにいっぱい泣くとは・・・、なんとなく自分でも思ってはいましたが、その想像は現実がはるかに上回っていました。

それは私に限らず、同じ空間で同じ舞台を観た多くの人に少なからず言えることなのではないかとも思います。

終演後に色々な人に話を聞くと、聞こえてくる単語はどれも 「泣いた」「感動した」「素晴らしかった」 と彼女達を称え、そして感動の言葉が並ぶばかりでした。

多くの人でこの感動を共有できたことも嬉しいですし、本当に素晴らしいことだと、改めて実感することもできました。



最後に忘れずに書いておきたいことがあります。
それはこの舞台がこのような素晴らしい形で終えることができた、私なりの解釈です。

当然のことではありますが、この舞台が 納谷 さん をはじめ多くのスタッフさん、たくさんの裏方のみなさんに支えられていたことは間違いありません。

連日にわたって実際に会場にいらしていただいたお客様にも支えられていました。
また、今回は残念ながら会場に来ることはできなかったという方の中にも、SNS等を通じて彼女達を支え励まし、勇気づけてくださっていた方もたくさんいらっしゃると思います。
当然、彼女達のご家族やお友達だって、この期間の彼女達を支えてくださっていたことでしょう。

本当にたくさんの方の支えがあったからこそ全員が無事に完走することができ、そして成功したのは間違いのない事実です。


そんな中、私は彼女達23人が作り上げた も、この舞台の成功の大きな要因だったということを改めて書き添えたいと思います。

期間中、どの子に聞いても同じ反応が返ってきた言葉があります。
「みんな本当に仲がいい」 と。

たくさんの人が集まり、そして長い期間を一緒に過ごすと、そこにはどうしてもある種の意見の相違があったり、時にそれが溝となって表れてしまったりもするものです。

しかし、本番以外の舞台裏であったり、様々なタイミングであっても、どんな時も彼女達は本当に仲が良かったと感じます。
そこには間違いなく、年齢も経験も実力も環境も全てを超えた23人の リアルな友情 があったのだと確信しています。

この舞台を語る上で、この 、そして リアルな友情 は絶対に外すことはできないと思っていますし、これもこの成功の大きな要因のひとつだったと確信しています。

私がどうしても書き記しておきたかったことのひとつです。




ジャガイモンプロジェクト としても、この作品とはここで一旦の区切りになります。
彼女達とも一旦の区切りとなります。

しかし、この作品はこれからも生き続けるものでしょうし、私自身の心の中にも留まり続けます。

そしてこんな素晴らしい物を作り上げた彼女達のことは、これで忘れてしまうわけではありませんし、もうお付き合いをしないわけでもありません。
当然これからも応援したいと思っています。

そして頑張っている、頑張ってきた彼女達にはこれからも更に報われてほしいとも思っています。


今回の舞台を通じて、私自身初めてその存在を知ることのできた子もいます。
当然彼女達同士の間でも初めて顔を合わせるという人もいたことでしょう。

そんな1つ1つが御縁のスタートであり、それはこれからも続いていくものだと思います。

同じ北海道で頑張っている同志、同じ世界で努力を重ねている同志、きっとまたどこかで同じ舞台に立ったり、また1つのものを共に目指すことがあるかもしれません。

横から、そして周りから見ている者としても、そういう新しいスタートを期待したいですし、彼女達のそれぞれのこれからの活躍、飛躍を楽しみにしたいと思っています。




彼女達の大半はまだ中学生や高校生、20歳前後の若い世代の子達です。

私自身が彼女達のその年齢の頃に何をしていたか、そして何をできたのかということを考え直すと、改めて彼女達のすごさや素晴らしさを感じることができました。

そんなことを感じる度に 「あの頃に一度戻れればもう一度やり直して・・・」 というようなことを考えたりもしましたが、私が今いるこの世界はきっと 多重世界仮説 にはあてはまらないものだと思います。

いや、あてはまっているのに気付いていないだけなのかもしれません。


多重世界仮説 に基づくパラレルワールドの向こうには違った世界、違った未来が広がっているのかもしれません。

その世界では 信子 と 優 は今でも漫才を続けているでしょうか。
紅島 と 高森 は最高のバッテリーでソフトボールを続けているでしょうか。
トカゲの王様の続きは ・・・。


