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   「みちこのみたせかい」参加レポート   
   



脚本 : 麻草 郁
演出 : 納谷 真大 (ELEVEN NINES)

http://aliceinproject.com/

【 日程 】 201717(水)21(日)
【 場所 】 札幌 ・ 生活支援型文化施設 コンカリーニョ (札幌市西区八軒1条西1丁目)

無事終了しました




ガールズ演劇 の旗手、アリスインプロジェクト が昨年に続いて2度目の再北海道上陸!

ジャガイモンプロジェクト は、昨年に続いてこの公演に対し、今年も、チケット販売イベント稽古場 、そして 公演本番 と、様々な場面の 取材 を行ないました。

また今回は、所属タレントもキャスティングしていただき、タレントプロダクション としても、更には 現場スタッフ としても参加させていただくことができました。

そこには決して笑顔だけではない、ガールズ達の汗や涙、そして49日間を共に戦い抜いたそれぞれの人生ドラマがありました。
この春のガールズ達の壮大なストーリーは、多くの人の感動を誘い、そして心を揺り動かしました。

今回のレポートは、昨年を大きく上回る長大作となっています。
関係者として参加させていただいたからこそ見えたものもあれば、逆にその立場だからこそ見えなかったものもあったかもしれません。

北海道のガールズ演劇に新たな1ページを刻んだこの公演を、ジャガイモンプロジェクト目線でレポートします。


   
(フライヤーはクリックで拡大してご覧いただけます)

レポート中に使用している写真の一部は、一般の方は撮影不可の場所で、運営側の許可の元に撮影したものが含まれています。
第三者の二次利用は固くお断りいたします。





私が稽古場取材をしたのが13日。

数日後にはこの コンカリーニョ へと 小屋入り し、出演者のみならず、舞台装置・照明・音響 ・・・ 様々な準備が一気に進みました。
会場的な準備がほぼ整ってからも、場当たり そして ゲネプロ と、開幕へ向けた準備は確実に進み、その時は刻一刻と迫ってきます。



そんな中、開幕前日の16日になって突然のニュースが飛び込みます。

 井村解久保田れな さん 、体調不良により降板


その一報はここまでの1ヶ月半、共に切磋琢磨し、そして翌日から一緒に夢の舞台に立とうとしていた仲間達や、そしてスタッフ関係者。
更にはそんな舞台を楽しみにしていた多くの方の元に、大きな波となり、そして衝撃となって届きました。


本番直前になって誰かが降板するということを仮定しても、どの役の人だったらそれ程の影響が無いとか、誰だったら大変だとか、そういうのは全く差は無いと思います。

実際問題としては、登場シーンの数や台詞の多さなど、そういったモノの数としての差というのはあるかもしれませんが、座組全体としてのその重要性というのは誰もが均一です。

この約1ヶ月半、同じ場所に集い、そして同じ道を手を取り合って進んできた。
お互いがお互いを支え、時に引っ張り引っ張られてきたこの25人の集合体からは、どのピースが欠けてもそこには大きな痛みが伴います。

だからこそ、どのピースであったとしても、この座組には絶対的に重要なものであり、大切なものであり、そして必要不可欠なものなのです。


一生懸命に走ってきたからこそ、色々なことを犠牲にしてここまで突き進んできたからこそ今がある。
ただ、その電池の充電がこのタイミングで切れてしまった。

「ただそれだけ」 と片付けてしまうのには語弊があるかもしれません。
しかし、彼女のことは誰も責められないし、きっと責める人もいないでしょう。


この一大事を受け、直前に迫った初日の舞台に向けて ELEVEN NINE さん 所属の 宮田桃伽 さん代役 として急ピッチでその全てを自分の中に取り込み、そして仕上げてくれました。

久保田れな さん が演じる予定だった 井村解 は、準主役級の役どころということもあって台詞の数も、登場するシーンも、そして覚えることもたくさんありました。
それでも、宮田桃伽 さん は、初日の本番直前のわずか1日半程度で台本を覚え、そしてあまりにも見事に 代役 に立ってくれました。

新人オーデイションを受け、昨年7月に ELEVEN NINE さん へと加入した彼女ですが、この経験は今後の彼女自身の役者としての活動にとっても非常に大きな経験になったのではないかとも思いますし、今回の公演の全ての関係者にとっては彼女には本当に助けられたんだとも思います。

実際、同じ役者さん仲間の間でも、今回の彼女の活躍に対しては、本当に素晴らしかったと評価と称賛を受けていたようです。



17日、初日公演の会場で降板と代役の案内がアナウンスがされた時、舞台の上では涙を流していた子もいたと聞いています。

この涙こそ、彼女達25人がひとつの共通の想いを持ってここまで頑張って来たことの証であり、そしてチームワークという言葉以上の大きな絆そのものだと思います。

降板となり、病院のベッドの上でその時を迎えなくてはならなかった 久保田れな さん 本人は、きっと誰よりも悔しい気持ちでいっぱいだったんだろうというのは、あまりに容易に想像ができます。
また同時刻、舞台の上でそんな彼女の想いを胸に1回目の本番を迎えたメンバーにとっても、それぞれに様々な想いがあったのだろうと思います。


25人、いや26人の女の子達が描く 「みちこのみたせかい」

そこには、ただ台本や決められたことだけを辿っていくのではなく、たくさんの想いや感情。
そして1人1人それぞれの人生や本当に様々なものが相乗りしています。


彼女達は本当にここまで一生懸命頑張ってきました。

またそれと同時に、その周りには彼女達を支え、そして引っ張ってくれるたくさんのスタッフの方が存在しています。
当然、それぞれのファンのみなさんも、そんな彼女達を支えた人の中の1人だと思います。

たくさんの人に支えられ、見守られ、期待を感じ、想いを受け ・・・。
そんな集大成の本番5日間。


ジャガイモンプロジェクト では、そんな公演本番の最終2日間に再び現場入り。

チケット販売イベント、稽古場の取材に続き、今回も独自のレポートでそんな様子をお伝えしていきます。
本来であれば本公演前も含めて全日に渡って現場入りしているべき立場でもあるのですが、私自身の想いも凝縮し、この2日間の内容を多角的視点を持ってお届けしたいと思います。






5月20日 (公演4日目)

コンカリーニョ の空は、朝から雲一つない晴天。
スタッフの入り時間に合わせ、私も コンカリーニョ へと現場入りしました。

昨年の公演以降、私自身も普通に演劇を楽しむために何度も訪れるなどもしていた場所ですが、改めて関係者用の通用口からこの場所に足を踏み入れるということには大きな緊張や興奮、そして身の引き締まる想いがします。

   
   


まずは舞台の方へと向かい、改めて自分の目で会場を確認。
前日まではキャストのみなさんやスタッフの方のSNSの発信などのみで観ていた世界がそこに広がっています。

これまでに何度となく観てきたこの場所も、その時によって印象も雰囲気も全てが違います。
今回のために作られた舞台装置は、まだ照明に照らされていない暗がりの中で、ひっそりと眠っていました。

   


私がそんな場所でウロウロしている間にもスタッフの方が次々と集まり始めました。
すでに先日の チケット販売イベント 等でお会いしている方も多かったのですが、改めてご挨拶をしつつ、短い時間色々とお話をさせていただきながら時間を過ごします。

しばらくすると、入口あたりから、「おはようございまーす!」 と元気な声が次々と聞こえ、キャストのみなさんが現場入りしてきます。
その時私が居た場所の近くには今回使われている衣装が置かれており、そこにやってくる彼女達の笑顔がとても眩しい朝です。



今回の私自身の現場入りも、やはりこれまでと同じく、タレントのプロダクション側としてのものよりも、あくまでも中立の立場としての色合いが非常に強いものです。
当然、所属タレントのマネージメントの部分として最低限やらなければならないこともありますが、それ以外は1スタッフとしてできる限り何でもやらせていただくという心持ちで現場入りしています。


そんな中、まず最初は外の受付周りの準備から。

昨年の感じからもなんとなくはどのような具合かというのはわかってはいるものの、改めて前日以前からすでに現場に入っているスタッフのみなさんから色々と教わりつつ、そして確認しつつ準備を進めました。

前日の公演終了後に一旦屋内に入れられていたスタンド花を改めて屋外に並べ、受付のテーブルなどの準備をし、他にもほぼ前日のうちに準備の整った会場内でも細かな作業を行ないます。

   


当然、1つのイベント、1つの公演を開催するためには本当に様々な準備があります。
それは実際の舞台の上に立つ人だけのものではなく、スタッフの一覧にクレジットされている人はもちろん、それ以外にもたくさんの人が動いています。

改めてここの書き出すとすると本当に果てしなく、そこには私自身でも気付いていない部分すらあるのかもしれません。
広く考えると、舞台の上のキャストのみなさんにも、そしてスタッフのみなさんにも、その人を支える家族やそういう周りの方がいたりするわけで、そういう意味では1つのイベントや公演は、そんなみなさんも含めて本当の多くの人達の力があって作られていくものです。

私自身、1人の傍観者、1人の観客として様々なイベントに参加させていただく際、その楽しさや喜びの中でついついそんな多くの人達の存在を忘れてしまいがちですが、今回のような経験を経て改めてそんなたくさんの存在を再認識することができます。

今回の私は公演本番途中からの現場への参加になっているため、すでにそこまでには様々な大きな準備が当然進んでおり、私がここで経験しているものはそのほんの一部にすぎません。
それでもやはりこのような事に参加させていただけるというのは本当に嬉しいことです。

この1ヶ月半、キャストのみなさんは毎日のように続く稽古に本当に一生懸命に取り組んできていたのを知っています。
スタッフのみなさんが様々な努力や苦労を重ねてここまで辿り着いたのも知っているつもりです。
そんなことを考えると、彼女達、そしてみなさんに対して少しでも力になりたい、支えてあげることができればと常に思いますし、そこには多種多様な貢献の方法もあるとは思いますが、実際にこのようにして現場で何かをできるというのは私自身にとても大きなことです。


「〇〇〇をやってほしい」 「○○○を手伝ってくれる?」 「○○○は任せてもいい?」

色々と声をかけていただけました。
そんな1つ1つは本当に嬉しいことです。

冷静に考えて、昨年のそれとは違って今年は自分の所の所属タレントがキャスティングされており、そんなことからも現場での役割というのは本来であれば限定されてくる部分でもあると思います。
大人しく自分のところのタレントだけを見ていればいいという考え方もできるかもしれませんが、私の考えにはそれは当てはまりません。

朝から色々とやらせていただいたことにより、きっと他のスタッフの方の中には私が本来はタレントのプロダクションとしての立場にいるということを知らなかった人もいるのではと思います。
当然、私自身としても、その部分は誰が知っていようがいまいが特に影響されるものでもなく、何ら疑問の生じる部分でもありませんので問題ありませんが。



一方その頃、舞台の上では数人の子達が、本番に向けた練習や確認を熱心に進めていました。

公演も4日目。
回数にしてもすでに全体の半分が終わっているところではありますが、それでもそこには ”油断” や ”慢心” という雰囲気は一切ありません。


また、今だからこそもう明らかにしてしまってもいいと思いますが、その場には誰よりも熱心に、そして一生懸命に1つ1つの動きを確認する 久保田れな さん の姿もありました。
そしてその 久保田れな さん の登場するシーンを、周りの他のメンバーが一緒になって確認し合っています。

本番直前の体調不良により、無念の降板となってしまった彼女ですが、その復帰へと向けた動きはここでも確実に進んでいました。
またその様子を、代役として舞台に立っている 宮田桃伽 さん も舞台下からしっかりと見ており、立ち位置1つや動き1つ至るまで、みんなで確認し合っていました。

舞台に立つのはダブルキャストの人を含めて25人。
それでも彼女達は26人で1つの仲間です。

本番前に舞台上で練習に励む彼女達の姿からは、そんな想いや熱量や絆が強く大きく感じられました。

   


その後はキャストのみなさんが全員揃ったところで一旦舞台に集合。

演出の 納谷 さん や、舞台監督の 上田 さん からの伝達事項や今日に向けてのお話がありました。


この時点で本番開始まで約2時間。
ここからは衣装やメイク、そして気持ちの部分も含めて本番に向けてのそれぞれの準備が進みます。

それでも舞台裏へ入ると、控室からはキャストのみなさんの元気な楽しそうな笑い声が響き、メイクルームでも笑顔が溢れ、この後になんだか愉快なことが始まるような、とても楽しいことが起こるような、そんな雰囲気です。

本番自体は大きな緊張にも包まれるものでもあり、当然全ての人が真剣に、そして一生懸命に取り組むものです。
そこは間違いありません。

ですが、そこには彼女達のいい意味でのリラックスがあり、この状況でも楽しく過ごせるチームワークや絆があり、そしてだからこその集中力もあるのだと感じました。

楽屋の中ではじっと台本に目を落とす人もいたかもしれません。
イヤホンで周りの音を遮断して集中していた人もいたかもしれません。

しかし、ここにどんな違いがあろうと大切なのは本番に向けたそれぞれの準備。
誰が何をしようとも、何と思おうとも、開演の時間は確実に迫ってきます。



一方、開演1時間前には会場ロビーで 物販 が始まります。

その時間を前に一旦会場の外へと出てみると、すでにそこには早々と到着されている方が何人もいらっしゃり、そんな中には私のこれまでの様々な活動の中で何度となくお会いしている方の姿もあちらこちらにありました。

まずはそんな方々と挨拶をさせていただくとともに少しお話もしつつ時間を過ごしました。
そんなみなさんとは、ジャガイモンプロジェクト で主催させていただくイベント、参加させていただくイベントの時にお会いできるのも本当に嬉しいですが、今回のような機会にお会いできるというのも改めての感動があります。

会場前で私に気づき、こちらへと一直線に向ってこられて、声をかけてくださる方も何人もいらっしゃいました。
本当にそんな全てが嬉しいことばかりで、そして感謝の気持ちが改めて高まります。

   


12:00 には 物販 がスタート。
この会場、この機会にしか購入できないグッズを求め、早くも列ができます。

私も直前に、パンフレット台本Tシャツ を購入しました。

この物販を利用された方にもこの2日間でたくさんのお話を伺いましたが、「パンフレットを〇冊購入した」 「○○ちゃんのブロマイドをコンプリートした」 というような話が飛び交っていました。
実際、この物販で 2000円の利用ごとに、本番終了後に行なわれる サイン・握手会 への 参加券 が1枚もらえることもあり、それを求めて多くのグッズを購入いただけたようです。

イベントに関わる者として、そんなみなさんには本当に頭が下がりますし、このような形でも公演を支えてくださる力や想いには感謝の気持ちが溢れます。

普段から様々なイベントを主催したり参加したりする中でいつも感じることですが、こんなみなさんの行為というのは、これはただの購買行動ではなく、それぞれのキャストや様々な人への愛情に溢れる行動だとも思います。
物販を利用される方にもそれぞれの考えや想いがあるのだとは思いますが、そんな中で今回も、「グッズを買ってタレントを支えたい」 「お金を使ってイベントの力になりたい」 という話もたくさん聞くことができました。

当然、数が増えればお金もかかることですし、負担も増えます。
だからこそ、そんな中でもこのような行動に出てくださるというのはイベント関係者としても本当に嬉しいことでもありがたいことでもあり、同時に大きな感動を受けるものでもあるのです。


また、前日までの4公演のうち、すでに複数回の観劇をされたという方も多数いらっしゃいました。
仕事などの都合も当然あることですから、回数が多ければ多い方がという言い方はできませんが、その1つ1つも本当にありがたいことです。

色々な方が色々な形でこの公演を支えてくださっている、応援してくださっているというのが、会場の外で話をしているだけでも本当に伝わってきます。

   
      


一方、開場前の舞台の上では、本番直前の最後の確認が行なわれ、納谷 さん からの言葉と共に、最後は出演キャスト全員での 円陣 が組まれます。

さぁ、これで 星組 公演、準備万端です!



会場の外では入場のための整列が始まります。

ここでは ELEVEN NINE の 菊地颯平 クン が大活躍です。
この2日間、菊地 クン とは公演ごとの外での案内や整列、他にも様々な場面で一緒に動きました。

彼とは昨年のアリスインプロジェクト公演直前、彼が出演した演劇を観たのが初めての出会いでした。
昨年の同公演でも一緒にスタッフとして動き、以降も彼が出演する演劇を何本か観ています。

他にも最近では HTB さん の 「平岸我楽多団」 でも活躍中の彼ですが、本当に真面目で良い子で、そんな中でこの1年で、素人目にも間違いなく役者としての成長も感じられ、そういう部分も嬉しいところ。


そんな 菊地 クン と、会場の外で次々にやってくるお客様の対応をしていると、改めて気付くこともたくさんあります。

ELEVEN NINE さん は基本的に役者さん自身が制作スタッフや現場スタッフを兼ねています。
だからこそ、そんな役者さん自身が普段やらないようなことをやることで、一生懸命の中にも色々と無器用な部分が見えてきたりもします。

菊地 クン も本当に一生懸命に、そして丁寧に案内や説明をしようとするのですが、どうしても伝わりづらかったり、手順が悪かったりします。
そこで、今回はこの2日間を通じて、私自身のこれまでの経験に基づいた、このような場合の対処方法や手順をかなり色々と話ながら作業を進めました。

やはりこのような事は慣れた人がやるのが一番ではありますが、だからといっていつも私がいるわけでもありませんし、彼にとってはこれからもこのような場面に遭遇することがたくさんあるでしょう。
私自身もまた今後も彼と一緒に同じような作業をすることがあるとも思います。

今回のことが彼にはきっといい経験にもなったと思いますし、次に繋がる何かを持って帰ってもらえれば何よりです。
私もこんなことを全くやったことのなかった頃から考えると、色々な人のやり方を見たり聞いたり、自分なりに勉強をしながら経験を積んできました。


1つのイベントを開催するには、その内容そのものや時間だけではなく、それに付随する様々なことがあります。

お客様にとってみれば、初めて来た場所かもしれませんし、わからないことも多いかもしれません。
そんな中で、そんな疑問点を解消する、不安を持たれないままに無事に入場していただくということは、お客様に対しても、そしてスタッフとしても大切なことです。

実際に手持ちのチケットの種別や番号に基づいて整列していただいた後でも、「何か疑問点などありましたらご質問ください」 と言いながらその近くを歩いてみると、色々な質問が飛んできます。
せっかく若い整理番号のチケットを持っているのに、間違って後ろの方に並んでしまっている方もいたりします。
どの列に並んでいいのか迷っている方もいます。

そんな1人1人をしっかりご案内し、気持ちよく、というよりも、何も感じずに入場していただくのは、その場にいるスタッフにとっては最低限の課題であり、仕事です。

こちら側からの、「わかっているはずだろう」 の押し付けは誰の得にもなりませんし、役割の放棄です。

私自身、取材 をするために時々その場を離れることもありましたが、総じてそれなりに良い仕事ができたのではないかと、勝手に自負しています。
彼女達を少しでも支えるために、そしてお客様に楽しんでいただけるために。



12:30 、開場時間です。

指定席の方を先頭に、整列された方が順に会場内へと入っていきますが、この回のこの時間にはまだそれほど多くの方が集まっておらず、静かな開場となりました。

それでもしばらくすると続々とチケットを持った方が集まってこられ、また中には当日券を求める方もいらっしゃり、開演直前には座席の多くが埋まっていきます。

私自身も開演5分ほど前には中に入って座席に着きました。
いよいよ開演です。




12:30 、星組公演の開演です。

今回の公演では通算5回目。
回数的にもちょうど折り返しからの後半に突入です。



本公演は終了しましたが、みちこのみたせかい は昨年のゴールデンウィークに東京で初演されたことからも、今後も再演が考えられるものです。

今回の みちこのみたせかい の舞台は終了しましたが、ここに具体的内容を書き添えることは、次に再演がある際、その観劇を楽しみにされる方に対してのネタバレになってしまう可能性があります。

その為、レポートといえどもこちらで劇中の具体的内容やストーリーについては書くことは極力控えさせていただきます。





お芝居が始まった直後、21人の出演キャスト全員が舞台に立ち、みちこのみたせかい の主題歌 「桜咲く春」 を歌うシーンがあるのですが、私は実はこの段階ですでに涙が出そうになっていました。

まだ始まったばかりで物語のストーリーにもほとんど関係ない、何ら感動をするような場面ではないはずなのですが、私の琴線に触れるには十分でした。

ここに至るまでたくさんの努力や苦労を重ね、彼女達がここに到達していることは、様々得る情報の中で知っていました。
今回の公演に関連することに限っても、チケット販売イベント稽古場 での取材を通じて、直接顔を合わせる機会もありました。

また、情報発信をする過程で、更に様々な情報に触れていましたし、立場上、関係者の方を通じて多くの情報を持ってもいました。

そんな中で実際に目の前で観る、彼女達が揃って本番の舞台に立っている光景は、すでにそれだけで大きな感動であり、何とも言えない興奮もあり、そして涙腺を大いに刺激してくるものでもあまりした。



ここまでの4回の公演を観た方からも、たくさんの情報を得ていました。
そんな中でも最も多かったのは 井村解 を演じる 宮田桃伽 さん の話題だったろうと思います。

本レポートでもすでに触れていますが、今回 井村解久保田れな さん が演じるはずでした。
ですが、公演開幕直前に 久保田れな さん は体調不良によって降板。
急遽、宮田桃伽 さん がその代役として舞台に立つこととなりました。

宮田桃伽 さん からしてみると、本番が始まるのまでの時間はわずかに1日半。
しかもその役は物語の中でも重要なもので、台詞も登場シーンも多い 井村解
覚えることや確認することは膨大だったと思いますが、それでも彼女はこの短い時間の中でしっかりとその 代役 という大きな役割を果たしてくれていたようです。

そんなこともあり、この代役の件を事前に知っていた人からは多くの称賛の声が聞かれ、そして事前に知らなかった人からは驚きの声が聞こえてきました。


この 久保田れな さん の降板にあたって、ここに 宮田桃伽 さん という存在が無ければ、この公演自体が破綻していたことも十分に考えられます。
最悪、全公演中止 という事すら考えられたのではないかと思います。

でも実際はそうはならなかった。

宮田桃伽 さん の功績というのは本当に大きなものです。
役者さんって本当にすごいんだなと、改めて実感することができましたし、尊敬に値するような想いすら懐きます。


実際、私自身が観たこの回も、宮田桃伽 さん は見事にその役割を果たしてくれていました。

ですが、この代役を立てた公演、私は彼女の貢献だけが称賛されるべき対象だとは思っていません。
例え同じ台本を使おうが、全く同じ台詞を追っていこうが、どれほど練習を繰り返えそうが、久保田れな さん宮田桃伽さん は当然同じ人間ではないですし、様々なタイミングだったり仕草だったり、実際は何から何までが違うと考えてもいいものだと思います。

しかしそれを乗り越え、しっかりとこの1つの作品を短い時間で仕上げたことに関しては、間違いなく周りの人達の力もとても大きく、そしてそれも称賛されるべき対象だと思います。

聞くところによると、井村解 と実際に絡む役の人を中心に、その練習を一緒に行ない、公演が始まってからも確認作業を何度も何度も繰り返したそうです。

本来であればゆっくり休めるような時間だったかもしれない、公演PRや他の事に使える時間だったかもしれない。
それでも彼女達は必死に1つの事に向き合い、そして見事にこのお芝居を仕上げていきました。

そういう意味では周りの彼女達も十分に称賛されるべき貢献度があり、そして頑張ったんだとも思います。

本当にみんながすごい!
だからこそ私自身、お芝居が始まった途端に涙が流れそうにもなったのです。



ですが同時にもう1つ、想うところがありました。

それは、久保田れな さん のことを絶対に誰も責めないでほしいということです。

ここまでの期間、共に稽古に励み、汗や涙を一緒に流してきた仲間は誰も彼女のことを責めたりはしないでしょう。
周りのスタッフ関係者も当然そうだと思います。

ですが、そうではない人の中には、代役を立てざるを得なくなってしまったこの事態のそもそもの問題点として、彼女のことを責める、問題視する人もいるのではないかと想像します。


確かに、わざと体調不良になろうという人もいないでしょう。
本人の体調管理に問題があったと言う人もいるかもしれません。

それでもやはり、私自身は彼女を責める気など全く湧いてきませんし、私の周りからもそんな声は1つも聞こえません。


間違いなく言えることとして、この事態が発生したことによって一番悔しい思いをしたのは 久保田れな さん 本人だということでしょう。
緊急入院したベッドの上で悔しい、辛い、そして残念な想いで、公演の開幕を迎えなければならなかった彼女の気持ちは想像を絶する程のものです。

想いとは裏腹に自由の利かない体。
どうして自分は今そこにいるのか。

そんなことを考え、自分自身を責めたりもしたでしょう。

ですがこの作品が、開幕直前の状態にまで仕上がったことには、それまでの彼女自身の貢献が大いにあったわけで、最初からいなければそれはそれで全く違った仕上がりの作品になっていったのかもしれません。
そういう意味では彼女がいない中で進むこのお芝居にも、久保田れな さん の想いは大いに散りばめられているわけで、代役の 宮田桃伽 さん や、残された他の24人のキャストのみんなの心の中にもいつも以上に 久保田れな さん が大きく存在していたのだと思います。

その場所には実際にはいなくても、それでもその想いは舞台の上に間違いなくいました。

だから、代役が立てられた回の公演も、やはりそこには 久保田れな さん が存在していたのだと思います。


また、この開幕直前での大ハプニングを経て、彼女達26人の絆がより深くなり、そしてお互いを支え合い、助け合い、そして見つめ合うという気持ちが大きくなったのも間違いないと思います。

それは当初から望まれた、仕組まれたものではないにしても、結果として一緒にハプニングを乗り越えようと努力した、そして乗り越えたという事実は、彼女達により一層大きなものを残したのだとも思います。



宮田桃伽 さん にとってみれば、この代役に立つことは本当に大変な事だったでしょうが、この先これからの役者としての活動を考えた時、これは本当に大きな経験にもなり、そして糧にもなったんだと思います。
当然、この一連の騒動は関係者の間でも広がると同時に、彼女に対する評価が急上昇したのは間違いないですし、本人にとっても大きな自信にも繋がったのではないかと想像します。

人は人生という長い道の中で様々な経験をして、大きく強くなっていくのだと思います。
そういう意味でも彼女にとってのこの今回の出来事は、ここまでの人生の中でも本当に大きな部類の経験になったのではと思います。

こういう役者さんですから、今後の活動、そして活躍も必然的に楽しみです。
今回の舞台で彼女の躍動する姿を観た多くの人がそう感じているではないでしょうか。

それだけ衝撃的な出来事であり、同時にセンセーショナルな 代役 でもありました。




終演後にはすぐに サイン・握手会 が始まります。

物販で2000円以上購入ごとにもらえる 参加券 を持っている人が対象のイベントとなりますが、まずは私自身はスタッフとしてその準備があります。

舞台でのキャストからの挨拶が終わった直後、お客様が移動するよりも早く階段を駆け下り、舞台上と客席前方を サイン・握手会 仕様のセッティングへと変更します。
前方2列のイスを全て片付け、テーブルを並べ、客席と間にテープを張って境界を作り、出入り口を設置し ・・・
ここだけでも10人以上のスタッフが一斉に動きます。


準備が整ったところで改めてキャストのみなさんが舞台に呼び戻され、ここから サイン・握手会 がスタートです。
入口から順に入場するお客様が次々にお目当てのキャストの前に並んでいきます。

アチラからもコチラからも、楽しそうな笑顔や声。
どこを観てもこの瞬間を楽しんでいる人達の幸せそうな光景が広がっています。


私自身もこれまでに1人の参加者としてこのようなイベントに参加したことは何度もあります。

お芝居にしても、ライブにしてもそうですが、ただそれだけを満喫するということも楽しいですが、その直後に開かれるこのような形の 特典会交流会 に参加できる、参加するというのは1つのイベントとしてのそれをより一層楽しむことのできるものであり、楽しむための手段でもあると思います。


時には無料で全員と握手ができるというようなものもあったりしますが、物販が伴うような有料のものであれば参加するためには必然的にお金がかかってきます。
複数回の参加をするためには当然その負担も大きくなります。

だからこそ、参加する側としてその会、その時間に何を求めるのか、そしてタレントやスタッフにどんなことをして欲しいのかというのは、これまでの経験からある程度分かっているつもりです。
こういうものはたくさんの人から話を聞くことも大切ですが、実際に自分で参加してみる、体験してみることが絶対に大切です。

何事も相手の気持ちを理解するためには相手の立場に立ってみなければならないということだと思います。

いくらタレント自身の対応が100点満点だったとしても、スタッフの対応に不手際があったり、素っ気なかったり、そのイベントの中での通路や動線が分かりづらかったりするだけで、その楽しさにマイナス評価が付いてしまいかねません。
だからこそ、このような場面でのスタッフの対応、そして立ち居振る舞いというのは絶対に大切なのです。

   


今回の サイン・握手会 は、6ヶ所のテープルに21人のキャストが分かれて配置されています。

スタッフ側も事前に誰がどこのポジションを担当するのか相談しつつ、私は2テープル8人を担当させていただきました。

時間にして約40分。
場所的には私からは入口・出口も近く、必然的にたくさんの人の動線となる場所にいたため、そのあたりのご案内もしつつ。
また、客席からその様子を観ている方、待っている方に対しても近い場所にいたため、そのあたりのご案内もしつつ。

とにかくやることはいっぱいありましたが、最低限やるべきことはしっかりやったと、自己評価はしています。


他のスタッフさんは、どうしてもこのような事に普段から慣れていない方が多く、そんな人達からは私に対して色々と質問が飛んできたり指導を求められることも多くありました。
しかしそんなスタッフも、どこを見ても誰を見ても本当に一生懸命にそれぞれの役目を果たそうと努力をされていました。

慣れていないことを突然やる、やらさせるというのは、様々なプレッシャーや緊張感にも襲われたりするものです。
ですが、それを乗り越えてここで頑張ってくださるスタッフの方々1人1人の存在が、この サイン・握手会 を、そして公演を縁の下から支えてくださっている1つ1つのパワーなんだと思うと、そんな人達に対して感謝の気持ちが改めて大きくなりました。



また、この サイン・握手会 が秩序のある中でスムーズに進み、そして大きな混乱なく終わらせられるのは、これに実際に参加してくださる1人1人のお客様の行動があってこそだということも絶対忘れてはいけないと、いつも思っています。

アイドルのライブ等に行くと、このような形での特典会がセットになって開催されいてることも多いです。
今回参加いただいたお客様の中にもこのようなイベントに慣れている方がとても多いというのは、スタッフ側としても非常に助かる部分でもあります。

特に何も言わなくても各キャストの前に列を作っていただけ、ある程度の時間を見計らって自ら交流を終了して次の方にバトンタッチしてくださる方もとても多かったのが印象的でした。


一方で、開場前に外で色々な方の話を伺ったところ、「人によっては後ろに列もできていないのにすぐに剥がされた」 という話がチラホラと出ていました。

確かに事前に、「サインと握手で約1分」 というご案内はあったのですが、キャストによっては順番待ちの列のある人ない人がそれぞれ。

列が長ければ時間をしっかりと管理し、不公平のないように管理するというのは大切だと思います。
ですが、次に待っている方がいない、もしくは少ないのであれば、1人あたりの時間を調整していくことも、自分が管理できる範囲ではありなのではないかと思います。

そんなことから、私の担当していた場所では1人あたりの時間が長かったというお客様もかなりいらしたのではないかと思います。

何事にも ”臨機応変” は必要だと思います。
全てはお客様に楽しんでいただくための時間ですから、可能な限りで最大限楽しんでいただければ、参加した1スタッフとしては幸いです。

   


サイン・握手会 の終了後、お客様が全員退出されてからはアッという間に会場レイアウトが元通りに戻されます。

一方で舞台にはキャストが集められ、納谷 さん からつい先程終わったばかりのお芝居に対してのお話や、次に向けての具体的な指示も出ます。

また、この日の朝からその予定で進んでいた事として、次の回からの 久保田れな さん の復帰が、直後の体調チェックを経て正式に決定。
18:00 の開演に向け、ホームページやツイッターなどを通じて発表もされました。

そしてここまで代役として頑張ってくれた 宮田桃伽 さん は、いざという時のサポートとして待機してくれます。
最高に心強いところです。


直後からは朝と同様に 久保田れな さん が参加しての様々な最終確認が進みます。
次の回は、そんな彼女にとっては今回の公演における初演であり、他のみなさんにとってもゲネプロなどを通じても初めてのパターンで迎えるものになります。

そういう意味ではスタッフを含め、色々な意味での緊張感が走る部分ではありますが、それ以上に感じたのはみなさんそれぞれの安堵感であり、心から彼女の復帰を喜ぶ笑顔でした。

一度降板した人が途中から復帰するということに関しては、賛否両論があるのかもしれませんが、それでもやはり、ここまで1ヶ月半ずっと一緒に頑張ってきた仲間として、きっと他の24人のメンバーはその復帰を願っていたでしょう。
そして絶対に忘れてはならないのは、この公演のここまでを献身的に支えてくれた 宮田桃伽 さん への感謝の気持ちです。

静かに、そして確実に、次の回への準備は進んでいきます。




17:00 からは再び 物販 が開始。

この回は昼のそれよりもはるかに長い列が物販ブースの前に連なり、そしてグッズが次に次にと売れていきます。
物によっては早々に完売してしまったものもあったようです。

17:30 の開場時間前にも、入場を待つ長蛇の列ができていました。
そこに並ぶみなさんの表情からは、この直後に始まる公演への期待感と楽しみが溢れ出るようでした。

すでに主催側の発信によって 久保田れな さん のこの回からの復帰を知っている方も多く、そんな話題やこちらに対する質問も飛び交っていました。

やはり多くの人がこの瞬間を待っていたのです。

   


一方この頃、舞台では開演の15分ほど前にキャストのみなさんが集合し、某シーンの最終確認が行なわれました。

そしてしっかりと 円陣 を組み、最後に全員で気合いを入れて開場の時間を迎えます。

この 円陣 には、舞台の下で見守っていた 宮田桃伽 さん も呼ばれ、そしてその輪に加わっていたのが、私にはとても感動的でした。

ここまでの5公演は 宮田桃伽 さん が代役に立っていましたが、そこには間違いなく 久保田れな さん の魂が宿っていました。
そしてここからの公演には、無事にその役割を終えた 宮田桃伽 さん の気持ちがこもっています。

選ばれて今回の公演に出演する25人だけではなく、そこには間違いなく26人目の仲間、26人が1つになった光景がはっきりと見えました。

   


17:30 、開場です。

外に並んでいたお客様が続々と会場内へと飲み込まれていきます。
そこには、まだ誰も見たことのない みちこのみたせかい が待っています。

この回からはキャストの変更があるため、そういう意味でも今までの5回とは違います。
ですが演劇というものは、全員が同じキャスト、同じ台本、同じ演出、同じ会場、同じスタッフ ・・・ 全て同じで準備がされていたとしても、絶対に全く同じものは2つとありません。

テレビの再放送であれば全く同じものを提供することは可能でしょう。
しかしこれは ”生” の舞台です。

完璧にプログラミングされたコンピューターが動くのではないわけですから、当然何かが微妙に違っていたり、誰かのタイミングや台詞のズレによって違いが生じたりもします。
また、誰かがアドリブで毎回違うことをやってくるかもしれませんし、誰かが大きなミスを犯すかもしれません。


私自身、昨年のアリスインプロジェクト札幌公演に関し、その直前まで実はこの ”生の演劇” というものに触れたことがほとんどありませんでした。
札幌の演劇界が今どのような感じなのか、どんな人がいるのか、どれほどの公演が日々行われているのか ・・・。
そんな知識も全く持ち合わせていませんでした。

1度の公演で複数回演じられるものも、1度観れば十分と、そう思っていました。

ですがこの考えは私自身の受けた経験によって見事なまでに覆されました。


昨年の 「アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO」 は、関係者として参加していこともあり、2日間で4回の公演を観ました。
更に直前には稽古場での通し稽古も観ていましたし、台本自体も事前に目を通していました。

結果的にはかなりの回数を繰り返して観たような形となったのですが、全ての回を本当の心から楽しむことができました。

情報発信を担う部分として参加していたこともあり、出演するキャストや関係者の方と事前に何度となく実際にお会いしたり、その様々な情報に触れていたということも間違いなく影響しているものとは思われますが、特に本公演の4回は見事なまでにその度に大号泣。

それはもうスタッフの方に冷やかされるレベルでしたが、それ程に感動もし、そして同時に心から楽しむことも出来たと思います。

全ての回がそれぞれ違い、それぞれに魅力がありました。
同じものは2つとありませんでした。


あれ以来、1人の観客として演劇を観に行く機会が増えました。
間違いなく、”演劇” というものそのものに魅了されてしまいました。

同じ演劇でも複数回観ることに対しての抵抗も疑問も無くなり、むしろそれを奨励したいという気持ちが大きくなりました。

もちろん最前列の間近で観るのと、最後列で広角的に観るのとでは全くその印象も観えてくるものも違います。
上手(かみて) で観るのと下手(しもて) で観るのとでも、全く観えるものが違います。

全く同じ場所から観て複数回の違いを見出すことも楽しいです。



一方で、今回の公演のように、終演後に有料のイベントが設定されている場合、自分自身が同じ予算を持っているものと仮定して、複数回観ることで演劇自体を楽しむのも楽しみ方であれば、1回の観劇であとは有料イベントで使う、物販で使うというのも楽しみ方の1つだと思います。

これはどちらが正しくてどちらが間違っているとも、どちらが良いとも悪いとも、そういう判断の付くものでも、優劣のあるものでもありません。
それぞれに価値観があり、それぞれに楽しみ方があって当然ですから、その全てが正解なんだと思います。
そして同じ人の中でも、色々なことを経て変化していくこともありだと思います。




この回も昼の部と同様、私自身は開演直前までは外でスタッフとして動き、そして開演5分ほど前に席に着きました。

さぁ、月組 の3回目、通算6回目の公演が。
そしていよいよ、久保田れな さん の初演の回が始まります!