アリスインデッドリースクール の世界。
そして彼女達それぞれの夢舞台は、まだまだこれからも続いていきそうです。



主題歌 「世界の始まりはいつも君と」
   
挿入歌 「Pause Button」


今回、この舞台に関わらせていただくに際し、本当にたくさんの方にお世話になり、そしてたくさんのご厚意やお気遣いもいただいたと思っています。

当初は アリスインプロジェクト さん との御縁から、ある意味ではこれまでの恩返しを少しでもしたいという想いから、広報的な役割として参加させていただいた場所でした。

ですが、この作品の魅力に触れ、キャストのみなさんの魅力に触れ、スタッフのみなさんの魅力に触れ、ファンのみなさんの声に触れ、気づいてみたら私自身の中の気持ちは大きく変化していました。

この舞台を応援したい、頑張っている彼女達を純粋に応援したい。
その気持ちは何ら偽りも飾りもない、素直な気持ちです。

だからこそここまで自分の中での役割、当初与えられた責任の所在を明らかにすることはしませんでした。


私のこの舞台自体に対する役割は、このレポートを書き上げ、そして公開することによってこそ、本当の意味での一旦の区切りを迎えるのだと思います。

ですが、これからも今回いただいたたくさんの 御縁 、そして 経験 を大切に、活動を続けていきたいと思います。



2016年5月

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康

レポート中に使用している写真の一部は、一般の方は撮影不可の場所で、正式な許可の元に撮影したものです。第三者の二次利用は固くお断りいたします。




余談

2013年。
士幌で開催された 第33回しほろっち夏祭り花火大会 のゲストは、アリスインプロジェクト・鈴木 さん のプロデュースするライフアクトアイドル・ アリスインアリス でした。

アリスインアリス さん はこの士幌のこのイベントでアイドルデビュー。
アリスインプロジェクト さん としての北海道初上陸はまさにこの時です。

以降もイベントでご一緒させていただくなど、交流が続いています。


2014年。
同じく 第34回しほろっち夏祭り花火大会 のゲストは、今回の舞台にも出演した 吉本ほのか さん が当時在籍し、同じく 横山奈央 さん が現在も所属する サッポロSnow♡Loveits でした。(後に 井村萌々花 さん も所属)

サッポロSnow♡Loveits さん とは、この後も引き続きのお付き合い。
現在では同ユニットのみならず、同グループ所属のレーベル全体へとその波は広がっています。


2015年。
第35回しほろっち夏祭り花火大会 のゲストは、この 「アリスインデッドリースクール オルタナティブ」 初演時のW主演、前田希美 さんなあ坊豆腐@那奈 さん のユニット ななのん でした。

ななのん さん とは、同翌日にも早速イベントに随行させていただくなどしました。
現在ユニットは活動を休止しましたが、メンバーレベルでの交流はいまだに続いています。


それぞれが様々な形で交差し、そしてそれぞれが 御縁 として以降も続く中、今回の舞台はまるで奇跡のようにこの3つが結びついたかのようでした。
いや、きっとこれは奇跡や偶然ではなく、こうなるべくしてなった必然だったのだと、これまでの活動を通じて感じています。

これまでの活動の中のどこかのポイントで誰かとの御縁が無かったとしたら。
どこかで誰かと出会っていなかったとしたら、きっとこの交差、そしてここに至る道はどこかで途切れ、1つの結果としてこの日を迎えることはできなかったのだと思っています。

そんなことに想いを巡らせ、そして改めて今日に至るまでの道筋を考える度、たくさんの方との 御縁 に感謝せずにはいられません。




5月1日

舞台本番を3日後に控え、小屋入り(劇場入り)前日となったこの日、舞台稽古の見学 に行ってきました。

本来であれば当然 非公開 の稽古場ではあります。
ですが、今回は ジャガイモンプロジェクトアリスインプロジェクト さん から 広報 としての役割をいただいていることもあり、稽古場での見学が実現しました。



当日はみなさんの集合、そして稽古開始時間にあわせて稽古場に入りました。

大前提としてとにかくお邪魔にならないようにと隅の方で大人しくしていましたが、稽古開始前には改めてみなさんにご紹介もいただいた上、演出の 納谷真大 さん のすぐ横に席を用意していただき、最前列どころか舞台の上に座って観るように環境をいただきました。