この回もやはり私は途中から涙が止まりませんでした。

ちょっと前まで舞台裏で楽しそうに何か色々と食べたりしていた彼女達に泣かされました。
何だかキャーキャーと騒いだり、緊張感の中にも女子会ムードが漂っていた彼女達に泣かされました。

そういう意味では彼女達は本当に立派な役者でありタレントです。
どれだけ笑っていようが騒いでいようが食べていようが、しっかりと切り替えるスイッチがあり、そして本番に挑む。

これだけたくさんの女の子が同じ場所に集い、長い期間を一緒に過ごしている。
そしてその楽しい毎日ももうすぐ終わってしまう。

そう考えると、心が落ち着かない、そして妙なテンションになってしまうことも頷けます。
ですが、彼女達はそんなことを全く想わせない、しっかりとした演技、お芝居をしてくれました。

当然と言われれば当然なのかもしれませんが、当然なことをしっかりとできるというのは基本の基本。
実はそれが一番難しかったりもするのです。


お客様でも涙を流している方の姿があちらこちらに見受けられました。

その涙の意味は人それぞれだと思いますが、しかしその涙の方向は間違いなくその舞台へと向いています。
大人がこれだけ涙する空間というのはやはり素晴らしいと、そう思います。



この回でようやく自分自身の初演を迎えることができた 久保田れな さん も素晴らしかったと思います。

この数日間、彼女に起こったことを知らずに観れば、これはただの8回のうちの1回だったかもしれません。
ですが、周りのキャストやスタッフは当然そんなことを知っていますし、多くのお客様もそんな情報をしっかりと持っていました。

そんな我々にとっては、舞台の上での 久保田れな さん の一挙手一投足が、そして台詞の1つ1つが本当に感慨深く、そして大きな感動に値するものでした。

前日に何とか退院し、この日も舞台裏などでは歩き、話し、そして笑っているのを見ていました。
しかし、やはり本番の舞台の上で躍動する姿は、私達の涙腺を刺激するには十分すぎるものでした。

賛否両論があったってどうでもいい、誰が何と思おうと、私自身は 久保田れな さん の復帰が本当に嬉しかった。
ただそれだけです。



お芝居が終わった後は、出演のキャストが横一列に並び、岩杉夏 さん の進行の元で ちーしゃみん さん がこの後の サイン・握手会 の説明をし、最後に座長の 吉本ほのか さん が挨拶をするのが普通の流れですが、今回は 久保田れな さん からみなさんに対しての挨拶もありました。

実のところはこの前の回も、そして前日も、退院してきたばかりの彼女からの挨拶はありました。
しかしやはり、このようにようやく自ら舞台に立ち、そしてようやく自分自身の初日を迎えての挨拶はこれまでのものとは違います。

会場からは一層大きな拍手が贈られ、久保田れな さん の復帰を祝い、そして喜ぶ笑顔も溢れます。
彼女が真摯に訴えかけ、そしてその心から発せられる言葉にはもうすでに誰からの異論もありません。

その場にいる全ての人が同じ気持ちだったことでしょう。
復帰おめでとう、そして、おかえりなさいと。




この回も終演後には サイン・握手会 が行なわれます。
前回同様に、すばやく会場のセッティングがされ、そして会がスタートします。

私も前回と同じ配置につきます。

開始直前、入口あたりを見上げると、そこには昼の部のそれよりも明らかに長い列が。
そして開始と同時に大勢の人が会場に流れ込み、歩く場所すら限られてしまうほどの大盛況でした。

しかしここでもやはり大きな混乱もなく、またクレームのような類のものも一切なく、ただただ秩序が保たれた中で時間が進んでいきます。
やはりこれは間違いなく、参加くださるお客様のおかげだと思います。

この サイン・握手会 自体は、どこからも楽しそうな声が溢れ、常に人の移動があり、そして複数枚の券を手に何度も何度も往復する人もいる。
それでもスタッフの誘導にしっかりと従っていただけ、本当に誰の立場から見ても、そしてどの目から見ても楽しい時間になったと思います。


私自身、スタッフとしてそんな様子を見ていて、みなさんが楽しそうにしている様子やそんな心の中がこちらにもしっかりと伝わってきましたし、間接的に一緒に楽しんでいるような気持ちにすらなりました。

実際、この サイン・握手会 の間、私がそのような形で本当に色々な人と話をしながら作業を進めている様子を見た他のスタッフからは、本当に驚いたと後で言われました。

その方曰く、私がしっかりと自分の仕事をこなしながら、順番を待つ人に声をかけたり、出口に向かう人や入口から入ってくる人に声をかけたりしていた。
更には、テープで仕切られた外側で座って見守ってくださっている方に話しかけて見たり、他のスタッフに指示を出したりもしていたと。

かなりじっくり見られていたようです。
常に周りのことは広角的に見渡すようにはしていましたが、そんな視線には気づきませんでした。


私が順番待ちの方に声をかけていたのは、やはり自分が順番を待つ立場だったらどうだろうか、何をして欲しいだろうかという発想からであり、そんな方々の不安や疑問を少しでも払拭するためです。

入口の近くの人に声をかけるのは、その方がお目当てのキャストを探しているからかもしれないですし、どこを通っていけばいいのか悩んでいるかもしれない、そもそもどうすればいいのかシステムを理解できていないかもしれない ・・・。
やはりこれもせっかく楽しいことを求めてここに来てくださっているのに、そこで不安を感じて欲しくないからです。

出口に向かう人に声をかけるのは、楽しいことが終わった時こそ、段差のある足元で足を引っかけてしまうかもしれないですし、全員には言えなかったとしても1人でも多くの人に感謝の言葉を伝えたいからです。

外側で見守ってくださっている方に声をかけるのは、そこに元々知っている方が多く座っているというのもありますが、そんな人にも少しでも楽しい時間を過ごして欲しいという想いもありますし、まだ参加券を使い切っていない人を促すという意味もあったりします。
また今回は、初めてお会いする方とも随分とこのタイミングでお話をさせていただいたと思います。

他のスタッフに声をかけるのは、やはりこの現場のスタッフはそもそもが役者一本でやってきている方が多く、このようなイベントの専門家では無いという部分が大きいです。
こういうイベントに慣れた人がある程度引っ張っていくというのは、イベント自体をスムーズに進めるためには必要なことですし、お互いに声を掛け合ってチームワークを持って進めていくというのも大事なことです。


一番大切なのは、交流をしているお客様に対して、ある程度の時間を見ながら声をかけていくこと。
またここでは、その時の状況を見ながら、お客様ではなくキャスト側に声をかけることもあります。

どんな場合でも全てはやはり相手の立場に立つということが大切だと思いますし、そこにはやはり私自身も1人の参加者としてこのようなイベントを何度となく経験しているというのは非常に大きいと思います。
ジャガイモンプロジェクト の強みとして、これまでの活動の中で色々な立場からの様々な経験を私自身がしているということがあると思います。

今回も、その部分は大いに役立っています。

   


サイン・握手会 を終え、全てのお客様が退出したところで、この日の全日程は終了です。

取り急ぎ、翌日に備えて会場を元通りのレイアウトに戻します。

舞台上ではキャストが集められ、翌日の千秋楽に向けての時間の確認や諸々の話が舞台監督の 上田 さん からありました。
泣いても笑っても、あと1日で、彼女達のこの春の壮大なストーリーが集大成を迎えます。


楽しみでもあり、そんな最後の1日がいつまでも来てほしくないような気持ちもあり、嬉しいような、寂しいような、何とも複雑な想いに満たされる夜は、この時期の札幌にしては随分と涼しい風が吹いていました。

そんな中でも ちーしゃみん さん は最後のチケット手売りをするため、意気揚々と出発していきました。
本当にすごい子です。

「絶対1位になれますように」 と祈ることしかできませんでしたが、すでに感傷的になりつつあった私の目からは、そんな彼女の背中を見送りながら、何だか大粒の汗のようなものが流れ出していました。







5月21日 (公演5日目・千秋楽)

ガールズ達の49日目の朝は、泣いても笑ってもそれぞれの所にやってきました。

この約1ヶ月半、いつものようにみんなで集まり、いつものようにみんなで笑い、時に泣き。
嬉しいことも悔しいことも、楽しいことも辛いことも、みんなで共有して過ごしてきた日々がついにこの1日で終わります。

当たり前だったこれまでの日々が、明日からはもう当たり前のものではなくなってしまいます。

あの稽古場にみんなで同じ目標持って通うことももうありません。
そして、この コンカリーニョ へ、この みちこのみたせかい の為に現場入りすることも、これが最後になります。

もう明日からは、どこにも同じ景色はありません。
思い出という心の中の以外には。

   
   


朝、私も改めて身の引き締まる想いで、コンカリーニョ へと足を踏み入れました。

まだスタッフの方が数人しか来ていない時間帯。
何度も来ているはずのこの場所ではありますが、改めてグルッとあたりを見回し、そして千秋楽の1日も全てが無事に過ぎていくことを祈ります。


しばらくするとキャストの彼女達が1人、また1人と現場入りしてきます。

どの顔を見ても、良い意味で普段通り。
それは最終日だからといって朝から緊張感たっぷりというのではなく、誰からも本当にリラックスしている様子が伝わってきました。


この日、私は現場入りしてからしばらくは通用口のすぐ近くで、そこから動かずにスタッフの方と話をするなどして過ごしていました。

実はこれには明確な理由があります。
まもなく次々と現場入りしてくるキャストのみなさんを待っていたのです。

こうして1つの公演を通じて同じ現場にいるというのは、これは大きな 御縁 です。

一方は舞台の出演者としてのみなさん。
こちらはタレントプロダクションであると同時に、1スタッフでもあり、取材者でもあります。

ですがそんな立場はどうであれ、こうして出会えたということ、接点があったという事実は、それが偶然であれ必然であれ、私にとっても ジャガイモンプロジェクト にとっても大切なことです。

ジャガイモンプロジェクト がこれまでの活動の中で、最も大切にしているのは 御縁 です。
であれば、この機会に恵まれたその 御縁 の1つ1つも本当に大切なものです。


どんな現場であれ、人数がそれほど多くない現場であれば、1人1人と確実に接することができると思います。

ですが、今回のように人数が多い現場。
ましてやこれから大事な本番を迎えるような現場では、1人1人とゆっくり接し、そして交流を確実にしていくことは困難です。
多くの時間さえあればそれも乗り越えていけるとは思いますが、今回の公演では私は、チケット販売イベント、稽古場での取材、そしてこの本公演中の2日間と、計4日しか現場入りできませんでした。
そういう意味では時間は十分ではありません。

昨年の公演でも一緒だった人とはすでにお互いに知っていますから何ら問題なく会話にも入れますが、初めての人だとなかなかタイミングがつかめずにいたりもします。
まして、ここまでの長期間を一緒に過ごしてきた彼女達の、残り少なくなった一緒に過ごす時間を邪魔したくないという気持ちもあります。

だからこそ、それぞれがバラバラに入ってくる朝一番のそのタイミングを使って、それぞれと最低限一言でも交わすようにしています。
今回の公演でも、このタイミングだけではなかったにしても、確実に全員と直接話を出来たと思います、

お互いの存在にお互いが気付いていたとしても、やはりたとえ一言だったとしても直接言葉を交わすというのは、交わさなかった場合よりも全く違った効果やその後への影響を残していくと思います。

私のような活動をしているものにとって、こういうちょっとしたことは、本当に大切なことなのです。


一度いただいた 御縁 、恵まれた 御縁 というのは、決してこの場限りではなく、これからも続いていくものだと思っています。

実際、昨年の公演にも出ていたメンバーに限って見てみても、例えば ちーしゃみん さん のイベントに行ってみたり、小西麻里菜 さん の出演するライブに行ってみたり、塚本奈緒美 さん岩杉夏 さん のお芝居を見に行ったりするなどもしましたし、他にもSNSなどを通じて交流の続いているメンバーが多数います。

確かにその1回1回を私自身が心から楽しんでもいますが、様々な形で 御縁 が続いていくこと自体がとても大切なんだと感じています。

   


この日も朝はまず舞台にキャスト全員が集まり、納谷 さん からの千秋楽に向けての言葉がありました。

そこには、「千秋楽だからって、何でもやっていいこということはない」 という言葉があったのが改めて印象的でした。
今日で終わりだからといって、最後だからといって、何でも好きなことをやって終わっちゃおう、というのはダメだという話でした。

確かに、毎回の公演をアドリブを入れて変えていくのと、最後だからということでパパッと何かをやってしまうのとでは、その意味合いも受ける印象も全てが違うと思います。
最後の最後までしっかりと舞台を務めるということは絶対的に大切なことだと思いますし、そこには変な意味での解放感は本番中には必要ないと思います。

最後だからこそそんな解放感や自由度があってもいいという考え方もあるのかもしれませんが、少なくともこの場所にはそんな考えはありません。
私も素人ながらに、そんな 納谷 さん の意見には大賛成です。

   


また、この場では 久保田れな さん から改めての挨拶もありました。

彼女が声を詰まらせながら感謝を伝えるその様子には、周りで聞いていた子達の中にも涙を流す姿も。

すでに前日の夜公演から舞台に復帰こそしていたものの、そんな 久保田れな さん から伝えられる心のこもった言葉には、改めてその復帰を嬉しく感じ、そして私自身も涙を抑えることはできませんでした。


また、このようにキャストが集合して何らかの話などをした後、その場を解散する時には必ず 納谷 さん からの大きな声で発せられる言葉があります。

それは、「○○さん、よろしくお願いします!」 「舞台裏の○○さん、よろしくお願いします!」 「受付で頑張ってくださってるみなさん、よろしくお願いします!」 ・・・
と、照明さん、音響さん、メイクや衣装を担当するスタッフさんや、受付や物販で作業をしているスタッフさんの方々に対し、必ず 納谷 さん の発声の後、キャストのみなさんからも、「よろしくお願いします」 という大きな声がかけられます。

昨年の公演の際にもこれは毎回必ずありました。

そして、その際には必ず、「ジャガイモンさんも、よろしくお願いします」 と言っていただけます。
本当にありがたいことです。


最後の1つは有っても無くても、このようにして毎回必ず周りで動いているスタッフの方に声をかけてくださるというのは、私も1人のスタッフとしても現場入りしているからこそ、本当に嬉しいものです。
そして、それぞれやることや役割は違ったとしても、みんなで1つのものを作っているという一体感を改めて感じることも出来ます。

簡単なことのようであって、単純なことのようであって、これってものすごく大切であり、大事なことだと思います。
私自身もこれは絶対に見習わなければならないことだし、ぜひやっていきたいことだと、自分が声をかけられる立場になったからこそ改めて感じることもできました。


今回の公演にスタッフとして入るにあたり、ここでやることを誰かから感謝して欲しいと思ってやっているわけではありませんし、誰かに評価して欲しいとも思っていません。
また、仕事だともただ流れていく作業だとも全く思っていません。

ですが、そんな中でこのような形で声をかけていただけるというのは本当に嬉しいです。
朝、まだ何もしていないのに、なんだか幸せな気持ちで満たされもしますし、この子達のために今日も頑張ろうという気持ちにもなれます。

言葉って本当に不思議です。

   


11:00 には昼の公演に向けて、まずは 物販 がスタートします。

この日もその時間を前に、数名のスタッフと共に受付周りの準備をしたり、スタンド花を屋外に出して並べたりと、お客様を迎える準備を進めました。

実はこの場所には今回、ジャガイモンプロジェクト 名義で公演に宛てて送らせていただいた花も置いてありました。
お客様の中にはそんなことに早々に気づかれ、私宛に写真を送ってくださった方もいらっしゃいました。

また、そのほとんどは公演初日に合わせて届けられ、そして連日飾らせていただいたものがほとんどでしたが、そんな中で千秋楽に合わせ、大きなスタンド花が1つ増えていました。

各プロダクション様や関係者から送られたもの、ご家族やお友達から送られたもの、ファンの方から送られたもの ・・・
大きさも色もデザインも、それぞれ様々なものが並んでいますが、これらには間違いなく共通する同じ部分があると思います。

それは、その1つ1つに心がこもっているということです。

そしてそんな1つ1つが会場入口を文字通り華やかにしてくれ、そしてスタッフとともにお客様を迎えてくれます。
本当にありがたいことです。

   
   


物販が始まる前には前日と同様に 菊地颯平 クン と外へ。
そこにはすでにたくさんのお客様が集まってくださっていました。

そしてまたそこには私が存じ上げてる方の顔もたくさん。

直前の感動を心に貯めたままに外に出たところ、いつも会う方に私のそんな心の中はすぐにバレてしまいました。
まぁでもその部分は隠すべき秘密でもないですし、たとえ涙が流れていたとしても恥ずかしい涙ではありませんし、それでいいと思います。


また他に、この日は朝から遠方からの遠征組の方の姿もたくさんありました。

これまでに私が参加したイベントなどで過去に何度となくお会いしている方がグループでいらしており、そんなみなさんとの再会も本当に嬉しいことの1つです。
ここでそんなみなさんの集合写真のシャッターを押させていただきましたが、画面の向こうで笑顔が溢れるその光景がなんだかとても眩しくも思えました。


他にも色々なコミュニティがあったり、元々は別々に来たけれどこの場所で連日会っているうちに仲良くなったという方もいらっしゃいました。
”みちこ友” だそうです。

この公演をきっかけに新しい仲間ができたり、何か新しい発見や気付きがあったり、この後の何かに繋がっていったり、誰かの心を揺さぶるものになったり ・・・
どんなことであれ、それがこの公演であったなら、それは本当に嬉しいことです。


この公演をきっかけに演劇に興味を持ってくれる人もいるかもしれない、当初の目的以外のキャストのことも気にしてくれるかもしれない。
そんな可能性は無限大だと思います。

実際、私のこれまでの活動の中で、最初はアイドルのイベント現場でお会いしていたファンの人の中にも、去年の公演を経験したことで確実に演劇というものにも興味を持ってくれているという人が何人もいます。
最初は自分の目当てのアイドルの子を見に来たはずなのに、気が付いたら演劇自体を真剣に観ていて、そしていつの間にか演劇の事が大好きになっている。

アイドルをメイン活動している子と、役者をメインで活動している子が入り混じっていることで、アイドルのファンだった人が違う役者のことも気にするようになった。
演劇が好きで、お芝居を純粋に観に来たけれど、可愛い子が一生懸命に頑張っている姿が気になってしまった。

そんな様々な流れは、色んな人にとって大きな意味があると思います。


昨年、アリスインプロジェクト の公演が初めて札幌で行われた時、これに出演したキャストの中でも役者が本業という人の中には、アイドルと一緒の舞台ということに最初は疑問や不安を抱えていた人もいたかもしれません。
自分にとって何か得るものなんてあるのかと、戸惑ったかもしれません。

ですが昨年の、そしてあれから今年にかけてのたくさんの人の動きを見たり、そして話を聞いていると、この役者とアイドルとの競演ということには、本当に大きな意味も、得られるものもあったのではないかと思います。

札幌の演劇界にとってや、実際に出演した役者さんにとっては、新しいファン層の獲得という大きな結果が付いてきたと思います。
タレントやアイドルのみなさんにとっても、普段自分達のことを観てもらえるチャンスのない層の人達にも自分の達のことを観てもらえた、知ってもらえたという意味では大きな成果があったのではないかと感じます。

そういう意味では昨年の アリスインプロジェクト札幌公演 は、単純に1つの興行という考えではなく、色々な人にとっての正解であり、成功であり、次に繋がるものだったのだと思います。


そして、今年の会場に集まって来てくださるお客様や、公演前後に聞こえる様々な声。
更にはSNSなどを通じてたくさんの方から発信される感想や想いを見聞きすると、今年の公演も間違いなく去年から脈々と続く色々なものがあり、そしてそれらはきっと来年以降も繋がっていくのだと確信しています。




11:30 の開場時間の前にはいつものように外での整列が始まります。

が、ここでちょっとした共通の驚きがありました。
それは、たくさんのお客様が自主的に列を作ってくださっていたということです。

確かに、この回の公演が初観劇だという方も間違いなくいたでしょうし、そういう方からはチケットに関してなどの質問がたくさんありました。
しかし、もうすでに何公演も観劇されている方も多くいらっしゃり、そんなみなさんはすっかり入場のシステムを理解された上で、自主的に列を作ってくださっていたのです。
スタッフとして、こんなにありがたいことはありません。

また、この公演は全8公演の中でも一番チケットの売れ行きがよく、数日前には前売りチケットの販売を終了していました。
そんなこともあって、外にはこれまでにないほどの人の多さ。

しかしそれでもみなさんがこちらの誘導に従ってくださり、並ぶことに関しては全く混乱もありませんでした。

   


ただ1点、今回のチケットに関して。

A列B列C列の前方3列は指定席となっており、こちらのチケットはインターネットでのみ購入できるシステムだった為に特に混乱なく済みました。

ですが、自由席に関しては、インターネットで購入する場合と、手売り等で直接現金で購入する2種類のチケットがあり、少しわかりづらい部分があったのではないかと思います。
自由席のチケットには入場列を作る為の ”整理番号” の記載があるのですが、これがインターネットで購入するチケットと、手売りのチケットとで、番号の重複があったのです。

こちらで1枚1枚確認すれば問題なく誘導できますし、疑問を持たれて質問をしていただけた方に対しても正しい誘導はできてはいましたが、中にはそうでない方もいらしたのではないかと、後になってもずっとそれが心に引っかかってしまいました。


自由席の方は、まずインターネットで購入された方に先に入場いただき、その後に手売りで購入いただいたチケットの方に入場いただきました。
したがって、前者のチケットをお持ちの方が必然的に前方や中央など、希望通りの席を取りやすいのです。

ですが、せっかくインターネットで購入し、本来であれば早く入場できるはずだったのに、中には手売りの方に交じって並ばれてしまった方もいらしたのではないかと、そんな心配がみなさんが入場された後で心の中に湧いてきました。

実際どなたからもそういう部分でのクレームや質問は無かったため、具体的には何ら問題になってはいないのですが、もし自分が本当はインターネットでチケットを購入したにもかかわらず、早く入場できるチャンスを逃してしまった立場になったと考えると、そうだと気付いた時にちょっと残念な気持ちが湧いてくるのではないかと思います。


1つの公演は、その公演が終わった瞬間に全てが終わるものではありません。
公演が終わって家に帰り、その事を思い起こす時間も、誰かとそんな話をする時も、SNSや日記などにそんなことを書き込む時も、そんなの全てもその1つの公演の一部だと思います。

だからこそ、せっかく時間をかけ、お金をかけ、想いをめぐらせ、期待を持ってこの公演に来ていただいたお客様には、そういう変な疑問や残念な想いを持って欲しくない。
そう考えた時、私自身の中にも同じ誘導をする時に、もっと良いやり方、確実に正しい方向に導ける方法があるのではないかと、改めて考え直す機会にもなりました。

どんなこともやはり相手の立場に立ち、相手の気持ちになって考えてこそ、そこにより正しい、より正解に近い答えが導き出されると思います。

   


12:00 、この公演全8公演中7回目。
そしてこれが 月組 としては最後の公演。

満員の客席からの視線が一点に集まり、舞台の中央でスポットライトに照らされる主役の 敷島未知子吉本ほのか さん の台詞が奏でられはじめます。




110分のお芝居が終わると今回も最後にキャストからの挨拶があります。

そしてここではいつもどおりの流れの後で、月組 のダブルキャストとしてこの回で全ての出演を終える4人から挨拶がありました。

そこには笑顔があり涙がありました。
それぞれの素直な想いが溢れました。

この座組の最年少ながらも最後まで健気にその役を全うした 田中優奈 さん の涙には、私自身も涙を抑えることができませんでした。
一生懸命頑張ってきた先に待っている涙は本当に美しく、そして素敵なものです。




私の頬を濡らす涙はまだ乾いていませんでしたが、この後は今回もいつものように サイン・握手会 の時間です。

私はスタッフとして前日と同じ配置につき、同じように準備を進め、そして同じようにその会が始まりました。

しばらくの間は、また自分の担当する8人のキャストを中心に、周囲に気を配りながら時間が進みましたが、ここで今までと違う現象が起こり始めていることに気付きます。
というより、事前に気が付いておくべきでした。

私の担当する場所の8人の中に、ダブルキャスト で出演する4人がいたのです。

ということで、必然的にその4人の列が長くなります。
そして、そんな4人に対してプレゼントをお持ちになられる方も少なくありません。

それに反して、2つの事務テーブルに8人のキャストがいる為、1人1人の場所が狭い。
更にはキャストの後ろ側はお客様の移動の動線となっており、そこに物は置けない。

そこが私の頭の中から抜け落ちていたのです。

気が付くと、前の方から受け取った花束を両手に抱えたまま、次のファンの方に窮屈そうにサインをしているキャストの姿が見えました。

幸い、いざという時にはすぐにメモを取れるような準備はポケットの中などに出来ていたため、すぐさまその花束や大きなプレゼントを一旦預かり、それぞれのキャストの名前を書いては舞台裏に運ぶという作業を何度か繰り返し、混乱らしい混乱もなくやり過ごすことができましたが、完全に油断していました。

他のスタッフが担当するテーブルは1ヶ所あたりの人数も少なく、また左右にも場所の余裕があるためにプレゼントが来てもそのまますぐ横に置いておけたようです。
だからこそ、逆に考えて、この場所を私が担当したのはある意味では正解だったかなとも思いました。

慣れてない人がこの場所にいて、同じ状況になったとしたらどうなっていたか。
あの花束やプレゼント達は綺麗なままでいられたか、そう考えるとちょっとした安堵感にも包まれましたが、やはり反省すべき点も大きいです。



自分の前の列が無くなったキャストは一旦舞台裏へと下がります。
そして、流れの中でお客様が舞台上にいないキャストを希望された場合にはマイクを使って再び舞台上へと呼び戻します。

そんなことが繰り返されながら進んでいくのですが、希望のキャストを伝えてくださるお客様は、そのキャストの普段の名前やニックネームでおっしゃる方もいれば、役名で伝えてくださる方もいます。
そうなれば最低限、こちらとしては全員の名前とニックネームと役名が一致していなければなりません。

また、多くの人が溢れる中で、そのキャストがどの場所に配置されているのかということも覚えていなければ探すのに時間がかかってしまいます。

お客様の立場からすれば、当然現場のスタッフはそのくらいのことは一通り把握しているだろうと思うでしょうし、そうでなければ混乱にも繋がりかねません。

幸い、私はそういう部分も含めて事前にしっかりと覚えていましたので特に問題はありませんでした。



また一方で、一部関係者の間で話をしたのですが、このような形での終演後の サイン・握手会
主催側の提供の仕方や、参加側の動きによってはまだまだ参加いただける方も増え、もっともっと盛況になるはず、できるはずだという話にもなりました。

1つの演劇だけを純粋に楽しみ、感動や満足感を胸にそのまま帰路に就くのも1つの楽しみ方であり、これを否定する材料は全くありません。

ですが、終演後に直前まで舞台に立っていたキャストと触れ合い、そして交流ができるというのは、必ずしも全ての演劇においてあるものではなく、これを楽しむというのもよりその演劇を満喫する素材になるのではないかと思います。

私がこれまでに個人的に観に行った演劇の中では、ごく稀に終演後に交流時間が設けられているものもありましたが、それ以外は ”お見送り” という形で、劇場の外などで出演者の方が待っていてくださり、そこを通る際に少しお話をしたりできる程度のものがほとんどでした。

確かにこれも楽しい。
ですが、改めて設けられている時間があるともっと楽しい。
これは間違いないです。

また、このような形で交流を楽しめるというのは、その役者さん自身、タレントさん自身の魅力により触れることもでき、そこで伝わった魅力というのはまた次の様々な活動へと繋がっていくものにもなると思います。

ここで交流を楽しんでいただけた方が、その役者さんが出る次の違う演劇やイベントに来てくれるかもしれませんし、一層のファンになってくださるかもしれません。
アイドルの子が出演するライブに来ていただけるかもしれません。


また一方で、タレント側にとってもこの交流にのぞむにあたって事前に出来ることがあると思います。

普段からどれだけ自分のことをアピールできているか、その魅力を発信できているかというのはとても大事なポイントだと思います。

「〇〇ちゃんのところに行きたい」 「○○さんと話をしてみたい」 と思っていただくのは、当然自分の演技を通して心に訴えかけることも出来るとは思いますが、ある程度自分自身の努力も必要なのではないかと思います。

有料のイベントになってしまうと、これが必ずしも列の長さや人数の多さに直結しないという部分もありますが、ある程度の指標にはなります。


実際、今回の交流では、ちーしゃみん さん の列が昨年に比べても非常に長かったと、参加された方が口々に言っていました。

これは間違いなく、彼女自身がこの公演に向け、チケットの手売りを連日頑張り、その努力をしっかりと発信できていたことが大きいと思います。
あの惜しみない懸命な努力は彼女自身の魅力を引き上げるには十分であり、多くの人に、「ちーしゃみんと話してみたい」 と思わせたのだと思います。


来年以降も間違いなくこのような形での サイン・握手会 は続くはずです。

であれば、主催側としては1人でも多くの方にこの会に参加していただけるためにはどのような努力や発信が必要か。
そんな色々な想いが今から巡らされます。


お客様の立場に立って、どんなことを希望し、どんなものがあれば嬉しいのか。
キャストの立場に立って、どんなことをできるのか。
スタッフや運営者の立場に立って、どんなことを提供することができ、どんなことを仕掛けていくことが可能なのか。

相手の立場に立つというのは頭で考えるだけではわからない部分がたくさんあります。
実際に体験してみて見えてくることや感じることこそが現実であり、ただ想像を膨らませるだけで、現実を知らない人がいくら話し合いを重ねても、それはまさに机上の空論でしかありません。

そういう意味では ジャガイモンプロジェクト には、その全てを実体験を持って経験しているという強みが間違いなくあります。
そして私自身、こういうところでもそれぞれの立場に立って考えることがある程度できると自負している部分もあります。

しかし、だからといってそこで驕ってしまったり満足してしまっては進歩も前進も無いと思います。
どんなものもどんなイベントも、どんな話も、それは全てが勉強であり経験であり、そして財産です。

そういう意味では今回のこの サイン・握手会 も、私にとっては宝の山でもあり、至福の時間でもあり、また改めての大きな経験にもなりました。

1人のスタッフとして、お客様に楽しい時間を過ごしていただくというのは絶対的に必要な条件ですが、この時間は私自身にとっても本当に楽しい時間でした。

   


残りの公演は、泣いても笑っても 17:00 からの 星組 の公演で最後です。
この5日間、8回に渡って続く公演も、次の1回が 大千秋楽 です。

それでも舞台裏に入った彼女達からは、気負いや緊張も感じられず、いい意味でリラックスしているのが伝わってきます。

右手にサンドイッチを持って、左手に2個セットのおにぎりをしっかり握りしめていたあの子。
ケータリングの昼食が置かれている場所から離れないあの子。
財布を持ってどこかに行ったまま全然帰ってこないあの子。
どこで汚したのか両手をベタベタにしながらウロウロしているあの子。

不思議なくらいにいつもと同じであろう空気感と、いつもと変わらないであろう雰囲気が舞台裏に漂います。


それでもよく見ると、やはり少し違った空気感が漂っている場所もあったりします。

メイクルームで他の人よりも入念に長い時間をかけて髪型を整えてもらっている子。
1人壁に向かってフリの確認に余念のない子。
鏡を見つめて入念にメイクを直している子。
「もう最後だから」 と言いながら集合写真を撮っている子達。
ハンガーに掛けた自分の衣装を見つめながら何かをささやいていた、ダブルキャストの出番の終わった子。

それぞれの時間の過ごし方がそこにはあり、やはりいつもとは少し違う何かがありました。

あと数時間、彼女達の日常は間違いなく終わるのです。

   
   


16:00 、最後の 物販 が始まります。

この回も早い時間から長蛇の列ができました。
この公演のために作られたグッズはもうこのタイミングでしか購入することができません。

また、すでに完売を迎えてしまったグッズも数多く、残された商品の少なさが、それだけこの公演、そして物販が盛況だったことを物語っています。

そんな中で私のところに、何枚ものブロマイドやポートレート、パンフレットやTシャツなどにたくさんのサインの入った物を見せに来てくださったり、1人のキャストで何セットも出されているグッズのコンプリートを報告に来てくださる方が何人も。


関係者側の立場としては、ただ単純にグッズの販売が増え、売り上げが伸びていくというのは喜ばしいことなのは間違いありません。
興行として考えた時、これは本当に大事であり重要なことです。

ですが私はそれ以上に嬉しく感じることがあります。
それは、このようにして、みなさんが私のところにそういう話をしに来てくださるという事実です。

普段、私は ジャガイモンプロジェクト としてイベント主催することもあれば、関係者・スタッフとしてイベントに参加することもあります。
また、他の方と変わらずに1人のファンとして様々なイベントにお邪魔させていただくことも多々ありますが、それがどんな立場の時であれ、いつも大切にしているのはたくさんの方と交流をするということです。

イベント主催者だからといって、参加される方と変な距離感を置くことも絶対にしませんし、むしろそんなみなさんの話の輪には積極的に飛び込み、そしてその場を一緒楽しんだりもします。

やらなければならないこと、守らなければならないことは最低限あるにせよ、関係者やスタッフとして参加しているものであっても、やはり積極的にお客様やファンの方と話をします。

1人のファンとして飛び込んだ時には他の方と同じ立場ですから、もちろん積極的に色々な方と話もしますし、交流も深めたいと思っています。


そんな私の普段からのやり方を知ってくださってる方は、これまでお互いどんな立場で会ったのかというものを乗り越え、どんな時にでも話しかけに来てくださったり、色々と声をかけていただけます。
それは私にとっては本当に心から嬉しいことであり、何ものにも代えがたい喜びでもあり、そして毎回の楽しみでもあります。

そうなるためには、私自身、常に話しかけられやすい雰囲気づくりや環境づくりもしなければならないと思いますし、それを怠ってしまうのは色々な意味での裏切りにも等しいと思っています。
だからと言って、決して無理をしているわけでもありませんが、とにかくそんなところからは得るものがたくさんあります。


時としてみなさんから色々な意見やアイデアを聞けることも多々あります。
他の運営やスタッフには言いづらいことも私には言ってもらえたりもします。

そんな話の中には本当に参考になったりすることも数多く、これまでもイベントの中で実際に採用してきたり、話の内容次第では急遽予定を変更したり、次への課題にしたりと、いつも自分の実になっていきます。

こちらも本音でぶつかっていくからこそ、相手の方も本音で向かってきてくださるんだとも思います。
だからこそ、そこにお互いを信頼信用する気持ちが生まれ、絆が生まれ、良好な関係が継続できるのだと信じています。

たくさんの方の意見を聞けるチャンスがあっても、それが遠慮や建前やそんなオブラートに包まれてしまっていたのでは真実は見えてはきません。


誰かを批判したり、間違っているとか、ダメだとか、そう言う気持ちは一切ありません。
ですが、今回の現場で周りを見てみても、どの運営の方よりも、どのスタッフさんよりも、間違いなく私が一番たくさんのお客様と話をしていたのではないかと思っています。

実際、他のスタッフの方からはたくさんのお客様と話をする私を見て、驚きの反応を伝えてこられる方もいましたが、私にとっては何の驚きでもなく、いつもと違うことでもなく、全くの日常そのものです。
それでも、どうして私がこういう事をしているのかということを説明すると、そのスタッフの方もずいぶんと納得していた様子でした。

自分自身が参加者になって、お客様の気持ちを理解すること、しようとすることは当然大切なことだと思っていますが、それは考える角度を変えると、たった1人の参加者の意見でしかありません。
ですが、たくさんの方の現場での生の話を聞くことができれば、それは何人分も何十人分もの参加者の意見になっていきます。

日々勉強です。


スタッフも勉強を重ねて強くなっていけば、きっと1つの公演、1つのイベントはもっとより良いものになっていくと思います。
(あ、今回のスタッフさんのことを悪く言っているのではないですよ!)




開場直前。
時間を見ながら会場の中に入ると、ちょうどキャストのみなさんが舞台に集まるところで、納谷 さん から本番前に最後の一言。
こんな毎回の流れも、本当にこれが最後です。

稽古で怒られたことも、褒められたことも、注意を受けたことも、全てはもう終わり。
この本番が始まってしまえばもう誰からも何も言われることなく、それはただその終わりへと向かって進んでいくのです。

横から見ているだけの私でも、最後のそんな時間を過ごす彼女達の姿がとても感傷的にも見え、同時になんだか逞しくも見えました。

最後の最後、いつものように円陣を組み、そして声を合わせて気合いを入れる彼女達。
さぁ、始まります!そして、終わります!




この頃、物販 が進む外ではいきなり、ゴロゴロゴロゴロゴロッ!!! っと驚くほど大きな雷が!

あまりの大きさに本当に雷なのか、それとも全く違うものの音なのか、一瞬判別のつかないほどでした。
慌てて上を見渡すと、空の一部に黒い雲がかかり始めていました。

   


16:30 には最後の開場となるため、今回も5分ほど前には外に入場のための列を作りましたが、そんな時、空から小さな雨粒が落ち始めました。

しかし幸いなことに コンカリーニョ は入口付近に大きな屋根のある場所があります。

私と 菊地 クン は、急遽長い列をいくつかに分断。
みなさんに屋根の下に避難していただき、直後に入場も始まったために、それほど濡れずにご迷惑をおかけすることなく済んだと思います。
自分達は少し濡れましたが、雨もすぐに止み、ちょっとひと安心です。

開演5分ほど前にはそんな外での案内も終了し、私も最後の1回を観劇すべく会場の中へと滑り込みます。
席に着く直前、改めて舞台の前から客席の方を見上げてみると、そこには最後の開演の瞬間を待つ人達の顔が並び、息遣いが聞こえてきます。

この場に並ばれている方だけでなく、これまでの7公演を観劇いただいた方も含め、全ての方に改めて感謝の念が募ります。
この公演もそんな方達がいなければ成り立ちませんでしたし、ここまで辿り着くことも出来なかったと思います。

そんなことを思いながら、私も一番後ろの列の座席にそっと腰を下ろしました。

   


17:00 、アリスインプロジェクト札幌公演 「みちこのみたせかい」 、最後の公演の幕が上がります。




これまで何度となく観てきたシーンも、繰り返し聞いた台詞も、毎回のアドリブで笑わせてくれた ”D・I・Y” も。
全てはこれが最後の1回です。

今後、いつか同じメンバーで、同じ台本で、同じ場所で、同じ演出で ・・・。
全て同じ条件で揃えたつもりでいたとしても、それは今のものとは絶対に違います。

この全員の顔が揃う瞬間がたとえ来たとしても、そこに至るまでの間にそれぞれが経験するものは、1人1人を変化させ、そして成長させていくのです。
全く同じことを繰り返そうとしても、それは絶対にできません。

これが全員が本格的な、誰もがプロフェッショナルと呼ぶような役者であったとして、そんな人達が以前のものに似せようとして創作をすれば、それなりに同じようなものが完成するかもしれません。

ですがこれは ガールズ演劇
全てのガールズ達が発展途上にあるからこそ、それぞれの ”今” は今ここにしかなく、儚いからこそ一瞬一瞬が貴重でもあり、二度と戻ってこないからこそ宝物のようにも思える瞬間です。

ある意味では世の中に生きる全ての人が発展途上にあるのかもしれません。
ですが、夢を追い、そして努力をしてそこを上っていこうとしている人の坂道は、他の人のそれよりも確実に角度があり、そして一歩一歩と進んでいくもの。
その坂道の途中にあるそれぞれの ”今” というものは、本当に今この瞬間しかありません。

だからこそ面白いし、今あるものは今観ておかなくては、後悔してももう二度と戻ってこない。


応援してくださるお客様の中にも、そんなことを想ってくださる、考えて観てくださる方は多いのではないかと思います。

台本を元にした物語自体も楽しめれば、それを演じる彼女達を観て、そして感じること自体も面白い。

また、そんな彼女達のここにしか存在しない ”今” を感じ、そしてそんな彼女達のこれからの ”せかい” を追いかけていくのもまた楽しいんだと思います。




ラストシーン。

敷島未知子吉本ほのか さん がスポットライトに照らし出され、台本の最後の1行に書かれた言葉を発すると、私の心の中にも、「あぁ、終わったんだな」 という何とも言えない感情が押し寄せてきました。

みちこのみたせかい の主題歌 『桜咲く春』 が奏でられ、そして改めて舞台の上に全員が揃った時、私はやはり ”泣かないで見送る” ことはできませんでした。
涙の向こうに霞んで見える彼女達の姿は、本当に凛として見え、そして前を見据えるその視線は力強くも逞しくも、そしてどんな宝石よりも大きな星よりも輝いて見えました。

これまでのどれよりも大きく長く、客席から惜しみない拍手が贈られます。

そんな中で彼女達1人1人から、最後の挨拶がありました。


最後まで笑いを取ってくれる子。
感情を抑えきれずに涙を流す子。
言葉に詰まりながらも必死に今の想いを表現する子。
客席のこちら側をゆっくりと見回して1つ1つの言葉を大切に重ねていく子 ・・・

そこにはどんな正解も不正解もなく、それぞれの率直な気持ちが重ねられていました。

お芝居の中ではそれぞれに役どころがあり、役割がありましたが、この瞬間は全員がヒロインだったと思います。
私自身も本当に思いっきり感動しましたし、流れる涙は枯れることを知らないほどに止めどないものでした。


私のこの感動は決してこの場で起こっていることだけに対するものではありません。
今年の公演も稽古の期間が始まる前から当然すでに色々と全体の準備は進んでいましたし、私の方でも様々な準備や発信を行なってきました。

その中では色々な情報にも触れ、日々努力や苦労を重ねていく彼女達の姿にも触れていました。
たくさんの悔しい思いや辛い思いも乗り越えてここまでやってきた様子も、私なりに見聞きしていました。

そしてそんな彼女達を、私なりの、ジャガイモンプロジェクト なりの方法と手段で微力ながらもサポートしてきたつもりです。

その中でこの公演に対する、そして彼女達に対する想いは必然的に強く大きくなっていきました。
そう考えると、私はその自らの涙を止める術を見つけることはできませんでした。




この後は最後の サイン・握手会 です。

私は涙の乾かないままに急いで客席の階段を駆け下り、テーブルをセッティングしたり会場の準備をしていたのですが、そんな様子に気づいたあるお客様がポンポンと2回、私の背中を叩いてくださいました。

その優しい衝撃に一層の涙が流れ、もう止まりません。
これからその場所を仕切らなければならないスタッフとしては恥ずかしい限りでもありますが、もうそこは大きな声を出してお客様を誘導し、時に上を見てごまかすしか方法はありませんでした。

でも1つ言えることは、そんな涙は誰に見られたとしても全く恥ずかしくないということです。

普段であれば泣いているところを誰かに見られれば、それは恥ずかしいと思います。
ですが、これは間違いなく彼女達がここまでやり遂げてきたことに対しての称賛の涙であり、感動の涙です。

誰に何と言われようと恥ずかしくない涙です。



最後の サイン・握手会 は、全てを終えた彼女達に最後のメッセージを伝えようとするお客様で溢れました。

プレゼントや花束などを手にして参加される方もとても多く、あちらもこちらもすごい盛り上がりよう。
そんな中ではファンの方に伝えられた言葉に涙するキャストの姿もありました。

彼女達も決して自分達だけでこの公演を成し遂げたのではなく、また周りのスタッフだけが支えたのでもなく、そこにはたくさんのお客様、たくさんのファンの方の支えも間違いなくあったのだということを改めて再実感できる機会にもなったと思います。
気持ちではわかっていても、やはりこのようにして目の前で直接何かを伝えていただけるというのは本当に嬉しいことです。

「おめでとう」 「お疲れさま」 「ありがとう」 ・・・
いろんな言葉が優しさと愛情をまとって飛び交っていました。

こんなに温かい空間にいるだけでこちらまで幸せになってしまうような、本当に素晴らしい空気が充満していました。

お客様みなさんも、それぞれに様々な想いを持ってこの公演を体験してくださり、そして応援してくださった事は、スタッフ関係者として関わる者としても本当に嬉しい限りですし、感謝してもしきれないほどのものです。


そんなお客様が交流を終えて次の方に順番を譲って下さる時や、会場を出られる時には私なりに心を込めて、「ありがとうございます」 とお伝えをさせていただきました。

この一言、私は絶対に、「ありがとうございました」 とは言いません。
ここでも必ず、「ありがとうございます」 とお伝えするようにしていましたし、普段からその考えは一貫しています。

私が相手に対してお礼を伝える際、そこにはっきりとした主語がついているのであれば、それが終了したことに対する、「ございました」 はありだと思いますが、私は特に ジャガイモンプロジェクト での活動においては、「ございました」 は使いません。

例えば今回の公演で考えてみても、この公演はこの日で終わりますが、それぞれのみなさんとの 御縁 はこれからも続くものだと思っています。
それはキャストのみなさんに対しても、スタッフのみなさんに対しても、お客様に対しても同じです。

そういうところに対し、「ございました」 という過去形に繋がるような締め方をしたくないというのが本音であり、次がまたありますようにという想いを込めて、「ありがとうございます」 という言葉で締めるようにしています。

ちょっとしたこだわりですが、実は私の中では大切にしている部分でもあります。

ですので今回も、お客様をお見送りする際、最後は、「ありがとうございます」 で送らせていただきました。



そしてこの サイン・握手会
最後の最後にちょっとした出来事がありました。

それぞれのキャストが出番を終えて舞台裏に下がる際、タイミングが合えばマイクを持って一言二言挨拶をしてから下がるという事をしていたのですが、そんな中で最後の舞台上にはお客様2人に対してキャストも2人。
そしてそのうち1人のお客様はまだ参加券を複数枚持っており、最後に誰に使うか悩んでおられました。

すでに新規の受付も終了した時間で、その方は、「まだ大丈夫?」 と、周りのことを心配してくださったのですが、そんな声に対して私は、「せっかく持ってるんだから全部使おう!」 と答えさせてもらいました。
元々少し知っている方でしたが、そういうことは関係なく、やはりこういうものは許される範囲内で後悔なくあってほしいものです。


するとその方、最後の1枚をその2人のキャストのどちらに対して使うか迷われた結果、最後は 吉本ほのか さん のところで使ってくださったのです。

これにより、もう1人舞台に残っていた 長南舞 さん が先に挨拶をすることになり、大千秋楽の最後の最後は、座長である 吉本ほのか さん の挨拶で終えることができました。

これは最初から予定していたものでも、ましてや計画していたものでもなく、偶然が重なった結果の産物だったかもしれませんが、それでもなんだかとても嬉しく、そして良い締めになったのではないかとも思います。

直後、会場の片付けが始まる中で、私自身一瞬その場を離れ、最後の彼に一言声をかけに行かずにはいられませんでした。

何事も、「終わり良ければ全て良し」 と言います。
彼はそんな最後を演出してくれました。
本当にありがたく、そして嬉しい出来事でした。



今回、私は4回の サイン・握手会 をスタッフとして担当しました。

どの回もたくさんの人の笑顔が溢れ、キャストはお客様から幸せをいただき、お客様もキャストとの交流で幸せを受け取っている、そんな空間が広がっていました。

そんな様子はスタッフとして眺めていても、こちらまで幸せになってしまうような、そんなホッコリとするひと時でもありました。


いつも私が1人のファンとしてこのようなイベントに参加する時、このような交流の機会がある、そしてそんな機会に参加できるということを本当に嬉しく思います。

様々な機会に折に触れて応援している相手が目の前にいて、そしてそんな人に対して自分の言葉を通じて直接交流できるというのは本当に楽しいことですし、そこでサインを貰ったりできるというのも、いつも日常的にあるチャンスではなく、ここには大きな非日常が存在しています。


私自身がイベントの運営者もしくはスタッフ、またはタレント運営の立場としてこのようなイベントを見ている時も、そこに参加してくださるファンのみなさんやお客様に対しては、心から感謝の気持ちでいっぱいになりますし、タレントとファンの方との距離感が縮まることも嬉しく感じます。

この距離感の短縮は、お互いにとっての親近感が大きくなるという事にも繋がりますし、そしてお互いにとっての次にも繋がっていくのだと思います。


タレント自身にとっても、自分のことを応援してくださる方から直接声をかけていただける、そして自分から直接メッセージを伝えることができるというのは、とても貴重な機会でもあり、楽しくも嬉しくもあることだと思います。

これが本当に大きなイベントだったり、有名なタレントともなってしまえばまた色々と状況も変わってくるところだとは思いますが、少なくとも私の界隈ではこのようないわゆる 交流会 というのは、どの立場の人から考えても色々な意味でとても有効的なものなんだと思います。


今回、この コンカリーニョ で繰り広げられたこの 交流 の時間は、たくさんのお客様、ファンのみなさんの大きな大きな愛情を感じるものでした。
たくさんの優しさが溢れる素敵な時間でした。

きっとお互いが、相手から幸せや素敵な時間を貰ったと思っているのではないでしょうか。
ですが、ここにいる人は全員が、そんな幸せの需要者側でもあり、供給者側でもあるのです。

お互いがいるからこそその関係が成り立ち、お互いがいるからこそ支えられ、そしてお互いがいるからこそ優しくなれる。


今回の公演。
純粋にお芝居を観に来たものの、そんな直後にこのような状況を目撃し、中にはビックリしたという方もいたのではないかと思います。

ですがここは、人と人がお互いに優しさを持ち寄り、お互いを支え合い、そして次へと繋がっていく、本当に素敵な空間なんですよ、と私はそんな方に対して伝えたいと思います。





最後のお客様が会場を出られ、これで今回の公演の全てが終了となりました。

直後、私は片付けをし始めた手を少し休め、もうお客様の残っていないロビーへと出てみました。
すると外にはわずかに数人のお客様の姿が。

改めて見てみると元々知っている方や、この2日間で声をかけさせていただくなどした方ばかり。
居ても立ってもいられなくなり、そんな最後のお客様に改めてお礼も兼ねて少しだけご挨拶をさせていただきました。

そして、中に戻る時には、自動ドアのところで深く一礼して会場の中に入らせていただきました。

そんな私の様子を見て不思議に思った人もいるかもしれません。
そこまでやる必要ないんじゃないかと思う人もいるかもしれません。

ですが私は、普段の活動の中でもそうですし、普段の生活の中でもそうですが、後になって、「あぁ、あの時○○をやっておけばよかった」 と後悔をする事だけはしないようにしようと心掛けています。
もちろん誰かに迷惑をかけたりしないことは大前提ですが、”やる” か ”やらない” か迷った時には ”やる” を選ぶと決めています。

だからこそ、この時も後で後悔しないよう、最後に自分なりの一礼を。
まぁ、自己満足ですね、これは。




ついさっきまで物語の中心だった舞台は、アッという間にスタッフの方の手によって解体されていきます。
舞台裏に作られたメイクルームもバラバラにされ、ただの通路へと戻っていきます。

この作業はちょっと見ているだけでも本当にすごいものです。
カメラを固定して動画で収めておきたいほどの、まさにプロの仕事を感じる作業です。

ですが、だからこそここで邪魔になることは避けなければなりません。

ここは作業のない人は早く外に出るのが一番です。


ということで、これでこの公演でお世話になった コンカリーニョ ともお別れです。

私も通用口から出て、最後に振り返り、改めて建物に向かって一礼。
ついに終わりました。

本当に終わってしまいました。




この後は、キャストやスタッフでの打ち上げです。

解放感に包まれた楽しい時間ではありましたが、これでこのメンバーで何かを一緒にするということは本当に最後です。
そんなことを考えると、ある種の寂しさや喪失感も含め、色々な感情が湧いてくるようでもありました。

この打ち上げで最後に 納谷 さん からみんなに対してどんな話があったのか、誰が泣き誰が慰め、そして誰が笑い踊っていたのか。
そんな話を私からどなたかにすることはありません。

でも1つだけ。
ある人の一言で、私がまた泣いたのは事実です。
きっと誰も気づいていませんが。





キャストが集合し、顔合わせのあった4月3日からこの日までの、ガールズ達の49日間は終わりました。

時に笑い、時に泣き、辛いことも悔しいこともあったでしょう。
嬉しいことも、ビックリするような出来事もあったことでしょう。

知らない人と交流するのが得意ではない人もいたでしょう、大勢の中でうまく打ち解けるのに時間のかかってしまった人もいたでしょう。

でも、たくさんの時間を同じ場所で共有する事によって、自然と仲間意識も芽生え、それは経験や年齢、そしてそれぞれの立場も乗り越えて、気が付けは固い絆で結びついていたんだろうと、容易に想像が付きます。


初めての舞台出演だというも人少なくなかった今回。
思った通りにいかなくて、苦しんだ人も多かったと思います。
立ち止まってしまいそうになったこともあったのではないかと思います。

これまでに舞台の経験がある人にとっても、だからと言って今回が簡単なものであったはずはありません。
1つステップを上がれば、そこには向上心というものが生まれます。
より良いものを求めるからこその悩みや苦しみもあったと思います。

ベテランと言われる役者さんは、自らの姿や言葉を持って他のメンバーを引っ張っていた、導いてくれていたと聞いています。
そんな立場の人達は自分自身のためにやること以外に、周りのメンバーのためにやるべきこと、やってあげることが出てきたことでしょう。

それぞれ個性を持った26人のガールズ達は、それぞれがバラバラなようでいて、きっとお互いがいるからこそ前に進み、そしてここまで辿り着いたのではないかと思います。

直接声をかけなくても、直接手を伸ばさなくても、同じ場所にいてくれるだけで、そして目標という同じ方向を見ていてくれるだけで心強い、そして嬉しい。
それが仲間という存在なんだと、心から思います。

一方でライバル心を抱く相手のあった人もいることでしょう。
でもそのライバル心というのは、その相手のことを認め、そしてしっかりと見ているからこそ生まれて来るもの。
やはりそれも角度を変えて見てみると、仲間だからこそのものなんだとも思います。


公演前日、久保田れな さん が倒れ、宮田桃伽 さん が急遽代役に据えられた時、彼女達の絆や結束力は稽古場で過ごした日々よりもはるかに大きく、そして固く結ばれたのではないかと想像しています。

最初から予定されていたことでも、そしてもちろん望まれていたことでもなかったのは確かですが、このようなハプニングがあったことによって1つのチームがより結束するということがよくあります。

本来であれば何事もなく本番を迎えられるのが一番良かった。
ですが、このハプニングがあったことによって彼女達は25人から26人となり、そしてその26人の瞳は団結という大きな力をもってより一層同じ方向を向いたのではないとかも思います。


彼女達にあのハプニングが起こっていなかったら、この公演はどうなっていたんだろう。
そんなことは誰にもわかりません。

あのハプニングも含め、その全てがこの みちこのみたせかい の真実です。
真実は2つとありませんし、現実はたった1つです。



彼女達は今回、何のためにこの舞台に立ったんでしょう。
それはそれぞれの心の中にあり、その真実を揃えることはできないでしょう。

では、この舞台にどうして彼女達が選ばれたんでしょう。
それはきっと運命です。
そしてその運命は、ここまでに彼女達が自ら切り拓いてきたものです。

この公演に向けてそれぞれが集められ、そして稽古や様々なものを経て1つの舞台が完成した。
彼女達のうち1人でも今回と違う人がキャスティングされていたとしたら、この ”せかい” は間違いなく今とは違った ”せかい” になっていたはずです。

今回彼女達が作り上げた ”せかい” は彼女達にしか作ることのできなかった ”せかい” であり、ここにしかない ”せかい” でした。
彼女達はこの ”せかい” を作る運命であり、そしてここで出会う運命だったのです。



彼女達が紡いだ ”せかい” は、今回この舞台を観劇されたみなさんにとっては、どんな ”せかい” だったのでしょうか。
スタッフや関係者にとってはどんな ”せかい” だったのでしょうか。
そして、彼女達自身にとって、この ”せかい” はどんな ”せかい” だったのでしょうか。

そこにはその人の数と同じ数の ”せかい” があり、その ”せかい” の集合体こそが ”みちこのみたせかい” だったんだと思います。

この ”みちこのみたせかい” は、キャストだけではなく、スタッフも、そしてお客様も含め、周りの全ての人が作り上げた ”せかい” だったんだと、心の底から思っています。


私自身の目にも、この ”せかい” は本当に尊く見え、今も、そしてこれからも心の中に宝物として存在し続けます。

この ”せかい” も、そして舞台の上で輝いたあの26の光りも、その全てが永遠の宝物です。





主役の 敷島未知子 を演じた 吉本ほのか さん

彼女との初めての出会いからはすでに3年の月日が経過しました。

当時はアイドルグループ・サッポロSnow♡Loveits のメンバーだった彼女は、その仕事の中で演じることの楽しさを知り、そしてアイドルの世界から新しい道へと歩き始めました。

昨年の公演での、役者としての彼女との再会は、アイドル時代の彼女を知ってるからこそより一層嬉しくもあるものでした。
そして、その公演での彼女の大活躍、その飛躍は、本当の逞しくもあり、眩しくもありました。

主役級の重要な役割をしっかりとこなし、時に舞台の上で起こったハプニングを咄嗟のアドリブで回避し、そして時にその場の雰囲気を一変させることさえある真剣な眼差しは、彼女の真面目な性格を表し、彼女の存在感をより一層増すには十分なものでした。


そんな 吉本ほのか さん
今年は表題にもなっている、主役 の ”みちこ” の座を射止めました。

この起用、それはある意味必然だったようにも感じます。
稽古当初にそれぞれの配役が決まる際、その様子は私は直接見てはいませんが、この ”みちこ” という役を彼女が演じるいうのは、きっと文句なしに決まったのではないかと想像しています。

今年の稽古終盤、私が彼女に改めて再会した時、この座組の中での彼女の存在感に触れ、そんな想いがより強くなりました。


演技のこと自体は私は素人です。
私が、「この人は上手だなぁ」 と思っても、プロの目から見ると違っていることも多々あるかもしれません。

ですが彼女の場合は、私の目からも去年から今年の間での大きな成長率を感じずにはいられませんでしたし、それは関係者の間でも共通認識だったようです。


この公演が始まる直前、HTB 「平岸我楽多団」 で3週に渡って放送されたドラマ 「She is ELLY」 では準主役を演じた彼女。
これもものすごく良かったですし、テレビ画面の中で輝く彼女の姿に、私は心から感動しました。

そして今回の 敷島未知子
これは良かったとかそんな簡単な言葉では片付けではいけないのではないかという想いにすらかられるほどの素晴らしいものでした。

認知症の74歳の老女と、彼女の記憶の中の17歳の少女の演じ分けはとても大変だったと思います。
1つの役のようでいて、それは1人2役にも匹敵するものだったとも思います。

17歳の少女として保健室にいる時と、74歳の老女として病室にいる時の彼女は、話すスピードも声のトーンも変わります。
それはただ単純に2種類を演じ分けているのではなく、その時の状況や感情に併せて多種多様に変化していきます。

1つの小さな動きにも、そしてちょっとした仕草にも、本当に細部にわたるまで彼女なりの演出がされており、それが素晴らしい形で表現されているそんな光景は、演者としての彼女の凄さも感じ、そして大きな成長も感じるものでした。

また、普通の会話の中で突然表情を変えるような面白おかしく作られたシーンも数ヶ所用意されていましたが、毎回大きな笑いを誘いつつも、そんなところにも彼女の一生懸命さと真面目さが垣間見え、その度に観ている人達の彼女に対する好感度も上がっていったのではないかと、そう感じたりもしました。


稽古中のちょっとした空き時間も黙々と稽古を重ねていたそうです。
私が稽古場に行った時にも、全体の稽古の前に1人で机に向かい、台本を開いて黙々と紙に何かを書いている姿を目撃しました。

あの普段の笑顔の裏側には、彼女なりの一生懸命な姿があり、そしてたくさんの努力がある。
人一倍努力をするからこそ、それが答えとなって表面に出てきている。

彼女にはまさにそんなことを感じます。


今年の公演。
舞台での挨拶などで彼女は 座長 と呼ばれていました。
自らの演技や姿勢を持って他のメンバーを引っ張る、本当に素晴らしい 座長 がここにはいたと思います。

昨年の公演では、私の耳には一度もその 座長 という単語は入って来なかったと記憶しています。
改めて当時のレポートを読み返してみても、長い文章にもその単語は一度たりとも出てきません。

それだけに、この 座長 という単語には、その重さも感じます。


座長 だけがいればその座組自体が良いものになるわけではありません。
ですが、素晴らしい 座長 は、間違いなくその座組の資質を引っ張り上げます。

きっとこれからも彼女は更に素晴らしい役者になっていくのであろうと確信しています。
次にどこかで舞台に立つ時、きっと彼女は今より更に進化し、成長し、そして大きくなっているのだと思います。

そんな 吉本ほのか さん の次が、そして将来が楽しみでなりません。

今は、私に気が付くたびに笑顔で近付いてきてくれ、そしていつも声をかけたりしてくれる彼女ですが、きっと近い将来、そういう意味ではもっと遠くに行ってしまうのではないか。
そう思ったりもします。
それはそれで少し寂しい気もしますが、でもそれ以上にそんな彼女をちょっと遠くから見られる日も、とても楽しみだったりもします。




元脳外科医の 織部絹江 を演じたのは、塚本奈緒美 さん

彼女も昨年に続いてのアリスインプロジェクトの舞台への出演です。
そして彼女は、すでに役者としての経験も長い、”札幌演劇界の至宝” と言われる女優さんです。

私自身、昨年の舞台以降、彼女の出演する舞台を2本、帯広と札幌で観劇しました。
そしてその度に彼女の役者としての素晴らしさと、同時に1人の女性としての素敵さに触れてきました。

昨年の公演では、彼女は誰よりもたくさんの新しいファンを獲得しました。
それは彼女自身が仕掛けたものではなく、たくさんの人が彼女を発見し、そして彼女の魅力に気が付いたことによって起こった現象です。

その魅力というのは彼女自身の役者としての実力にも裏打ちされたものではあると思いますし、同時に彼女のその佇まいや存在感にも表れているものだと思います。

彼女のことを知り、そして触れ合うと、多くの人は彼女のことを好きになってしまうと思います。
実際、私の周りの人にもそういう人がとても多いですし、私自身もそんな1人なのかもしれません。