ここで詳しいことを書いてしまうのは、いわゆるネタバレになってしまうので、稽古の具体的な内容や指導に関しては一切書くことを控えますが、舞台というものはその瞬間に台詞を喋っている人だけが大切なのではないということを実感することができました。

1つの台詞を活かすためにその直前の他の人の台詞が大切であったり、次の会話や展開に向けて自然に動く中でもそれぞれの立ち位置が重要だったりと、1つ1つの出来事は舞台全体の流れの中で次の出来事への布石となり、そしてその流れを作る要因になっているということを改めて知ることができました。



演出は本当に細かいところまでピンポイントで、そしてどんどんと入っていきます。

このスピードは、横から見ている私からすると本当に早く、ここの台詞をこういういい方にしてほしい、こういう動きにしてほしいと、次々に演出が進みます。
これに対し、それをまるで水を吸い取るスポンジのように、しっかりと理解し、そして吸収していく彼女達の姿は、女優としての経験の差はそれぞれであったとしても、その瞬間瞬間は本当にプロフェッショナルなんだなと心から感じました。


1つの小道具でもその使い方によって演技の幅が大きく広がる、自然に見せるためにはこう動くべき、あなたがこれから成長していくためにはこうすべきというような、今回の舞台だけではなく、1人1人の今後にも繋がるって行くような指導も随所に見られました。


また、逆に演じる側に意見を求めたり、面白いところをそのまま活かしていくという手法もとられていました。
これらによって1人1人がしっかりと考えながら演じるようになり、結果として稽古中には彼女達から納谷さんに対して質問が飛んできたりもします。

決して制作側、演出側から押しつけられた演技ではなく、本番が始まれば裏側にまわる人、舞台の上に立つ人、そんな全ての人によって舞台は作り上げられるものなんだと感じました。



普段から女優として活動し、他のキャストと比べてキャリアの長い人もいます。
いつもはアイドルとして活動し、歌やダンスの経験はあっても、演技の経験がほとんどないという人もいます。

でもこの経験の差は、誰がすごくて誰がすごくないというのではなく、誰の演技が良くて誰の演技が良くないというのではなく、お互いを刺激し合うもの、そして相乗効果を生み出すものとして前面に出てきていると思います。

きっとこの舞台をきっかけに、やってみたいことや将来の夢が変わってくる人もいるのではないかと思います。
お芝居をするということの楽しさに改めて気付く人もいるのではないかと思います。

傍観者として1回の稽古の様子を見ていただけの私ですらそう感じる空間。
きっと彼女達の心には大きな波となり、大きな衝撃として伝わっている、届いているのではないかと思います。


稽古終盤には、何があっても途中で止めない 通し稽古 も行なわれました。

途中、みんなの笑いが止まらなくなるようなハプニングがあったりもしましたが、それでも途中でストップすることはありません。
台詞が抜けてしまっても、被ってしまっても止めることはありません。

そんな通し稽古は、この日の稽古序盤に指導されていた部分を彼女達がしっかりと受け止め、そしてすぐに実行へと移せていたという部分がとても印象的でした。

通し稽古が終わってから詳細に渡って改めて、台詞の言い方、動き、間、目線・・・、たくさんの指導が入りましたが、それはお芝居自体が悪いからではなく、その精度を上げていくためのものです。


実際に途中で 納谷 さん からお話を伺った先、こんな一言がありました。

  「 彼女達はもっと精度を上げてくるはず


本番の開幕まではあとわずかですが、これは 納谷 さん の 「 期待 」 なのではなく、「 確信 」 なんだと感じました。

私は稽古をこの1度しか観ていませんのでその比較対象はありません。
ですが、納谷 さん のその力強い一言に、その 「 確信 」 を感じることができました。


舞台は観客を前に生で演じられるものですから、その瞬間になって突然のハプニングが起こる可能性があります。
そんな時にどう対処するか、どう対応して次に進むか。
そんな指導もありました。

そういう意味でも あのハプニング は良かったんだと思います。

ものすごく近くで観ているだけに極力邪魔にならないようにと、演じている最中の彼女達とは視線が合わないように、そして全てにおいて無表情を心がけていた私も、そこだけは笑ってしまいました。
ですが、稽古後の指導を聞くと、そんなハプニングにすら意味がある、そして生の舞台を彩るエッセンスになるのだと感じることができました。