今回の公演でも、実際に公演には行けないけれど彼女の名前でチケットを購入したという人が私のすぐ近くにもいましたし、彼女の持つ魅力はたくさんの人を魅了していると思います。


塚本奈緒美 さん は、現在放送中のテレビCMでもナレーションを担当したり、他にもショッピングセンターのアナウンスやスーパーで流れる音声など、顔の直接見えない部分でも様々な活躍をしています。

その理由は、あの ”声” を聞けばきっと誰もが納得できるはずです。
とにかく彼女の声は誰の耳にも心地よく入ってくるのです。

昨年の公演で彼女の声を初めて目の前で聴いた時、私は一瞬であの声に惹かれました。

私自身、過去には声に関する仕事をしていたこともあり、普段から人の声、声質というものがとても気になることが多いのですが、そんな中でも彼女の声は本当に大好きな声の1つです。

彼女が役を演じている時の声は、その役柄や状況に合わせてその度に七色に変化します。
声のトーンも、話し方も、そんな全てが色々と違ってはいますが、そのどれもが魅力という力を持って耳に飛び込んでくるのです。


また、視覚的に目に飛び込んでくる彼女の姿もとても可愛らしいものです。
その立ち居振る舞いや仕草は、異性も同性をもキュンとさせる魔力を持っているかのようです。

ですが、彼女の一番好きなところを1つだけ挙げろと言われれば、私はやはり ”声” を挙げると思います。
いや、やはり1つでは収まりきらない ・・・ そんな事言い出したらキリは無いですが、とにかく魔力を超える妖力を持ったような、本当に素敵な魅力の持ち主です。


そんな 塚本奈緒美 さん が演じる 織部絹江 は彼女だからこそ醸し出せる雰囲気に溢れる素敵な74歳だったと思います。

研究者としての凛とした部分と優しさを兼ね備え、そして周囲からの尊敬を集めるその姿は、彼女の力によってより一層魅力的な役になっていたと思います。
今回の舞台には、絹江先生 のあの優しさや雰囲気があったからこそ、より一層全体が優しい雰囲気にも、そして温かい雰囲気にもなったのだと思います。

役者としても間違いのない実力を持つ彼女だからこそできる、台詞のない部分でも常に続く細かな演技と動き。
表情1つだけを見ていても、それだけで立派なお芝居が成り立っていくような、そんな凄さと素晴らしさを改めて感じました。


昨年ここで観た 『アリスインデッドリースクール・・・』 の青池和磨の彼女も、今回の織部絹江の彼女も、そしてその他の役を演じる彼女も、その中には全て 塚本奈緒美 という役者がいるはずです。
しかし、それらは彼女自身の存在を遙かに乗り越えて、あまりに別の存在に感じるものでした。

それぞれ本番が終わり、直接話をすると、そこにはいつも普段通りの彼女がいました。
しかし、舞台に上がった時、彼女は豹変します。

これが本当の役者なんだなと、素人の私にでも想わせてくれる。
塚本奈緒美 という役者さんはそんなすごい役者さんです。

決してグイグイ引っ張っていくタイプではないけれど、優しい眼差しでみんなを見守る。
そんな天使がここにはいました。




未知子の孫、井村結 を演じたのは、ELEVEN NINE 所属の役者でもある 廣瀬詩映莉 さん

彼女は本当にすごい子です。
そして普段から本当に楽しい子でもあります。

今回の舞台を通じて彼女のことを観た人は、きっとほとんど100%の人がそう感じたのではないかと思います。


彼女はアリスインの舞台は今回が初めて。
しかし彼女のことを語るのにもやはり昨年の舞台について触れないわけにはいきません。

昨年の公演を前にして開催されたチケット販売イベント。
そこには他の ELEVEN NINE の役者さんと同様、スタッフとして当日の進行を手伝ってくれている彼女の姿がありました。

この事実。
去年キャスティングされていた子達、そして今年の子達の中でどれだけの人が気付いているのか、それはわかりません。
おそらく彼女も自らの口で今年のメンバーに対してそんな説明はしていないのではないかと思います。

ですが去年、あの場所に彼女は間違いなくいました。
チケットを求めて並ぶお客様を誘導し、同様にスタッフとして入っていた私と一緒に作業にあたっていました。

そんな彼女が今年は役者としてキャスティングされたのです。

今回キャスティングされた25人の一覧を初めて見た時、その中に彼女の名前が並んでいるのを見つけた瞬間は、私自身も本当に喜びが爆発するような感情を覚え、鳥肌が立つような想いさえしました。
去年のあの姿を直接見ているからこそ、より一層嬉しいキャスティングでもありました。


私が 廣瀬詩映莉 さん を知ったのは、そのチケット販売イベントの10日ほど前のことでした。
当時、ELEVEN NINE さん の稽古場で行なわれた、ELEVEN NINE さん に所属する女性俳優で作られたユニット、ギャルソンモンケの実験公演 『となりの花は棘』 を観たのが彼女との出会いです。

そのお芝居で彼女は私に鮮烈な印象を残してくれました。
狭い場所で、観る人も少人数で、本当に手の届きそうなくらい近い場所で観たそのお芝居はとてもセンセーショナルでした。


昨年のアリスイン公演に、情報発信の部分と、一部スタッフとして入ることが当時すでに決まっていた私でしたが、これからご一緒させていただくことになる ELEVEN NINE さん のことは、インターネットで知る以外の情報は何一つとして持っていませんでした。
また、札幌の演劇界が今どうなっているのか、どんな感じなのかというのも全くの予備知識を持っていませんでした。

そんなこともあり、まずその第一歩として足を踏み入れた、私にとっての入門編がこの 『となりの花は棘』 であり、そこで初めて彼女を知ることとなったのです。

そのお芝居は約1時間の構成で、実験公演ということもあって通常のものより短い作りになっていたのですが、私の心にもたらしたものはあまりに大きく、その興奮に任せたままに、その場でアンケート用紙の裏面にまでギッシリと感想を書き込み、それを提出して帰ってきました。

それから約10日後、アリスイン公演のチケット販売イベントに取材スタッフとして行くと、そこには彼女の姿がありました。

私が裏までギッシリ書き込んだアンケートにもしっかりと目を通してくださっていたようで、私の名前を見てすぐにそれが一致もしたそうです。


あれ以来、彼女のことは HTB 「平岸我楽多団」 を主に、何度も何度も観ることができました。
前述の、吉本ほのか さん も出演の 「She is ELLY」 で主役を務めたのも彼女です。

他にも、この1年で彼女が出演した舞台も数本観に行かせていただきました。
それはどれも彼女の個性が光るものばかりで、そしてどれもが彼女の魅力をより伝えてくれるものばかりでした。


時に役者として真剣な眼差しを。
時にバラエティにも果敢に挑戦し、その本来の明るさと楽しさを。

そんな色々な表情があるのが彼女の魅力でもあると思います。

だからこそ、今回の舞台での 井村結 は、台本に書かれた1人の架空の人物ではあるけれど、ある意味では彼女自身なのではないかとも思えるほどの役でした。


明るく振る舞う、彼女の本来の元気さが前面に出た場面もあれば、演技で魅せるところもある。

車谷 の取材に対して大好きなおばあちゃんのことを熱弁するシーンは、多くの人の涙を誘う名シーンの1つに数えられると思います。
それは彼女自身の役者としての力がそうさせるものであり、実力者たるところを思いきり見せつけられたようでいなからも、観ていて本当に心地の良いものでもありました。


ある時、納谷 さん が彼女の事についてこう言っていました。
「この大勢の中に実力がある役者が混ざっていると、他の人の力が引き上げられる」 と。

まさにそれはこの 廣瀬詩映莉 さん に私自身も感じているところでした。


稽古場に取材に行った際、ちーしゃみん さん が鏡に向かて1人で演技の練習をしていたところに、横で観ていた彼女がアドバイスを送りました。
私もすぐそばでその具体的な内容まで聞いていたのですが、それを聞き入れた ちーしゃみん さん のその部分の演技は、直後に飛躍的に良いものになりました。

観ている人から演技しているように観えてしまうのではなく、どうやったら自然に観えるのか。
そんな指導でしたが、彼女の言っていること、指導することは素人の私から見ても的を射ているような的確なアドバイスに聞こえました。


全体で稽古をしている時にも、少し流れを止めて 納谷 さん が誰かに演出を付けていると、少し離れた場所では彼女が他の子にちょっとした指摘をしている姿を短時間で何度も見かけました。

このように全体を自らの演技で引っ張る役回り、昨年の公演や稽古では 小山百代 さん がやっていたなと、ふと1年前のことを思い出しました。
しかし今年のこの場所には 小山 さん はいません。

そんなことを考えると、この25人のガールズ達の中に 廣瀬詩映莉 さん が、ELEVEN NINE さん の中から唯一選出された理由も見えてきます。

普段の活動から 納谷 さん と一緒にいることが多い点も、良い意味で作用していたのだと思います。

この公演を通じての座長 は 主役の 吉本ほのか さん でしたが、稽古を通じての現場でのリーダーは、あえて誰もそんなことを言い出さなかったとしても 廣瀬詩映莉 さん だったのではないかと想像しています。


この49日間、彼女と一緒いたことによって演技の力が向上した人もたくさんいたことでしょうし、彼女の影響で演技というもの自体により楽しさを見い出せた人もいたのではないかと思います。

彼女をキャスティングするというアイデアは 納谷 さん 自身のものなのか、それともキャスィングを主に担当していた 小島 さん のものなのか、それとも両者なのか。
それは私は直接誰にもあえて聞いていないのでわかりません。

ですが、素人ながらに間違いなく確信を持って言えること、言いたいことがあります。
今回の公演、廣瀬詩映莉 さん のキャスティングは大正解ですし、改めて本当に嬉しかったです!


彼女を具体的に表す言葉を探すとするならば ”エンターテイナー” という言葉を挙げたいと思います。
何でもできる役者さんであり、そんな枠すら越えたところでも、色々と楽しませてくれる。

彼女は誰からも愛されるキャラクターであり、そして表現者です。




未知子の孫であり結の妹、井村解久保田れな さん にとって今回の公演は、本当に大変な想いをした期間でもあり、そして経験だったのではないかと思います。

彼女に関しても、私が初めて会ったのは今回ではありません。
昨年10月、ジャガイモンプロジェクトとしてお邪魔した対バンライブの出演者の中に、彼女の名前がありました。

その時、約10組弱いた出演者の中で、最も私の印象に残ったは間違いなく 久保田れな さん でした。
あのハスキーボイスで歌う彼女の姿、そしてその様子は、私の頭の中にはっきりと記憶されています。

またこの頃を前後して、私が直接参加していないライブでも、ジャガイモンプロジェクトとしてご一緒させていただいているものがあり、更に今年1月には彼女の生誕ライブにも参加をさせていただいています。


久保田れな さん は、この公演の直前、3月の末に公演のあった舞台が人生初めての舞台経験だったようです。
そして2回目の今回、いきなり大きな役を手にしました。


今回選ばれたキャストの中には彼女よりも演技経験の豊富な子は何人もいます。

しかし、私が稽古場に行き、そして直接彼女の演技を見た時、どうして彼女がこの役に抜擢されたのかということに対して、何度も何度も首を縦に振りたくなるような、そんな気持ちになりました。
とにかく彼女の醸し出す雰囲気は、この 井村解 という役にしっくりきていると感じました。

今回の25人が集められた時点で、すでにこの配役は想定内だったのが、それとも稽古が始まってから本読みなどを経て結果的に彼女がここにあてはめられたのかということを考えると、それはきっと後者だと思います。

初めて出演した舞台では、演出らしい演出はされてこなかったという話も聞いています。
であれば、まだ演技経験の浅い中で彼女の中から出てくるこの落ち着いた感じと絶妙な空気感はなんなんだろう。

まだ2度目の舞台とは思えないくらいに他の人のアドリブにも臨機応変に対応できれば、演技自体がすごく安心して観ていられる。
今後、彼女がどちらの方向へと進んでいくのかはわかりませんが、演技の世界に進んだとしてもきっとより魅力の溢れる役者さんになっていくのだろうとも感じます。


しかし、彼女は今回の小屋入りの日に倒れて緊急入院。
舞台本番前日にして降板を余儀なくされてしまいました。
これは彼女自身にとってもそうですし、座組全体にとっても想像を絶するほどの衝撃であり、大きな出来事でした。

誰にも打ち明けずに自分自身に無理をしながらいたこともかなりあったのではないかと、彼女の性格から想像することも出来ます。
具合が悪くても本番含む残り1週間を乗り越えようと必死だったのだと思います。

しかし彼女の体は悲鳴を上げ、ここにきて限界を迎えてしまいました。


病院のベッドの上で、だった1人で本番の開幕を迎えなくてはならなかった彼女の心の中、その時の想いは私の想像をはるかに超えるような本当に辛く苦しいものだったのだろうと思います。
自分を責めたりもしたかもしれません、どうして今なんだと疑問を疑問を重ねたかもしれません。

体調管理の甘さを指摘する声もあるかもしれません。
ですが、彼女のここまでの真摯な姿勢と、演技に向けたひたむきな態度を知っている人はきっと誰も彼女を責めたりしないはずです。

しかし、その真っ直ぐで本当に真面目な性格の彼女だからこそ、今回の降板は彼女の心に大きな影を落とし、涙を落としたこともあったのではないかと思います。


今回の入院の原因は、彼女自身が自らのブログに綴っています。
あの病気からわずかに数日で退院し、そして後半の舞台に復帰したのは、奇跡ともいえる驚異の回復力と彼女の精神力、そしてこの舞台に立ちたいという強い想いが成せた業だったのだと思います。

そしてそこには、彼女の復帰ということに対して背中を押してくれた周囲の理解も当然ありましたし、たくさんのサポートもありました。
その事だけは彼女にはこれからも絶対に忘れて欲しくないですが、彼女の性格からしてそんな心配はいらないと思います。

こういう言い方が正しいのかどうかはわかりませんが、今回のこの辛い出来事は、これからの彼女を更に強く大きくするものだったも思いますし、肥やしにもなっていくものだと思います。
降板が良かったとは絶対に思いませんが、それでもこの経験から得るものは、彼女にはたくさんあったのではないかとも思います。


20日の夜の回から舞台に復帰した 久保田れな さん

その復帰に向けてもギリギリまで本人の体調も含めて様々な調整や確認が行なわれました。
みんなの前で挨拶をしながら涙する彼女の姿もありました。

そしてそんな様子を見て、周りで涙を流す仲間の姿もありました。

この降板を周りのキャストが知った時にもやはり涙を流しながらその現実を受け入れようとする彼女達の姿があったようです。

復帰前日に退院してすぐに現場入りした彼女は、復帰前の公演にも挨拶に立ちました。
そんな様子に涙したお客様もいらしたようです。

彼女のことを想い、これだけたくさんの人が涙を流すというのは、やはり彼女自身がこれまでに自分の事ばかりではなく周りのことをしっりかと見て、そしてしっかりと想いながらここまでを過ごしてきたからに他なく、たくさんの人達にとっての必要な存在になっているからなんだろうとも思います。

その復帰の瞬間を、私自身も目の前で観ていましたが、本当に心から喜べるものでしたし、待望の瞬間でもありました。


このハプニングにより、彼女自身は他の人からは確実に大きく出遅れてしまったわけで、そういう意味では焦ってしまう部分もあるのではないかと思うのですが、舞台裏などでも私が知る限りでは良い意味でリラックスできている彼女の姿もありました。
これもきっと周りのたくさんの人達が引き続き彼女をサポートし、支えてくれていたからだと思います。

今回の彼女の復帰は、そういう意味でも彼女だけのものではなく、みんなのものだったのではないかとも思います。

ですが真面目な彼女ですから、きっとそんなみんなの前で見せる表情とは裏腹に、たとえ体調が回復しつあったにしても、どこかに1人で抱える何かももあったのではないかとも想像しています。


舞台に戻った彼女は落ち着きのあるとても良いお芝居を観せてくれたと思います。
そして笑いの取れるところではしっかりと持ち味を出してくれたと思います。

「D・I・Y」
”ダンボール・いっぱいの・柳葉敏郎” ”ダンゴムシ・いっぱい獲れたよ・よろしければ”
本当に最高でしたし、少し素に戻った感じで進むこの楽しいシーンは、彼女自身の復調も感じられる嬉しいシーンでもありました。

でもやはり、復帰したとは言ってもきっと体力的にも体調的にもまだ大変だったのではないかと思います。
「大丈夫かい?」 と聞いてみると、しっかりとこちらを見据えて、「もう大丈夫です!」 と気丈に答える彼女でしたが、最後まで気力を振り絞っての復帰後の3公演だったと思います。

それだけに、この経験を持って更に強くなった彼女の今後にも、引き続き注目をしていきたい。
そう思っています。


今回の舞台。
彼女からしてみれば、せっかく手にしたチャンスを生かすことが十分にはできなかった。
それは1人のタレントとしてもとても悔しいことだと思います。

でもきっと、彼女にはまたこれからも新しいチャンスが巡ってくるのではないかと思います。

例えこのハプニングがあったとしても、それを必死に挽回しようとする彼女、一生懸命に努力する彼女の姿は、ちゃんと見てくれている人、わかってくれている人がたくさんいます。

全く同じチャンスは二度とやってはこないでしょうし、誰にとっても全く同じものなんて繰り返すわけがありません。
ですが彼女にはまた新しいチャンスがぜひ訪れて欲しいと思いますし、そして今度はしっかりとそのチャンスをより良い形に変えて欲しい。

そんな未来にこれからも注目していく価値を、彼女には十分に持っています。


復帰してからの終演後の交流には毎回長蛇の列が出来ていました。
彼女の復帰を待っていた、そして何かを伝えたいという人は、関係者だけではなく、お客様の中にもたくさんいらしたようです。
そんな光景は観ているだけでもとても微笑ましく、そして嬉しいものでした。




久保田れな さん の復帰までの間、井村解 という役を守り、そしてこの公演全体を支えてくれたのは間違いなく、宮田桃伽 さん です。

今回の公演は彼女の存在なくしてはその全てが崩壊していたと言っても決して過言ではないと思いますし、それ程に彼女の為し遂げたことは誰の目からも大きく、そして素晴らしいものだったと思います。

久保田れな さん が倒れ、急遽、宮田桃伽 さん に白羽の矢が立ったのは本番まであとわずかに1日半を残すだけとなった本当に直前のこと。
そこから台本を覚え、そして形にしていった彼女の努力は、本当に信じられないようなものだったと思います。

ある関係者の方が公演終了後に明かした話によると、開幕前日の夜、他に誰もいなくなった コンカリーニョ の客席で、納谷 さん宮田桃伽 さん に対して、「嘘みたいやろ?」 とボツッと言ったそうです。
まさに嘘のような現実、そしてその嘘のような本当に話を、まるで突然現れた救世主の如く真実にしてしまった彼女。

凄いとか、素晴らしいとか、信じられないとか、そんな簡単な言葉で片付けてしまうには足りない、あまりに奇跡のような現実だったと思います。


過去に東京などで行なわれたアリスインの公演では、キャストの体調不良や怪我などによる急遽の降板などを理由に、当初予定されていた公演の一部を中止し、希望者に払い戻しを行なうと共にその回をトークショーなどに切り替えたことが何度かあるそうです。
実際、昨年の12月に東京で行なわれた公演 「GIRLS TREK」(昨年の札幌公演に出演の小山百代さんも出演) でも、キャストの体調不良による降板から、 当日になって1回の公演を急遽トークショーに切り替えたことがありました。

今回の ”みちこ” も、場合によっては1回どころか複数回の切り替え。
もしくは最悪の場合は公演中止だって考えられたのかもしれません。

ですが結果的に1回の舞台も形を変えることなく、全ての回の幕を上げることができたのは 宮田桃伽 さん のおかげだと言っても過言ではありません。

そして、そんな彼女がこの短時間で舞台に立てたのは、それを周りで支えたたくさんの仲間や、実際に稽古に付き合った ”同志” がいたからにほかなりません。
この瞬間から、これまで25人だった仲間が26人となり、彼女自身の努力や頑張る姿が、周りにも多大に影響を与えたと確信しています。


公演序盤、彼女が代役出演した回を観た人からは、SNSなどを通じて称賛の声が溢れかえっていました。

彼女が代役で出演していることを最初から知っていた人からも、終演後にその事実を知った人からも、彼女を称える本当に多くの声が飛び交い、そしてそれはこれから公演を観る人の心をも躍らせたと思います。

私も彼女が最後に出演した20日の昼の回を観ることができましたが、彼女は本当に最後まで一生懸命に頑張ってくれたと思います。


また一方で、途中からは 久保田れな さん の復帰に向け、着々とその準備も進み始めました。

舞台の上でそんな準備が進む時には、客席側から真剣な眼差しでそれを見つめ、そして 久保田れな さん に対して詳細な指示や注意をする 宮田桃伽 さん の姿もありました。
舞台の上からも、そして舞台の下からもこの公演を支えくれた、それが彼女です。


今回の公演にスタッフとして入っていた他の役者さんとも話をしましたが、今回は確かに大変だったろうけれど、彼女の今後の役者人生を考えた時、この経験は間違いなく大きな糧になっていくと。

昨年7月に ELEVEN NINE さん に入り、まだ1年も経っていない彼女ですが、経験という意味では同期の仲間の群を抜いたとも思います。
この 宮田桃伽 さん 、そして 廣瀬詩映莉 さん を擁する ELEVEN NINE さん って本当にすごいなとも思います。

2人が舞台の上で絡み、そして輝く光景は、まるで ELEVEN NINE さん の公演に、他のキャストのみんながゲスト出演しているようにすら思える、そんな段違いの輝きを放っているようにすら見えました。

我々の前に突然現れた 宮田桃伽 という救世主は、とんでもないほどの奇跡のような軌跡を残してくれたのです。


それだけに、21日の大千秋楽。
最後の公演が終わった後でキャストからの挨拶が行なわれた際、本当であれば 宮田桃伽 さん を無理にでも舞台に引っ張り出したいような、そんな気持ちにすらなりました。
諸事情によりそれが叶わなかったのが心残りではあるのですが、きっとこれからも彼女が活躍する姿をまた目にすることはできるでしょう。

宮田桃伽 という壮大なストーリーの続きは、その時にまた楽しみたいと思います。




人工知能の アイ を演じたのは 駒野遥香 さん 。

彼女のことは、ジャガイモンプロジェクトでいつもお世話になっている エイベックス さん の所属ということもあり、その存在自体は知ってはいましたが、直接お会いするのは今回が初めてでした。

チケット販売イベントの際に初めてその姿を観た時、私はその存在感にビックリすると共にまだ若い彼女の将来に、一瞬にして無限の可能性を感じました。

どこを見まわしても今を時めくタレントさんばかりですから、顔が小さいとかそういうのは誰か1人を指す敬称にはなりません。
しかしそんな中で彼女のすらりと伸びる手足の長さは群を抜き、モデルとしても活躍する彼女を象徴するものともなっていました。

それは私のみならず、他の関係者の方の口からも同じような意見が飛び交っており、その場で一躍注目を浴びる存在となっていました。

タレントとして生きていく上で、歌がうまいとか演技が上手だとか、そういう何らかの特技を持つこともとても大切なことだとは思いますが、この存在感という武器はそんな簡単に身に付くものでもなければ、考え方によってはどんなものよりも手にするのが難しいものなのかもしれません。


今回のお芝居の中での アイ の役割は、他のどのキャラクタ―も持ち合わせていない異質な存在感と独特な雰囲気を必要とするものだったのだと思います。
それに最も合致するのは、間違いなく彼女だったんだと思います。

舞台の上では少し微笑むことはあったとしても、大きな笑顔を見せることは決してない。
大きなアクションをすることも無ければ、人工知能の役という性質上、あまり感情を表に出さないというこのキャラクター性は、他の人と少し違った何かを持っていそうな彼女にはピッタリの配役だったと思います。


今回が初めての舞台だった彼女。
きっとそこには初めてだからこそ出せる雰囲気があり、今の瞬間だからこそできる演技があったのだと思います。

中にはいかにも自然ではない、いかにも演技っぽい演技もありました。
しかしそのお芝居は、今回の アイ という役の神秘性を一段と増す効果をもたらしていたようにも思えます。

きっとそんなお芝居は今の彼女だからこそできるもの。
そう考えると、今この瞬間、この場所で今の彼女を観られたというのはこの先もう二度と体験できないものなんだと思いますし、それだけ貴重なものだったんだろうとも思います。


一方で、公演本番が始まる頃、彼女は声がほとんど出なくなってしまったそうです。

そんな中で初日だけは地声で乗り切ったものの、2日目以降はピンマイクを付けることになったそうです。
更に、ただマイクを付けるだけではなくエフェクトを加えた音にすることになったそうです。

これが結果的には アイ の神秘性を高める効果をもたらし、観ているお客様にも好評だった様子。
逆に唯一マイクを使わなかった初日の公演を観ていない人にとってみれば、エフェクトのかかった声で演じているのが今回の普通であり、これが本当に良い効果をもたらしていたと、私自身も観ていて思いました。

災い転じて福となすという言葉もありますが、これを転じさせた周りのスタッフの方も凄いと思います。


稽古中も、納谷 さん が言ったことや彼女に質問したことに対して頷きはするけれど、自ら喋ることはほとんどなかったという彼女。
ちょうど私が稽古場にいた日、彼女が突然話し始めた姿には 納谷 さん が驚くほどでした。

仲間同士でいる時には笑顔が溢れ、本当に明るい彼女ですが、そんなギャップすらタレントとしての魅力なのかもしれません。


将来の夢はモデルと女優だそうです。
モデルとしては先日開催された札幌コレクションにも出演し、確実にその階段を上がり始めています。
女優としても、きっとこれからもちょっと他の人と違う雰囲気を持った、そして目を引く存在感のある女性として、活躍を見せてくれるのではないかと楽しみにしています。




ジャーナリストの 車谷千鶴子 を演じたのは、小西麻里菜 さん

彼女も昨年の公演に続き、2年連続での出演です。

昨年の舞台、彼女が演じる 紅島弓矢 は本当に多くの人の心を打ち、そして印象に深く大きく残った素晴らしいものでした。
大切な仲間を失うクライマックスに近いシーンでは大粒の涙を流し、その熱演は観る人の涙を誘いました。
私自身も、彼女の迫真の演技、そしてその様子には、観る度に毎回必ず同じ場所で涙腺が崩壊する、そんな現象に襲われました。

また一方で、彼女はシンガーとしての素質も他のメンバーのそれからは頭が1つも2つも抜きん出ており、全員が歌っている場面でも彼女の声がよく聞こえ、そしてとても惹かれる。
感情が高ぶり、そして心を奪われていた私などは、その彼女の歌声を聴くだけで、また改めてその度に涙腺が大いに刺激されたものでした。

昨年の公演に際し、私自身も初めて知ることになったタレントさんではあったのですが、それだけに彼女の存在、その演技や歌声は、あまりにセンセーショナルであり、凄い旋風となって私の心に吹き込んできました。


そしてそれは私に限らず、多くの人に言える話だったようです。

1つの舞台が終わると、その役者さんはしばらくその役名で呼ばれることがあったりします。
それはその舞台を観た人の心に強く残ったという何よりの証拠だとも思いますし、それだけその役がそのものが愛されたという証拠だとも思います。

実際、小西麻里菜 さん もSNSなどを通じるなどしてしばらくは ”紅島!紅島!” と呼ばれていました。
他のキャストがその役名で呼ばれなくなってしばらくしてからも、”紅島” はずっと ”紅島” だったのです。

そんな中で迎えた今年の公演のキャスト、そして配役の発表。
しかしそれを経てもなお、やはり彼女のことを ”紅島” と呼ぶ人は少なくありませんでした。
更にこの公演が始まってからもなお、この コンカリーニョ でも、まだ私の耳には ”紅島” というキーワードがチラチラと聞こえてきました。

これこそまさに彼女が1年前にたくさんの人の印象に強く刻み込まれ、そしてそれはただの思い出ではなく今もなお輝き続けているという何よりの証拠であるとも思います。
それ程彼女の演じる ”紅島” は凄く、そして今もなお愛され続けているのです。


そうなると、今年の公演にあたり、彼女にはある意味では大きな壁が存在し、そしてそれを乗り越えられるのかという大きなテーマも出てくるのだと思いました。
今年、車谷千鶴子 を演じる彼女は自分の ”紅島” を越えることができるのか、そしてたくさんの人達の記憶を ”車谷” で上塗りすることはできるのか。


自ら作った大きな壁を乗り越える、打ち破っていくというのは、本当に大変なことです。
しかし、そんな心配も懸念も、不安も、この 小西麻里菜 さん には一切不要だったようです。

今年のお芝居の中にいる 車谷千鶴子 というジャーナリストは、物語自体の重要な部分を担っているという意味での存在感以上に、大きなオーラをまとい、そして眩しい輝きを放っていました。

昨年のそれとはまた違った迫力が、今年の彼女の演技にもありました。
本当に素晴らしかった。

そしてまた今年も彼女の台詞や演技で大いに泣かせられました。
本当に素晴らしい役者さんです。

特に21日の昼の回では、熱演する彼女の瞳と頬を濡らす涙がはっきりと見えました。
また他の回でも、時にその瞳に涙を浮かべ、台詞や動きだけではない感情を表してくれていました。

そしてきっとこれは ”表そうとしていた” のではなく、彼女が 車谷千鶴子 という女性になり切った結果、自然と感情が現れて来たものなんだろうとも思います。
もうそれはすでに ”熱演” とか ”名演技” とか、そんな言葉では片付けることができないほどの、彼女自身の躍動がそこにはありました。


一方で、私が稽古場に行った日には、彼女は体調が思わしくないんだという話を、彼女の顔を見る前に他の人から聞いていました。

ですが実際稽古が始まってしまうと、彼女の一生懸命な姿とその熱のこもった稽古には、そんな話も完全に忘れてしまうほど。
その日の稽古が終わって声をかけると、声にもいつものような艶が無く少し心配でもありましたが、そういう意味では彼女は本当のプロなんだと感じることも出来ました。

彼女が体調不良だという話を事前に聞いていなければ、私は絶対にその事に気が付けなかったとも思います。
そういう部分も彼女の凄さだと思います。


また 小西麻里菜 さん を想う時、私の脳裏にはいつも彼女の笑顔いっぱいの顔が浮かびます。
稽古や本番が終わると、いつもニコニコしているという印象がとても強いのが彼女でもあると思います。

彼女の演技を観て、彼女のことを ”兄貴” と表現する方もいるようですが、普段の彼女は女の子らしい、本当に可愛らしい子です。
あるベテランの役者さんが、「役者というものは女性であっても中身が男でなければ務まらない」 という話をされていたのを聞いたことがあります。
そういう意味で考えると、役者としての瞬間は中身は男になっているのかもしれませんが、でもやはり普段は本当に魅力に溢れる素敵な女性です。

そしてそのギャップがまた彼女自身の魅力でもあると思います。


また、彼女は普段はシンガーとしての活動を主としています。
ソロで歌ったりユニットで歌ったりと、色々な顔を持ち、多種多様なことに対応できるシンガーとしての彼女も本当に魅力的です。

そんな様子は時に彼女が発信するSNSで観られることもあったり、また札幌を中心に開催されているライブなどで観ることも出来ます。

実は私自身も今年2月、彼女が出演したライブを直接観に行ってきたのですが、ステージの上でダンスを交えて歌う彼女の姿は、まさに本物のシンガーでありパフォーマーでした。
去年の公演以来、そんなステージを自分の目で直接観てみたい、感じてみたいとずっと思っていましたが、ようやくその念願が叶った私の心の中に残ったものは本当に大きな感動でした。

私の場合は、役者としての彼女の先に出会い、そしてそんな彼女に魅了され、シンガーとしての彼女を観に行き、そしてシンガーとしての彼女にもまた魅了されました。
ぎっと逆に、先にシンガーとしての彼女に先に出会い、後で役者としての彼女を観ることになったという人もいると思います。

役者としても、シンカーとしても、彼女は本当に魅力的です。
彼女が今後もどちらの活動も継続していく限りは、どちらかの彼女に魅了され、そして更に広く深く彼女の魅力を感じていくという人の輪は広がっていくと思います。


たくさんの努力の先に形作られたずば抜けた実力を持っている彼女だからこそ、次に会えるのも本当に楽しみですし、そしてその将来もまた本当に楽しみです。
近い未来、まずは改めてシンガーとしての彼女にも会いに行きたいと思っています。




ジャーナリストの 車谷 とコンビだったカメラマンの 林真央 を演じたのは、 さん

コスプレイヤーでもある彼女。
そしていわゆる腐女子の要素も持つという彼女は、交流に来るファンの女の子の心を次々に虜にしていたようです。

交流時にチケット指名購入特典として渡していたコズプレ写真集をファンの方を通じて少し見せていただきましたが、確かにかっこいい。
ジャガイモンプロジェクトで普段より交流をさせていただいている風男塾という男装ユニットがありますが、そこにいても何ら不思議も違和感も無いような、そんな素敵な雰囲気が彼女からは漂っていました。


彼女と初めてお会いする前、写真などで入ってくる印象として、髪型やメイクなどからも、私は彼女に対して男性っぽいイメージを持っていました。

しかし実際に初めて彼女にお会いした時、私が彼女について印象的だったのはとても女性らしい柔らかい笑顔でした。


一方で、お芝居に入った彼女はその役柄もあり、やはりどこかに男性的な部分も感じる演技を観せてくれます。

小西麻里菜 さん 演じる 車谷 とのジャーナリストチームは、コンビとしてもまさに阿吽の呼吸で動いているのが手に取るように伝わってきます。
この2人はお互いの役柄に入る前の素の部分からどこか似ているところがあったのではないかと思っていますし、少なくとも私にはそう感じられました。


当初からこの座組には私から見て、”かっこいい女子” が2人いると思っていました。
それがこの2人です。

そしてその2人が台本によってコンビになった。
それはキャストが集められる時点、集められた時点ではまだ必然ではなかったかもしれませんが、結果として最高のコンビができたなと感じました。

カメラマンとしてそのほとんどの出番でカメラを手にしながら続けられる彼女の演技には、そのカメラを扱うお芝居も常に求められます。
それは同時に、自らの台詞が無い時にも常に動きを求められるものでもあり、舞台初経験の彼女にとっては色々と大変だったこともあったろうと想像できます。

カメラを扱うにしても、カメラを首から下げて観光地に出かけたおじさんのような感じでは、プロカメラマンという設定にはあまりにあてはまりません。
カメラの持ち方1つにしても、シャッターの切り方1つにしても、ファインダーを覗き込む仕草にしても、正解は無かったとしてもカメラの扱いに慣れている人のそれらしさというのはあると思います。

きっとそんな仕草1つを自分のものにする為、きっと彼女にはここに至るまでに大きな努力をしたのではないかと思います。
そしてその努力はしっかりと実になった。

ジャーナリストチームの2人の迫真の演技は多くの観衆を魅了し、心を揺さぶり、そしてとても大きな印象を植え付けました。
特に彼女が声を荒げる数ヶ所のシーンは、これがとても初の舞台の人の演技だとは思えませんでした。


一方で、ちょうど私が観た回のうち、芝居中に彼女がカメラを触ることに集中しすぎてその場の台詞の流れに乗り遅れたシーンがありました。

しかし、そんなちょっとしたミスも、同じシーンに絡んでいた 車谷小西麻里菜 さん と、井村結廣瀬詩映莉 さんのアドリブで難なくクリア。
やはりそんな誰かのミスを打ち消すアドリブも、これは普段からのチームワーがあってこそのものだと思います。

そういう意味ではこんな小さな出来事からも、彼女達のチームワークと、絆の強さを再実感することも出来ました。


舞台裏で話をするととても温和で女性らしさに溢れている。
それでも一歩舞台に上がると、今回は男性的な雰囲気も感じられる。

そんな中性的な魅力に溢れる彼女。
所属事務所のタレントが集まって相談した結果、”特攻隊長” の役職が付けられたという彼女はこの先どんな活躍をし、そしてどんな未来を見せてくれるのか。
これからも注目していきたい女性の1人です。


また1つ。
このジャーナリストチームの2人、小西麻里菜 さん さん の存在は、他の誰とも違う雰囲気を醸し出しており、それがこの座組全体の良い意味でのアクセントになっていたと思います。

女性しか舞台に立たない ”ガールズ演劇” だからこそ、なかなか出しづらい雰囲気というのもあったりすると思います。
ですが、この2人がいることによって、その振り幅が一気に大きく広がり、そして世界観も自在になっていくのだとも感じました。

この2人は全く色合いの違った演劇でもきっと特別な存在感を出すことができるのではないかと思います。
そして、このようなガールズ演劇においても、その存在感を更に発揮できることも出来る。

この2人は間違いなくそんな役者さんだと思います。




未知子のクラスメイト、春日花 を演じたのは 長南舞 さん

彼女も昨年の公演に続いての出演です。
というより、それ以前に一昨年の東京でのアリスイン公演にも出演していますので、この座組の中ではアリスインの一番の先輩ということになります。


長南舞 さん のお芝居はいつ観ても本当に安定しています。
トーンが落ちず、声も聞き取りやすくてとても生き生きとした様子が伝わってきます。

私が稽古場に行った際には、壁の向こうから彼女の元気な声が聞こえた時、私の中に昨年の公演で彼女が演じた 橙沼霧子 の出だしの第一声の台詞が1年の時を経てはっきりとした記憶とし呼び起こされました。

あの時の、「おっはようございまぁーーーす!」 と、今この壁の向こうから聞こえてきた声が、その声のトーンも雰囲気も、そしてその明るさも、なんだか全てが同じにように感じました。
そう考えると、きっと彼女は舞台の上でも良い意味で素でいる部分があるということなんだろうとも思います。

役者として自然な感じを作り上げていくことも演技をする上では大切だと思いますが、それが元々自然なものだったとしたら、それに敵うものはありません。
明るい役がとっても似合う、元気印の彼女です。


事前にファンの方に話を伺っていたところ、「ちょなんちゃんと会えるのはこれで最後かもしれない」 「グッズが出るのもこれが最後かもしれない」 というような話が何度となく聞かれました。

一部メディアなどではすでに発表となっていますが、彼女はこの先、更に大きな道へと歩みを進めるようです。
そんなこともあり、終演後の彼女の元へと延びる交流の列は、他のキャストと比べても誰にも負けないくらい長いものとなっていました。

そしてそれは、彼女にこの日の感想を伝えたり、会えたことに対する想いを伝えるだけではなく、ちょっとした壮行会の色合いもあったのではないかと思います。

「最後に」 「最後に」 という言葉が飛び交っていましたが、彼女がこの活動を続けている限り、またどこかでその線と線とが交差することもあるかもしれませんし、私自身もぜひそうあって欲しいと願っています、


また、実は私も舞台裏で彼女にサインを書いてもらったのですが、その時彼女は、「去年は○○で、○○の時に書かせてもらいましたよね」 と、1年前に私にサインを書いてくれた時のことを、そのタイミングも場所もはっきりと覚えてくれていたのです。

正直、私も彼女に言われて思い出すまで、そんな詳しいことまでは忘れていました。
ですが、1人の人として、相手に1年も前の出来事をそんなに詳しく覚えていてもらえるというのは嬉しいことですよね。

次に会える時にはきっともっとタレントとしても大きくなっているのではないかと思います。
今度は私が、この日のことを、そして今回の事をしっかりはっきりと覚えていよう思います。


そしてもう一点。
彼女は自分の学校の後輩であり、所属事務所の後輩でもある 鈴木花穂 さん のことを特に本当に気にかけ、そして可愛がっている様子が周りで見ていても伝わってきます。

自分の事ばかりではなく、周りや仲間のことにも目が届くというのは素晴らしいことです。
是非とも、これからの新しい世界でも、そんな優しさや気配りを持ち続け、そして活躍をして欲しいと願っています。




そんな後輩の 鈴木花穂 さん は、今回は介護士の 村瀬あおい

彼女も昨年の公演に続いての起用となりましたが、この間に昨年8月には東京で公演された 「アリスインデッドリースクール・パラドックス」 にも出演。
そういう意味では求められる役者さんであるという見方ができます。

昨年の札幌公演ではダブルキャストの1人だった彼女も、東京からはシングルキャストの座を掴み取りました。

台詞の量も昨年よりもはるかに増え、可愛らしい声と共にその持ち味を発揮してくれたと思います。

昨年のレポートを見返しても私は同じことを書いているようですが、やはり彼女の最大の特徴はその ”声” です。
これが彼女を象徴し、そしてキャラクター付けされているとも思います。

そしてその ”声” は、事あるごとに周りのキャストにモノマネをされ、時にはそれがチームとしての雰囲気づくりに大いに役立ったりもしている様子が手に取るように伝わってきます。

本番直前の円陣を組んでいる時にも全員でそのモノマネをしているシーンに出くわしました。
きっと彼女達にとってはそれ程にそのモノマネが自分達の日常として浸透していたのだと思います。

こうしてモノマネをされるというのはやはり彼女から周りから愛されているからこそであり、それは周りからの冷やかしやそういったものではなく、彼女に対する愛情の表現でるあると思われます。
みんなから愛されるというのは本人が何もせずして得られるものではないでしょうし、やはりそこには彼女なりの溶け込み方や場の和ませ方があったりもするのだと思います。

ほぼ毎日、同じメンバーで大勢が長時間一緒に過ごす環境では彼女のような存在はある意味必須です。


鈴木花穂 さん がこのアリスインの舞台に3度も選ばれている、札幌で2年続けて出演しているというのは、やはりしっかりとした理由があると思います。
それは稽古を観て、そして本番を観ると、誰に聞かなくてもその答えはおのずと見えてきます。

彼女は自分が与えられた役を、しっかりと自分に落とし込み、そしてその台本の中のキャラクターを自分自身の普段のキャラクターと混ぜ合わせ、新しいものを作ろうとしているのではないかと、私はそう感じました。
だからこそ、出来上がったものは自然体を持って見え、そしてオリジナリティも持ち合わせたキャラクターになっていきます。

自分自身との融合であれば、これは他の人がいくらモノマネをしても及びません。
声はモノマネできても、これはモノマネできない部分だと思います。

そんなところにも彼女が重宝される理由があるのではないかと想像しています。
もちろん、彼女自身の元々のオリジナリティも大きな要素だとは思います。

とにかく、彼女は選ばれるべくして選ばれた、そんな役者さんなんだと感じました。

HTB 「平岸我楽多団」 では歌が不得意だというところが放送され、そんな部分をイジられてもいましたが、彼女にとってみればそんなところも彼女自身のオリジナリティを形成する一助にすらなるのだと思います。




未知子のクラスメイト、立原冬 を演じたのは 横山奈央 さん

彼女との出会いは、吉本ほのか さん と同様にすでに3年も前のこと。
やはり彼女も同様に当時はアイドルグループ・サッポロSnow♡Loveits の一員でした。

昨年の公演時にはまだそのグループに所属していた彼女ですが、その後脱退。
現在は、マルチなタレントを目指し、日々努力を重ねているところなようです。

ジャガイモンプロジェクトの活動を続けている中で、これまでにお会いした全てのタレントさんの中で、私が一番お会いした回数が多いのはおそらくこの 横山奈央 さん です。

アイドルグループ時代、私が初めてお会いした当初は5人いるメンバーの中でも彼女はなかなか積極的に前に出られない印象でした。
ですがそれは 吉本ほのか さん を含む他のメンバーの卒業・移籍や新規加入を何度も経験することにより、次第に先輩としての自覚と責任、そして積極性を身に付けていったように感じていました。

だからこそ、メンバーの入れ替わりが激しかったあの頃、間を空けてお会いするたびに毎回の彼女の成長をひしひしと感じもしましたし、そして次にはまたどんな成長を見ることができるのが、私自身とても楽しみでもありました。


そんな中で経験した昨年の公演は、彼女のその後のタレント人生にも、そして1つの経験としても、大きなターニングポイントになったのではないかと思っています、

あの時の彼女は今まで以上に輝き、そして生き生きとしていたと思います。
まさに水を得た魚とはこんな事を言うんだという象徴のような出来事は、彼女を一皮も二皮も剥けさせ、その楽しそうな姿にはアイドルとしての彼女とは少し違った未来すら見えるようでした。


そんな彼女も昨年9月にはグループを脱退。
ついに1人で新しい道への第一歩を進み始め、そして今回2度目の舞台を踏むこととなりました。

納谷 さん 曰く、この役はお芝居の中でもとても重要な役だということでした。
確かにこの 立原冬 から出てくる雰囲気で、そのシーン全体の雰囲気が決まってしまうとうような箇所があります。
そしてそれは物語のその先の展開の大事な部分へと繋がっていきます。

そういう意味では、この 立原冬 は、その他大勢という扱いの役ではなく、当然力のある役者さんにやってもらいたい役でもあるのです。
そしてその役を 納谷 さん は彼女に託しました。

その意味は推して知るべしです。


この 立原冬 という役。
昨年 横山奈央 さん か演じた 村崎静香 に似ているところがあるのではないかという声が多数聞かれました。
私もそう感じました。

ですがこれは決して彼女がこの2役を去年と今年で同じように演じたのではありません。

これが 納谷 さん が意識して配役したものなのか、それても偶然の産物か、それはわかりません。
しかし1年越しのそれは、観ている人の心に元々あった枠に1年ぶりに正しいピースがはまったかのような、そんな印象すら受けるものでした。


去年は、他の人に対して上からものを言う生徒会の副会長。
今年は、高圧的な口調で周りに ”軍曹” と揶揄される学級委員。

普段の彼女の話し方やその姿勢とは全く似ても似つかない、まるで正反対とも言える2つのキャラクターですが、普段の自分と正反対だからこそ思い切ってできるということもあると思います。
人見知りで、自分の意見を周りの人に対して何でもズハズバというようなタイプではない彼女だからこそ、こんな役があてがわれたのかなとも、私は勝手に想像しています。


また今回の舞台に向けての稽古中、彼女は 吉本ほのか さん をサポートする役割も大いに果たしたようです。

元々同じグループに所属し、最も気心の知れた2人の間には、言葉にしなくても理解しあえるということも多々あると思います。
そんな関係だからこそ、彼女は大役を務めることになった 吉本ほのか さん の個人練習にもとことん付き合い、そして一緒に 敷島未知子 を作り上げていったのだと思います。

そういう意味でも、やはり彼女も今回の舞台にはなくてはならなかった人の1人です。


人見知りだとは言っても、いつも私には話しかけてきてくれます。
そんなところも本当に嬉しくもあり、また、ジャガイモンプロジェクトにとってもこれまでもそしてこれからも大切な存在の1人。
それが 横山奈央 さん です。




文芸部の後輩、湯川野枝 は、一度聞いたら忘れない名前の 牛乳寒天なつみん さん が演じました。

彼女、これが本名です。
嘘です。

彼女もまた、この座組の中でみんなに愛されるキャラクターの持ち主です。

彼女が時々歌う、♪ 俺は牛乳寒天 ・・・ ♪ から始まる歌は、一度聴いたら音も歌詞もすっかり頭にこびりつきます。
気が付くと、周りでみんなが歌っています。

終演後の握手会が終わった後も歌っていました。
打ち上げの場でも歌っていました。
稽古の時にも歌っていました。
チケット販売イベントの時にも歌っていたような気がします。

あの歌は結局なんだったんだろう。
大事なのはそんなところではなく、ある意味でみんなのちょっとした息抜きの歌にもなっており、同時に息をピッタリ合わせられる素材にもなっていたと思います。

そして私がその歌にまつわることで印象的だったのは、彼女はいつもその歌をニコニコしながらも一生懸命に歌っていたということです。
これは彼女にとっては鼻歌程度のものではなく、きっと大切な歌なんだろうと思います。

きっと彼女はいつも何事にも一生懸命なんだろうと、そんなところからも想像がつきます。


実際、彼女の演じる 湯川野枝 は台詞の数自体は多くは無いですが、それでも登場するシーンの1回1回、台詞の1つ1つを大切に、そして一生懸命に演じる彼女の姿勢はこちらにもはっきりと伝わってきました。

また、ラストに近いシーンで舞台袖から走り出てきて正面に向かって台詞を叫ぶ彼女の表情は、その台詞の中身とも相まってとても感動的なものでもありました。
数あるシーンの中でも彼女がそこで見せる表情は、私の中では本当に印象強いものであり、涙を誘い出される迫真の演技でもありました。

体がとても小さく、夜遅くに稽古が終わって家に帰るまでに補導されてしまいそうな彼女ではありますが、それでもその演技はとても大きく見えました。

今後も彼女のことを思い出す時、そしていつかまた再会できた時、間違いなく私はこのシーンの彼女の表情を思い出すはずです。
そして、あの歌も思い出します。


一方でこの期間、私は彼女が泣いている場面に何度も出くわしました。

舞台で挨拶をしている時に突然涙を流し始めた彼女の姿には、こちらまで泣けてきてしまいました。
さっきまで笑っていたと思ったら突然泣き出す、それも彼女の特色でもあり、誰よりも自分の感情に素直な部分だとも思います。

今回が初めての舞台であり、これが地元札幌での初めてのイベントだったそうです。
そういう部分も、彼女の感情を大いに刺激したことでしょう。

これまで地元以外の場所で仕事を重ねてきたからこそ、彼女に会いに遠征してきてくださったファンの方もたくさんいたようです。
初めての地元でのイベントだからこそ、ご家族も揃って観劇にいらしたようです。

彼女の涙腺を刺激する要素はたっぷりあったようですが、兎にも角にも嬉しくて流す涙はいくら流してもいいと思いますし、それこそ本当に美しい涙だとも思います。
今回の公演はそんな 牛乳 さん (納谷さんがそう呼んでいました) の美しい涙をたくさん見た日々でもありました。

いつでも何にも一生懸命な姿が本当に印象的な 牛乳 さん でした。




介護士の 新井ちか を演じたのは、アイドルグループ・フルーティーの ”もっち” こと 長久保桃子 さん

この稽古が始まってからの期間、ある意味で一番努力を重ねたのは彼女だったと言っても過言ではないと思います。
それ程彼女にとってはこの日々はとても濃厚な、そして濃密な時間だったのではないかと思います。


私はこの稽古期間中、実はとても心配なことがありました。
それはこの 長久保桃子 さん に関してのことです。

彼女は連日稽古が続くハードな期間も、アイドルとしてのフルーティーの活動を精力的にこなしていました。
あとで聞いたところ、全体の活動のうち一部はお休みしてこちらでの稽古に重点を置いたようですが、それでも私が把握しているだけでも多い日には1日で3本のライブに出演し、それから稽古に参加した日もありました。

稽古だけでも長時間に渡っての集中力が必要な作業ですが、それにプラスしてライブにもしっかりと出演し続けるのは、体力的にも精神的にも本当に大変だったと思います。


そんな中で私の心配というのは2点。

まず1つに、この両立が彼女にとって大丈夫なのかどうか。
もう1つに、稽古についていけるのかということ。

彼女がライブ活動も力を抜かず一生懸命になればなるほど、稽古に出て来られないという日々も少なくはなかったようです。
稽古に出てこられなければ、いくら自主練習は自宅でできたとしてもやはり他の人と合わせての稽古ができない。
それは自分だけではなく、今だから正直に言ってしまいますが、周りの他の人の稽古にも影響を与えてしまうのではないかと、外野から見ていてそう思うこともありました。

私も立場上、この日はこの時間に稽古があるとか、今日は何時まで稽古だとか、そういった部分は日々把握していました。
だからこそ、それと同時刻に彼女がライブに出演していたり、そんな情報が入ってくるたび、そんな心配は重なるばかりでした。

本当に大丈夫なのかと。


そんな心配を抱えたまま小屋入り2日前に稽古場に取材に行ったのですが、そこで私の心配は音を立てて崩れ去り、そしてどこかに行ってしまいました。

役どころとしても彼女の演じる 新井ちか は、物語の後半にかけてとても重要な台詞があったり、キーポイントとなるような出番が何度となくあります。
それを分かった上で心配な気持ちを抱えたままに稽古が進む様子を見ていたのですが、長久保桃子 さん の出番がやってきた途端、まるでこれまで夢を見ていたような、狐につままれたような、そんな感情にすら襲われました。

フルーティーに加入する前は演技の勉強をしてはいたそうですが、それでも改めて演技と向き合うのは久々だったという彼女。
しかし、 新井ちか を演じる彼女は、そんなブランクを感じさせない、そして毎日の稽古にしっかりと出られていないとは思えないほどの堂々とした演技をしていました。

あまりに自然にそのシーンの流れに入ってくる彼女に、正直私は本当に驚きました。
そして同時に、それまでそんな彼女のことを大丈夫なのかと心配と不安を持って見ていた自分を恥じました。

彼女がこのように重要な役を任せられるのにはちゃんとした訳があると思います。
それがはっきりと見えた、そんな瞬間でもありました。


別の機会ですが、納谷 さん は彼女のことをこう言っていました。
「彼女は即戦力だ」 と。

それは今回の公演のみならず、今後においてもそうだという話の中で出てきた言葉です。

”即戦力”
まさに彼女にはそんな形容詞がピッタリとあてはまると思います。

彼女のフルーティーでの自己紹介がどのようなものか直接まだ見たことはありませんが、”即戦力” って 、どこかに入れてもいいと思います。


聞くところによると、彼女は所属事務所に対して以前から、演技の仕事が来た時にはぜひやりたいと訴えていたそうです。
そして来た今回の話。

アイドルと役者の2つの両立は本当に大変だったろうと改めて思いますが、これを支えてくれたのは所属事務所の理解であり、フルーティーの仲間であり、”みちこ” の仲間であり、家族や友達であり、そしてファンのみなさんだったのではないかと思います。
普段から一生懸命に努力を重ねていたからこそ、こういう時にたくさんの人に支えてもらえ、そして助けてもらえる。

私は彼女のアイドルとしての活動をまだ目の前で観たことはありませんが、それでも今回の両立から、そんな彼女の普段の活躍と頑張りが目に浮かぶようでもありました。

これからアイドルとしても、そして役者としても、もちろん両立したとしても、きっともっともっと伸びていく、そして大きくなっていく子なんだろうと、そう確信しています。


終演後の サイン・握手会 でも彼女に関して特筆しておきたい出来事がありました。

それぞれのキャストは自分の前にお客様の列が無くなったら一旦舞台裏に戻るという流れを取っているこの会なのですが、彼女だけは自分の前に列が無くなったとしても、絶対にその場所をすぐに離れようとはしませんでした。
特にやることが無かったとしても、客席からそんな会場を眺めている人に対して手を振ってみたり、自分の近くの他のキャストの前に伸びる列に並ぶ人のことを眺めたりしています。

そんな中で彼女にマイクが渡された時、彼女が何を考えてその場所に留まっていたのかが明らかになりました。

「私は少しでもみなさんに顔を覚えていただきたいので、誰もいなくなってもここにずっといました」 と。

素晴らしい!
タレントとして生きていきたいと切実に願っている人から出てくる見本のような一言です!

もうこの言葉を聞けただけで、彼女のことをこれからも応援したいと素直に思えました。


最後にもう1つ。
私は彼女の演技の中で、舞台の上での大勢の会話の流れの中に、彼女が飛び込んでいく瞬間の間の取り方、タイミングの合わせ方がとても好きです。




介護士長の 鎌田のばら は、谷口郁美 さん

さん が所属事務所の ”特攻隊長” なら、彼女は同事務所の ”主将” だそうです。
そんな様子や雰囲気は、今回の舞台でも垣間見られ、そして大いに発揮されたと言って間違いありません。

中学生の時に事務所に所属して以来すでに活動歴10年を越える彼女は、そういう意味では大ベテラン。
HTB 「イチオシ!モーニング」 にもレギュラー出演し、北海道のテレビではお馴染みの顔とも言える彼女ですが、舞台の経験は本格的なものとしては今回がほぼ初めてだったそうです。

ですが、実際にその演技を観ると、これが本当にまだ舞台経験の浅い人の演技なのかと、逆に疑問を感じてしまうほどのものでした。

特に終盤で 絹江先生 の名前を連呼するシーンは、多くの人の涙を誘ったと思いますし、私もその1人です。
暗転していく舞台の闇の中に響く彼女の叫び声は、その後のシーンへと続く大事なポイントであり、アクセントでもあったと思います。

彼女はこれを事務所のスタッフの方との共同作業で、稽古を経てより良いものへと成長させていきました。

このシーンに関しては 納谷 さん も、「あれは俺だけの力ではない」 と彼女の熱演を絶賛。
私が稽古場に行った時にも事務所スタッフの方とのその作業がちょうど行われているところでしたが、壁を1枚挟んだ先から聞こえるその声、その指導は熱を帯び、そして迫真の演技が形成していく過程をほんの一片を垣間見ることも出来ました。


彼女の実年齢を知った時、その年齢と比例しない落ち着き具合に私は少し驚きました。
やはりこの世界での活動歴が長いということが、そんな部分にも表れているのだと思います。

今回はその落ち着いた感じが、介護士カルテットのリーダーとしての役を十分に引き立ててくれたと思います。

実際、この4人組のお芝居の中での先輩後輩の設定は実年齢とは比例していません。
ですが、それが全く不自然に観えなかったのは、やはりリーダーがしっかりと据えられ、そこに後輩を従えるという構図がしっかりと出来ていたからだと思います。

その立ち居振る舞いも、実にリーダーのそれらしく、全てが完成されていたようにすら感じました。


話をしていても笑顔と魅力の溢れる彼女。
タレントとしてもこれからもっと飛躍していくであろう姿は、そんなところからも感じました。

主将!
これからも楽しみにしてます!




結の同級生、坂上希美 を演じたのは 羽美 さん

当ジャガイモンプロジェクト所属のタレントです。
中立性を保つため、あえて「さん」を付けて表記します。

彼女は千秋楽が終わった後、納谷 さん から、「(このキャスティングは) 間違いなくジャガイモンさんのおかげ」 と言われました。

私が昨年の公演にも関わっていたことや、かなり以前より アリスインプロジェクト さん と一緒に活動させていただいていたことを考えても、それが彼女のキャスティングに直接繋がったというのは第三者の目からも明らかなんだと思います。
であれば、彼女の今回の課題は、そこからどう脱却し、この座組の中での自分自身の存在感をどう表していくのかということだったのだとも思います。

それはきっと大変な事であり、大きなハードルでもあったと思います。

一方で彼女には他の人にはない優位な部分も間違いなくあったと思います。

私のこれまでの活動やこの公演との関わりから、スタッフ関係者のみなさんや、昨年から続けてキャスティングされているみなさんに対しては、「ジャガイモンの ・・・」 「ジャガイモンプロジェクトの ・・・」 と伝えるだけで、それはもう他の人のスタートラインとは違う位置に立っているとも言えると思います。


また、昨年の公演に関し、実際に現場ではどんなことが起こったとか、どんな良かった事やそうでなかった事があったのか、そんなことも私はスタッフ関係者目線としてわずかながらに立場上からも知っています。
今回のキャスティングに際し、私はそんな情報をある程度彼女に事前に伝えました。

それは彼女が稽古などに臨む際の最低限の対策にも、周りの人に対しての接し方の参考にもなったものだと思いますし、そんな部分でもやはり他の人と少し違うスタートラインを踏んでいることができたのではないかとも思います。

彼女にとってみればジャガイモンプロジェクトに所属していることが最大限に生かされるところでもあり、同時にこれまでにで会ったことのないたくさんの方と出会うことのできるチャンスでもありました。
それはスタッフのみなさんに対しても、お客様に対してもです。

あとは自分自身がその事実をどう捉え、そしてどう発展させ、どう活かしていくかです。


タレントとしてデビューして約1年半。
最近はライブイベントへの出演が最も多い活動となっていましたが、この稽古が始まってからはその全てを休止させました。
そしてこの公演に対してできる限り集中できる環境を設けました。

自分自身に対して時に過剰に自信を持っている彼女ではありますが、タレントとしてはそんなところも悪くはないと思います。
また、天性の明るい性格で、今回の座組でも十分にそのあたりを発揮したようです。

坂上希美 という役にもそんな部分を取り入れていただき、良い意味で自分らしさを持ったまま、この役を演じることができたのではないかとも思います。


今回のこの一連の経験は彼女にとってはとても大きなものだったと思います。
ですがただ大きかったもので終わらせてしまっては、その意味すらなくなります。

昨年の公演は、彼女は客席側で観劇していました。
そんな彼女が今年は舞台側に立っているというのはある意味ではシンデレラストーリーです。

タレント運営として私自身が担う部分も大きいとは思いますが、彼女にはこの1年越しの経験を大いに活かし、そして次に繋げていって欲しいと思いますし、そうでなければならないとも思います。


また最後に1つ。
実は今回、フライヤーを制作するにあたって使用した写真は、ジャガイモンプロジェクトで主催した撮影会でファンの方に撮影していただいたものを使用しています。

私は自らタレント運営をする中で、常に、”タレントの成長はファンのみなさんと共に” ということを心に置いて運営をしています。
今回はその一環として、ファンの方の中でも普段から特段に多く演劇に通っておられる方の撮影したものを使用させていただきました。

ファンのみなさんあってのタレント。
今回はそんなファンのみなさんの想いと共に初めての舞台へと上がらせていただきました。




同じく結の同級生、水元香苗 を演じたのは、尾崎綺澄 さん

彼女も稽古の序盤は、所属のアイドルグループのライブと稽古を両立させて頑張っていました。
しかしある時点からこの公演が終わるまでのライブ活動の休止を発表し、数日後にはこの公演終了日に合わせてグループから脱退することを表明しました。

これが当初から予定されて動いていたものなのか、それとも急遽決まったものなのか、それは私にはわかりません。
ですが1つ言えるのは、夢なんていうものは1つの出来事やちょっとしたきっかけで変わっていくことがあるということです。

それは誰にも否定することも出来なければ、間違いなんてありません。
夢は誰もが自由に見られるものであり、そして自分なりの理想を描くことができるものなのです。


稽古序盤から、そのフワフワとした演技から、納谷 さん に ”ふ菓子” と呼ばれた彼女は、それ以来千秋楽までずっと ”ふ菓子” でした。

稽古中盤からは全ての活動を休止して ”みちこ” 1本に集中して望んでいたこともあり、きっと心の中は確実に ”ふ菓子” からもう少し成長していたのだとは思います。
ですが彼女は最後まで ”ふ菓子” でした。

ある時、納谷 さん がこう言いました。
「こんなにみんなから愛情を持って ”ふ菓子” と呼ばれる人を見たことがない」 と。

この ”ふ菓子” という1つのキーワードは、この座組の中での彼女の雰囲気を象徴し、また同時に彼女の立ち位置を確定させたものだとも思います。

結果として、坂上希美 とのコンビが対照的なキャラクターになり、双方が際立ったのだとも思います。


これから少し休憩するのでしょうか。
でもまだ若い彼女、いつかまた夢の続きを見る時には、きっとそんな道のりを私も追いかけることでしょう。
そんな日を楽しみにしています。




ここからはダブルキャスト勢。

まず、未知子のクラスメイト、剣先千代 を演じたのは、月組川辺志穂 さん星組西森妃奈 さん

2人で1つの役を交互に演じるダブルキャストというのは、負担が半分だという捉え方という考え方をされてしまいがちですが、実際はだからといって余裕があるとか、気楽だとか、そういったことは全く無いと思います。
今回もこの2人はそれぞれの苦労を重ね、そしてこの舞台に立ったのだということは、周りで見ていても確信できることですし、決して楽など1つもしていなかった。


川辺志穂 さん は普段はアイドルグループ・ミルキーベリーのメンバーとして活躍する高校3年18歳。
実は今回、ある機会に彼女が歌って踊る場面を観ることがあったのですが、その時の彼女は、「さすがアイドル!」 「さすが人気メンバー!」 と周りで観ていた誰もが頷く、それはもう素敵なものでした。

しかし、演技に関しては今回、彼女は本当に苦労をしたようです。


昨年の舞台に同じ事務所の 小林香織 さん櫛引あやめ さん が出演していたのを客席で観て、ぜひ自分も出たいと夢を描いていたそうですが、実際に稽古に入ってみると、理想と現実とのギャップに大いに苦しんだようです。

稽古中盤、納谷 さん は彼女に対し、「君の演技が嫌いだ」 という言葉を伝えたと聞いています。
周りで聞いていたとしても一瞬ヒャッとしてしまいそうな一言ですが、これはあくまでも ”君” ではなく、”君の演技” に対しての言葉です。
しかし、やはりそれをしているのは ”君”であり、言われているのも ”君” です。

相手によっては本当に心折れてしまう人もいるかもしれません。
しかし、川辺志穂 さん はこの言葉をしっかりと受け止めた上で、周りも目を見張る成長を遂げました。


納谷 さん は、時に大きな声で怒り、そして彼女達を叱ります。
しかしそれは、納谷 さん の彼女達に対する愛情や信頼があってこそのものであり、それを聞く彼女達にも 納谷 さん に対する尊敬や信用があるからこそ、その言葉を素直に聞き入れることができるんだと思います。


剣先千代 は文学少女です。
だからこそ、時に難しい言葉の表現を使い、長い台詞も話します。
これはこの役を演じるう上でも大変だったことの1つに挙げられると思います。

ですが、彼女は長い台詞を必要に応じて息継ぎ無しで話したり、ピンと背筋を伸ばしてその雰囲気を上手く作り出していました。
そんな彼女の演技、私は大好きでした。


川辺志穂 さん の成長は、同じ役を 星組 で演じた 西森妃奈 さん の存在なしには語れません。

西森妃奈 さん はこれまでも舞台やお芝居を中心に活動してきた、劇団ひまわり所属の高校1年16歳。

これまでにも劇団四季の公演で大きな役を務めるなど、確実に経験を積み重ねてきた役者さんです。
年齢としては彼女の方が下ではあるものの、演技の経験としての格差は明らか。

しかしだからといって、彼女がこの役を簡単に出来たのかといえば、それは違ったはずです。


彼女達2人は、この 剣先千代 を作り上げるため、連日2人で話し合いを繰り返し、そして稽古を重ねたそうです。

何が正しいのか、どう演じるべきなのか、どうすれば自然に観えるのか ・・・
そんな話し合いを繰り返すうち、格段の差があったはずの彼女達ではあっても、そこにはお互いに自分なりの成長を促され、相方がいるからこそ乗り越えることができたたくさんの出来事もあったのではないかと思います。

西森妃奈 さん剣先千代 は、本当に全てが自然体で、ある意味ではゆっくり安心して観ていることができました。
そして彼女は自分の中で自分なりの 剣先千代 を作り上げ、川辺志穂 さん のそれとはまた違った 剣先千代 を演じていたと思います。