稽古終了後には改めて 納谷真大 さん に、今回の舞台の見所、見て欲しいポイントを伺いました。
完全独占インタビューです。



お芝居をほとんどやったことのない女の子達が、舞台上で1つの物語を紡ぐということがとても感動的だと思います。

もちろん、粗を探してみようと思うと、粗のない舞台なんて僕はほとんどないと思っていてます。

ですが、とても素直にピュアな気持ちで観たら、笑って泣ける舞台だと思いますし、それは僕の力ではなく、彼女達の力がそうさせているんだと思います。


ベテランの上手い人達がやる舞台はこれからでもいくらでも観れると思います。

しかし、このほとんど未経験の状態の彼女達がみんなで舞台で1つのものを作る、そしてこれを観ることができるのは今回だけです。

そういう意味ではこの舞台を、北海道初のガールズ演劇として伝説にしたいと思っていますし、そうなるべき演劇だと思います。

彼女達が誰も力を抜くことなく全力で舞台上で色んなものを削りながらやるっていうのはとても感動を呼ぶと思いますし、そこを観てもらいたいです。


この舞台はすぐに小屋入り、ゲネプロを経て、本番が始まり、そして数日後には終わりを迎えます。
ですが、彼女達1人1人には間違いなくたくさんの財産として残り、そしてそれらは次へと繋がっていく、未来へと繋がっていくものだと思います。

私自身、今回の舞台は千秋楽に再び現場へと向かいます。
きっとその時には更に 進化 した彼女達に会えると確信し、そしてそれを楽しみにしています。



今回、稽古場に行かせていただくのに、士幌からはいつもながらに生産者還元用のポテトチップスを差し入れとして持参しました。
稽古終了後に広げたところ、みなさんにとても喜んでいただき、写真に動画にとおさめていただけ、早速ツイッターやブログ等でも紹介いただきました。
ありがとうございます。

  

  

  

  


私に出来ること、ジャガイモンプロジェクトに出来ることは、わずかながらの広報活動、そして小さな応援にすぎません。
ですが、色々な方との出会い、そして御縁を経て、今日のこの日に辿り着いていることは紛れもない事実です。

出来る時に出来ることをやっていく。
出来る限りの力で方法で応援をしていく。

これこそが御縁だと感じています。


ジャガイモンプロジェクトは、「 アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO 」 を応援しています。



今回の稽古見学受け入れに際し、ご協力とご理解をいただいた関係者のみなさんには大変感謝しております。
ありがとうございます。





4月29日

アリスインプロジェクト札幌公演 「 アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO 」 の チケット販売イベント が、札幌市内の ノルベサ で開催されました。


初日の開演まで1週間を切ったこの日、ノルベサ で開催された ススキノナイトマーケット のブースの1つとして、「 アリスイン・・・ 」 のブースを出店。

20時からのスタートということもあり、全23人のキャストのうち、中学生の2人は出られませんでしたが、21人のキャストが勢揃いしてのイベントとなりました。

   

私はイベントを前に、まずはイベント主催の責任者の方にお会いし、イベント中の館内の撮影許可を取りました。

今回、出演キャストの撮影に関しては、制作サイドから既に撮影と使用の許可を得ていましたが、大前提として館内が撮影禁止ではどうしようもありません。
そんなこともあり、こういうイベントの際には会場の責任者の方に対して事前に必ず確認を取るようにしています。


会場入りしたのは18:30頃。

イベント開始まではまだ1時間30分ほどありますが、事前の準備や打ち合わせ時間等を考えるとそんなにとんでもなく早い時間でもありません。


普段何もない時にはテーブルが何個か置かれただけの簡素なイベントスペースも、今日は明るさを落としたうえで照明がつけられ、何ヶ所ものブースで準備が同時進行しています。

アリスイン・・・ 」 のブースでもイベントへの準備が、イレブンナイン のスタッフさんによって進められていました。

このスタッフさん、私が先日の日曜日、イレブンナイン さん の稽古場で拝見した舞台、「となりの花は棘」に出演されていたみなさんをはじめ、ほとんどが イレブンナイン の方です。

こんなタイミングで先日観たばかりの舞台に出演されていた役者さんの普段に触れられるというのは、本当に特別なことです。
それぞれの役者さんの普通を知ることで、その役者さん1人1人の魅力をより知ることもできると思います。