凛とした中にもどこかに学生らしい子供っぽさも垣間見え、そういう中にも優等生の雰囲気が溢れ出ている。
そんな 剣先千代 がそこにはいました。


またこの2人。
私はそれぞれと別々に舞台裏で少しゆっくりと話す機会があったのですが、本当に2人とも常にニコニコしていて、周りの空気を柔らかくしているのが、その表情や言葉、そして存在そのものからも伝わってきました。

終演後の サイン・握手会 でも私の担当する場所にいた2人ですが、誰の前でも本当に終始ニコニコ。
ファンの方々が彼女達を推す、熱心に応援する気持ちが私にも本当によく理解できました。




文芸部の後輩、古沢加悦 をダブルキャストで演じたのは、月組田中優奈 さん星組菊地紗弥佳 さん

まず、田中優奈 さん は、川辺志穂 さん と同じく、アイドルグループ・ミルキーベリーのメンバーとして活動中の、今回の座組最年少の13歳。

彼女の ”下半身が不安定な” と何度もツッコまれるシーンは面白かったですね。
舞台の演出というものは、物語の大切な部分のものもあれば、ちょっとした細かい動きや話し方、物の使い方や瞬き1つのような細部に渡るまで本当に様々だと思います。

そんな中で、この ”下半身が不安定な” はおそらく1から作られたものではなく、彼女の普段の稽古を見た上で設定されたものだと思います。
ということは、田中優奈 さん 演じる 古沢加悦 の少なくとも一部は、田中優奈 さん 自身の特徴を生かして作られたといことになります。


一方、菊地紗弥佳 さん は、この同じシーンでは、面白い顔をしながら人一倍大きな声で台詞を一言。

このシーンに関して、菊地紗弥佳 さん は、普段の私らしかったと話していました。
こちらの 古沢加悦 も、演じる 菊地紗弥佳 さん 自身の特徴を生かして作られたようです。


そしてこれは2人共に言えることなのですが、ラストシーンに近いところでの最後の台詞がそれぞれにとても良かったと思っています。

牛乳寒天なつみん さん と組んだコンビは、それぞれに雰囲気の違うものでしたが、私はそれぞれに泣かされました。

一生懸命に取り組む、心を込めてお芝居をする。
そんな想いが、しっかりとこちらまで届いていましたし、決して多くは無いチャンスながらも、そこでそれぞれの自分というものをしっかりとアピールできていたのではないかとも思います。




介護士の 加山あけび は、月組藤原千尋 さん星組綾瀬りの さん

2人共に20代の女性ですが、とっても可愛らしい、少女のような雰囲気を持った女性です。


藤原千尋 さん は、アイドルグループ・ぷりんせす♡たいむの、”ちーぴょん” として活躍中。
そして彼女もまた、稽古期間中も自らのライブ活動も力を抜くことなく、精力的に頑張っていた1人だと思います。

彼女が演じる 加山あけび はとにかく可愛い。
新人介護士という設定の中で、その新人らしさがすごく良く表現されていたように感じます。

ちょっとどこか抜けた感じの役どころというのは実は演じるのが本当はとても難しかったりもするのではないでしょうか。
やりすぎてしまってはわざとらしいし、遠慮しすぎると伝わらない。

しかし彼女はその絶妙なところをしっかりと歩いてくれたようです。

介護士チームの4人はそれぞれにキャラクターが違っていることがまた大事な部分でもあったと思うのですが、彼女自身、そんな誰とも似ていない、オリジナリティ溢れる 加山あけび を描いてくれました。


綾瀬りの さん は、現在はソロで活動しているシンガーです。

実は彼女について、私は本番での姿を観て、すぐに気が付いたことが1つありました。
それは、本番前にSNSなどを通じて発信されていた写真と、本番での髪型が違うという事です。

確かに女性は髪をアップにしたり、ちょっとまとめてみたりで髪型は多様に変化させられると思います。
ですが私が言いたいのはそこではなく、彼女のいわゆる ”触角” が無くなっていたということです。

いつも ”触角” がある女の子にとって、”触角” ってとても大切なものだと思うんです。
ですが本番中の彼女にはそれがありませんでした。


舞台というのはその真正面から観る人ばかりでなく、広い客席の様々な角度から観る人がいます。

演出上、役者が右を向いたり左を向いたりする中で、ある方向からは顔が観づらくなったり、時に全く観えなくなってしまうことは仕方ないと思います。
しかしそんな流れの中でも表情の細部までは観えなくても少しでも多く観えている、観せられるというのはやはり大切な事であり、観る側にとっても嬉しいことだと思います。

何かを否定したり違っているという気は全くありませんが、こんな時に顔が髪に隠れてしまう人、結構います。


演出上、見えなくなった方が良い時もあれば、あえてそうすることも多々あると思います。
髪をかき上げたり、振り乱したりするために、まとめておかないという方法も当然あると思います。
髪型1つで作られていく雰囲気というのも当然あると思います。
ですがそうでない場合は、やはり観ている側にとってはより観えやすい方が嬉しいです。


今回、”触角” をなくした彼女の顔は、そういう意味でもとてもよく観えました。
私はそんなことを想いながら、彼女のお芝居を観ていました。


だからこそ、公演が終わった数日後に彼女がツイッターで、「顔の表情とか見えやすいほうがって思って髪型は触覚なくした」 (本文通り) というツイートをした時には、何だか嬉しい気持ちになれました。

ほんの小さなことでも、誰も気が付かないかもと思えることでも、実は誰かが気付いていたり、観てくれていたりするものです。
今回の彼女の ”触角” の件、他にも気づいていた人はいたかもしれませんが、少なくとも私は気付いていましたよ!

そういう部分の努力も、しっかりと報われるべきだと思いましたし、努力の先には何か得るものがあって欲しいとも思います




車谷 の前にだけ現れる謎の女、卯月温子 を演じたのは、月組脇田唯 さん星組橘美羽 さん

この役は他の誰とも似ておらず、そして全キャストの中でも 車谷 としか絡まない、とても特殊な役でした。
それだけに、その役作りというのは本当に大変だったのではないかと思います。


月組脇田唯 さん は、タレントとしてテレビではHTB 「マママルシェ」 に出演するなどしながら、同時に役者としても活動中。

今回は同じ コンカリーニョ でこの舞台の翌週に公演される舞台への出演も決定しており、その2つ稽古を両立しながらの日々は、そういう意味では他の誰よりも大変だった部分もあったのではないかと思います。

ですが彼女は持ち前の努力と根性で、この大変なスケジュールを見事に乗り切りました。
本当に凄いです。

また、他にも稽古期間中にイベントへの参加があったりするなどしていましたし、公演最終日も昼からの自身の出番終了直後、すぐに次の仕事現場へと出発していきました。
恐ろしいほどのバイタリティです。


本番が始まってからのある時、納谷 さん が、座組全体の声の圧について注意をしたことがありました。

そんな中の話で、「○○さんと○○さんと○○さんは、声が小さくなったとしても、そこは意識して小さくしてるんだろうなとわかるから安心して見ていられる。でも ・・・」 と、多くのキャストの声が小さくなってしまっていた直前の回についての指摘があったのですが、脇田唯 さん の名前はその前者に含まれており、そういう意味では 納谷 さん も認める演技力を持っていると判断して間違いないと思います。

実際、彼女が演じる 卯月温子 はどこを切り取っても本当に迫力がありました。

彼女のことを全く知らない人がこの演技を観ると、脇田唯 さん という女性は怖い人なんじゃないかと誤解してしまいそうなほど。
少なくとも子供達は間違いなくそう思うであろう、それほどの鬼気迫るものでした。

演出上、彼女の演じる 卯月温子 は舞台の後ろからだけではなく、客席の右や左から突然現れたりもします。
常に迫力に溢れる演技をしていたこともあり、そんな場所から突然現れた彼女に、本気でビックリしていたお客様もいらしたようです。

あの迫力は、複数回このお芝居を観た上で、このタイミングでここから出てくるとわかっていたとしても驚いてしまうほどのものでした。

次の機会には是非ともまた全く違ったお芝居をする彼女を観てみたい、どんな役者さんなのかもっと知ってみたい。
心からそう思える存在です。

終演後の サイン・握手会 の際、自分の列に並んでくださるお客様に対して、「私、怖くないですからね!」 と笑顔で言っていた姿もまたとても印象的でした。


星組卯月温子橘美羽 さん

普段はソロシンガーとして熱狂的なファンを多く抱える彼女ですが、演技に関しては今回かなりの苦労をした1人です。

HTB 「平岸我楽多団」 の密着でも取り上げられていましたが、とにかく台詞が覚えられなかったようです。
人にはそれぞれに得意不得意があり、それがあるからこそそれもまた個性になっていくのだとは思いますが、彼女にとってはこの部分は本当に苦心と苦悩の連続だったようです。

私が稽古場に行った時にも、台詞がスラッと出てこずに悔しい表情を浮かべる彼女の姿がありました。
しかし、それでも本番が始まる頃には、脇田唯 さん のそれとはまた違った 卯月温子 が、彼女によってしっかりと作り上げられていました。

彼女が演じる 卯月温子 は、怖さと共にどこかにミステリアスな雰囲気を併せ持ったキャラクターになっていました。

台詞の脈略や内容は基本的に同じものであるのはダブルキャストとしては当然ですが、それでも話し方1つにしても、視線の送り方や動き1つにしても、脇田唯 さん橘美羽 さん の2人のそれは本当にたくさんの部分で違っていました。

これもまた、観る方にとってはダブルキャストというものの楽しさでもあり、そういう部分でのお芝居の魅力でもあると思います。

だからこそ、今回の舞台の中でも、この 脇田唯 さん橘美羽 さん を比較しながら、そしてその両方を味わいながらお芝居を観るのは本当に楽しいものでした。




あと2人。
この2人は共にシングルキャストですがあえて最後に残しました。

まずは、生物学者の 倉橋玉枝 を演じた 岩杉夏 さん

彼女は今回、舞台に出演するキャストの1人としての役目以外にも、演出部 としてもスタッフの一覧にも名を連ねていました。

この稽古期間中、「彼女の稽古はほとんどできなかった」 と 納谷 さん も言っていましたが、岩杉夏 さん は、今回の舞台では、役者としての自分もありつつ、それ以上に他のキャストを縁の下から支えてくれていたんだと思います。


また、他のキャストの口からは、「岩杉 さん は、口に出してみんなを引っ張るタイプ」 という声も聞こえてきます。

この期間中、様々な場面で他の仲間を励まし、時に優しく声をかけ、するべきところはしっりと指摘する。
また、他の人が受けた注意もその全てをメモに書き取り、稽古を休んでいた子に対しても、その変更点などを漏らさず伝える。

これはもうすでに ”演出” という部分をはるかに越えた、彼女からの ”愛” であり、この公演に対して ”尽くす” ということだとも思います。

彼女の支えがあったからこそ最後まで脱落することなくゴールできた、彼女がいたからこそ最後まで駆け抜けられたという人もきっとたくさんいたのではないかと思います。
私が観ていても、本当に彼女の存在はあまりに大きなものだったのではないかと思います。

私が稽古場に行った際にも、彼女が複数の人に1つ1つ丁寧に声をかけていた姿を目撃しましたし、また演出に関しても時に積極的に参加する姿を見ました。
知れば知るほど凄い人です。


一方で、岩杉夏 さん は、役者としても ”北海道演劇界の至宝” と、塚本奈緒美 さん と共に並び称される素晴らしい役者さんです。

私自身、昨年の公演で彼女と出会い、秋にはそんな彼女が出演するお芝居を観に行ったりもしましたが、本当に実に魅力的な役者さんで、”至宝” の ”至宝” たる所以をその度に垣間見ている気持ちがしています。

また、彼女に関しても私の耳にはその ”声音” が本当に魅力的に、そして魅惑的に聞こえます。
普段話す声も特徴を持った音で、いつも色々な人の声が気になってしまう私の中でもその音は大好きなものの1つ。
いつ聞いても心地良いものです。


今回の 倉橋玉枝 は、実に落ち着きを持った女性という一面と同時に、突然、「ニャァ」 と猫の ・・・
とにかく、1つのお芝居の中にも色々な雰囲気も出せれば、表情も見せてくれる。
その1つ1つの全てを挙げ、そしてその全てに対して、「アレも凄い、コレも良い」 と言いたくなるような、そんな素晴らしい、そして素敵な役者さんです。


この座組には ”座長” という名のリーダーがいましたが、違う意味では彼女もまた1人のリーダーだったと思います。
いいリーダーの元には自然と良いメンバーが集まり、そして良い仕事ができるものだと思います。

最高のリーダーが間違いなくここにもいました。




26人目。
井村解の先輩、西倉晶 を演じたのは、ちーしゃみん さん です。

彼女も昨年に続いての2年連続での起用となりました。


ちーしゃみん さん のことは、何から書けばいいのかわかりません。
それ程今回の公演を通じ、彼女は様々な人に対してたくさんの足跡を刻み、そして爪痕を残しました。


今回の稽古が始まった直後のまだそれぞれの配役が決まる前、彼女は 西倉晶 ではなく、もっと主役級の役を狙っていたようです。
そんな様子は HTB 「平岸我楽多団」 の密着でも多くの時間を割いて紹介されました。

ですが、今回の舞台を直接観た人はきっとほぼ全員が思ったのではないでしょうか。
西倉晶ちーしゃみん さん にしかできない」 と。

私自身もそう思いましたし、彼女だからこそ、この 西倉晶 をより魅力的なキャラクターとして魅せることができたのだと確信しています。
まさに、”最高のはまり役” だったと、この公演全体を通じて思いました。


彼女とは去年も今年も、事あるごとに色々と話もしましたし、今年の冬には彼女のイベントにも参加させてもらったりもしました。
そんな中で彼女の中の本当に明るく元気な部分も知っていましたし、本当に真面目な一面も知っています。
それは去年の公演以来、「平岸我楽多団」 で何度となく如何なく発揮されてきたと思います。

そんな彼女の持つキャラクター性は、まさに今回の 西倉晶 にはピッタリくるものでしたし、ある意味では彼女のキャラクターが 西倉晶 を飲み込んでしまったと言っても過言ではないと思います。

それ程に舞台の上にいる 西倉晶 はある意味では ちーしゃみん さん らしく、同時に ちーしゃみん さん は良い意味で自分らしさを持ったままにそれを演じていたのではないかと思います。

だからこそ、あの ”ホントはちーしゃみん” には、私はそういう意味合いも感じていたりしました。


一方で、西倉晶 が出来上がっていく過程には、彼女の一生懸命な努力が散りばめられています。

昨年の舞台当日、彼女は本番直前に他の大勢が楽しそうに盛り上がっている中で、同じ舞台の上で1人、ひたむきに台詞を声に出しながら繰り返し確認をしていました。
あの姿には本当に心を打たれるものがあり、同時に彼女の中の真面目さを感じたりもしたものです。

そしてあの姿が忘れられないままに1年。
私が今回の稽古場に行くと、そこには1年前と同じように1人で黙々と台詞を繰り返す彼女の姿がありました。

私は彼女のそんな様子をしばらく黙って見ていたり、壁越しにその声を聞いたりしていましたが、自主練習の時間帯で進む彼女のその稽古は終わりを見ようとしませんでした。
微妙にスピードを変えてみたり、アクセントを変えることによってまた違うものを作り出してみたりと、そんなことを同じ台詞の中で何種類も試し、そして自分のものにしようとしていました。

また、同じ座組の中にいる、いわゆるベテランと言われる役者さんからの意見も積極的に取り入れる柔らかい部分も持っており、それをすることによって彼女の演技は、私の目の前でもどんどんと進化していくのです。
本当に凄いことだと思います。

1人の役者としてはまだまだ経験も浅い彼女ですが、その努力が経験の浅さや様々なものを補い、そして今の彼女だからこそ表現できるものを思いっきり観せてくれます。
いや、”魅せて” くれます。

毎回のアドリブも本当に愉快痛快であり、一方で他の人のアドリブに対しても瞬時に臨機応変に対応します。
彼女は否定するかもしれませんが、アレは頭の回転が良くなければとてもできない業です。

面白いところも、逆に真面目なところも、そして泣かせるような場面も、彼女は舞台の上でも彼女らしさを保ったまま、色々な表情を観せてくれます。

きっと彼女自身、メインとなる主役も、主役級のキャラクターもやってみたい、いつかはやりたいと今でも思っているのではないでしょうか。
ですが私個人の考えとしては、彼女は主役ではなく、重要な部分での脇役に置くことでそのお芝居全体をより輝かせることができる役者さんなのではないかと思っています。

今回も彼女の存在は間違いなくこのお芝居全体に照りを出し、そして大きなアクセントを与えたと思います。

でもいつか、彼女が主役に座るお芝居も観てみたいですね。

終演後にお客様が書いたアンケートでは、”印象に残ったキャスト” として彼女の名前を挙げる人がとても多かったようです。
彼女の努力や、そこから観せてくれるパフォーマンスを考えると、それはある意味で必然だったのではないかとも思います。



また、今回の公演を通じて彼女が一生懸命に頑張った チケットの手売り は多くの人の心を揺さぶり、そしてその想いは大きな波となってたくさんの人の元へと届いたと思います。

彼女がそんな行動を始めたのはチケット販売イベントを開催した前日、5月6日が最初だったのではないかと思います。
あれ以来、彼女は稽古が終わった時間から連日、ニコニコ生放送の自分の番組で生配信をしながら、自らの手でチケットを売り続けました。

初日の手売りは昼過ぎから深夜までの長時間にわたり、最後は舞台スタッフがストップをかけるという壮絶なものでした。
ですが、あそこで止めなければ彼女はたとえ空が明るくなってきたとしても、周りに誰もいなくてもその配信と手売りを続けたんだと思います。

本当に凄い根性ですし、そういうことに努力を惜しまず、そして良い意味で先のことを考えないのが彼女の良さだとも思います。

案の定、翌日のイベントに来た彼女の声は枯れていました。
しかしそれでもイベント終了直後、彼女はまた手売りに出かけていきました。

その後も続いた彼女の努力は、他のキャストのファンにすら、「ちーしゃみんからチケットを買いたい」 と言わしめるパワーを見せ、中にはもうすでにチケットを持っているにもかかわらず、同じ回のチケットを彼女から購入する人もいたほどです。

彼女の努力する姿と想いは、たくさんの人に届き、「彼女のために何かをしてあげたい」 と多くの人を思わせました。
そして、彼女を指名して売れたチケットの枚数も日を追って確実に伸びていきました。


更に、公演が始まってからもまだ手売りを続ける彼女には本当に驚きましたし、それは千秋楽前日の最後の最後まで続けられました。
「絶対にチケット売上1位を獲りたい」 という彼女の強い真っ直ぐな想いは、こんな彼女のとてつもない努力の元に達成されたのです。

その結果は本当に感動的なものでしたし、同時にたくさんの人が喜んだものだったとも思います。
私自身も自分の立場がありつつも、ぜひとも彼女に1位を獲って欲しいと願っていたうちの1人でしたし、この立場さえなければ毎日でも直接近くでサポートしてあげたいとも思っていました。

それれほど彼女には多くの人の心を動かすパワーと魅力、そして誰にも負けない一生懸命さがあります。


今年の 「平岸我楽多団」 の密着の、2週に渡る放送を見た人の中には、どうして彼女ばかりがと、その取り上げられ方に不満を感じる人もいたかもしれません。
この舞台そのものの事をもっと見たかった人にとってはそんな意見が出てきても不思議ではないとも思います。

ですが、彼女は彼女自身が出来ることをしたまでです。
そこには何も裏があるわけでもなく、もちろん癒着やそういったものがあるわけでもなく、あくまでも結果としてあのような形になったのであり、それはやはれ彼女自身が勝ち取ったものでもあると思います。

昨年の公演以来、彼女は同番組に何度も登場し、その度に個性を発揮してきました。
それはきっと番組側が彼女を使いたい、起用したいと思ったからに違いありません。

彼女のことをより知り、そしていつも一生懸命なその姿に触れると、自然と彼女を応援したいという気持ちになってきます。
そんな影響が、きっと番組スタッフの方にももたらされたのだと思います。

その気持ち、とてもよくわかりますし、多くの人に対してそう思わせる魅力を持った彼女はやはり素晴らしいんだと思います。



ある時、彼女が私に対して、去年の公演のレポートを読んで感動したと伝えてくれました。
ものを書く者の立場からして、このように実際自分が書いたものを読んでもらえて、そしてこのような形で感想を伝えてもらえるというのはそれだけでもとても嬉しいことです。

そして更に、この時点ですでに公開していた、つい数日前のチケット販売イベントのレポートも彼女はその場で読んでくれました。
しばらく自分のスマホに目を落とし、じっと私の長めのレポートを読み込む彼女。

その後何分くらい経ったでしょうか。
おもむろに顔を上げて一言、「誰もいなかったら泣いてた」 と。

彼女も私を泣かせてくれます。


あ、でも1つだけ彼女に伝えたいことがあります。

そのレポートを読んだ先にあるあなたの涙の原動力は間違いなくあなた達自身の頑張りです。
あなたを泣かせているのは、私の文章ではなく、あなた自身の努力です。
それは間違いないと、私は思います。



ちーしゃみん さん は、去年の公演でたくさんの経験をし、きっとそこから得るものも数多かったのだと思います。
私はそれ以前の彼女のことは知りませんが、少なくともこの1年で彼女は確実にステップアップしていると思います。

彼女には天性の明るさがあります。
ですがきっとそのタレントとして持っているものは、天性のものではないと思います。

それは彼女がこれまで様々な努力を重ね、経験から獲得してきたものだと思います。

彼女はまさに ”努力の人” です。


特に今年の公演に対する彼女の努力はとても他の人が真似できるような簡単なものではなかったですし、それが結果的に多くの人の目にも止まりました。
元々自分が持っていた ”ニコ生” という武器も使い、話題性も大いに持っていったと思います。

来年、また札幌でこのアリイスンの舞台があったとしたら、きっとそこにはまた彼女の姿があるのではないかと想像しています。
すでに彼女は札幌のアリスインの舞台にはなくてはならない存在だと私は思っていますし、他にもそんな感情や想いを持ったスタッフ関係者は少なくないと思います。

1つの座組には演技が上手な役者が混ざっていることで起きる全体の底上げもあると思いますが、このような他の追随を許さないようなずば抜けた努力をするような子がいることも全体にムーブメントを起こすきっかけになると思います。

今回の座組には ”札幌演劇界の至宝” と呼ばれる役者さんもいましたが、そういう観点では、彼女はこれから ”次代の至宝” にもなり得る存在だと私は思っています。

このような場合、「彼女はそんな可能性を秘めている」 とでも言って締めるのでしょうが、彼女は可能性を秘めているのではないと思います。
きっと彼女は自分自身の努力でそんな可能性をこれから自らの手で作っていくのだと思います。

とにかく、彼女のこれからの活躍が楽しみで仕方ありません。





昨年の公演、物語の序盤にキャストが舞台の上で横一列に並び、そこから主題歌に入っていく演出がありました。
そしてその後ろには映像でそれぞれの写真と、役名ではない本来の名前が順に表示されていきます。

あの演出、そして映像の使い方には、私自身の彼女達に対する想いも相まって、まだ序盤にもかかわらず毎回涙を抑えることができませんでした。


今年は終盤、彼女達がきれいにフォーメーションを組んで主題歌を歌う後ろに、やはり去年と同様に彼女達の写真と名前が出てきます。
あれを見るとどうしても私は涙が抑えられません。

その映像にそれぞれの役名ではなく、普段の名前が出てくるのはまた何とも情感的でもあり、私にとってはたまらない演出の1つです。


今年の舞台ではそれ以外にも ”映像” が効果的に使われていたシーンが数多くありました。

”ぽつぽつと、アスファルトが灰色から黒に変わっていく・・・”
そんなシーンでは雨が。

卯月が現れるシーンでは決まって同じ映像が後ろに映し出されます。
これもまたそれぞれのシーンを印象付け、そして更に強烈なものにしていきます。


また映像と同時に ”音” も数多く使われていました。

”音” という分類に入れてしまっていいのかわかりませんが、アリスインの公演で一番の ”音” といえばなんといっても主題歌です。
この公演に限らず、それぞれの公演に主題歌が用意され、そのどれもが印象的であり、そして観衆の涙や感動を誘います。

今回の 『桜咲く春』 も、何も事前の情報なく聴くのと、このお芝居を観た終盤に聴くのとではその感じ方も全く違ってきます。
物語の内容と歌詞が絶妙にリンクしており、一度それに気が付いてしまうと、この主題歌を違う機会に耳にしたとしても、その時の感情や目に映ったものが思い出されるようになります。

それもまたアリスインの舞台の良さなんだと思います。

他にも、やはり卯月が現れるシーンでも ”音” が効果的に使われています。

一方で 納谷 さん は、「自分が出るようなお芝居ではこんなに音はたくさん使わない」 ということも言っていました。
理由に関しては ・・・ ここでは書きませんが、それでも少なくともこのアリスインの舞台では、そんな音たちは、本当に様々な効果を演出し、そして印象的に使われています。



”映像” ”音” と来たからには、”照明” についても触れないわけにはいきません。

今年の舞台、照明のライトは上や前からだけではなく、舞台の真横に設置されたものもあり、足元に1つ置かれたものもありました。

上や正面からのそれは、当然舞台全体やキャストの姿そのものを照らし、時にその強弱や色によってそれぞれの効果をもたらします。

横からの照明は舞台の明るさが落ちた時に使われることが多く、その近くに立つ役者の姿だけを照らしたり、時に顔だけだったり、後ろからだったりと、大きな照明ライトでは演出しきれない部分を補っています。
足元に置かれたものは、物語の大きな流れの中で1度だけ、ある人物を斜め下から照らし、そのシーンの雰囲気を大いに演出してくれました。


キャストがきれいにフォーメーションを作ったところに照明の光が当たると、それはより一層綺麗なものに観えます。

また、ラストシーンで使われた真上からのスポットライトも、そこまでの感情が高まっていった者にとって、気持ちの全てを持っていかれるには十分すぎます。
舞台の上を照らす光りには、とんでもない魔力があるようです。



舞台上に置かれたセットも、そのお芝居だけのものです。
衣装や小道具はまたどこかでこの台本が使われる時、その多くは再びたくさんの方の目に触れることでしょう。

しかし、この舞台の上に組まれたセットは、大千秋楽が終わった途端にバラされ、そしてその姿を永遠に失います。

儚いからこそ印象的でもあり、そして同時にその上で繰り広げられた物語は、その光景と共に観た人の心に残っていきます。




お芝居のポスターやフライヤーが作られた時、その題名の直後にはほとんどの場合で演出家の名前が記載されています。
今回の公演のフライヤーもそうでした。

”みちこのみたせかい” と書かれた後には公演の日付が入り、その次に 演出:納谷真大 と、記されています。

これは1つのお芝居にとって、演出家の占めるウェートがそれだけ大きいということを示していると思います。
同じ台本でも演出家のやり方次第では完成されるものは大きく変化し、そしてある意味ではどうにでもすることができてしまう。

それが演出家の仕事なんだろうと思います。


私自身はお芝居に関してはただ観ることしかできない素人です。
ですが、今回の舞台の演出をした 納谷 さん が天才的な人だというのは手に取るようにわかります。

稽古での様子や、本番直前で彼女達に投げかけられる言葉を聞いているだけでも、そんな 納谷 さん の凄さはひしひしと伝わってきます。

それはキャストだけではなく、関わる人全てが間違いなく尊敬しているであろうと思える、本当に凄いものです。


また私自身、昨年の公演以降、そんな 納谷 さん が役者として出演する舞台も何度となく観に行きました。
そのどれを観てもその度に 納谷 さん の凄さを再実感し、その度にこのような方と一緒にお仕事をさせていただけることに対して改めての感謝の念が湧いてきます。

キャストとして起用される側の立場から考えると、こんな凄い人に演出をしていただけるというのは役者としては本当に幸せな事なんだと思いますし、この教えを受けることができるのはその場やその時限りではない大きな財産を貰うに等しいものだと思います。


納谷 さん のその細部に渡るまでの演出は、1つのお芝居を作っていく上で本当に凄いです。 (語彙力が無くて伝え切れないのが申し訳ないですが)

一方で、随所に笑いの要素も入ってきます。

今回の舞台も、台本を購入された方は改めてその台本とご自身の中の記憶とを照らし合わせていただきたいと思います。
実際に目の前で観たものの方が、台本に書かれたそれよりもずっと台詞が増えていたり、たった一言の台詞や動きを加えることによって笑える状況を作っていたりと、とにかく良い意味で台本を外れていっては戻ってきます。
今回だと、「D・I・Y」 もそんなもののうちの1つです。

演出って本当に大切であり、そのお仕事量は膨大です。
そこには間違いなくプロの業が存在していました。




1つの公演が企画され、そして準備が進む。
キャストが初めて顔を合わせる以前にも、すでにそこには様々な準備があり、そしてたくさんの人が動いています。

キャストやスタッフの顔合わせから、実際に公演が始まるまでの間も、目に見えるところ、そして見えないところでもたくさんの人が同時進行的に動き、そしてその準備は進みます。

公演が始まる頃には、目に見えるところにもスタッフの数も増え、更にたくさんの人がこの公演を支えるべく、それぞれの役割を果たします。


1つの公演が為し遂げられるためには、当然キャストだけがいても成り立ちません。

実際に、スタッフとしてクレジットされる人達はもちろん、それ以外にも本当にたくさんの人が動き、縁の下から力を発揮してくださっています。
そこにもやはりそれぞれのプロとしての仕事があり、そんな1つ1つが集結し、そして結実したのがこの みちこのみたせかい でした。




今年の物語自体は1度観ただけでは理解しきれないかもしれない本当に難しいものです。

ですが、だからといって全ての人に、2回観たらわかります! とは言えません。
そこにはそれぞれの事情もあり、時間的に1度しか観れないという人もいれば、最初から1回観れば十分だと思う人もいることでしょう。

このような舞台やお芝居は、目の前で全てが繰り広げられる ”生もの” だからこそ、そこにただ台本を追うだけではない面白さも存在してます。

私自身、以前は舞台は1度観れば十分だと思っていました。
ですが、実際に昨年の公演で同じ舞台を本番だけでも4度観る機会に恵まれ、そこから複数回観ることの楽しさを覚えてしまいました。

いくら同じものを作ろうとしても、”生もの” である以上は同じのは2つとない。
だからこそそこに複数回観る価値が生まれ、楽しさが生まれるのだと思います。

「何度も同じもの観なくてもいいよ!」
そう思う方に無理に勧めようとは思いませんが、それでも少しでもそういった観方に興味を持っていただけるのであれば、どうか1回でいいので同じ舞台を2度繰り返して観てみてください。

1度目に観えなかったものが2度目に観えてきたり、1度目に気付けていなかった伏線に気が付いたり、とにかく面白いことがそこにはあると思います。

また、是非その舞台に出ている役者さんのことを知ってみてください。
いきなり全員を、というのはあまりにハードルが高いですが、一番気になった人のことをちょっと調べてみたりすると、そこから何か新しいものが見えてきたりすることもあると思います。
ご自身の知っている何かと繋がったりもするかもしません。

世の中なんて広いようで狭いものです。
どこでどう繋がっているかなんて分かりませんし、それが分かった時がまた面白い瞬間なんだとも思います。




納谷 さん が、今年のメンバーの事を評してこんなことを私に教えてくれました。

「去年と比べて、今年のメンバーは演技に対しての意識が高い」 と。

稽古1回にしても、ちょっとした話をする時でも、誰か1人が注意を受けたりしていても、それを他のメンバーがしっかりと聞いていることが普通で、それが常態化していると。
本当に素晴らしいことだと思いますし、意識の高いところからはより良いものも生まれてくるんだと思います。

私自身も稽古場に行った時点で、この去年と少し違った集中力にはすぐに気がつきました。
だからこそその先にある本番が楽しみでもあり、そしてそこにはやはり素晴らしいものが存在していました。




彼女達26人がこの舞台の上で紡いだ ”せかい” は、この全8公演をもって終了しました。

”無事終了” とは決して言い切れない要素もあったりしますが、それでもやはり終わってみれば ”無事終了” と言っていいのではないかと思います。

彼女達それぞれの目には、この49日間はどんな ”せかい” に見え、そしてそれぞれのこれからにどんな ”せかい” が広がっていくのでしょうか。

ここまで一緒に同じ方向を向いて進んできたガールズ達も、またしばらくはそれぞれ別々の方向を向き、それぞれの ”せかい” へと飛び立っていきます。

また何かの機会にその線と線とが交差し、一緒に新しい ”せかい” の続きを紡ぎ始めることるあるかもしれない。

そんな ”せかい” があるならば、ぜひともその続きをまた観てみたい、そして感じてみたいと、心から思っています。



この公演を応援してくださったみなさんにとって、客席で観劇してくださったみなさんにとって、この期間、この公演はどんな ”せかい” だったのでしょうか。

楽しんでいただけたのでしょうか。
震えるような感情を持っていただけたこともあったのでしょうか。
何か新しいものを見つけたという方もいらっしゃるのでしょうか。

とにかく、人の数だけそれぞれに違った ”せかい” があるのだけは間違いないと思います。


始まりがあるものには必ず終わりがあるという人がいます。

ですが私は、この世には終わりが無いものも存在すると思っています。

”みちこがみたせかい” には終わりはあったのでしょうか。
それともまだその ”せかい” は続いているのでしょうか。

未知子と絹江が雨の中で拾った猫は本当に幸せだったのでしょうか ・・・




2017年5月 アリスインプロジェクト札幌公演 「みちこのみたせかい」

長い長い期間だったような、終わってしまって振り返れば本当に短かったような、どちらともわからない感情がいま私の中にも渦巻いています。

もうあのメンバー全員が一堂に集結することは二度と無いでしょう。
だからこそ、あの日々がより大切に、そして忘れがたい思い出になっていきます。

たくさんの経験はそれぞれのこれからの活動に生きていきます。
たくさんの記憶はそれぞれの心の中で生き続けます。

たくさんのありがとうはお互いをこれからも結び続けます。
たくさんの笑顔は次の笑顔へと繋がっていきます。


思い出は遠くなれども、それは悲しいものではありません。

素敵な思い出というのは心の中に残り続けるものです。

そしていつになってもその懐かしさが心を揺さぶることでしょう。


ただひとつ、私にはやはり、泣かないで見送ることはできませんでしたが ・・・


2017年5月 掲載

ジャガイモンプロジェクト代表 ・ 川崎康


この公演は、HTB 「平岸我楽多団」 さん が、長期間に渡る密着取材をしてくださいました。

また、番組でも2週に渡ってそんな様子を放送していただきました。
併せて紹介させていただきます。






5月13日

舞台本番を4日後に控え、2日後には小屋入り(劇場入り)と、様々な事柄が佳境を迎えているこの日、稽古場 にお邪魔しました。

これは ジャガイモンプロジェクト が、今回の公演全体の情報発信を担わせていただいているということもあって実現したものです。

出演キャストの中に所属タレントがいるということもありますが、ジャガイモンプロジェクト はあくまでも中立の立場としての行動、そして活動を行ないます。


どの現場でも、単純に1人のタレントの運営者としての役割のみで現場入りするのであれば、そこは自分のところのタレントを中心に物事を考え、そしてサポートしていきます。

ですが、この公演に関わる全ての現場では、ジャガイモンプロジェクト は、それ以前に中立の立場、そして役割があると認識しています。
ということで、今回もあくまでも中立な立場での稽古場入りです。



4月に入った頃に始まった稽古もすでに最終盤。

序盤は1日4時間程度の稽古が続いていましたが、本番前週に入ってからは稽古時間も一気に拡大。
色々な意味でより一層の気合いと集中力、そして精神力の求められるところへと来ています。


長い間、彼女達が毎日のように通ったこの稽古場とももうすぐお別れ。
15日にはついに本番の舞台となる コンカリーニョ に小屋入りとなります。

その後は、照明・音響などの部分も含めた 場当たり
更には本番と全く同じ状態で行なわれる ゲネプロ などを経て、ついに17日からの本番を迎えます。




この日、私は稽古の始まる時間に合わせ、それよりも少し前に稽古場入りしました。

ここにいることで、まず私自身に最も求められることは、全ての流れの中で邪魔にならないこと。
今回は ”見学” ではなく、”取材” が目的の現場入りではありますが、それはあくまでも稽古自体が滞りなく進むことを大前提としたものです。

ですので、私に最低限必要とされることは、”存在感を消すこと” だとも思っています。
去年の舞台やこれまでの様々な活動の中で、すでに何度となく会っていて知っている子や仲良くしてもらっている子もいますが、それでもこの場所では極力静かにしています。



この日の早い稽古時間は、それぞれの自主練習に充てられていました。

14時を過ぎた頃には数人が稽古場にやってきて、それぞれがそれぞれのやり方で練習を始めます。


谷口郁美 さん さん は、事務所スタッフの方も交えて、物語の中に登場する人物に対する理解度を深めていく作業を行なっていました。

それぞれの場面、それぞれのシーンで、このキャラクターはどんな気持ちでその場所にいるのか、どんな気持ちで話しているのか。
どんな話し方、そしてどんな語尾にするのが、その場面のそのキャラクターに合っているのか。

時には色々なパターンを試してみたり、話し合って結論へと近づけていったりと、誰かが押しつけるのではなく、しっかりと対等に話し合い、意見を出し合いながら作っていく様子はとても印象的でした。

長時間、黙々とそんな作業に没頭する様子は、今回初めてアリスインプロジェクトの舞台に起用された2人の気合いや気迫も受け取ることかぎでき、そしてしっかとした信頼関係で結ばれた所属事務所のバックアップも感じられました。



ちーしゃみん さん は、過去の稽古の映像を見返して復習したり、自分の台詞を何度も繰り返し練習したり、同じ台詞を何パターンも試したりしている様子。

この姿、同じような光景を以前も見たのを思い出しました。
昨年の本番、全5日間のうち、私は最後の4・5日目を現場入りしていましたが、彼女はその本番直前の舞台の上でも同じように自らの台詞を何度も反復し、1人で黙々と練習や確認を繰り返していました。

普段は本当に明るく元気で、そういう意味でも周りを引っ張ってくれるような存在の彼女ですが、陰ながら人知れず努力を繰り返している姿も、私は知っています。

どんなことに対しても全力でのぞむ、そして努力を重ねる。
普段の稽古に対する取り組みにしても、そしてここのところ毎日のように稽古後にチケットを手売りするために頑張っている姿も、本当に尊敬できるところがたくさんあると思いますし、周りに対しての影響力も持っていると思います。

こんなところにも、彼女が昨年に続いて今年も起用され、そしてここにいる理由があると感じます。



また、そんな ちーしゃみん さん を見た 廣瀬詩映莉 さん が、動きや台詞の言い方に対してアドバイスをする姿もありました。

廣瀬詩映莉 さん はまだ20歳ではありますが、ELEVEN NINE に所属し、その役者としての経験も今回の若手のキャストの中では群を抜いています。

私自身、これまでにそんな彼女が出演する舞台を何度となく観劇したことがありますが、その度に彼女の素晴らしさと唯一無二の存在感を感じていました。
そんな彼女からのアドバイスは、ちーしゃみん さん のその場での練習内容をより向上させてるものとなっていました。

的確なアドバイスが一瞬で演技の質を上げ、そして意味あるものにしています。
そんな様子にはとても力強さを感じることもでき、廣瀬詩映莉 さん がこの場にいることの意味合いと同時にその効果を感じたりもしました。


また、そんな 廣瀬詩映莉 さん は、稽古の合間やちょっとした隙にも他のキャストと違う動きをしていることがありました。

普段からこの稽古場で様々な稽古や活動をし、そして 納谷 さん を初めとした ELEVEN NINE のみなさんと一緒にいることが多いということもあるのでしょうが、1人のキャストとして以上に広い視野を持って稽古に臨んでいるということを感じました。

ちょっとした合間にセットや小道具の位置を直してみたり気にしているところを何度も見かけましたし、とにかく周りの人の動きをしっかりと見ているのを感じました。

そういう部分も、今回の舞台に ELEVEN NINE の役者さんが入っていることに大きな意味があるとも感じましたし、きっとそこは彼女自身も色々な意味や責任を感じている部分であるのではないかとも思います。

今回の舞台の中で彼女の与えられた役柄は、他の24人の誰がやるよりも、彼女がやるからこそより光る部分がたくさんあるものだとも思います。
そういう意味でも彼女がここにいる意味があると思いますし、他のメンバーにとっては得られるものも学べるものもたくさんあるのではないかと感じました。

昨年の公演では、1人の現場スタッフとして、チケット販売イベントや本公演を陰から支えてくれていました。
そんな経験も彼女自身を大きくし、そして今年への大きなステップになっているのだと思います。

普段から本当に明るく陽気で、現場ではいつでもニコニコしている印象の強い彼女ですが、知れば知るほど魅力に溢れる女優さんでもあります。
だからこそ今年の公演のキャストの中に彼女の名前が見つけた時には私自身も本当に嬉しかったですし、色々な人にとってそれぞれの意味があるキャスティングだとも感じています。



この後少し遅れて稽古場入りして来る子達も、それぞれの時間を過ごしていました。

ペンを片手に改めて台本に向き合っている子、何人かで特定のシーンの動きを確認している子達、まずは何かを食べてこれからの長丁場に備える子、自分の衣装を確認しながら時間を過ごす子 ・・・。

それぞれにそれぞれの準備があり、取り組みがあり、そして思うところがある。
ここには何が正解で何が間違いとか、誰が正しくて誰がそうじゃないというのは無いんだともとも思います。




17時過ぎからは 納谷 さん からの稽古が始まります。

ここからは私は昨年と同様に、納谷 さん のすぐ横に座らせていただき、客席最前列どころか、まるで舞台の上に座っているかのような距離感、そして臨場感で稽古を見せていただきます。


この日の稽古は物語の途中の、某シーンからです。

すでに稽古も最終盤。
これまでにも何度となく稽古してきている場面の精度をより高めていくための作業が続きます。

本番の舞台で実際に使われる音も流しつつ、この音に対しての台詞や動作のタイミングをしっかりと確認していくことや、それぞれの場面場面に応じた声のボリュームなど、様々な確認が進んでいく中で、納谷 さん の演出に対するキャストの彼女達の理解度もどんどんと深まっていくのを感じることができました。

こんなところにもお互いの強い信頼関係を感じました。

彼女達が 納谷 さん 自身を、そしてその演出に対しての ”信頼感” を持っているからこそ、その意見や指導を素直に聞き入れ、そして自分の中に吸収し、自ら実行しようと努力をする。
一方で 納谷 さん 自身も、彼女達に対しての ”信頼・信用” と、そして ”期待感” を持っているからこそより高いものを求め、そして彼女達が光り輝くように導こうとしている。

私はそんな作業が進む様子を見て、お互いの間に形作られた目に見えない何かがはっきりと手に取って感じられるような、そんな想いに溢れました。



テレビ画面の中ではなく、大きな生の舞台の上で目の前で繰り広げられる物語だからこそ、ただ単純に台本に書かれている文字を追うだけの作業ではなく、動作や台詞の言い回し自体にも緩急がより必要で、そんな部分の細かな演出も次々と加えられていきます。

私がその場で見ていて何ら違和感を感じなかった場面であっても、納谷 さん の演出が加わると、更にそれが自然なものになっていったり、大きな印象を持つものへと変化していきます。
そしてその際、演出と共に 納谷 さん から彼女達に対して説明されていく言葉は、私が聞いていても本当に納得のいくものであり、凄さを感じるものでもあります。

そう思うと、直接指導を受けている彼女達の中にもきっと 納谷 さん に対しての、”信頼” と共に、”この人は凄い人” という想いもあるのだろうとも感じました。

だからこそ、こういう ”凄い人” からは、個々の心の持ちようによっては学べるものもたくさんあるのだろうとも思います。


実際、稽古中に出番のない子達も、稽古場の隅で身を乗り出すようにしてその様子や言葉に心を傾けているのが随所に垣間見られました。

昨年この稽古場に来た時、私がまず気になったのはこの部分でもありました。
全体的ではなく、誰か1人がピンポイントで 納谷 さん から指導を受けている時、そんな様子を見ていない、聞いていない人が少なくなかったのがとても印象的で、同時に違和感を感じました。

ここで交わされる会話や指導というのは、これから1つのお芝居を作っていくということに対しても、そのお芝居に限らず今後の自分自身においても、大きな財産になり得るものだと思います。
望んでも得ることのできなかった人もいるであろうこの場に存在できるということ自体が恵まれていることであり、そしてここで聞くことのできる 納谷 さん の言葉は、彼女達にとっては本当の意味での ”金言” なんだろうとも思います。

それを聞かない、聞こうとしないのは本当にもったいないと感じていました。

しかし、それに対して今年、私がこの稽古場で見た光景は、前のめりにそんな言葉を聞き、そして吸収しようとする子達の姿でした。

長いこの稽古期間で、私が直接見た稽古はこの1日だけですし、昨年に関しても1日だけです。
だから、私が感じたものはその全てを象徴するものでも、その全てを判断するものでもないとは思いますが、この日のこの稽古にはそんな彼女達の意欲や真剣な取り組みを感じました。


またそんな彼女達には25人で1つだというチームワークも感じました。

直接の演技以外の部分でも誰かが誰かをフォローし、そして準備をしていく。
支え合い、補い合い、そして助け合って、この座組がより良い座組になっていっているのを感じました。

特に昨年から続けてキャスティングされているメンバーにはそんな様子を感じることが随所にありました。
少しでも経験のある人が自分の経験を持って他の人を導いていくというのは本当に素晴らしいことだと思います。

きっとこれはこの稽古場での出来事に限らず、15日に コンカリーニョ に小屋入りし、そして本番が始まってからも続いていくのだろうと思います。

そういう意味では、昨年の公演に続いて今年も残っているメンバーには、それぞれ今年も残っている理由がそこにあるのだろうという想いもします。

今年はいないメンバーにもそれぞれに理由があって、そこは一概に語れるものでも判断できるものでも、また優劣をつけられるものでもありません。
ですが、ここに2年続けているメンバーには、間違いなくそこに意味があり理由があると感じます。

アリスインプロジェクト札幌公演 という大きな括りで見た時、そこには間違いなく ”2年目の進化” があるようにも感じました。



”2年目の進化” という意味では、岩杉夏 さん の存在も書き忘れるわけにはいきません。

昨年は他のメンバーと同列にキャスティングされていた彼女ですが、今年は1人の役者としてのキャスティングと同時に、”演出部” にも名前を連ね、その役割も担っています。

実際、稽古中にも自分の出番以外の時は他のメンバーとは違って舞台に対して正面の位置に座り、常に真剣な眼差しでその様子を見ています。
そして時に 納谷 さん から助言を求められ、そして時に自らの意見を 納谷 さん にぶつけます。

そういう部分も今回の舞台の、昨年とは違った楽しみでもあります。

実際に劇場で舞台を観られる方にとってはどこに 岩杉夏 さん の意見や演出が加わっているかというのはわからないと思います。
ですが、そういう作業も経て作られたものなんだと思って観ていただけると、そこにはまたちょっとだけ違った想いも生まれてくるのではないかと思います。




稽古の中では1つ1つの ”動作” に対しても、多くの演出が加えられていました。

それは、この時点での完成度の低いものに対しての指導もあれば、更に質を上げていくためのものもありました。

多くの日本人が普段しないような動作に対しての不必要さだったり、それぞれのシーンやキャラクターの感情に合せた動き方や歩き方といったものもあれば、舞台の暗転と明転のタイミングと人の移動のタイミングを合わせていく確認作業もありました。

瞬き1つに対してや、台詞を話していない人の動作に対しての指導もありました。

やはり1つの舞台というのは台詞がただ連続するだけで出来上がっているのではなく、小さな動作1つや、その瞬間の話の中心ではない人の動きや存在もあって全体が成り立っていくのだと実感できる部分でもありました。



一方、台詞に対しての演出も数多くありました。

ここには、言葉の中の訛りを直していくような作業もあれば、1つの言葉の大きさやタイミングを調整していくような指導もあります。

1つのシーンの最初の台詞1つで、その後の流れや雰囲気が変わってしまうこともあれば、「あ!」 というような出だしの1つ音にでさえ様々な使い方や意味があるというような話もありました。


そんな中で昨年の稽古で 納谷 さん が仰っていたことを思い出しました。

 「次の台詞を活かすための台詞がある」

という言葉です。


台詞1つでシーンの雰囲気を大きく入れ替えることも可能であれば、次の大切な台詞へと繋げるため、これを活かすための台詞もあるという話は、今年の稽古でも繰り返されていました。

そして実際に稽古でこの点を気にして観ていると、本当にこの言葉を実感することも出来ました。

具体的にどこが、という話はここに書くことはしませんが、実際劇場で観ていただけると、舞台が暗転明転するわけでもなく、当然ナレーションが入るわけでもなく、照明が変わるわけでもなくても、突然シーンが変わったとわかるところが何ヶ所もあると思います。

このレポートを読んでくださった方にはそんな部分も楽しんでいただければと思いますし、舞台の上で進んでいく、脚本に沿ったストーリー自体もそうですが、細かな演出が本当にたくさん加えられていると思って観ていただけると、この舞台はより一層楽しく、そして色々と感じていただけるものになっていくのではないかとも思います。


1つの台詞でも、”トーンが落ちる” のと、”パワーが落ちる” のは違う、という話もありました。

この稽古には ”金言” が本当にたくさん飛び交い、そして落ちています。
それをいくつキャッチできるか、拾えるかはそれぞれの気持ち次第。

そんな雰囲気を間近で感じていると、役者という世界を全く目指したことのない私自身ですら何かを始めたくなるような気持ちになります。

そう考えると、実際この瞬間、役者としてこの場にいる彼女達にとっては、本当に大きな影響があり、成長できるための素材であり、そして時間なんだろうと思います。


また、台詞にはその劇を象徴する台詞があるという話もありました。

”物語自体をわからせるための大切な台詞” もあれば、観てくださる方が面白かったとか泣けたと感じていただける、”印象に残すための台詞” もある。

多くの演劇にはそんな台詞があるのだと思いますし、今回の舞台にもそんな台詞が散りばめられていると思います。
だからこそ、この舞台を実際に観ていだければ、観た方それぞれに印象に残るシーンや台詞が出てくるとも思います。

私は今回の公演が終わった後、そんな話をたくさんの方とするのが今からとても楽しみです。
きっとそこには1回観た方、複数回観た方でも意見がそれぞれあるものだと思いますし、同じ人でも観る回によって変わってくるのかもしれません。

またその感想というのは、事前に台本の内容を知っている人と、そうでない人との間でも当然違ってくるのではないかとも思います。

共通の思い出や出来事に色々と違う感想があるというのは、お互いの意見が交錯する時にそこに楽しさがついてくると思いますし、そんな話を通じて終わった後でもまた改めて楽しむことができるのだとも思います。

そういう意味では、それぞれの観た ”せかい” が、重なり合うことで、そこにまた少し違った ”せかい” が生まれていく。
演劇にはそんな楽しさもあると思います。



稽古が進んでいく様子を長時間見ていると、これは ”最初から完成されたものに対してみんなで練習を重ねていく” ”与えられた台本どおりのお芝居をしている” というのではなく、”演出も含めて台本に対する理解を深めながら1つの物語を作っていく” 作業だということを感じます。

実際、”決定稿” と書かれている台本も、この稽古中にどんどんと書き変えられていきましたし、そもそも台本自体には1人1人の小さな動作についてまでは最初から書かれていません。
そこはまさに演出で作られていく部分です。

この日の稽古でも1ヶ所、突然 納谷 さん がその場で大きく台本の書き直しをした箇所がありました。

昨年も、稽古でもその本公演が始まってからも、1回1公演ごとにより良いもの、より伝わるものへと進化させようとする過程で、台詞や動作に対しての変更が何度もありました。

そういう意味では全8公演も観る回によって違うものになるでしょうし、同じものは絶対にありません。
まただからといって、生の舞台というものは最後の1回が一番良い評価を得られるものになるとは限りませんし、そういう部分も含めて生だからこそ面白くもあり魅力だとも思います。

毎回違ったアドリブを入れようとする人もいるでしょうし、図らずも誰かの台詞が飛んでしまったりタイミングがずれてしまうこともあるかもしれません。
複数回観劇される人にとってはそういう部分も楽しみとなるでしょう。



その他にもここでは書ききれないようなことが1度の稽古でもたくさんありました。
本当は具体的なことを書けばもっと直接的に伝わるレポートになるとは思いますが、それは物語の内容に触れてしまいかねない部分ですので、ここでは避けます。

この日も長い人によっては8時間にも及ぶ長丁場の稽古でしたが、集中すべき時の真剣な表情や眼差しと、ちょっと休憩できる時の楽しそうな笑顔がとても対比的かつ魅力的でした。


最後は私が持参した 士幌の生産者還元用の ポテトチップス をみなさんに。
大きな声で一斉に喜んでくれたのがこちらも嬉しいですし、頑張っているみなさんのちょっとした気分転換になればいいなとも思います。

積んであるダンボールに一目散に駆け寄る人、周りに配る人、すぐに開けて食べ始める人、遠慮してあとから箱へと向かう人、まずは写真を撮る人 ・・・。
こんなところにはそれぞれの本来のキャラクターが垣間見え、実は彼女達を知るには一番面白い瞬間でもあります。

   

  

  

  

  



毎日のようにここに集まり、そして稽古を続ける彼女達の日常はもうすぐ終わります。
この稽古場へとこのメンバーで集まることも無くなります。

一週間後にはそんな全てが終了し、この座組も解散となります。


この舞台に向け、この場所に初めて足を踏み入れた時、彼女達はどんな気持ちだったのでしょうか。

これまでの活動の中で、この場所に以前に来たことのある人もいますし、昨年のアリスインプロジェクト公演に出演していたメンバーにとっては懐かしい場所に戻ってきた感覚であったろうと想像できます。

一方でこの場所が全く初めてのメンバーにとっては、これまでにSNSやテレビ番組などを通じて見たことのある場所だったかもしれません。


そんな彼女達の心の中にあったものは、不安? 期待? 緊張? 喜び? ・・・

25人の女の子がそれぞれの感情を胸に、この場所での時間をスタートさせたはずです。



25人が初めて集合したあの日から1ヶ月強。
ここまで少しずつ、それでも確実に稽古は進んできました。

時に笑い、時に涙し、時に怒られ、時に喜び ・・・
それぞれが自分達の色々なものを犠牲にして、それでも頑張ってきた分だけたくさんの思い出もできたのではないかと思います。


舞台経験が豊富な役者さんも、演技自体が全く未経験の子も、一緒になって走ってきたこの期間。
経験や年齢の差もお互いを刺激し、このメンバーが融合するからこそ生まれる何かがきっとあったと思います。

この期間は、1つの座組としての彼女達を成長させ、そして結束させたものだったんだろうとも思います。


悔しい思いをしたこともあったでしょう。
自分に対して腹が立ったこともあったかもしれません。
怒られて涙が止まらくなった人もきっといたはずです。

それでも誰一人脱落することなく、ここまでやってきました。



今、彼女達の心の中にある様々な感情は、きっと最初に集まった頃のものとは違っていると思います。

本当によくやったと自分を褒めるのだろうか、もっと頑張れたんじゃないかと思い返すのだろうか。
もっとこうするべきだったと反省をするんだろうか、それとも ・・・。

とにかく、どんな大きなことも小さなことも、嬉しいことも悲しいことも、楽しいことも辛いことも、一度過ぎ去った時間はもう二度と自分達の前に戻ってはきません。

どれだけ後悔しても、どれだけ望んでも、どれだけ祈っても、同じ時間が繰り返されることは絶対にありません。

この稽古場で見てきた景色も、向き合った眼差しも、笑い声も、空気も。
みんなの当たり前だったもの全てが当たり前ではなくなります。



彼女達の最後の5日間。
コンカリーニョ で、25人の女の子達がそれぞれの集大成を迎えます。

17日から21日までの全8公演。
いくら同じ台本で繰り返し稽古を重ねてきても、全く同じものなんて2つとありません。

舞台は全てが生もの。
観ている人の目の前でリアルタイムに繰り広げられるものです。

1つの小さなきっかけや、ちょっとした何かのタイミングだけで全てが変化していきます。
だからこそ生の舞台は面白い。


昨年の公演では、開演直後に舞台から落ちてしまった人がいました。
また、他の部でも台詞が完全に飛んでしまい、動きが止まってしまった人もいました。

ピンポイントでそこだけを捉えれば、それはミスなのかもしれません。
ですが、それを直後にどう挽回するか、そしてどう周りがフォローするかで、それはミスでもなんでもなくなり、1つのお芝居の味へと変化していきます。

お芝居の味は、狙ったからこそ付けられるものもあれば、狙わなかったからこそ付いたものもあるはず。
そんな味は、いくら努力しても絶対に再現できないものであり、色んな味があるからこそ面白い。

それが生の舞台の醍醐味だとも思います。



私自身、全日現場入りすることは叶いませんが、最後の2日間はそんな現場をまた近くから見守りたいと思います。


約1週間後。
最後の幕が下る時、彼女達は何を感じるんだろう。

達成感、満足感、充実感、安堵感、疲労感、解放感 ・・・。
きっとそれぞれの心の中に様々な想いが浮かんでくるんだろうと思います。

最後まで笑顔を絶やさない人、涙が止まらなくなる人、頭の中が真っ白になってしまう人、とにかく冷静な人 ・・・。
25人もいればたくさんの光景や反応があるんだろうと思います。


私自身、本公演が始まるのは本当に楽しみです。
ですが同時に、始まってしまえば5日間で終わってしまうという寂しさも心から離れません。

そう考えると、いつまでも始まって欲しくないような、でもやっぱり早く始まって欲しいような ・・・。



この日の稽古終了後、演出の 納谷真大 さん に、今回の舞台の見所や、前回の舞台との比較を伺いました。
完全独占インタビューです。



僕自身、前回に次ぐ2回目の演出で、10代20代前半の25人の女の子達の、演技の質みたいなものも去年よりは少しわかったし、このガールズ演劇というものをどういう風に見せていくのが彼女達の為なのかというのも前回より少しわかっている部分もあります。

それでもやはり僕自身は演技が好きで演技オタクなので、その演技の部分をどうしても優先していくことで彼女達は随分と大変な思いをしたのだろうと感じています。

そんなに深く突っ込まなくてもいいのではないかと思った人もいるかも知れないけれど、でも彼女達は僕についてきてくれました。


前回のお芝居よりも今回の方がより演劇寄りで、とても難しい物語です。

そんな中でも、彼女達は去年よりも間違いなく全体が演技に向かい合い、そして演技というものに真剣に取り組んでいます。

前回はもう少しエンターテイメント性が強い物語だったけれど、今回は文学性というか、演技・演劇というものを主体にしている劇だと思います。

それを若いガールズ達は見事にやってくれて、とても感動できるプロの俳優顔負けの演技バトルを繰り広げてくれている思います。

そんなところやっぱり今回の見所だと思うし、僕が演出する限りはやっぱりそういう部分を前面に押し出していきたいなと思っています。


物語自体がとても難しいものなので、一度で全てを理解することはできないかもしれません。

ですが、ガールズ達がその瞬間瞬間を演技で生きてるところを観ていただければ、これは十分に観るに値するものだと思います。

とても面白く、なかなか観ることのできないものになっていると思いますので、なるべく多くの人に観てもらいたいと願っています。



とにかく!
アリスインプロジェクト札幌公演「みちこのみたせかい」

もうすぐ、その幕が上がります。


「みちこのみたせかい」 は、昨年5月に東京で初演があり、今回はその再演です。

ですが、同じキャストは1人もいなく、演出家も違えば現場のスタッフも場所も違います。

そういう意味では脚本こそ再演ではあっても、今回もまた初演であり、ここに新しい物語が始まっていくのだと思います。


例えば通ヶ月後、もしくは来年、今回と全く同じ顔ぶれの25人、そして同じ演出、同じスタッフ、同じ場所で、今回と同じ 「みちのこみたせかい」 を再演したとしても、きっとそれは今回のそれとは違ったものになっていると思います。

そこにはここからそこに至るまでのそれぞれに経験の積み重ねがあり、時間があり、そして成長があるからです。


今この瞬間の等身大の彼女達が演じるからこそ観られる 「みちこのみたせかい」 は、間違いなく今しか観られません。

後悔というものは過ぎ去ったものの前にさかのぼってくることはありません。
そして、その後悔を拭うことも出来ません。


今しか体験できない、体感できない 「みちこのみたせかい」
25人のガールズ達が紡ぐこの ”せかい” を、ぜひ一緒に劇場で。



稽古見学取材の終了後、フライヤー を持って、すすきのを中心に 広報活動 をしてきました。

数日前からSNSを通じて、チラシを貼らせていただけるお店を事前に募集をさせていただいたところ、それに対して、私の以前からの知り合いが場所を探してくれるなど、本当に嬉しい動きがありました。

普段から、ジャガイモンプロジェクト は、スタッフは私1人であり、全てにおいて自分でやっているという気持ちが非常に強いのですが、そんな中で仲間からの手助け。
図らずも、私自身に対しても ”見てくれている人は必ずいる” という部分を再確認できる出来事にもなりました。

本当にありがたいことです。



今年の公演が発表されたのは3月末の事ですが、当然実際はもっと早い頃から様々な部分が動いていました。

開催の発表後も、稽古が始まり、様々な準備が進む中で、私がジャガイモンプロジェクトとしてできたこと、貢献できたことはまだまだ本当に少ないです。

情報発信や広報的な部分では、ホームページにこの特設ページを情報解禁と共に開設し、SNSなども通じて発信をするなどしてきています。
また、先日のチケット販売イベントでは1スタッフとしてわずかながらに貢献できたかなと思ったりもしています。

ですがやはり、具体的に大きな貢献をできていないというのが自分の中で常に引っかかっています。

環境上、常に札幌にいられないというのも大きなネックではあります。


だからこそ、少しでも時間の取れる時、そしてチャンスのある時には私自身のできる範囲で、独自の活動もしたい、しなければならない、するべきだとずっと思っていました。

そんなことから今回、長い時間は取れませんでしたが、フライヤー を大量に持って、ちょっと歩いてきました。

   

ご協力いただいた各店様

 
AJITO Hacham さん
 
ラウンジ ヴェール さん
 
パブスナック モンレーヴ さん
 
石松鮨 さん
 
UNDER BAR さん
 
インディーズ居酒屋 ボーンヘッズ さん

(順不同) 


他にもお店のご紹介をさせていただく旨をご遠慮いただきながらも、こちらの活動に賛同をいただき、フライヤーを貼っていただいたお店、置いていただいたお店が多数あります。

本当にご協力ありがとうございます。



本来であれば、時間さえあればもっともっとたくさんまわってフライヤーが足りなくなってしまうくらいに減らしたかったのですが、ひとまず、自己満足程度の活動はできたかな。

でもまだまだ、千秋楽まで諦めも放り投げもしません!
やれることがある限りは!