そんなことで、この時点ですでに私の心の鼓動はかなりの高まりをみせていました。

   

19時過ぎ。
イベントの開始と予告していた時間まではまだまだありますが、この頃からキャストのみなさんが次々と到着。

まだファンの方は全くいらしていない時間帯でしたので、早速みなさんは自撮りをしてツイッターにアップしたり、何人かで一緒に写真を撮るなどしていました。


その中には私が面識のある 吉本ほのか さん横山奈央 さん の姿もありましたので、早速声をかけさせていただきました。

考えてみると、横山 さん とは去年11月のイベントでお会いして以来約半年ぶり。
吉本 さん とは一昨年11月のイベント以来1年半ぶり。

そんな2人が「ジャガイモン、ジャカイモン」と言ったため、「え?ジャガイモン?」と、他のみなさんの視線も一斉にコチラへ。

ここのところジャガイモンがツイッターで頻繁に舞台の告知をしたり、実際にみなさんと絡んでいたこともあって、何人かの方には改めてご挨拶にも来ていただけました。

ありがたい限りです。

   

また、タレントさんと一緒にマネージャーさんや担当の方がいらしている方もおり、そういう方にもご挨拶させていただける機会に恵まれたことも嬉しいことですし、そんな中にはこれまでに何度となくお会いしている関係者の方の顔も。

こういう活動を通じて色々な方と出会えることも嬉しいですし、そんな出会いの中で再会があるのも嬉しいことです。

こういう時に集まる名刺、そして顔や名前を覚えること、覚えていただけることというのはプラスのことはたくさんあってもマイナスになることは全く無いと思います。
今回もそんなプラスがたくさんありました。




今回のイベントは、舞台のチケット即売会と握手会。
ここ購入すると、会場に来ているキャスト全員との握手会に参加できるというものです。

事前に発表されている行程としては、20時から握手交流会、21時からはステージで公演PRということになっていましたが、まずはこの20時を前にチケットの販売がスタート。

イペント開始時間よりも早く会場にいらしていた方々に対して、早々にチケットの販売を開始しました。

この時点でまずはチケット共に握手会の整理券をお配りします。


20時からは 握手交流会 もスタート。
キャストのみなさんが一列に並び、そこにチケットを購入され方が順に流れていきます。

イレプンナイン のスタッフのみなさんはこういうイベントの経験、ましてやアイドルを目当てにファンの方が来るイベントの経験がない方ばかりということで、自分の話を参考にしていただきながらイベント開始前に事前に色々と心の準備と、何かあった時にすぐに動ける体勢はとっていました。
ですが実際に始まってみると、ファンのみなさんがしっかりと列に並んでいただけたり、通路もちゃんと開けてくださったり、本当にマナー良く過ごしてくださり、特に大きな心配事もなく、そして問題もなく、穏やかなな時間が過ぎていきました。

ただひとつ、20時の ススキノナイトマーケット 自体のイベントスタート時間になると、周辺の照明がかなり消されてしまい、結果としてキャストのみなさんの顔もそうですし、全てがちょっと見づらかったないとう感じがしました。

私は、取材 という形で現場に入っていましたが、写真1枚もなかなか撮りづらい、しっかりと写らない状態で、そういう意味ではちょっと厳しかったですね。

           

集まっていただいたファンのみなさんの中には私の知ってる方の顔も多く、そんな点も嬉しいイベントでした。

中には決して安くはないチケットを何枚も購入してくださり、握手の列を何度も往復してくださる方もいらっしゃいました。
その様子には イレブンナイン のスタッフのみなさんも驚きが多かったようで、このイベントを通して、「新しい世界を観た感じがする」という話が出ていました。

私は最近はアイドルの現場というものに関してはだいぶ見慣れてきたような感じもありますが、思い起こせば最初にこういう雰囲気を初めて味わった時、そして体験した時、本当のたくさんの衝撃と驚きを感じ、そして今まで知らなかった世界にものすごい興味が沸いたことを思い出します。

やはり何事に対しても、自分の知らない世界に初めて触れる瞬間、そしてそこで感じることは本当に大切であり、そして自分自身の財産になっていくということだと思います。

1つの同じことを体験した時、それをどう感じ、そしてこれからどう活かしていくかで、その物自体の価値は大きく変わると思います。
私自身、これまでの ジャガイモンプロジェクト の活動の中で、そんな様々な体験の1つ1つをその場で楽しむことも大事だと思ってはいますが、ただ楽しむだけではなく、何かを吸収しようとして過ごしてきましたし、それは現在進行形です。