5月7日

アリスインプロジェクト札幌公演 「 みちこのみたせかい 」 の 握手会つきチケット販売イベント が、札幌市内の 演劇専用小劇場BLOCH (ブロック)で開催されました。


3月末に、今年の公演の開催と出演キャストが発表。
4月に入ってからはすぐに 稽古 が始まった今回の公演。

ここまでは製作の アリスインプロジェクト さん 、演出や各種制作等を担当する ELEVEN NINE さん
更には、出演の各キャストや、それぞれの運営サイドからのインターネットなどを通じた発信こそ続いていたものの、今回の公演のものとして、関係者が一同に会してファンのみなさんの前に登場するのはこれが初めてです。

   


今回のイベント、そしてこの公演全体。
ジャガイモンプロジェクト としては、タレント運営としての立場もありますがそこは一旦横に置き、1人のスタッフ、そして取材をする者として、あくまでも中立な立場としての参加です。

前者の立場も大事ではありますが、後者としての立場はある意味ではそれ以上に大切だと考えています。

昨年の公演もこの後者の立場として、公演全体を通しての取材や、事前事後の情報発信を行なう役割としての参加をさせていただいており、その経験も活かして今年は更にしっかりとその責任を果たしていければという思いで臨みます。




イベント開始は 12:00 でしたが、それを前に会場準備などのためにスタッフ、キャストがそれぞれ現場入りしました。

実は私自身、今回の公演を通じて、稽古等を含めて現場入りをするのはこの日が最初です。
そういう意味では自分自身の中で緊張感も持ちながらではありましたが、それでも実際に現場入りして昨年もお世話になったスタッフのみなさんにお会いしたりすると、途端にどこかホッとするような安堵感にも包まれます。

特に去年の公演以来、ELEVEN NINE のみなさんとは、他の舞台を見に行かせていただくなどして何度となくお会いしています。
ですが、それでもやはりそういう時にお会いするのと、今回のような立場としてお会いするのとでは心の持ちようも変わってきます。


キャストのみなさんとは、昨年の舞台でもご一緒させていただいた方もいれぱ、それ以外の機会にお会いしたことのある方もいます。
そんな方々との改めてこのように再会できるのは本当に嬉しいことであり、そんな1つ1つの 御縁 には改めて感謝です。

一方で、キャストのみなさんのうち今回初めてお会いする方も半数以上。
そんなみなさんとの新しい出会い、そして 御縁 というのも嬉しいものです。

ここで初めてお会いしたみなさんとの 御縁 も、この公演が終わったらそれで終了というものではなく、きっとこれから長く続いていくもの。
そう考えると、この瞬間というのはこの先の長い時間、長い月日に対してとても記念すべきものであり、そして大切なものだと思えます。

ジャガイモンプロジェクト の活動自体、そんなたくさんの方との 御縁 があってこそ続いているものであり、存在していると考えています。
だからこそ、この1つ1つの 御縁 というのは本当にありがたいものです。

また、このようなイベントに関係者として参加させていただくと、そのタレントさんご本人ばかりでなく、それぞれの運営の方や所属事務所の方などにお会いすることも多々あります。

今回の会場にもそんな方々が何人もいらしており、ここでも昨年以来の再会もあったり、また新しい出会いもありました。
このような 御縁 も本当にありがたく、その1つ1つが何ものにも代えがたい大切なものです。




会場では 12:00 のチケット販売開始。
そして 12:30 の握手会開始へ向けての準備が進みます。

舞台上にはテーブルが ”コの字型” に並べられ、実際に23人のキャスト (当日2名欠席) が並んで、狭くないか、どんな具合かというのを事前に確認。

後方に設置されたスクリーンには昨年の公演の映像も流されるなどし、あとはイベントの開始を待つばかりです。

   
   


一方、チケット販売開始前の会場前には、開始30分ほど前になってもどなたの姿も見えませんでした。
関係者の間では、「スタッフの方が人数が多かったらどうしよう」 「本当に来ていただけるんだろうか?」 などと色々と心配する声も上がっていました。

実際、このような形のイベントの開催をかなり早い段階で発表出来ていれば、チケットの購入のタイミングをこの日に合わせていただけた方もいらしたと思います。
また、同時同時刻に他の場所で開催されている各種のイベントなどよりも優先していただけたのかもしれません。

やはりどんなイベントであれ、参加される方のことを考えると、少しでも早いうちに情報を出せることが大切ですし、同時にその魅力をよりしっかりと伝えていくことも大切です。
ですが、その部分が十分でなかった今回、やはりそのような心配の声が上がってくるのも必然的なことだとも思います。


しかしそれでも、チケット販売開始の予定時間直前には次第に少しずつお客様に集まっていただけ、この頃には20名以上の方に並んでいただけていたかと思います。

そこに至るまでに会場の中には、「1人来てる!」 「3人になった!」 「5人以上いる!!」 と、外の様子がスタッフの方を通して伝えられており、その数字が増えていくたびに、準備が始まった頃よりも安堵の表情を浮かべる関係者のみなさんがとても印象的でもありました。

   


握手会の開始前には私も会場の外と中を往復していましたが、入口前の列の中には何度となくお会いしたことのある方、いつもお馴染みの方も顔もチラホラ。
しばらくはそんなみなさんを外でお迎えし、初めてお会いする方も含めて色々とお話をさせていただいたりしながら時間を過ごしました。


今回の会場となった 演劇専用小劇場BLOCH は、初めて来る人にとってはとても分かりづらい場所にあります。
そんなこともあって、ビルの入口にはスタッフが2名立っていました。

スタッフの人数に余裕があるのであれば、このような対応はとても大事なことだと思います。
そんな一環で私も会場前をウロウロしたりもしていました。


また実際に、入場を待つお客様のところに行けば、事前に何か質問があればそれを直接伺うことも可能ですし、開場前にその疑問にしっかりとした回答を出すことも出来るはずです。

私自身がこのようなイベントに参加する側になった場合のことを考えると、入場前に自分の中で何か疑問があったり、把握できていないことがあれば、それは不安へと繋がると思います。

本当に大きなイベントになってしまえばそんな全てに対応することはなかなか難しくなってしまうのかもしれませんが、このように小規模で行なわれるイベントでは、そういう部分でのケアは、スタッフの対応1つで可能になると思います。
逆に、こちら側から事前にみなさんに対して伝えておきたいことや連絡事項があれば、紙に書いて貼っておくよりも、直接言葉でみなさんにお伝えした方がしっかりと伝わるとも思います。


入場か始まるまでの間、ただ並んで待っているというのは時間も長く感じるものです。
そんな待ち時間の中で、例えば会場内のレイアウトはこんな感じだとか、交流できる時間はどのくらいだとか、そんなことを可能な部分でお伝えすることによって、これから始まる握手会に対してのみなさんの期待度をより高めてワクワクしてもらうことも可能ですし、それぞれの色々な不安も払拭できるものだと思います。

今回のイベントを開催するにあたって、実際にそれぞれのキャストに対し、来場される方が1人あたりどのくらいの交流時間があるのかというような具体的な提示は、イベントの開催を発表した時点ではありませんでした。
これは、その時のお客様の人数によって変動してしまうため、事前に確定させられない部分であって仕方ないことですが、開場直前であれば、その場の人数からおおよその計算も立ってきます。

そんなことから私からみなさんに対しては、「流れ作業ではなく、ゆっくりと交流してくださいね」 とお伝えをさせていただきました。


また、この場所に立ってみなさんとお話をさせていただくことというのは、そんなみなさんからたくさんの意見や考えを伺えるチャンスでもあります。

短期的に考えれば、ここで出る意見が直後のイベントに活かしていけるものになるかもしれません。
長期的に考えれば、次のイベントや来年以降に繋げていけるものかもしれませんし、それらを参考により良いもの、よりお客様が望むものを作っていける機会にもなるのではないかとも思います。

私自身、ジャガイモンプロジェクト の様々な活動の中でたくさんの方と直接お話をさせていただけるチャンスがある時には積極的に色々な方と話したり、意見や提案を伺うようにしています。
そしてそれらを積極的に吸い上げて活かしていくことで活動の幅を広げてきたと自覚しています。

1つのイベントを考えると、主催者側にもスタッフやタレントの間で交わされる ”現場の生の声” というのがあり、お客様やファンのみなさんの側にも ”現場の生の声” というのがあると思います。
そしてこれらはそれぞれの立場の違いから、場合によっては噛み合わないこと、噛み合わせることができないことも多々あると思います。

ですがこれらを双方から吸い上げることによって、噛み合うようなポイントを探していく、近似値を見つけていく努力はできると思っています。


ジャガイモンプロジェクト の活動では、時として主催者側に立つこともあれば、逆にファンのみなさんと同じ側からイベントに参加することもあります。
また、過去には私自身がステージの上に立つ役割を経験したこともあります。

そんな様々な立場から、そして色々な角度から1つのイベントや1つの物事を捉えることができるのは ジャガイモンプロジェクト の強みであると感じていますし、これまで確実に培ってきたものだと自負しています。
特に、”ファンの立場” からという部分は、その運営や会社自体が大手になればなるほどその原点に戻るのは難しいと思います。

だからこそそういう意味でも ジャガイモンプロジェクト としては、そこはこれからも絶対に失いたくない、失ってはならない部分だと考えていますし、ジャガイモンプロジェクト だからこそ可能なこともあると思っています。


誤解を恐れずに書くとすれば、主催者側に立っている時にファンのみなさんから上がってくる声と、私自身もファンのみなさん側に立っている時にみなさんの間で交わされる意見には、ちょっとしたズレが生じていることが多々あります。
それは、受け取る側と発信する側の立場の違いや、ものを誰かに伝えようとする時に本意が伝わらなかったりすることによって生じるズレでもあると思います。

そしてこのズレは、時間や様々な出来事を経て小さなものが次第に大きくなってしまったりすることもあると思いますし、気付いた時にはお互いが違う方角を向いて走ってしまっていたということにもなりかねません。

そんなことからも、様々な立場のたくさんの方からの意見というのは、自分自身の中で常に鮮度を保っておくべきだと思っています。
それぞれの立場に立って考えられる力、そして感じることのできる気持ちは本当に大切だと思います。


全ては自分自身の糧になり、ジャガイモンプロジェクト の活動の重要な部分にもなり、イベント自体の肥やしにもなっていきます。

また、自分自身がその時にどんな立場でその場にいるとしても、みなさんと交流をさせていただく、させていただけるというのは単純に本当にありがたくもあり、嬉しくもあり、そして楽しくもあるのです。

そしてこれから経験や蓄積が、イベントやタレント運営を通じてファンのみなさんに還元できるのであれば、これは全ての人にとって ”win win” になるんだろうと思います。




12:00 にはチケットの販売がスタート。
順にみなさんが受付でチケットを購入され、そして再び入場するために並んでいただけました。

この後、当初の予定であれば握手会は 12:30 から開始の予定となっていたのですが、こちらは並ばれているみなさんの状況も踏まえ、15分ほど前倒ししてのスタートとなりました。
全ての準備が整っているのであれば、そういう柔軟な対応も当然ありだと思います。

   


会場の中に流れていくみなさんの姿を後ろから見ながら、私も一旦会場内へ。

中では 牛乳寒天なつみん さん を先頭に、最後の 鈴木花穂 さん まで23人のキャストがズラッと並んで順にみなさんをお迎えします。
そしてそんな列にお客様が進み、握手会スタートです。

当初は、「列が進まなくなったらハガシも必要」 というような話も出ていたのですが、しばらくの間は特にこちら側からのそのような誘導も行なわず、その様子を見守りました。
混乱と混雑が無いのであれば、お客様の自主性にある程度お任せするというのも、イベントを楽しんでいただくという趣旨の中では大いにありだと思います。


しばらくして、一通りの握手と交流を終わらせて列から出てきた方に伺うと、「始まりから終わりまでに10分以上かかった」 とのこと。

交流相手の人数も多いことは確かですが、それでも1回に10分以上かかる握手会というのはなかなか聞きません。
そういう意味では、いわゆる ”神イベント” ”神イベ” になったのではないかと思います。

少し離れた場所からそんな様子を見ていましたが、どの場所にもキャストやお客様の本当に楽しそうな笑顔が溢れていました。

会話の中身は聞こえなくても、お客様の後ろ姿やその様子からは、心の中のワクワク感やドキドキ感が伝わってくるようでした。
周りで見ているこちらまで笑顔になってしまう、そんな素敵な雰囲気の空間が、間違いなくこの場所にはありました。

   
   


キャストの中でも、普段からアイドルとして活動する人はこのようなイベントにも慣れていて、全体のイベントの流れも含め毛て特に何ら問題なく対応もできたのだと思います。
一方で、普段は役者としての活動が中心の人にはなかなか無い体験であり、更に中には今回が握手会初体験というキャストもいたようです。

スタート前にはある種の不安や心配を抱えていたキャストもいたようです。
ですが、始まってしまえばそんな経験の差も一切関係ないかのように、どこのどの場面を切り取っても本当に楽しそうな雰囲気が溢れていました。
そしてそんな様子を周りで見ている関係者の間にも、明らかにイベント開始前とは違った笑顔が溢れていました。

今回のイベントは、どんな立場の人にとっても、やって良かったイベントであり、間違いなくそれぞれにとっての素敵な時間になったようです。


大人気のアイドルの握手会で大行列ができ、1人あたり10秒も無いような、アッという間の体験もそれはそれで強烈なイメージ、そして思い出として心に刻み込まれるものになると思います。
ですが、今回のように1人1人としっかりと話しをできる、握手をできるイベントも、参加されたみなさんの心にはしっかりと刻まれるものになったのではないかと思います。

そんなみなさんの姿があまりに楽しそうで、そしてそれぞれのキャストの笑顔がとても眩しくて、私自身も受付でチケットを購入して握手会に参加したくなるほどの雰囲気でした。

ちょっと離れた場所から写真を撮影したりしながら少しゆっくりと見学もさせていただいていましたが、本当に全ての人が笑顔で楽しそうで、なんだかこちらまで大きな幸せをもらったような気持ちにすらなりました。

   
   


握手会の終了時間は 13:30 。
関係者も含めての現場からの退出時間の関係もあり、これは一切延長のできないものでした。

私自身も握手会が進む様子をしばらくはゆっくりと眺めていましたが、終了時間が次第に近くなるにつれ、残り時間を考えた時に握手の進行具合が少し遅いのが気がかりに。
チケットを複数枚数購入いただいたことによって交流券を複数枚お持ちの方もまだ列の中におられ、その消費具合も気にしなくてはなりません。

そこでスタッフの方と相談もしつつ、みなさんの手元に残っている交流券の枚数も確認しながら、お客様に対して終了時間などのお声掛けなどをしつつ、時間が残り20分を切ったあたりから少しずつ ”ハガシ” を実行。


今回のイベントを取り仕切る ELEVEN NINE さん には、事前に実際にどのような形でイベントを進めていけばいいのかなど色々と相談と質問も受けていました。
それに対して色々とアドバイスをさせていただいたりもしていましたが、そんな中の1つにこの ”ハガシ” についての相談もありました。

役者さんとしてはすごい方ばかりの ELEVEN NINE さん ですが、このようなイベントの経験はほぼ皆無とのこと。
そうなれば、そこは ”餅は餅屋” という諺もあるように、経験のある私がやるのが一番スムーズ。

そんなことから、お客様のすぐ近くで進行具合も確認しながら ”ハガシ” をさせていただきました。

   
   


ここでちょっとした出来事が。
私としてはごくごく普通に自分自身の知識と経験から ”ハガシ” を行ない、それに対してお客様も何ら混乱することもなくスムーズに指示に従っていただけていました。

するとこれを見た ELEVEN NINE のスタッフのみなさんが、「すごい!」 と声を揃えるように驚いていたのです。
私が後ろから少し声をかけただけで数名の方が一気に動かれたのが衝撃的だったそうです。

ですが私としては、お客様の後ろから普通にお声掛けをし、少し体に触れて誘導したにすぎません。
特に工夫もしてませんし、強制もしていません。

これはそれぞれのお客様が私からの声掛けに対してすぐに自主的に動いていただけだことによるものです。
全てはみなさんの良心とご協力あってのものです。
本当にありがたいかぎりです。
私はただそんなみなさんに、ちょっと声をおかけしたにすぎません。

実際にこれまでにアイドルの握手会などに参加した経験のある方は、その場での ”ハガシ” というのはどのようなものなのかというのをご理解されていると思います。
私はただそこに当てはまるように動いただけなのです。

でもやはり、そういう現場、そういう雰囲気を知らない人にとってはその光景、その結果は驚きをもって捉えられ、そして新しい経験にも新しい刺激にもなったようです。



この握手会が続く最中にも、たくさんの方とお話をさせていただきました。
そんな中には私が ジャガイモンプロジェクト の者であると気付いて声をかけてくださった方もいらっしゃいました。

その会話や時間の中にはたくさんのヒントがあったり、今後に向けて活きてくるようなこともたくさんあります。

そしてそんな1つ1つは本当に嬉しいことであり、楽しいものでもありました。
当然、私自身にとってもそんな全てがまた新しい経験であり新しい刺激でもあります。

   


イベントの残り時間が3分程度になってもまだ握手会は続いています。
それでも最後の方は更にみなさんのご協力もあり、こちらからの声掛けに従っていただけ、列がスムーズに短くなっていきました。

そして握手会の一番最後にはこの日のイベントで最多となる4枚のチケットを購入いただいたお客様が4枚目の交流券を消費。
残り時間が1分を切っていたこともあって、最後は一列に並ぶキャストとハイタッチをしながらのアッという間の一周となり、無事に定刻通りに握手会終了。

最後はスタッフからのご挨拶と共に、最後まで残って見守ってくださっていたお客様からの拍手もいただき、これで今回のイベント全てが終了となりました。

   


様々な兼ね合いや準備の都合などから、今回のこのイベントの開催発表がわずかに数日前になってしまったのは、普通のイベントと考えると明らかに遅い発表でした。
それでも実際に多くの方にご来場いただくことができました。
そして、そんなみなさんにはこの時間、この空間、そしてこの経験を心から楽しんでいただけたのではないかと思います。

本当にありがたい限りであり、チケットをご購入いただいたということに対してだけでなく、その想いや行動などに対しても、感謝の気持ちでいっぱいになります。


1つのイベントを開催するには、企画段階に始まり、実際に現場で様々な準備や作業にあたるスタッフがたくさんいます。
また、現場には直接入らなくとも、その開催に向けて準備に携わるスタッフもいます。

今回のイベントも、そんな1人1人のスタッフ無しでは開催できませんでした。

そしてそれはキャストのそれぞれにも言えることだと思います。
キャスト側にもマネージメントやプロデュースなどを手掛けるなど、周りでサポートするスタッフがおり、そこを含めると人数も相当な数になります。

ですが、やはり今回のイベントの全てにおいて誰よりも何よりも感謝しなければならないのは、実際に会場に足を運んでくださり、チケットを購入いただき、そして握手会にご参加いただいたみなさんに対してだと思います。
そんなみなさんの存在、そしてそのそれぞれの行動が無ければ、この会場はただただ関係者ばかりがズラッと並んでいるだけの空虚なものになってしまったはずですし、みなさんがご来場いただいたからこそ盛り上がったイベントでした。


ですが一方で、今回のイベントを早い段階で発表できなかったために、すでにインターネットなどを通してチケットを購入されている方にとっては参加したいけれどできないイベントなってしまったのではないかとも思います。
ここの部分は、私個人の想いとしても、正直心苦しい部分でもありました。

昨年の公演でも、本番数日前にチケット販売イベントを開催しました。
そんなことから今年も同様の開催を予想され、この日に備えてくださった方もいらしたようですが、全てがそうではないというのも事実だと思います。


アリスインプロジェクト さん の札幌での公演は今回が2回目。
まだまだ定着というには時間も含めて色々な壁があるのではないかとも思います。

そんな中で、このような交流イベントが必ず毎回あるということ自体が定着していくと、それも公演全体の魅力を上げていく素材の1つになるのではないかと思います。

チケットの購入で、これだけ大勢のアイドル・タレントと握手ができる、交流ができるというのは、単独のイベントとしても魅力があるものだと思います。
イベント開始前には関係者の間で、「チケットを購入する人以外にも、別に交流券だけを売るって言ってもたくさんの人に来てもらえるんじゃないか」 というような話さえ出るほどでした。

実際には別売りの交流券を用意はしないにしても、興行としてのイベントを考えると、交流ができるからチケットを購入しようという流れも生まれるかもしれません。
入口としてのきっかけはどこにあったにしても、これを期に舞台を観ていただけ、そしてその演劇自体にも魅力をより感じていただけるチャンスなるのであれば、そこには ”成功” という言葉がついてくるとも思います。

その ”成功” のために、主催者側で様々な入口を用意する、仕掛けていくというのも必要であり、そして有効な手段になるとも思います。


昨年の事を思い起こすと、私個人の見解として、当初は自分が知っているアイドル、応援しているアイドルを観に来たというファンの方が相当数いたように感じました。
そしてそんな方々の中には、実際に公演を観たり、キャストとの交流を経るなどして、当初の目的以外のキャストの魅力を発見したという方も多かったと実感しています。

実際、私がそんなみなさんから直接伺った声の中にも、「〇〇さんを観に来たつもりだったけれど、〇〇さんもすごくかわいい!」 とか、「〇〇さんのこと、詳しく教えて欲しい」 「〇〇って役の子、なんていう子なの?」 というようなものが多数ありました。

昨年の公演当日の交流や物販の様子を見ていても、明らかにそんな様子、そしてそんな変化が感じられました。
そして今回の握手会でも、キャスト23人と交流をする中で、そんな想いを感じられた方もいたのではないかと思います。

このような流れは、ご来場いただくファンの方にとってだけではなく、キャスト1人1人にとってもこれまでに出会うことのなかった人と出会える機会でもあり、そこにはこの先に繋げていけるようなチャンスもあるのではないかと思います。

また大きな括りで見れば、1つの公演そして興行主側にとっても、これは次以降へと繋がっていくものだとも思います。

チャンスはどんなところにもあると思いますし、逆に考えるとそのチャンスを逃すのは本当にもったいない。
そういう意味では、今回のイベントも開催して良かったのだと絶対的に言えるものでもあると思いますし、逆にまだまだもったいない部分もたくさんあったんだと思います。




今回の公演。
現時点でチケットはまだまだ残っています。

すでに公演のスタートまで10日を切り、稽古や様々な準備と共にチケットの販売自体もラストスパートといったところです。


現在は、それぞれのキャストがSNSを通じてアピールを繰り返したり、自らが出演するイベントでチケットを手売りをするなどしています。

そこにはそれぞれの得意な分野や手段があり、誰が素晴らしくて、誰がそうではないというのは基本的には無いと思います。
個々に努力があり、考えるところもあるのだと思います。


ですが、そんな中でも ちーしゃみん さん の努力は特に素晴らしいと思います。

ちーしゃみん さん は、タレントとして活動する傍ら、ニコニコ生放送でも ”生主” として人気の配信者でもあります。

ちーしゃみん さん はその得意分野を生かし、イベント前日の6日には札幌市内を移動しながら、準備したチケットを全て売り切ろうと、半日以上に渡っての生配信を行ないながらの手売りを行ないました。

最後は深夜の時間帯に突入し、周りの静止によって放送を終了したのですが、この努力や一生懸命さは本当に素晴らしく、凄いとか偉いとか、そんな簡単な言葉では片付けられないほどの事だと感心するばかりです。


イベント当日の7日も、声を枯らしながら現場入りした彼女の口から出た言葉は、「チケット売れ残ってすみません」 という一言でした。

あれだけ努力した姿は誰の目から見ても称賛されるものであり、何ら責められるようなポイントはありません。
それでも彼女の口から最初に出てきたのは反省の一言でした。

この日も現場入りするまでの間も手書きの看板を背負ってアピールをし、イベント終了後にはまたチケットを持って出発していきました。
そして、出発するまでの間も ちーしゃみん さん の口からは前向きな言葉がいくつも発せられていました。


昨年の公演でも彼女のひたむきな努力、そして一生懸命さは私には本当に印象的でした。
そして今年もすでにこの時点で、彼女の今年の公演に対する気持ちが伝わってきます。

他のキャストやスタッフ含め、全員が彼女と同じことを出来るとは思いません。
また、全員がここまでやらなければならないとも思いません。

しかし、ちーしゃみん さん は自分自身の得意分野を活かし、あくまでも自主的に、一生懸命に努力を重ねていました。

彼女のこの作品に対する強い想いは今後メディアなどでも取り上げられていく予定となっているそうなので、今の時点でここに書くことは避けますが、それでもこの努力は絶対的に特筆すべき事柄だと思い、紹介させていただきました。


実際、前日の彼女の頑張りを知った人が、「昨日の放送を見てちーしゃみんからチケットを買おうと思った」 と言って来場された方もいらっしゃいました。

努力はその全てが報われるわけではない。
しかしそれを見てくれている人は必ずいる。

そんなことを ちーしゃみん さん の頑張る姿を見て、私自身も再実感されられる想いでした。


この一生懸命さ、そしてひたむきな努力は、真似はできなかったとしても見習う部分はたくさんあると思いますし、大いに刺激を受けるものでもありました。

そんな姿を、「よくやるね」 と、笑って終わらせてしまう人もいるかもしれない。
「自分には無理」 と、挑戦すら考えようとしない人もきっといる。
「あの人はあの人」と、ただそれだけで片付けてしまう人もいるかもしれない。

でも、そんな頑張っている姿を見ている人、見てくれている人、わかっている人、理解し応援している人は絶対いると、私は思います。


(画像をちーしゃみんさんのツイッターからお借りしました)


今回のイベントを通じ、ご来場いただいたみなさんにとっては、直接キャストと会い、そして触れ合い交流することで、舞台本番への期待度も、そして楽しみも増したのではないかと想像しています。

一方で、今回のイベントに参加したキャスト自身も、たくさんの方から声をかけられ、そして直接その期待を伝えられたことにより、これからの稽古への励みにもなったと思いますし、本番に向けて背中を押してもらった気持ちになっていると思います。


ジャガイモンプロジェクト としてタレント運営を行なう過程でも、そして1人のファンとして様々な会場にお邪魔する時も、タレント側とファンのみなさんとの間には、心の部分でお互いを支え合う関係性をしっかりと感じます。

そして今回のイベントでもそんな様子を垣間見ることができました。

どんな立場の人もそこに1人で存在しているのではなく、色んな人に支えられ、そして誰かの支えになっているのだと思います。
「『人』 という字は人と人とが支え合って・・・」 と、どこかで誰かが言っていた気がしますが、まさにそんな関係性がここにも間違いなく存在していました。

今回の公演に出演できるということは、タレントさんそれぞれにとっては、それだけでもとても大きなことです。
タレントとしての次の、そして未来への大きなステップになっていくとも思います。

そして同時に、この舞台出演は、いつも応援くださるファンのみなさんへの恩返しにもなるのではないかとも思います。
そんなところにも常に ”支え合い” は存在しているのです。


昨年の公演でのあの大きな感動、舞台で躍動する女の子達の姿、そしてたくさんの拍手に包まれるあの会場を思い起こすと、私自身いまだに涙が出てきます。

今年も5月17日から21日までの全8公演の成功に向け、彼女達の努力はまだ連日続いていきます。
そして今、その幕が上がるまで、すでに残り10日を切っています。

舞台に幕が下り、大きな感動の波が会場全体に、そして出演したキャストや、観劇に来場いただくみなさんの心に届くのもあとわずかです。


昨年の公演を直接会場で体験された方にとっては、きっと昨年の出来事は心の中に大きな感動を残し、そして何ものにも代えがたいような経験になったのではないかと思います。
北海道初のガールズ演劇と銘打って公演されたあの伝説の中に、そんなみなさんも刻み込まれたのだとも思います。

そして今年ももうすぐ、コンカリーニョ でその伝説の第2章が始まろうとしています。


アイドルが好きな人にも観て欲しい。
演劇が好きな人にも観て欲しい。
そんなの好きじゃない人にも、だからこそ観て欲しい。

観なかった先に後悔はあったとしても、観たという事実の先には後悔はきっとない。


札幌で今年も紡がれていくガールズ演劇の世界。
そんな伝説の1ページに、ぜひたくさんの方に参加していただきたいと思いますし、参加いただけるみなさんにとっては、人生という名の伝説に刻まれる大きな1ページにもなり得る公演だと思っています。



どんな子が出演するのか事前に詳しく調べてみるのも楽しい作業だと思いますし、公演自体を楽しむための一助にもなると思います。

あの子って普段はどんな活動しているの?
このお芝居ってどんな人が演出してるの?
去年ってどんな感じだったの?
コンカリーニョってどんなところなの?
札幌の演劇界ってどうなの? ・・・
知れば知るほど奥が深く、想いも深くなっていくと思います。

逆に、一切の先入観を持たず、何ら調べたりすることもなく、真っ白な気持ちで会場の座席に着くのも楽しみ方の1つではないかと思います。



色んな人がそれぞれの想いでのぞみ、そして体験する「みちこのみたせかい」 札幌公演の幕はもうすぐ上がります。

そんな ”伝説行き” のチケットを手に、是非今年の春は コンカリーニョ で、「みちこのみたせかい」 を一緒に体験しましょう!

   

(レポート中の会場内の写真は、制作側の正式な許可のもとで撮影しているものです。二次利用は固くお断りいたします) 




キャスト

シングルキャスト
敷島 未知子  吉本 ほのか
井村 結  廣瀬 詩映莉
井村 解  久保田 れな (降板・5公演目から復帰)  →  宮田 桃伽 (代役)
アイ  駒野 遥香
織部 絹江  塚本 奈緒美
春日 花  長南 舞
立原 冬  横山 奈央
湯川 野枝  牛乳寒天なつみん
新井 ちか  長久保 桃子
村瀬 あおい  鈴木 花穂
鎌田 のばら  谷口 郁美
坂上 希美  羽美
水元 香苗  尾崎 綺澄
車谷 千鶴子  小西 麻里菜
林 真央 
西倉 晶  ちーしゃみん
倉橋 玉枝  岩杉 夏

ダブルキャスト
剣先 千代  (月組) 川辺 志穂 (星組) 西森 妃奈
古沢 加悦  (月組) 田中 優奈 (星組) 菊地 紗弥佳
加山 あけび  (月組) 藤原 千尋 (星組) 綾瀬 りの
卯月 温子  (月組) 脇田 唯 (星組) 橘 美羽




キャストのみなさんのツイッター
@aaayeahyeahyeah 綾瀬 りの @aryia_nsoe
岩杉 夏 @pesuuuuuuuu 羽美 @umi0825_jp
尾崎 綺澄 @KisumiOzaki 川辺 志穂
菊地 紗弥佳 @sayakakikuchi 牛乳寒天なつみん @milkan10_
久保田 れな @kbt_rena 小西 麻里菜 @sda_marina
駒野 遥香 @fruit_haru 鈴木 花穂 @SUZUKI_KAHO
橘 美羽 @miu_tachibana_ 田中 優奈
谷口 郁美 @i9_u ちーしゃみん @chisapinpin
長南 舞 @chonanmai 塚本 奈緒美 @naturalxnaomi
長久保 桃子 @mcmck1019 西森 妃奈 @hina_potechi
廣瀬 詩映莉 @hirose_udon 藤原 千尋 @pyon_angelman
横山 奈央 @NaoYokoyama0820 吉本 ほのか @non_non516
脇田 唯 @post_yui 宮田 桃伽 @Mars_mame4




スタッフ

演出 納谷 真大 (ELEVEN NINES)
原作・脚本 麻草 郁
舞台監督 上田 知
演出部 上田 知 / 岩杉 夏 / 城田 笑美
舞台美術 高村 由紀子
音楽 松ヶ下 宏之
照明 上村 範康
音響 大江 芳樹
ヘアメイク 曽根 基世志 / 大野いつか / 矢萩 律子
衣装 上總 真奈
票券 島崎 翼
デザイン 益子 晃
写真撮影 ヒロカワイ /  高橋 克己
HP 小和田 明
物販制作 小島 達子 / 澤田 未来 / 坂口 紅羽
映像 上田 龍成 (wavision)
振付 工藤 香織 (ダンススタジオマインド)
歌唱指導 木幡 周子
制作協力 小島 達子 (tatt) / カジタシノブ / 澤田 未来 / 菊地 颯平 / 坂藤 秀峰 / 堤 昇一 / 
ELEVEN NINE
当日受付スタッフ 佐藤 紫穂
企画 鈴木 正博
プロデューサー 美濃部 慶
制作統括 青柳 一夫 (MAGMA)
制作 アリスインプロジェクト
製作 アリスイン株式会社
協力 (50音順) エイベックス・マネジメント株式会社 / Casting office EGG / 劇団ひまわり /
サンミュージックプロダクション / ジャガイモンプロジェクト / JACM株式会社 /
テアトルカアデミー / DJ一戸建 / ニックプロジェクト / ハートビット /
北海道アイドルカレンダー / Voice Works Sapporo / ライブプロ



アリスインプロジェクトとジャガイモンプロジェクト



アリスインプロジェクト さんジャガイモンプロジェクト との最初の出会いは、さかのぼること 2013年

同年7月に士幌町 で開催された 第33回しほろっち夏祭り花火大会 に、アリスインプロジェクト さん が運営するライブアクトアイドル アリスインアリス にゲスト出演していただいたことが始まりです。


詳しくは当時のイベントレポートに記載していますが、1つの 出会い が色んな方との 御縁 に繋がり、そしてそれがやがて 大きな形 となったと言えるのがこのイベントでのゲスト出演であり、その後における様々な活動の始まりでもあったと思います。




イベントへの単発的なゲスト出演というものは、イベント運営側とゲスト側の関係性は得てしてその場限りで終わってしまいがちなものですが、ジャガイモンプロジェクト においてはこの 出会い をその場限りで終わらせるようなことはしません。

出会っていただけた、そしてお世話になったという気持ちは絶対にその後も続くものであり、その継続するものこそが 御縁 だと思っています。


ジャガイモンプロジェクト が活動の中で最も大切にしているのは、様々な 御縁 です。

そんな 御縁 の中で、ジャガイモンプロジェクト の創成期に近いこの頃より、長い期間において様々な場面でお世話になり、時としてヒントをいただき、また新しい 御縁 へと導いてくださっているのが、アリスインプロジェクト さん です。

お互いの名称が何となく似ているのは結果的偶然ですが、兎にも角にも現在に渡って本当にお世話になっています。

大袈裟な話ではなく、アリスインプロジェクト さん と出会い、そしてその後の 御縁 が続いていなければ、きっと ジャガイモンプロジェクト の活動は今とは大きく違った形になっていたと想像します。
そして、あれ以来たくさん生まれている数々の新しい出会いや 御縁 も無かったものと思います。

本当にありがたいことです。




アリスインプロジェクト さん と2回目にお会いしたのは 2014年3月
夕張 で開催された ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014 の時でした。

この時は アリスインプロジェクト さん が企画制作した映画 「鐘が鳴り、少女達は銃を撃つ」 がワールドプレミア上映されましたが、そのイベントへのお誘いをいただき、関係者としての参加をさせていただくことができました。




普通ではとても体験できないような貴重な経験の数々。
そしてここでもかけがえのない新しい出会いがありました。

全ては アリスインプロジェクト さん にこの場に誘っていただいたからこそです。




2015年4月 には、アリスインアリス が再び北海道に。
この時はライブイベントやインストアイベントへの参加のため、札幌 に3日間の滞在となりました。

ジャガイモンプロジェクト としては、2日目、3日目の2日間、関係者としてイベントに密着。
ここでもまた貴重な経験をすることができると共に、新しい 御縁 も数多くいただきました。




懐かしい再会あり、またあの時のような楽しい時間もあり。
しかしどれも全てが、1回目があったからこその2回目であり、そして3回目でした。




2016年5月 には、アリスインプロジェクト の舞台が北海道に初上陸。
北海道初のガールズ演劇として、「 アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO 」 全8公演が、ゴールデンウィークの5日間にわたって、札幌・ コンカリーニョ で行われました。

こちらでは、4月中に行なわれた チケット販売イベント に参加させていただき、小屋入り前日の 稽古場を取材
更には本番も4日目、千秋楽を 密着取材 させていただきました。

計4日に渡っての 特別出張 、更には事前事後の発信などを通じて、少なからず 広報的役割 を果たすことができたのではないかと自負しています。




この公演を通じては、これまでのものとはまた違った本当に貴重な経験の数々、そしてまた新しい出会いと 御縁
この場所で関係者として携わらせていただいた時間は、夢のようでもあり、奇跡のようでもありました。




そして今回は アリスインプロジェクト さん との5回目。
北海道再上陸となる アリイスンプロジェクト さん の1年ぶりの公演は、「 みちこのみたせかい 」 。

そんな公演に、当プロジェクト所属タレント・ 羽美 が出演させていただけることとなりました。
ということで、私はタレントをプロダクションする立場としても参加させていただきます。

そして私自身としては、昨年同様に様々な場面での取材にも入ります。
やはり昨年同様に、事前事後に渡っての情報発信にも力を入れていきます。


この項目も、昨年のレポートで使用したものを修正加筆する形で掲載しています。
当然昨年のものよりも長文になっていますが、それだけ アリスインプロジェクト さん とのお付き合いが長くなっているということで、嬉しいかぎりです。


今年のこの公演も、ジャガイモンプロジェクト 目線で、全力取材、そして全力応援をさせていただきます!




 
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