その積み重ねが今の ジャガイモンプロジェクト を作っていると自負していますし、今回の舞台に対する一連の活動にも繋がっていると思います。

この握手交流会は、私自身に当初の頃の記憶を思い起こさせてくれると共に、また気持ちを新たにした、そんなポイントともなりました。



ファンの方々と握手をし、そして触れ合うキャストのみなさんの姿は、やはりとてもキラキラとしていました。

こういう交流イベントは、普段からアイドルとして活動しているみなさんにとっては、これまでにも何度となく回数を重ねてきているものだと思います。
一方で、役者としての活動を中心にされているみなさんにとってはあまり慣れないものだったのかもしれません。

それでもみなさん1人1人の笑顔を見ていると、本当の心から楽しんでいる様子が伺え、そしてその楽しい気持ちと感謝の気持ちが、ファンの方々に伝わっているのが、横から見ているこちらにも伝わってくるようでした。

慣れていることでも慣れていないことでも、心を込めればちゃんと伝わる、そこに真っ直ぐな気持ちがあれば、相手にしっかりと届く。
まさにそんな世界がここにはありました。

   
   

このチケット販売のイベントは当初より21時に終了するという予定で進んでいました。

中学生キャストの2人に関しては最初からイベントには不参加となっていましたが、キャストの中には高校生のメンバーも多く、法的な問題もありこの21時をもってその高校生も退場しなければならないという理由があるからです。

退場するに際し、イレブンナイン のスタッフの方から、「どのような流れで退場させればいいか」という意見を求められました。

そこで私は、一度静かになってもらったところで高校生が退場する理由を誰かが改めて端的に説明し、「これでチケット販売イベントを終了します」という掛け声と共に、全員で「ありがとうございました」と一斉にお辞儀をしてから退場するべき、という意見を出させていただきました。

そして実際に、私の提案した意見のとおりに進行していただき、そして高校生キャスト退場となりました。


アイドルイベントなどでの交流会の最後にはよく見かけるようなものですが、スタッフのみなさんはそういうものを全く経験したことがないという方ばかりでしたので、そういう意味では私がここにいることで少しでも役に立てたかなと、僅かながらに自負した瞬間でもありました。

まだその場に残っていただいているファンのみなさんからも自然発生的に拍手が起き、とても和やかで穏やかな、そして笑顔や興奮に溢れる時間が過ぎていきました。



21時からは会場内のステージで、公演PRトークセッション が行なわれました。

進行役に舞台は演出の 納谷真大 さん
他に、キャストの中からこの時間もまだ出演のできるメンバーとして、小山百代 さん長南舞 さんちーしゃみん さん小西麻里菜 さん塚本奈緒美 さん の5人が登壇。

それぞれの自己紹介では 納谷 さん の先導の元、観衆からそれぞれのメンバーの名前のコールが起こり、そんなことに慣れないメンバーが照れている表情がとても印象的でした。

他にもそれぞれが劇中の自分の台詞を1つずつ披露するなどしたり、終始とにかく 納谷 さん の面白トークにみんなが引っ張られるような形で、会場も大盛り上がり。

あまりにトークが盛り上がり、「あと5分」とカンペが出ているのにもしばらく気づかないという進行の中、当初15分の予定だったものが会場の方のご厚意によって5分延長。

20分間、大盛り上がりの中での トークセッション は、他のイベント、他のブースを見に来られた方、偶然居合わせた方に対しても、少なからずアピールができたものと思います。

   
   
   
   

トークセッション終了後は、こちらで予定していたイベント内容が全て終了ということで、片づけに入りました。

具体的な数字を示すことは避けますが、当初〇〇人くらいは来てくれればいいよね、と話していた人数を大きく上回る方に来場いただき、チケットの販売数もその予想を大きく上回る数字が出ました。

来場いただき、更にチケットを購入いただいた方には大変感謝です。



また、併せて特記したいことがあります。

このトークセッション終了後もそのまま会場に残り、居合わせたお客様に対してフライヤーを配り続けたメンバーが数人いました。

残ったメンバーがすごい、そうじゃないメンバーはどうだという比較をするつもりはありません。

ただ、もう帰っていいはずのスケジュール、そして時間なのにもかかわらず、残ってフライヤーを配り続け、そして説明を続けるメンバーの姿にはちょっとした感動すら覚えました。

こういうフライヤーに限らず、チラシやティッシュ配りなどでもそうですが、いくら自分が頑張っても受け取ってもらえないということは多々あります。
無視されたり嫌がられたりもしたかもしれません。
それでも根気よくフライヤーを配り続ける、自分達が出演する舞台をアピールし続ける姿は、1人の女優、1人のタレントとしての根性を見た気さえしました。


そんな中、21時を大きく過ぎてから会場に到着し、フライヤーを持って私のところに質問に来ていただいたお客様がいらしっしゃいました。

私自身、その方に対して様々なことを説明する知識や情報は持ち合わせていましたが、少し話をしているところで ちーしゃみん さん がススッと自然に入って来てくれ、そして引き続きの説明をしてくれました。
やはりお客様にとっては私が説明をするよりも、舞台に出演する本人から説明を受けた方が良いと思いますし、そういうことに即座に反応でき、そして行動に移せる彼女は素晴らしいなと、その場で素直に感じました。


周りにいる人は自分達に興味を持ってくれている人ばかりではない。
そんな中で自分をアピールするということは本当に大変なことです。

彼女達のこういう努力、表に出ずに多くの人に伝わることのない頑張る姿。
少しでもたくさんの方に知っていただきたい、そして報われて欲しいという想いから、あえて特記させていただきます。



舞台というものは脚本が無ければできないものだとは思いますが、だからと言って脚本だけでできるものでもないと思います。

そこには脚本に書かれたそれぞれの役を演じる役者さんがいて、演出、舞台装置、衣装、マネージメント・・・、数えたらきりがないほどたくさんの人に支えられ、そして1つの形になっていくと思います。

そんな中、どんなに素晴らしいセットがあっても、素晴らしい脚本があっても、そこに役者さんが揃わなければ舞台は始まりません。


この舞台、「アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO」には間違いなく素晴らしい役者さんがいます。
これは確信を持って言えます。

毎日努力を重ね、色々なものを犠牲にし、そんな中でこの舞台にのぞむ準備を重ねてきている役者さんがいます。

その先にあるものはきっと素晴らしい舞台、素晴らしい時間、そして感動。
そしてその幕はもうすぐ上がります。

あとはその客席を埋め、様々な笑いや感動を共有していただけるお客様が揃えば完璧です。

北海道初のガールズ演劇「アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO」
是非、よろしくお願い致します。

   
(フライヤーはクリックで拡大してご覧いただけます)



キャスト

シングルキャスト
百村 信子  吉本 ほのか
墨尾 優  小山 百代
氷鏡 庵  中川 梨花
辻井 水貴  ちーしゃみん
橙沼 霧子  長南 舞
紅島 弓矢  小西 麻里菜
堂本 千十合  市山 黎
村崎 静香  横山 奈央
高森 朝代  坪井 有里沙
猪狩 薫  大森 舞生
青池 和磨  塚本 奈緒美

変則シングルキャスト
界原 依鳴  (光組) 亀代 詩穂 (風組) 両羽 桃夏
緑浜 塔蘭  (光組) 両羽 桃夏 (風組) 亀代 詩穂
柏村 香  (光組) 井澤 佳の実 (風組) 岩杉 夏
竹内 珠子  (光組) 岩杉 夏 (風組) 井澤 佳の実

ダブルキャスト
宍戸 舞  (光組) 小林 香織 (風組) 井村 萌々花
黄市 恵美  (光組) 鈴木 花穂 (風組) 檜山 奈南果
志倉 夏樹  (光組) 櫛引 あやめ (風組) 小島 寧音
巣宮 春菜  (光組) 堂坂 有希 (風組) 佐々木 海月

スタッフ

演出 納谷 真大 (ELEVEN NINES)
脚本 麻草 郁
照明 上村 範康
音響 奥山 奈々
衣装 西田 さゆり
衣装サポート 小林 泉 (ELEVEN NINES)
衣装協力 northen
映像 上田 龍成 (wavision)
振付 工藤 香織 (ダンススタジオマインド)
歌唱指導 木幡 周子
舞台美術 高村 由紀子
舞台監督 上田 知
ヘアメイク 曽根 基世志 / 大野 いつか
デザイン MONSTERS,INC.
スチール ヒロカワイ (パンフレット・販売写真) / 高橋 克己 (稽古場・本番)
HP 小和田 明
票券 島崎 翼
企画 鈴木 正博
プロデューサー 美濃部 慶
制作 ヨコヤマカツトシ / 小島 達子 (tatt、ELEVEN NINES) / アリスインプロジェクト
制作協力 藤岡 真由美 / オフィスAdaD / MAGMA / Studio K’z / ELEVEN NINES /
wavision / Reall'sProduction / BeeHive / 株式会社インサイト
協力 エイベックス・グループ・ホールディングス / A-LIGHT / Casting Office エッグ / 劇団ひまわり /
札幌スクールオブミュージック&ダンス専門学校 / 札幌放送芸術専門学校 /
サンミュージックプロダクション / スターダストプロモーション / スマイル・リンク /
ダブルアッシュプロジェクト / テアトルアカデミー / ニックプロジェクト / ハートビット
製作 「アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO」 実行委員会

アリスインプロジェクトとジャガイモンプロジェクト

アリスインプロジェクト さんジャガイモンプロジェクト との最初の出会いは、さかのぼること 2013年

同年7月に士幌町 で開催された 第33回しほろっち夏祭り花火大会 に、アリスインプロジェクト さん が運営するライブアクトアイドル アリスインアリス にゲスト出演していただいたことが始まりです。


詳しくは当時のイベントレポートに記載していますが、1つの 出会い が色んな方との 御縁 に繋がり、そしてそれがやがて 大きな形 となったと言えるのがこのイベントでのゲスト出演であり、その後における様々な活動の始まりでもあったと思います。

第33回しほろっち夏祭り花火大会参加レポートはコチラから


イベントへの単発的なゲスト出演というものは、イベント運営側とゲスト側の関係性は得てしてその場限りで終わってしまいがちなものですが、ジャガイモンプロジェクト においてはこの 出会い をその場限りで終わらせるようなことはしません。

出会っていただけた、そしてお世話になったという気持ちは絶対にその後も続くものであり、その継続するものこそが 御縁 だと思っています。


ジャガイモンプロジェクト が活動の中で最も大切にしているのは、様々な 御縁 です。

そんな 御縁 の中で、ジャガイモンプロジェクト の創成期に近いこの頃より、長い期間において様々な場面でお世話になり、時としてヒントをいただき、また新しい 御縁 へと導いてくださっているのが、アリスインプロジェクト さん です。

お互いの名称が何となく似ているのは結果的偶然ですが、兎にも角にも現在に渡って本当にお世話になっています。

大袈裟な話ではなく、アリスインプロジェクト さん と出会い、そしてその後の御縁が続いていなければ、きっと今の ジャガイモンプロジェクト の活動は大きく違った形になっていたと想像します。
以来、たくさん生まれているたくさんの新しい出会いや御縁も無かったものと思います。

本当にありがたいことです。



アリスインプロジェクト さん と2回目にお会いしたのは 2014年3月
夕張 で開催された ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014 の時でした。

この時は アリスインプロジェクト さん が企画制作した映画が特別上映されましたが、そのイベントへのお誘いをいただき、関係者としての参加をすることができました。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014でのレポートはコチラから

普通ではとても体験できないような貴重な経験の数々。
そしてここでもかけがえのない新しい出会いがありました。

全てはこの場に誘っていただいたからこそです。



2015年4月 には、アリスインアリス が再び北海道に。
この時はライブイベントやインストアイベントへの参加のため、札幌 に3日間の滞在となりました。

ジャガイモンプロジェクト としては、2日目、3日目の2日間、関係者としてイベントに密着。
ここでもまた貴重な経験をすることができると共に、新しい御縁も数多くいただきました。

アリスインアリス 札幌3Days 参加レポート はコチラから

懐かしい再会あり、またあの時のような時間あり。
しかしどれも全て、1回目があったからこその2回目3回目です。



そして今回は アリスインプロジェクト さん との4回目。
北海道初上陸となる アリイスンプロジェクト さん の舞台公演を、ジャガイモンプロジェクト からの目線でお届けします。



 
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